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小説書いたのだが

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/24(日) 21:02:28 ID:Q5ersv/i
小説版 http://www.geocities.jp/hey2chsyo/index.html
漫画版 http://www.geocities.jp/rebellion_manga/index.html

雇われ店長氏による漫画版《リベリオン》は週刊少年VIPにて
連載中です。

週刊少年・ヤングVIP http://neetsha.com

2 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/24(日) 21:31:02 ID:Q5ersv/i
 白く輝く星々が銀河を形成し空をきらびやかに彩っている。フォリオ銀河、ジュルジャジイ銀河、ミサシヴィ銀河。
ダイヤモンドや白金のような、しかしそれらでは決して放つことのできない光彩をまとう銀河たちの名称をオレは完璧に答えることができる。
男は宇宙や深海など神秘的でかつ科学的な源を持つものに惹かれるものである。小さい頃は兄が“ポンでアイドル”を見ている横でよく図鑑を読んでいた。
広く散る銀河団、光を失った深海魚、まだ誰も見たことのない古代の恐竜などは科学者に憧れていた当時のオレを魅了した。
今もまだその夢は心のどこかへと置いてある。いつかそれが手元で鼓動し始めるのを待ちながら。

3 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/24(日) 21:51:53 ID:Q5ersv/i
「どうしたリュー…」
急にぎょろっとした目を巡らせるリュークの様子に気付きふと見ると、眼鏡をかけた先時の女性がこちらへ歩み寄ってきた。
さすがに細々とした装備はしておらず、迷彩のロングパンツに黒の半袖Tシャツといった軍スタイルに身を包んでいた。
それでも手には警戒のための小型ライフルを携えており腰にはサバイバルナイフが携帯されている。
夜の襲撃には常に気を配らねばならない。
「今日は蒸しますね。あら、その様子だと湿度が高いのは慣れてなさそうですね」
彼女は、麻のYシャツにハーフパンツという戦場とは思えないオレの格好を見ながら地べたに腰を落とした。
手にしていた冷えた銀河ラムネをオレとリュークにくれると彼女は自分のラムネの蓋をあけ喉を潤した。
さて、リュークはこのラムネをどれ位の時間で口にすることができるかな。


4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/24(日) 21:52:18 ID:???
>>浜田氏
おっつー
やっぱりこのタイトルが一番しっくりくるな

5 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/24(日) 22:11:42 ID:Q5ersv/i
「星っていうのはいつも同じように輝くものなんですね。規則正しく並んでいつも綺麗な光を私たちに見せてくれる。
一つでもいいから欲しいな」
ちなみに科学的に言わせてもらうと星はそれ自身が輝いているわけでもなく、殆どが恒星と呼ばれる自ら光を放つ天体に照らされ輝いて見えるのである。
それが手元にあっても光は発せず輝くことはない。そもそも星を手にするなどそれこそ語り話の中だけであって、
引力圏脱出や真空克服などの難題を莫大な資金を投じてやっとこさ宇宙に飛び出してもシャトルの何倍もの質量をもつ星など持ち帰ることはそれ以上の難題であり、
そうまでして持ち帰る価値もない。だがそれはあくまで現実であって。子供が“シャトル打ち上げにかかる費用は国家予算に大変な圧迫を与え…”
とか言い始めたらこの先の科学はおしまいである。金の対価はいつもすぐ表れるとは限らない、未来にそれがあるときもあるのだ。


6 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/24(日) 22:28:13 ID:Q5ersv/i
「国もいつの世も変わりなく平穏であればいいんですけどね」
それもわからなくはないが変化のない世もなあ。やはり節目節目には政権交代とか動きが欲しいものだ。
ただ最近はその手段が人道とは外れたものになりつつあるわけではあるが。
戦争、クーデター、暗殺。政治の世界にも権力以外の力が意味を持ち始める流れができつつある。
核や兵器を扱う人間がそれらの力に翻弄されては意味がない。
「一条さんはどうしてこの国に来たんですか。ある企業の社長さんなんですよね? 神父さんに聞きました。
なんでも“ザイールの救世主”と呼ばれ裸一貫でその世界のトップに上り詰めたとか」
まずラムネ瓶の構造を理解するところから始めたリュークを尻目にオレは見えないように封を開け口をつけた。
その喉越しはまさに銀河世界である。リュークめ、冷えた内に飲まないと銀河がブラックホールに呑まれてしまうぞ。


7 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/24(日) 22:42:44 ID:Q5ersv/i
「では今度は《東の社長メシア》の称号がつくかもしれんな。オレは困っている人々を救いに、単なる暇つぶしとして来ただけだ。
これといった魂胆もないしリディアのように見返りを求めて加勢している訳でもない」
その言葉には嘘がやや混じってはいたが彼女は特に疑問に思うこともなく、夜空を見上げながら聞き入っている。
音が止んだのを察し見るとリュークは瓶をいじる手をとめ、にやにやしながらこちらを見ていた。まるでオレの心を見透かしているようだ。
「そうですか。マーフィさんも同じようなことを言っていました。“見返りを求めて戦場に来る奴なんざいねえ。皆、命を張って戦うんだ”って。
この国を守るべき立場の人の殆どが逃げ出したっていうのに…。一条さんたちは優しいんですね、ありがとうございます」


8 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/24(日) 22:43:53 ID:Q5ersv/i
ちょっと休憩。。

9 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/24(日) 23:25:59 ID:Q5ersv/i
すいません、今日は気分が乗らないのでここまでにします。
申し訳ないです、、

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/25(月) 14:50:29 ID:???
保守

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/25(月) 21:45:48 ID:???
てす

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/25(月) 21:46:23 ID:???
tesutesu


13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/25(月) 21:46:45 ID:???
   

14 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/25(月) 23:22:20 ID:vmFyOurE
そういえば結局あの男の正体は分からずじまいだ。ブラックリストに載っているということは相当な危険人物であると思うのだが。
もしかするとこの間の白髪やカメレオン女の仲間だったりするかもしれない。
そうであれば味方のうちはいいがこれまた面倒なものを抱え込むことになるな。
隙あらば始末したいところではあるがこちらの戦力不足も否めない。
今まではローレンス一人でもやってこれたが前回の件にしろ今回の件にしろ、
政府やそれに相当する者たちが相手だと個人レベルではどうにもこうにも行かない。
反乱軍側のフォース使いがどれ位かは知らないが、
白髪やあの銀髪の男のような強さを持っているのであればローレンス一人では厳しいものとなるだろう。
今回はリュークも戦力に数えられるがもう少し手が欲しいところでもある。
マーフィもまだ力を隠し持っていそうだし今は彼にも協力してもらうほかない。後のことは後で考えよう。
「明日も早いしもう寝ます。そういえば名前言ってませんでしたね、ユフィアです。覚えて下さいね」
彼女はそう言いながらリュークのラムネを開け手渡した。
ラムネも開けられない奴に命を預けられるだろうか、そんな想いをオレは心にしまった。
「思ったんですけどあなた一体、何なんですか?」
何をいまさらといった感じで疑問視を投げかけるユフィアにリュークも今さら飲み始めたラムネを片手に彼女のほうを見据えた。
月夜に浮かぶ死霊、なんとも不気味である。
『俺はリューク、死霊だ』
ユフィアはくすくす笑いながら闇に消えていった。


15 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/25(月) 23:23:39 ID:???
 「おやあ、また海外に出張かね。護衛官ってのは色んなところに行けていいねえ」
事務員のおばちゃんは国外出許可申請書を受け取りながら見上げるほど背の高い男にそう言った。
以前にも彼はここ司法省に手続きを行いに度々訪れており事務員にも顔を覚えられていた。
司法省にはさまざまな人が訪れるがこの護衛官は群を抜いて背が高かったため、ひどく印象に残っていた。
「確か前はウェストコールだったよねえ。もしかしてあんたが西政府を潰したのかい?
 さすがは政府の誇る護衛官だねえ、この国も安泰安泰」
さっさと申請を済ますと彼は愛車のメーセデスに乗り込み司法省をあとにした。
出口門で外部を警備する護衛官が敬礼をしているのが見えたが返すこともなくアクセルを踏み込んだ。
しばらくしていつもの場所にいつもの車が停めてあるのを見つけブレーキを踏んだ。彼はウェストがなぜこの店に通うのかを知っていた。
幅広くとはいかないがコアな固定層を持つ“猫コーラ”は大抵の店に置いてある。
ここはウェストが籍を置く司法省からはいくぶん離れておりその司法省のストアにも勿論置いてある。
そして彼は護衛官の既婚率が極めて低い理由も十分にわかっていた。
ウェストも上級護衛官であるならば勿論それを理解しているはずだろうと思いながら店の中へと入っていった。
店内は相変わらず客はいない。


16 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/25(月) 23:24:30 ID:???
「いらっしゃ…」
店員は彼を見ると接客の言葉を止め向ける目を変化させた。胸に付けた政府のエンブレムは見間違うはずもなく彼女は明らかな軽蔑の目で彼を捉えた。
ウォークインのほうから瓶を二本抱えてレジに寄ってくるウェストが彼に気付いた。上着は着ておらず、Yシャツにスラックスといった見慣れた格好をしている。
普段からあまり上着は着ないことは知っているがそれも確信を持つ一つの判断材料となった。店先に貼られた反政ポスターには目を通してある。
「よう。ウェスト」
店員は急に表情を変えながら彼からウェストへ視線を移した。置かれる瓶をスキャニングするのも忘れしばし呆然とした感じでつっ立っている。
「会計をお願いします」
財布を取り出しながら会計を促すウェストの言葉に気を取り直してバーコードを読み取る店員をあざ笑うかのように彼はレジに近寄った。
ウェストと並ぶとその大きさが際立つ。
「接客業は客をそんな目で見ちゃいけないな。癇に障る店員のいる店なんざすぐに閑古鳥が鳴くぜ、ここみたいにな」


17 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/25(月) 23:26:00 ID:???
彼女は商品を詰めながら彼の皮肉を半分聞き流していた。
今までも政府の人間が買い物に来店したことは何度かあるが、祖母がいるときはいつも会計を断り追い出していた。
彼女が一人で店番のときは一応販売はしていたが確実に客足は遠のいた。官公庁が近いこの辺での政界人拒否は薄利多売の小売りでは致命傷である。
彼の言うことは間違っていないがそれでもどこか憎らしい警告だった。
「あの…、あなたも政府の方なんですか」
恐る恐る客人に本来なら失礼である質問を口にする店員に彼は何となく、悪いことをしたなという滅多に抱かない感情を覚えた。
別に嫌がらせをするために立ち寄ったわけではなく、ただ同僚を気に掛けるという人間本来の行動をとったまでである。ただ彼は不器用であった。
「ええ。ここにいる彼と同じく護衛官をやっています」
そこで再度、彼女は表情を驚きに変え小銭をすくう手を止めた。両方とも武器も携えておらずスーツ姿であったため、まさか護衛官であるとは思いも寄らなかった。
ノッポの男の胸をよくよく見ると星が四つ鈍く輝いている。前に腰に剣を携え来店した護衛官も胸に二つの星を付けていたが一目で護衛官とわかる制服を着ていた。
いつも感じよく買い物に来るこの人が護衛官だったなんて。彼女はショックを隠さずにいられなかったがそれでも普段渡すことのないレシートと一緒に釣りを彼に手渡した。
ウェストはそれを黙って受け取ると背を向け店を出ようとした。


18 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/25(月) 23:27:09 ID:???
区切り忘れた・・・・
今日はここまでにします。

19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/26(火) 00:39:55 ID:???


20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/26(火) 16:52:31 ID:K849Mik3
わくわくてかてか

21 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/26(火) 21:29:24 ID:???
「おっと。すいません」
扉をウェストに譲りながら入ってきた客はかごを取るとウォークインへと向かった。
その顔に見覚えのある感じを得たウェストはテムジンの横を抜け、ひじきオレを大量にかごに投げ入れるその男に近寄る。
店員は一体何事かといった様子でレジから顔を覗かせる。それは客への関心というよりひいきにする常連へのものであった。
「いい趣味してるな。健康好きな犯罪者とは治安省も予想だにしないだろう」
「え? もしかして政府の方ですか」
テムジンは男に見覚えはなかったがここでいう犯罪者とは、護衛官をもってしか排除できない人間のことを指す。
無意識に手を腰の脇へとやるがそこにいつもの得物がないことに気付き、ウェストに任せることとした。
そして彼はレジの下に並ぶガム・飴類を眺めながらどれが一番、今の気分に合うか選び始めた。
「そうだ。今日は運がなかったな、この店は俺のお気に入りなんだ」


22 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/26(火) 21:30:39 ID:???
そういい終わるとウェストは無防備の男の顔面にストレートを見舞った。かごから十本のペットボトルがフロアタイルに散らばり、
男は体ごと商品棚へと投げ出された。
彼女は異変に気付きすぐさまレジを飛び出したが、レジ前にいたテムジンに首襟をつかまれ足を止めた。
振り向くと商品がレジ上に置かれている。
「これ頼むぜ」
「政府の方に売る商品はございません」
再度ウォークインへと視線を移すとウェストの二度目の拳が腹部へと入ったが、男は吐血しながらも体を起こした。
散らばったひじきオレに目を配らせながら男は店員に顔を向けると一つ頭を下げた。この客を彼女は知っている。
いつも健康食品を購入していく、彼もまた常連であった。
「ははん。ウェストの野郎、俺と同じく車の中に忘れたな」
五人の中で制服の一部分であるクリスタルソードを常備しているのは《エリー》だけである。
度々、上より注意を受けていた四人だが改善の意志はなかった。
トータルの礼美を重んじる背広組みと実益を重んじる制服組とは隔たりがあり仕方のないことだとテムジンは考える。


23 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/26(火) 21:31:51 ID:???
「ネイビー=テスタロッサ、懸賞金は百を超えていたな。こいつはカダフィへのいい土産になる。
この場で殺して死体を宅急便で治安省に送ってもいいが」
男は反撃の意志を表すこともなく、ただ息を切らしながら表情を歪めている。
店員はウェストが嘘をついているとは思わなかったが本心から自らの意志とは少々はずれたことを口走った。
「殺すなんて言わないで下さい! 無抵抗なんですから連行すればいいじゃないですか。今、治安警察に連絡します」
レジ脇の緊急回線を彼女は急いで取るとその旨を受話器先の人間に伝えた。今から七分ほどで警察官が来るそうだ。
見るに男はもうまともに動けそうもないがウェストはさらに一発、蹴りを彼の側頭部へと放った。
そのまま彼は天を仰ぎながら後ろの健康食品コーナー棚に体を寄りかけ、商品と共に床に崩れ落ちた。
何もそこまでしなくてもよいのでは、彼女はそんなやるせない気持ちを抱いたが犯罪者であるならば仕方ないかと考えた。それでも…。
「ち、手ぶらじゃなきゃ目の届く範囲で始末したんだがな」
拳におびただしい程の血を滴らせながら、銀髪の常連は店を出て行った。
店内は広がる光景とは対照的に有線が流れるだけの普段どおりのものとなった。
男はもうピクリとも動く気配はない。


24 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/26(火) 21:32:58 ID:???
「倍額払うから売ってくれよ。どうせ店の修理費はうちが出すんだぜ。額面は少し多めになるはずだからばちは当たらないと思うがな」
しつこくフリクスのエンドウ・テイストを買おうとするそいつに店員は今までの政府の人間とはまた違った嫌悪感をもった。
どことなく教養を感じない。
「定価で結構です。それと当店ではマネーカードはお取り扱いしていません」
財布からプラチナカードを造作もなく取り出したテムジンに向かい、事務的な口ぶりで彼女はそう告げた。
彼は店員を睨みながら舌打ちするとフリクスを手にしポケットにしまい込んだ。政府の人間は万引きも公務の一つなのか。
「支払いは治安省に回してくれ。領収書は“カダフィ殿”で頼むぜ」
そのまま彼は大きな背を揺らしながらすたこら店内から出て行った。仕方なく彼女は領収用紙に書き込み印を押すと壁に貼り付けた。
後で修理費用の領収書と一緒に持っていくか。
「すいませんね、店荒らしちゃって」
ピンを持つ手をびくっとさせ声のほうを向いた彼女は息を呑んだ。先ほどの男は額から流血しながらひじきオレの封を開け口をつけていた。
素人目で見てもあれだけまともに殴られたら当分は再起不能である。彼女は店内の時計をちらっと見やった。
まだ通報から四分しか経っていない。


25 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/26(火) 21:34:13 ID:???
「さすがは世界政府のフォース使いですよ、まったく。あ、いやね、私は抵抗しなかったのではなくできなかったんですよ。
何故かって? あのノッポの男ですよ。
彼、レジ前にいながら私に凄いプレッシャーをかけてくるんですよ、まあフォースを持たないあなたにはわからなかったでしょうけど。星を四つ付けていましたね。
彼はゴッドハンドでもマスターハンドと俗称されるフォース戦のプロですよ、それも超が付くほどのね。
多分、あの銀髪の彼もそうでしょう。能力こそ使いはしませんでしたけど彼も相当なものだと感じました」
男はべらべらと逐一しゃべると手にしたひじきオレを飲み干した。そして額の血を拭うと彼女の心配そうな視線に気付き、懐から血まみれの財布を取り出した。
「ご心配なく。お金は払いますよ。これでも盗みは嫌いなんですよ」
「あ、そうじゃなくて…」
彼は現金を持っており領収書をきる必要はなかった。ただ受け皿に放り置かれた硬貨に付着した血痕は銀行への説明が面倒になりそうだなと感じた。
何と説明したらいいだろう。
「治安警察の者です。指名手配犯を拘束したとの通報があり駆けつけました。どいつですか」


26 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/26(火) 21:35:47 ID:???
扉を開け二人の警察官が入ってきた。彼女は一瞬、判断に困り果てた。
そういえば目の前にいるこの男は賞金首の凶悪犯なんだと認識するのにさしたる時間は要しなかった。
彼女が嫌いなのは政府そのものではなく正しくない全てのものである。
「この人です。先ほど護衛官の方がおっしゃっていました」
血まみれの男を警戒の目で睨みつけると二人の警察官は銃を抜き、店員にこちらへ来るようにというジェスチャーをした。
彼女は指示通りにレジを駆け足で抜け出し警察官の背後へと回りこんだ。男はにやにやしながら佇んでいる。
くそ、こいつはフォースを持つ殺人犯じゃないか。護衛官はなぜ殺すか気を失わせるかしなかったんだ。
我々、治安警察は武装していないんだ、フォースを持った人間など相手にできるわけないじゃないか。
「両手を挙げろ」
男は指示に素直に従うと表情を一転して険しいものとなった。警察官は男の両足に一発ずづ撃ち込み逃走を図れないようにした。
いくら負傷しているとはいえフォースを使う人間はフォースを使うものにしか扱えない。
近くの省から護衛官を派遣してもらおうとベテラン警察官のジルは考えていた。


27 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/26(火) 21:36:59 ID:???
「アス、無線で本部に連絡しろ。ゴールドハンド二人をここに呼ぶんだ。この男はその辺の犯…」
その瞬間、ジル警察官の首にナイフが突き刺さった。彼はその場に倒れ、何か喋ろうとするが器官に血液が流れ込みごぽごぽ言いながら息絶えた。
彼女は噴き出す鮮血に悲鳴をあげ腰を落とし、アス警察官は構えた引き金をとっさに引いた。
だが弾が発射される前に二本のナイフがその額に突き刺さり、今年着官したばかりの若者の命を奪った。
殺人犯の左手にはまだ二つのナイフが携えられており、彼女はこみ上げてくる恐怖に体の自由を支配された。
今日は悪夢のような一日だ。そしてその夢から今醒めようとしている。
「あの銀髪の客の名前を教えていただけますか、お嬢さん」
「…は…あ……ウェスト…です…」
それを聞くと死体の合間を器用に辿りながら男はゆっくりと歩みだした。その表情はまた先ほどのようににこやかなものに変わっている。
しかし彼女にはもうそれが何を意味しているのか判りえるところではなかった。
「ゴッドハンドのウェストか。面白い」
店内は数十分前と同じく店員一人だけとなった。


28 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/26(火) 21:37:46 ID:???

------------------------------------区切り----------------------------------


29 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/26(火) 22:17:44 ID:???
今日はここまでにします。。

30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/26(火) 22:19:56 ID:???
乙カレー

31 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/04/27(水) 23:09:15 ID:???
 「サングラス、あらあかんわ。言うなれば能ある鷹は爪を隠すってところやな」
やむなく傷を負うことを覚悟し完全に逃げにまわった事で追跡を振り切った着物の男は、人気のないがらんとしたある街に戻ってきていた。
中央のベンチには彼ともう一人、がっちりした体で軍服を着こなした男がいた。男が付ける勲章は全て、東政府より受け取ったものである。
元の肩書きを東正規軍・中佐とするキリングは現東政府の方向性に失望し、完全なる独立国家を目指す反乱軍に流れた口であった。
今は反乱軍の軍将としてその身を投じている。
「まあその爪で首をかかれず済んでよかったと思うべきですな。
戦闘では意表を突くことが重要なのを彼は知っていた、しかし同時に逃がすという愚かな事をしたのです」
キリングの頬を刃がかすめ血線を描いた。流れる少量の血を指で拭きながらキリングは軍部での教訓を思い出した。
上司との会話にポジティブ要素は不要である、ただうなずいていればよいと。


32 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/04/27(水) 23:10:30 ID:???
「まるでわいが死んで欲しいような言い口やな。少しは考えて物事を言うたほうがええで」
小太刀を手にしながら着物の男は少々カチンときたキリングの言葉に釘を刺した。
彼にキリングを殺すことなど造作もないことだが、貴重な人材を感情のそれで失ってしまうのはキリング以上に愚かである。
「そいでリーダーたちはもうアムステルに向かったんかいな」
街には彼ら以外の気配はない。かつては首都への中継点として賑わい、多数の住民が行き交ったこの街はもう随分前に過去を失った。
大半の者は反乱軍の手から他町に逃れたが、中には抵抗するものもいた。今は街の西にある共同墓地に放り去られている。
この街は歴史上より姿を消した。
「ええ。私もあなたと落ち合い次第、合流しろとリーダーが」
イーストサン各地を結ぶターミナルとして機能していたコーカスを占拠した反乱軍は戦況を掌握しつつあった。
そしてその手を既に中枢都市・アムステルへと伸ばしておりキリングも早々に本隊に合流し指揮を取らねばならない。
有利な状況とはいえ首都であるアムステルを落とすのは容易ではないことは、
軍時代よりそこで防衛に従事してきた彼自身がよくわかっていたが失敗する気などまったくない。


33 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/04/27(水) 23:13:01 ID:???
「そうかいなそうかいな。ほなわいらもぼちぼち行こか、敵の本城へ」
着物の帯を締めながら男は小太刀を携え歩みだした。キリングも人一人いない廃墟街を行きながら空を見上げた。
思えば東側の軍事衛星レーダーを破壊しておいて正解だった。
リーダーやココロ兄弟はそこまでする必要はないと言っていたがキリングは強引に押し切って、最も恐れるべき空の目を奪った。
リーダーや吏、それにこの男もそうだが彼らは兵器戦をそもそも理解していない。
イージス艦にしろ潜水艦にしろ戦闘機にしろ、目を失うことは弾薬が尽きることと等しく致命的となる。
「もしかしたら追いつく前に終わってしまうかもしれへんなあ」
その可能性はお前が考えているほど低くはないとキリングは思った。
じっくり攻める戦略を選んだリーダーに進言し本隊をアムステルへと進軍させたのは、東政府側に潜り込ませたスパイより正規軍のコーカス総攻撃の情報を得たからである。
潜り込ませたスパイはキャンプ地で買収したような素人ではない、この情報は確かなものであるとキリングは得ていた。
「ジンナイさんの力はいつでも必要ですよ」
場は整えてやっているんだ、あとはお前たちにしっかりやってもらわねばな。
「ここコーカスともおさらばや。次はアムステルで足のばそか」


34 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/04/27(水) 23:14:25 ID:???
-----------------------------区切り----------------------------------------

 ダックドライブ(鳥類・ダック科) 生息地…イーストサン全域  主に砂漠のラクダ的存在としてタクシー代わりに利用される。
料金は一律一万Gで乗り捨て可能。
「おおおおおおおお」
首都アムステルまでそんなに距離はない。だからこそ最速の手段でせっかちに足を進めるのもいいのではないだろうか。
残念ながら戒厳令下であるこの国は現在、列車や民間タクシーなどの交通手段が制限されておりなかなかスムーズに旅が進まない。
そこで今大人気なのがこれである。一匹に二人まで乗鳥可能で三匹〆て3万Gなり。
その速度は高速列車すらも追い抜くに達し、酸素マスクは必須となる。そして不覚にもオレは見た目から着用を拒否したのであった。
「一条さんって結構バカなんですね」
道なき道をもの凄い速度で行く五人と一体は首都への駒を詰めていた。駆け抜ける風景はリニアモーターカーに乗った時のものによく似ている。
全て同じ光景に見える街並みは建物の判別さえ不可能である。ユフィアの声もかすれてしか聞き取れない。


35 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/04/27(水) 23:15:17 ID:???
「くそ、係員には素直に従うべきであった。リューク、お前のを貸してくれ」
ユフィアの後ろに乗った(正確にはどうだろう)心優しい死霊は、一応装着したそれをこちらに向かい投げた。
だがコントロールは天下一品で、ユフィアの後頭部に衝突した酸素マスクは地に落ち転がった。
そして刹那でマーフィ・モート総長ペアがそれをあえなく粉々に踏み砕いた。
思えば車から車へ物を渡すことすらも困難なのに無謀であった…。
「信之助様、生死の境目をさまよっている場合ではないようです」
ローレンスは自分の酸素マスクをオレにややずれながらも付けると、耳元で大きく叫んだ。
見るとウェストコールで見たような武装集団が軍隊の進軍のように移動をしていた。はためく軍旗には東政府のエンブレムが確認できる。


36 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/04/27(水) 23:16:53 ID:???
「あれは正規軍ではないか」
ミサイルが一発、オレたちの前方に着弾した。北京ダック(オレが乗っているダックドライブの名前)は素早く爆風の範囲内を離脱し後続との衝突を回避する。
さすがは戒厳令下を走り抜ける最速鳥だ、なかなか利口ではないか。
「ついにコーカスに進軍を始めたか。東政府め、リディアの援軍を待たずして反乱軍を鎮圧する気か」
もしリディアとの連合軍という形での結末を迎えれば東政権は根底が揺らぐだろう。自国の内争も散らせない独立国家など存在を認められないだろう。
西のように軍事的占拠は免れても、世界サミットで他の三国と対等に席につくことはできまい。だが早すぎる。
軍事戦はともかく、フォース戦ではオレたちが居なければ正規軍の敗走は確定的である。リディアが既にゴッドハンドを派遣しているとも考えられない。
政府は例の対フォース技術をもってして総攻撃に応じるつもりのようだが彼らは強大なフォース使いの力を知らないのだ。
「あれはアムステル常駐の国家防衛軍です。いわば正規軍の中核、何でわざわざ首都を離れてまで…
これではアムステルは反乱軍どころか他国のたった一発の長距離ミサイルで陥没してしまう。大統領は何を…」


37 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/27(水) 23:17:56 ID:???
今日はここまでにします。ご愛読いつもどうもです。。
ってかここ人いるのかな・・

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/27(水) 23:22:03 ID:???
少なくとも俺は見てる

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/27(水) 23:32:47 ID:???
上に同じ

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/27(水) 23:36:39 ID:???
一昨日から一気に小説と漫画読んできますた
これからもガンガって

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/28(木) 00:12:00 ID:???
俺も毎日楽しみにしてる。
今日も乙〜。

42 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/28(木) 01:03:01 ID:???
応援どうもです、、
頑張りたいと思います。

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/28(木) 11:06:42 ID:???
ニュ速みたいに通りすがりの読者とかはつきにくそうだから
浜田氏のテンションも上がりにくいかもしれんけど、
初期からのファンとしてはここで落ち着いてがんばってみて欲しい親心(?)

少なくともここまで見に来てる人はホントに浜田氏を応援してると思うよ
自分と同じように感じてる人も多いんじゃないかなぁ(・ω・)

44 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/28(木) 21:42:21 ID:???
そう思いを吐き出す彼女はそれでも、飛襲する弾を避けながらフォアグラに回避行動をとらせる。
確かに第一部隊を派兵するのはよほど敵の動きを把握していなくてはできない。
それでも反乱軍の規模は中規模のテロリスト並みであるからするに、軍事レーダーでその姿と正確な位置を把握することは容易いであろう。
だが反乱軍側もそれは百も承知のはずだろう、いつまでも一箇所に根を張っているとは思えないが。
「どうする、このままアムステルを目指しても意味は薄れるぞ。我々も彼らに続きコーカスに襲撃をかけるべきでは?」
弾を回避するため、あちこちを走り回るイルシオンに振り落とされないようにしっかり掴まりながら提案するモート総長。
いくら戒厳令下とはいえ攻撃が激しい、まず威嚇射撃で相手の様子を見るのが通例なんだが。
「うむ。せっかく最高の戦力が出陣しているのだ、オレたちも加勢し一気に決めようじゃないか。
総長。正規軍側に伝えよ、名もなきヒーローが手助けに来たとな」


45 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/28(木) 21:43:24 ID:???
彼はうなずくと取り出したレーザーライトでモールス信号を正規軍側に送り始めた。彼らはモート総長の所存を確認するとこちらへの攻撃をやめた。
もっとも、残るは群の後方を受けるテール分隊だけだが。本隊はもう肉眼で確認できるかできないか位の場所にいる。
「どうやら反乱軍の襲撃が何度かあったようだ。おそらくは遊撃部隊だろう。だが本軍のテール分隊は英将キーゼルが率いる精鋭部隊だ、反乱軍の小隊などとるに足らん」
オレもモールス信号は読めるゆえ総長の話は聞き流しているが、テール分隊はいずれも後方より襲撃ありと言っていた。
コーカスに向かっているのであれば普通、正面より来るはずだが。
「総長、反乱軍側には元東軍の人間も多数いるのだろう? あちら側は本軍の情報を相当得ているはずだな」
たずなを引き北京ダックをその場に留まらせる。フォアグラ、イルシオンもそれに続き足を止めた。アムステルはもうすぐそこである。


46 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/28(木) 21:44:28 ID:???
「ああ。それに向こう側には本軍の戦略担当を受け持っていたキリング中佐という男がいる。
こちらの情報は相当どころか全てを知っているだろう。奴は切れ者だ、テール分隊の戦闘能力はわかり得ているはずだが」
バックアタックの優位性は相手の虚を突くことであり、正面の厳しいガードを避け対照的に守りが弱い後ろより攻撃をかける古の兵法である。
だが今日の戦闘ではそのような死角は解消され、今の本軍のように後方部にも完璧な防衛線が張ってある。
そのキリングという男がそんなことも知らないとは思えない。戦略担当者は最新鋭の戦略構築論と兵器技術の渦中に存在し、かつ冷静さは政治家に匹敵するほどである。
「本軍の戦力は前後方位に分散しているのだ、わざわざ回り込むのはあまり賢明な判断とは思えんな」
ラムズ大佐が言っていたが陸海空問わず、後方攻撃には通常攻撃よりリスクが伴う。将校はそれを踏まえさらに還元されるメリットを予測し、実行の有無を決めるのだ。
総長の言うとおりキリングが相当切れる奴なのであれば遊撃部隊とてそんな無駄なことはさせないはずだ。


47 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/28(木) 21:51:23 ID:???
「考えていても仕方ない。本軍は空の目を頼りに動いているはずだ、奴らは必ずコーカスにいる。
今日、長い戦いにピリオドが打たれると私は願っているぞ」
「私も総長と同じ想いです。イーストサンは自分が育った国…反乱軍の手には渡しません」
東を祖国とする二人のその願いはコーカスにある。二匹のダックはイルシオンに続き足をコーカスへと進めだした。
総長の言うように軍事レーダーという完璧な目があるのだ、狂いはないはずだ。
『我々もコーカスへと向かう。こちらには強力なフォースを使う勇敢な者がいる、フォース戦は任されよ』
テール分隊のデータ受信曹に向けモールスを送ると、電子メールのようにすぐに返ってきた。
『了解した。いずれの者か知らないが感謝する。共に幸運を祈る』


48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/28(木) 23:37:18 ID:???
今日何かテレビやってたっけ?

49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/28(木) 23:45:31 ID:???
DXじゃないかな

50 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/28(木) 23:53:28 ID:???
そのまま速度を変えず走行するテール部隊を追い抜き、遥か前方にいた本軍に添う形で並走する。
さすがは本軍の主力部隊だけあってウェストコールで見たときのような小規模のものとは違う。
対空連射式ファランクス、ファイヤーバーストマガジン、変則軌道ロケットランチャーなど装備は国防レベルである。
上空には偵察用の遊撃ヘリ二機の姿が見える。
コーカスは内陸部の市街地であり陸と空からの攻撃が主となるが、外洋からは駆逐艦の中距離ミサイルがその狙いを定めているだろう。
いわば抑止力であり陸空を外より援護する。正規軍の装備はしっかりしたものだ、兵器戦は心配ないだろう。
鍵を握るのはやはりフォース戦である、キャンプ地の二の舞ではいけない。
「オレの護衛はリュークに任せる。ローレンス、お前は完全に攻撃手に回れ。代わりの刀は残念だが手持ちがない。エクスカリバーで頑張ってくれ」
「わかりました。リューク様、信之助様をしばし頼みます」
死霊に主を任せた神父は何かを思いながら聖剣の柄部分を確かめるようにさすっている。
視線をマーフィに向けそして目をつむった。何かあったのかな。


51 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/28(木) 23:54:31 ID:???
「バカ野朗、自分の身は自分で守るんだっつたろう! そんな得体の知れないもんに命なんざ預けるもんじゃねえぜ。
背中に背負った立派な武器があるんだ、それで頑張りな」
少なくともオレはリュークに勝てる気はしない。強者に任せるのは当然だ、貴様は黙っておれ。
「一条さん、そういえば結構すごい装備していますけど。武器商人なんですか? それともどっかの特殊部隊の退役軍人さんとか」
この歳でなぜ退役生活を送らねばならんのだ。そもそも特殊部隊がこんな目立つ面子でおおっぴらに戦場のど真ん中を行くわけがないんだが…。
「どちらかと言えば前者が近いな。商人は商人だがそんな物騒な者ではない」
「だと思いました。キャンプ地でのレールガンの扱い方見ても武器に関してはど素人に感じましたからね。
こんな特殊部隊に国の重要な作戦はとてもじゃないですが任せられませんよ」
この娘、結構キツイコトイウネ。小銃なんかは多少扱い慣れているが、電磁レールガンなんかの最新重器になるとトリガー引くくらいしかできんからなあ。
もうちょっと使いこなせれば少しくらいは兵器戦での戦力になるんだが。


52 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/28(木) 23:55:38 ID:???
「いやなあ、オレは元々リディアの倭神沌に本社を構える…」
弁明の言葉を遮るようにして一撃の空中炸裂弾が轟音と閃光を同時に走らせた。
本軍はすぐさま防衛シフトを敷き、何基もの対空パトリオットが頭上に降る炸裂弾の鋭い破片を掃射した。
空の遊撃ヘリは唯一搭載した一基のミドルトマホークを本軍・先頭隊の遥か先に放った。ここからでは敵の姿が確認できない。
「今のは正面からの攻撃だな。敵の本隊か?」
北京ダックをそばの装甲バルカントラックに寄せ、陸尉に上空よりの情報を確認してみる。
彼は無線機を調整しながらこちらを向き大声で状況説明を始めた。
「前方数キロのポイントに中規模の軍隊と思われる機影を確認しました。おそらく反乱軍の本隊でしょう」
ここはコーカスまでまだ十キロそこそこある平原だぞ。
どうせならコーカス市街地でゲリラ戦を挑んできたほうが彼にとって利であるはずだが。
こんな平原では接近戦になる余地もなく正規軍の中距離攻撃兵器で反乱軍は終止である。これはやられたか?


53 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/28(木) 23:56:53 ID:???
「ユフィア、総長。少々飛ばすぞ。陸尉、オレたちは偵察に向かう。援護を頼む」
そういい残したずなをきつく握り速度を最高近くまで上げた。
ローレンスは酸素マスクをオレに渡してしまったので苦しいだろうがフォースで何とかするだろう。
背になにやら声を感じるが今は先を急がねば。いくら統制力に欠ける即興軍とはいえこれはない。
こちらは囮でリーダーのいる本隊はフォース使いで固めた少数精鋭の構成である可能性がある。
軍事レーダーとはいえ東の技術力では中規模の軍隊を捉えるのが精一杯というところか。小さな動きまでは把握できていない。
「見えた。確かに規模は本隊並みだが……リューク、フォースは感じるか」
フォースに関しての感度は魔界の住人であるリュークのほうがこの世界の人間よりいいらしい。
フォースとは元々、魔界の力なのだろうか。
『少数だが感じる。だがどれもゴミ以下のクズだな、俺一人でも十分な位だ』


54 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/28(木) 23:58:00 ID:???
勿論フォースを断っている可能性もあるがこの場合、その場にはいないと考えるのが自然だろう。
戦場の最前線である本隊にあってフォースを断っている可能性は低い。
弾がどこから飛んでくるかも知れない中でフォースの壁は必ず展開しているはずだ。
「……いない、キリングもリーダーも親衛隊も見えません!」
光学レンズ望遠鏡を手にしたユフィアがそう叫んだ。オレはすぐさま先の陸尉のところへ引き返し手をアムステルのほうへとあおった。
「コーカスはもう空だ。全軍すぐさまアムステルへ引き返せ、本隊は兵器戦を放棄した小隊だ」
くそ、今からでは間に合わない。本軍が到着する前にアムステルは陥没してしまう。
海軍の弾道ミサイルでは小規模の本隊をピンポイントで狙うことはできても、その威力による街への損害も甚大ではない。
それに軍事レーダーで捉えることのできない小隊を完璧に狙うには誰かがその正確な位置を伝えねばならない。
リディアの戦艦であればどうにかなるかもしれないが未だに援軍の気配はないし期待もできない。


55 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/28(木) 23:58:53 ID:???
「何てことだ…完全にアムステルは孤立してしまった。わが国もこれまでか」
総長はイルシオンから降り肩を落とした。思えば彼の中でキャンプ地の襲撃から今に至るまで、状況があまりに急激に変化し始めた。
ここ半年間、にらみ合いを続けて均衡を保っていたところから僅か一週間で首都陥没への最悪のエンディングが出来上がってしまったのだ。
天国から地獄とは違うがそれでも今居た場所より下へと突き落とされた事に変わりはない。
「マーフィ、三匹の体を列車のように何かで縛ってくれ。総長も手伝うのだ、まだ諦めるのは早いぞ」
不幸中の幸いとは言ったもので反乱軍側が兵器戦力の大半、もしかすると全てかもしれないがこの場に置いていってくれて助かった。
アムステルに向かっている本隊はフォース戦に特化したものである。
この構図は“兵器戦”と“フォース戦”が分離しただけであり今よりオレたちが本隊にいるフォース使いとリーダーを叩けばよい。
ただそれまで東政府が持ち応えられるかだが先回りの秘策はある。やはり頼るべきは金である。


56 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/28(木) 23:59:46 ID:???
「皆、しっかり捕まっておれ。超高速でアムステルまで戻るぞ。北京フォアグライルシオン号発車します」
安全確認をし終えると北京ダックの頭に装着したスーパータイムブースターのスイッチを入れ起動した。
その日、北とリディアの衛星レーダーに有りえない閃光が確認されたという。


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57 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/29(金) 00:01:16 ID:???
今日はここまでにします。ご愛読お疲れサントスです。。

58 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/29(金) 00:09:11 ID:???
乙かれーしょん

59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/29(金) 00:29:37 ID:???
乙ですー。

60 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/29(金) 18:34:56 ID:???
 「バリーがレイ=ウェストと接触しました。運悪く、向こうがバリーのことを知っていたようです」
部屋には二つのゴールドカフィから漂う香ばしい香りが充満している。両方とも一口もつけられずに冷めてしまっていた。
今日の外気温は雪が舞うほどの凍える寒さだが、省内は非常に空調が聞いておりむしろ冷たい飲み物が欲しいくらいであった。
「報告があったことからわかりますようにバリーは幸い、重度の怪我程度で済みました。
おたくさんの部下は無抵抗の人間を殺すようなことはなさらないのですね。感心しました」
報告を受けた彼女は依頼主への元へと参上し、今後の流れを問うために状況を手短に話した。
バリーにはウェストのことは伝えず、例のストアに通うようにとだけ言っておいた。
これはターゲットの行動パターンなどを把握し、より確実に殺せるようにするためである。
まさか上級護衛官が治安警察の指名手配犯を知っているとは思いもしなかったが。
バリーは元連続殺人犯でフォースも扱うことができる。
いまだ未検挙であることからもわかるように彼は非常に冷静で狡猾でもある。そしてその殺しへの執念を買い彼女が《黒瘴》にスカウトしたのだった。


61 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/29(金) 18:36:07 ID:???
「ウェストはそんなできた人物ではなかったと思うが」
彼を良く知るこの男はそんな事はどうでもいいがと思いながら彼女の方を見直した。
お互い喫煙はしないので窓を開け換気する必要もなく、部屋の中は非常に快適であった。ウェストがいるとそうもいかない。
「我々は暗殺を専門とするクライアント企業であり正面からの対峙には適していません。
今回バリーが抵抗をしなかったのも彼に敵わないと判断したからであり、それは適切なものでした。
ですが私もフォースに関してはプロです、例え奇襲が完璧に成功し寝首を取れたとしてもバリーではターゲットの暗殺はほぼ不可能。
純粋に実力差がありすぎます」
企業のトップは営利を追求すると共に部下を気遣わなければならない。
それは結局は営利に帰属するのだが人材は資金と同じく会社の資産であり、金のように金融機関から出資してもらうわけにもいかない。
彼女は営利も大事ではあるが部下のこともまた、同じようにできる限り重んじている。
上に立つものは器の大きさが何より欠かせないことをポートガスの人間と等しく、彼女は理解している。


62 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/29(金) 18:37:04 ID:???
「ついては今回の依頼よりバリーを外したいと思います。彼では万が一でも可能性はありません」
「では誰がやるというのかね」
手付金として3000000G、基本報酬として10000000G、標的リスク発生金として70000000Gを既に支払っている。
暗殺のレートアベレージは20000000Gであることを男は知っているがそれを踏まえた上での依頼だった。
あの男を殺せる者などそうそう居はしない。
「私が参りましょう。彼はわが社の基準では最高位のリスクを伴うターゲットです。
レイ=ウェストを部下に任せるのは上司として傲慢であると考えます」
提示された契約・その他項の書類を見てこの女はどこまで真実を言っているものかわかりかねた。
彼女の手雇い金はさらに50000000Gとあり合計額は一億を超える。
それは男の年間報酬を遥かに凌駕しており支払いはなかなかに難しいところであった。
だが彼女の言うとおりレイ=ウェストを始末する代価としては適切であるかもしれない。
先を考えれば決してふっかけた額でもないだろう。


63 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/29(金) 18:37:47 ID:???
「本当はお得意様にしかしないのですが、大口契約ですので分割も考えますよ」
この女は政府内職員の報酬規定まで知っているのか。情報化社会では企業として多方面の情報は欠かせない。
それはどんな企業でも例外はないというわけか。
「今回はここまでで結構だ。プール金は次回に持ち越しておいてくれ」
彼女はそれを聞き書類を黒のアタッシュケースにしまい込むと、今月の利益見込みを頭の中で見積もり目眩がした。
給与はしっかり払わねばならない。
「ごめんなさい、当社ではプールは受けていません。またの機会にお願いします。それではごきげんよう大臣どの」
部屋の扉が閉まると男は大きく息をついた。


64 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/29(金) 18:38:21 ID:???
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65 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/29(金) 19:36:52 ID:???
 草がおいおい生えた平原をゆくランドジープがただ一つ、静かな流れの変化点。
ジープには屋根が付いていないためクーラーもほとんど効かず、着物に合わせた扇子だけが涼をとる唯一の手段であった。
真夏のイーストサンは温暖化による直射日光の照射が厳しい。
「この国はえらい暑さやな。買うた氷も宙へ還ってしまったわ」
運転をするキリングは先から色々とうるさい彼を横目で見ながら、それを疎ましく思っていた。
クーラーを使用すると燃費の悪いこの車は速度を大幅に落としてしまう。
それでも南から来たこの男は我慢というものを知らなかった。
本来であればアムステルまで二十分かからないところを既に三十五分、無駄に浪費していた。
先を急ぎたいキリングと彼の意思は思うように交差していなかった。


66 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/29(金) 19:37:38 ID:???
「リーダーは本隊になぜあなたを配置せず、あんな役立たずを回収しに向かわせたのか」
「あの兄弟はわいらが来る前までリーダーの親衛隊を勤めてたんや。
どうしても死なせとうなかったんやろ。いわば人情ってもんやな」
キリングが東軍を抜け反乱軍に加わるまでにはタイムラグがある。
リーダーがどんな人物かいまいち理解していないしココロ兄弟のこともよくはわからない。
ただこの隣の男が来てから側近であった兄弟は親衛隊を追われたことだけは知っていた。
どこの集団でも自らの地位を維持するのは困難であるなとキリングは思った。
「もうアムステルは落ちただろうか」
ジンナイは氷袋を持ち上げ、溶けた中身を飲み干した。
だいぶそれはぬるまっており喉を十分に潤すには至らなかった。周りを見渡してもストアはおろか自販機すらない。


67 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/29(金) 19:38:17 ID:???
「本隊には吏とマックスの他にも器用なフォース使いが居よるからなあ。
元々フォース戦はこちら優位やったんや、兵器戦を無効化された東政府はお手上げやろな」
見るとやっとアムステルの街並みが遠めで確認できる所まで来た。
あと十分といったところだなとキリングは目算しながらアクセルを踏み込んだ。既にクーラーのスイッチは切ってある。
「ま、わいらも必要あらばやるまでや」
ジンナイとキリングは突如爆発した後方に視線を向けた。三匹の見知らぬ生物と数人の人が確認できる。
「ほう、こらまたおもろい巡り会わせや」
ジンナイはそこの中に知る顔を認め車を降りた。キリングは舌打ちしながら銃の弾をこめマガジンを引いた。


68 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/29(金) 19:40:37 ID:???
----------------------------区切り------------------------------------

今日はここまでにします。ご愛読お疲れサンライズです、、
最近調子がいいのでどんどん書きたいのですがせっかくのGWで
友人が帰ってきているので遊びに繰り出したいと思います。
また明日書きます。。

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/29(金) 19:46:44 ID:???
乙カレー
最近テレビ中断しないな

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/30(土) 13:30:20 ID:???
乙です

71 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/30(土) 19:07:09 ID:???
 指令書は各省の大臣と高官に渡る。
《スペリオル》・《ヒューロン》→国際指名手配犯始末のためイーストサンへ出国済
《オンタリオ》→司法省ウェストコール査察団の護衛のため出国済
《エリー》→ハウエル首相補佐の某所訪問の護衛
《ミシガン》→緊急に備え待機
そして治安省大臣室。
「君には今回の西に関する釈明のため訪南する司法大臣に同行してもらう。
たまには南国を満喫してくるといい」
部屋にいる三人はしばし沈黙し、二人の護衛官は少々戸惑いを煩った。
お互い顔を見合わせ真意の不知を両人は確認するとウェストは疑念を口にした。
「司法大臣殿には《天之御中主神》が専属護衛官としてついているではないですか。
彼女なら大抵の賊は問題なく迎撃できます、それはあなたもわかっていることと思いますが」


72 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/30(土) 19:08:35 ID:???
事前に大きな襲撃情報などが入ったのであればまた話は違ってはくるが、
南は五国で最も治安のよい国と言われ他国の高官が襲われるという事は滅多にない。
入国者は徹底的に身元を洗われ問題があれば即刻強制送還となる。
それでも心配なのであればゴールドハンド辺りを数人つければ多人数による襲撃にも対応できるし、
わざわざ自分が行くのはオーバーキルであるとウェストは感じた。
それは大臣の横にいる彼も同じである。
「例の四人組が最近、各所で不穏な動向を示しているのは知っているだろう。
彼らが何を目論んでいるかはいまだ不明、西での件も不可解な点が多い」
このところベネディクト、クインシーを中心とした彼らの動きが活発になっている。
既に何人かの国民や護衛官がやられており、治安省もその動向を追っているが集団行動が多いということもあり手をこまねいている。
ウルウラニウムも結局持ち去られ、どこかの馬鹿のせいで科学省の研究資料も持っていかれた。
もし彼らが核開発に手を出し始めたとしたら危機はさらなる変容を経て世界政府に迫ってくる。


73 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/30(土) 19:09:33 ID:???
「その中で今、混沌を極める外政を担う司法大臣は通常時にも増して政府の腱となる。
そしてベネディクトたちとストラウスを除き他の七人の行方は依然判っていない。
わが政府の最中枢の一角が落ちたとなれば他国への外交的問題も発生しかねないのだ。この重要な時期に彼を失うわけにはいかない」
カダフィはウェストの目をじっと睨みながら部下の疑念にうやむやなく答えた。いつになくはっきりとした説明じゃないか。
まるで劇団の台詞みたいだ。政治家という職業柄、答えは前もって用意しておくのは彼らの常手ではあるが。
「倭神沌には《エリー》を呼び戻した。彼にはサンデイ辺りを代わりにつけよう。君はここを気にせず任務に徹するといい」
なぜ《エリー》ではなく自分なのか。それはウェストが司法省属であるからか。司法大臣が女女を嫌ったからか。
少人数戦を得意とするウェストと多人数戦を得意とする彼女を天秤に掛けた結果からか。
「これから南は夏、混雑しますな」


74 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/30(土) 19:10:23 ID:???
----------------------------区切り------------------------------------

野球のため一旦落ちます。。

75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/30(土) 19:35:10 ID:???
|ω・)ソー…

実は初めて
このテレビっ子が、と突っ込んでみる。
遅い?でもちょっと嬉しい。

76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/30(土) 20:21:00 ID:???
    |ヽ ,,|,~'i、  .,_   ,ri、     .l゙‐'"'i、    ,, ,i、     ,、   vi、
    | k, ヽ广  | |  'l''゙l┘     .`'グ/    |゙l.,ィ |.|     )゙l  /'゙l″、   r-,、  、   .:c、、
  ッ┘`,l゙    ,ノ ヽ ,,,,,`'′     .,/,,,!‐'',  ,ノ う゜.| |    .,ノ ヽ ,,,,,`'′ |゙l    ゙l,ヽ .|゙l    ヾi、
   ゙i、/゙,-'''i、 .く, .,巛 ‘r\     /.'゚_ /  ./‐I /  | |   .〈、,l]゙l `',\  | |  ,。 .,i´゙l | |  . il゙ ゙l
   l゙.l゙ ゙lッ'"  ././ | | .,,) ゙l    .!/]/    丿 |  .l゙.|、  /丿| | .,,〉.) | ゙l .,リ  .`-" .l゙ | .,l〕  .ヽ"
  /.l゙ j,i´   l゙,E.,l゙.|  `'''′     l゙{    /,,| |  ゙l,ヽ  .゙l,d,,l゙ |  `'''゙  ゙l ゙‐'|     ゙l ゙‐'|
  / l゙ ゙l,~゙'''i、  .゙l´丿          | ゙l,   '(/|゜|   .゙-゙l  .゙l`丿     \.,}      \.,}
  ∨  `''ー"   ゙'"           ヽ ゙l    ヽ}       `"        `

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/30(土) 20:35:03 ID:???
>>76ワロスwww

78 :hamada ◆/I03giEWww :2005/04/30(土) 22:19:52 ID:???
すいません、今日はこのまま落ちます。。

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/30(土) 23:46:42 ID:???
おつかれー
良いGWを

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/01(日) 22:22:06 ID:???
今日はお休み?

81 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/02(月) 00:14:24 ID:???
 あとにタイム博士はこう言っている、人一人用のスーパータイムブースターにそんな集団エネルギーがかかれば当然そうなる、と。
「よりによってこんな寸止めを喰らうとは。図ったようなタイミングだな」
幸い爆発による被害はない。あるとすれば北京ダックがよりそれに近づく炎症を少し負った位か。
アムステルまではもう五キロとない、タイムブースターを使えばあってないような距離である。体勢を立て直し首都への道を再構築する。
「さて」
見ると話に聞いていた着物姿のつんつん男が立っているがどうするべきか。フォース使いであれば今ここで始末したいが何せ時間がない。
もしこいつが面倒なフォース能力を使ってくれば致命的な足止めを喰らってしまう可能性もある。ここは無視、先を急ぐか。
「お前たちもアムステルへ行くのか? だったらどうだ、乗っていくか」
皆が乗るのを視認しながら北京ダックを指差し着物に聞いてみる。奴はやや不傾げな表情をしながらも、にやっとし腰につけた小太刀を手にした。
乗車拒否か、それならそれでいいが。オレは手をかけ飛び乗るとたずなを握りしめた。近くにいた軍人らしき男が再度、車に乗り込もうとする。


82 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/02(月) 00:15:19 ID:???
「残念だ。よい旅を」
その場をあとにしながら手にした携帯炸裂弾を屋根のないジープに投げ込んだ。
男は車内にそれが突入する前に発砲し頭上で破壊した。なかなかいい腕しているじゃないか。
「急げ、北京」
頭を思いっきりひっぱたくと北京ダックは、スポーツカーばりの加速をみせ一気に後続の二人を引き離す。
これならタイムブースターは必要なさそうだ。これ以上、無駄に老化するのも嫌である。
「この分ならまだ間に合うな。ローレンス、グランドクロスで敵を殲滅する準備をしておけ。
最近どうも地味だったからな、今回は派手にいくぞ」
それに応えるように後ろで轟音が響いた。振り向くとさっきのジープとその横を等速で走り抜ける着物の姿があった。
そして両方ともスピードスターと比喩されるダックドライブのトップスピードにぴたりとつけている。
あの軍用ジープで追いつけるのも驚きだがその隣の物体も人知外である。
「何だあれは! ベーン=ジョンより速いではないか」


83 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/02(月) 00:16:24 ID:???
ローレンスの放った術はいずれのターゲットも払うことなく、どんどん距離は詰められていく。この速度では電磁レールガンの狙いもまともに定まらない。
オプションのオート追尾スコープも購入しておくべきだった。ケチるとろくな事にならん。
「逃がさんで。わいは韋駄天のジンナイと呼ばれてたんや、小さい頃はよう走ったもんやで」
フォースとは活性的な性質を持つ、いわゆるプラスの力である。フォースを使う人間の足が速ければそれがさらに増大するし、目がよければ視力が飛躍的に上がる。
ただそれらは肉体的なものに影響するのであり頭が良くなったりするわけではない。そういうわけで受験や入社試験などは平等なのである。一概には言えないが。
「韋駄天も爆走ジープも共々ここに散るがいい」
振り落とされないように必死に左手でたずなにしがみつきながら、パンツベルトに掛けてあったニトロバグ手弾を手にとりピンを抜くと後ろへと放り投げた。
被爆範囲は手榴弾や通常地雷とは比べ物にならない。たずなを引き限界まで速度を上げながら両横の仲間にも離脱の手振りを伝える。
間もなく先の轟音以上の音が名もない平原に轟いた。フォース使いのほうはともかくジープのほうはただでは済むまい。
フォースのような非自然的なものとは違い機械は科学力の結晶である。毒には毒、科学には科学。


84 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/02(月) 00:17:13 ID:???
「カーチェイスでは前を行く追われる方のが強いのだ。わかったか、間抜けめ」
そんな嘲りの言葉と重なりローレンスの詠唱が耳に響いてきた。手元では印が結ばれている、これは大極印か。
「大極風」
立ち起こる爆煙から無傷の姿を現したジンナイに瞬速の風の矢が放たれた。
絶対的な速度では同じくらいに見えるが、こちら側からだと前に行く速度が加わり相対的に風の矢がさらに速度を増す。
ジンナイ自身もそれに向かっていく形となる、静止状態より回避するのは困難である。
「派手なカーチェイスや。とても逃げる側の攻撃彩とは思えへんな」
奴の姿が機械のような単調さで平行にずれ、風の矢は寸手で目標を外し地を貫いた。韋駄天と言うよりはゴキブリのような動きである。
ローレンスの腕をもってしても捉えきれないか。
「俊足の彼にピンポイント攻撃は無謀でしたね。ただ酸欠による目眩さえなければ射抜ける自信はあったのですが」
オレのたずなを握る手が僅かに緩んだ。


85 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/02(月) 00:20:05 ID:???
「ま…まあ、名人筆を誤るとはよく言ったものだ。気を落とすことはないぞ、ローレンス」
であればここは同等の全体範囲に影響する術を使い奴の足をとめ、タイムブースターで一気にアムステルの大統領府に直接突っ込むしかない。
目算の距離では十分いけるはずだ。
「マーフィ、たずなを頼む」
タイムブースターを嫌がる北京ダックの頭に装着しようとするオレの目横で、モート総長が果敢にも着物男に飛び込んでいった。
反射的に、そして総長の意に反して三匹のダックドライブは首都への足をとめた。
オレは既に彼を見切りたずなを緩めなかったが、今それを握る左手の上にはローレンスの手があった。
ローレンスは申し訳ないという表情を見せながらもその目の奥には底知れぬものを感じる。
「止まるな! この男は三人いる親衛隊の一人だ。奴らが全員揃えば手がつけられない、私がここでこいつを足止めする。
さあゆけ、愛国者・他国者・異界の者。未来への鍵は君たちに託したぞ」


86 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/02(月) 00:22:07 ID:???
「総長! 一条さん、ここは全員で彼を…」
場に居る者の総意をとる前にオレはダックドライブを煽った。彼女の言いたいことはわかるが、国の代価としては安すぎる犠牲だ。
オレは選択する、合理的な答えを。
「そんな」
だが彼女は決して飛び出そうとしない。それはリュークがダックドライブをまったく扱えないという理由からではない。
東軍の人間である自身の使命を感じているからである。軍は国をとるためではなく国を守るために存在することをもっと多くの人間に知って欲しい。
「信之助様」
この集団を停めたのはローレンスである。マーフィは微動だにせず受け取ったたずなをしっかり握りしめていたしユフィアも、
いやもしかすると彼女もたずなを緩め振り向いていたかもしれない。だが彼を一番に重んじたのは神父ローレンスだった。
オレはタイムブースターをスタンバイ状態に戻し北京の頭から外した。
「犠牲に目をつむれるようになれれば人は大きくなれる。目指すアムステルはもうそこだ」


87 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/02(月) 00:24:07 ID:???
----------------------------区切り-----------------------------------------------

今日はここまでにします。いつもご愛読お疲れサンリオです。。

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/02(月) 00:26:51 ID:???
乙ー。総長カコイイ(・∀・)!

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/02(月) 14:25:05 ID:???
蝶乙

90 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/02(月) 23:20:18 ID:???
 総長は一度、正規軍のコーカス奪取作戦に兵として参加したことがある。
東側は残った者を総動員し、まだそう大きい勢力となっていない反乱軍の一掃を敢行した。
だが正規軍約1200人、反乱軍側約230人の大将戦であったにもかかわらず兵の九割を失い東側は敗走する。
敗因はフォース戦を軽視していた政府のフォース使い未派遣であった。数人、いるにはいたがいずれも反乱軍側の伴天連に及ぶものではなかった。
彼らの力はリディア政府のフォース使いを彷彿とさせる圧倒的なものであったと総長は記憶している。
「あのサングラス野朗はここで始末せなあかんねん。悪いが先足急がしてもらうで」
小太刀を下に構え名の通り俊足で目前に迫ってきたジンナイに、総長は足元を蹴り上げ砂を舞い上がらせた。
ジンナイは一瞬、総長を失視し立ち止まるがすぐにその後方に姿を見つけ、彼のちょこざいな手に少し腹を立てながらも小太刀で心臓を一突きしようと走り出した。
ただの軍人にフォースを使うのも気が引ける、体術による接近戦だけでも十分だとジンナイは踏んでいた。
「アムステルには行かせん」


91 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/02(月) 23:21:29 ID:???
突如フォースを放出した総長にジンナイは驚き、警戒しながら後退する。
そうか、この軍人もフォースを断てる位の使い手ではあるということか。
ジンナイは自分の愚かな油断に悔恨しながら徐々にフォースを解放し始めた。フォース使いが相手であればこちらも使わざるえない。
少なくともこいつはフォースをゼロにできる程度の腕であることは確かだ。
「しかし、そない程度のフォースでは二分ともたんで」
総長は奴の強さを戒めの教訓として身にしみて知っている。コーカスの戦闘に参加した仲間のフォース使いは皆、この男一人に歯も立たず散っていった。
彼らは東では高度なフォース使いとして認知されていたが、その時の光景はまさにそんなものは幻想であったと思い知らされるものとなった。
だがそれでも苦しみながら息絶えてゆく仲間を背に彼は生き延び、そしてやっと償いの機会が訪れた。醜く生きながらえたこの命、最期は祖国の為に。
「私自身がそれだけ持てば十分だ」


92 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/02(月) 23:22:29 ID:???
両手を地につけ詠唱・印結なしで総長はフォースを解放させると大地が横範囲に隆起し、地質物による巨大な連壁が出現した。
フォース能力・地殻形成はフォースの大きさに応じて大地を揺り起こし敵を凌駕する。東でも随一の迫力を持つ総長の奥の手である。
「こらまた非凡な物ができよったな。フォースによる実体壁か」
ためしに極術を壁に放ってみるが壁はまったく揺るがずそびえている。横を向くと壁の終地点は照りつける太陽光に霞み見えない。
上を見てもビル十階分くらいの高さはあろうか。ジンナイはお手あげといった感じで顔を苦めた。
「こら最高の足止めやな。あんた、なかなかのもんや。それに確か前に一回、どっかで見たことある顔やな、正直惚れたで」
もうこの軍人からは微々たるフォースも感じない。これだけの物を形成したのだ、当然である。
大層な見上げながらジンナイはふとホトギスの海パン姿が浮かんだ。あいつならこの程度の高さであれば飛び越えられるだろう。


93 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/02(月) 23:23:54 ID:???
「しかし利口や。自分の力量を見極め、正面きってぶつかるのを避けはった。
これはわいの勘定やが、もしあんたがそうしていたんなら五分、五分やな。
そんでこれを突破するのに要する時間は三十分っちゅうとこや、完敗やな」
三十分。それだけあれば結末がどっちであれ事足りる。時は金なりと言うが三十分がこんなに高いものとはな。
ジンナイは小太刀の刃を斜め上にかざすと横位置を微調整しながら手を止めた。
それは突如、元の数倍もの大きさになり主の手は支えるものだけとなった。
そしてギロチンのように刃が落下し、避ける暇を与えず総長の左腕を肩口から切断した。
腕をもがれた軍人は絶大な痛みに狂ったが、ただ歯をくいしばり耐えた。敵前で声を上げるなどしてはいけない。
常に堅牢な姿勢を崩してはならない、上官にそう教わったのだ。
「反乱軍が国政を取ったところでどうなる。お前たちは確かに強い、だが国家のバックボーンとしては微弱なものだ。
軍事面・フォース面どちらにせよ南にすらかなうまい。
それに現政権が倒壊した瞬間にリディアが一気に掌握行動に出るだろう、援軍がいまだ来ないのが毅然たる証明だ。
いくらお前たちでも奴らには勝てまい」


94 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/02(月) 23:24:44 ID:???
本来であれば現政府と手を取り東はまとまらなければいけないのだ。
同士討ちなどして削り合っている場合ではないとなぜ気付かない。
「ゴッドハンドかいな、そらいっぺんやり合ってみたいなあ。
フォース使いっちゅうもんは、一線を越えるとより上の者とやりたくなるもんなんや。そんなこと気にしていられへんで」
その一線がどこかによって運命を分けるわけか。思うに真に強い者は向上心を持つ。
対峙する者を常に至上の敵として見る。だとすれば今の自分はまさにそうではないか、総長は最期にそう悟った。
「それにわい、大統領になりたいねん。ほら、映画なんか見てるとかっこええやろ。
ぴしっとしたスーツに光る議員バッチ、必要以上のSP護衛。まあわいには必要あらへんけどな」
総長は彼の真意を知った。この男の考えはリディアのそれと変わりない。
政権を取ったところで自らがその席に付く気であるのだ。


95 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/02(月) 23:25:39 ID:???
「大統領が強ければ国もおのずと強うなる、力で反乱分子を押さえ込んでアークスのような最強の独立国家を創るのが夢やねん」
「馬鹿なことを。歴史に学ぶように王政が長きに栄えたことなどないのだ。事実、アークスもそうでないか」
最後の王政国家アークス。終焉の王となった“サディス=リヴ・アークス”は全ての国を敵に回しながら戦い、
強大なフォース国家は歴史に大いなる爪あとを残し消えた。
王の選択に和平の道はなかった。
「だからおもろいんやないか。過去の繰り返しなんぞ自慢にならんで、新しいことをせなあかんねん。
それに親衛隊の他の二人も大方、同じこと考えてるやろ。
むしろわいにとってはそっちのほうが問題やけどな。どっちもやり手や、大統領の席は簡単には取れんで」
今度は総長の頭上に小さく戻った小太刀を構える。もしそうであればこの内争はますます不毛な、エゴイストなものだろうか。
もはやこの世界にまともなものなど無いのではないだろうか。世界統一など夢物語であったということか。


96 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/02(月) 23:26:22 ID:???
「そやけどわいは必ずそれを達成したるで。十年後の世界政府のトップ席にはわいがおんねんで。
世界の帝王統治や」
「それは狂言に他ならんな、いかれ凡人め」
薄れゆく意識の中で総長は精一杯の煽りを込め吐き捨てた。どの道、十年後など自分は見れない。
人は見ることのない遥か先など興味ないのだ。
「世間ではそれを独裁といって蔑むのです」
その壮大な妨害壁は何の前触れもなく、砂の城のように崩れ落ちた。
ジンナイは間近にその源と思われる強大なフォースを感じ一瞬、戦慄し小太刀を持つ手が僅かに震えた。
遮る壁が消え去ったことに何の喜びもこみ上げてこない。
「そしてそれは例外なく歴史の闇に葬られるのです」


97 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/02(月) 23:31:15 ID:???
中途半端なところで申し訳ないですが今日はここまでにします。
本当は信之助のほうもちょい書きたかったのですが時間が・・・
漫画版、最近更新ないですね。忙しいのかな? 無理せずまったり書いて下さいね。。
ところでここ見てる方は少年・ヤングVIPの漫画、他に何を見ていますか?
自分はデスニュ、ニート来訪者なんかは欠かさずチェックしてます。

98 :雇われ店長:2005/05/02(月) 23:41:17 ID:???
全くもって申し訳ないです。週一のペースは守ろうと思ってたんですけども・・・
打ち切りにされるとたまらないので短いですがこれからペン入れが終わってる5ページほど
だけでも更新したいと思います。やっぱり毎日コツコツ作業したほうが良さそうです。

ちなみに自分はデスニュ、競馬が好きですね。まあ掲載されてる漫画の半分以上は
読んでますけど。

99 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/03(火) 00:35:30 ID:???
夏休みの宿題と同じく毎日続けるのってなかなか大変ですよね。
自分は字だけですのでまた違ってきますが。。
自分もなんだかんだで結構読んでいますね、ジャンルは偏ってますが。
デスニュは凄いなあ、最後どうなるんだろうか・・

100 :雇われ店長:2005/05/03(火) 03:19:13 ID:???
漫画更新しました。4ページしかペン入れしてなかったw
少なくてどうもすいません。もうちょい描きたかったのですがヘリのデザインに
手こずったためここまでにしましたw

101 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/03(火) 20:58:19 ID:???
お疲れです。Gウェポンとか戦闘ヘリとか変なものばかりですいません、、
それとオリジナルの漫画、期待してますね。

102 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/04(水) 15:04:46 ID:???
壁はさらに高く、険しいものとなった。だが物事はうまくいかない程やりがいがある。
達成したときの心躍るそれは過程の内容に比例するのだと、胸元より対の小太刀を取り出しながら思うジンナイであった。神父か。
「極めて残念ですが久々に張り切らせてもらいます。貴方は今日、ここで死ぬ」
エクスカリバーを下に持ちながら彼はこちらへと歩み寄ってくる。
そしてローレンスがふと手を差し出したところでジンナイはフォースを一気に放ちながら後退した。
「消えよ。大極炎」
放たれた凄火が平原に繁る草々を消し炭とする。ただでさえ灼熱の炎天下である平原は目眩のするような、地獄の釜の如く煮沸場と化した。
その炎は逃げる敵標を飲み込もうと蛇のようにしつこく喰らいつく。高度な術は意志すら持つ。
「モート様。貴方の勇敢な行動にこの私、心を深く打たれました。そして今の戦線には貴方が必要であるとまた感じます。
さあ、これを身に付け起動すればすぐに追いつけます。信之助様に感謝なさい」


103 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/04(水) 15:05:37 ID:???
ローレンスは手にしたタイムブースターを総長に渡した。十秒、それだけあれば追いつくことは勿論、アムステルまで直行できるだろう。
ただローレンスも彼の腕を見て、果たして超速の過度な負担に耐えれるであろうかと思っていた。
医学知識のない彼には判断しかねる事であったため、それは流れに委ねることとした。
「いつ失ってもおかしくないこの命。私が奴の動きを封じよう、そこを先の風の矢で終止を」
まといつく炎を二刀の小太刀で払いながら、サウナ状態の平原から姿を現したジンナイをかすむ遠目で眺めながら最期にと彼は言った。
総長はこの神父でも勝てるかどうかはわからないと踏み、より勝率を上げるための提案であった。
「今の貴方にできることは右も左もわからない信之助様たちの先を示すことであり、あわよくば反乱軍側に寝返った彼らを説得し無益なことをやめさせることです。
それは元軍友である貴方にしか成し得ないことなのだと心得なさい」


104 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/04(水) 15:06:38 ID:???
「だがそれでは」
よそ者の信之助やマーフィではアムステルの街中や大統領府の正確な位置を知る由はないし、ユフィアでも機密機関の細部まではわからない。
総長という立場にある彼が行かねばならないのだ。代価の支払いはそのあとでもよい。
「ここの代価は彼らを導くことです。さっさとおゆきなさい。それにとどめだけでは私にとって」
エクスカリバーをかちゃっと鳴らし構えるローレンスは対峙したジンナイの流動するフォースを感じ取り、グランドクロスのリミッターを外した。
確実に捉えねばならない。
「役不足です」


--------------------------------区切り--------------------------------------------



105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/04(水) 15:24:33 ID:???
今日は早いな。

106 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/05(木) 19:36:39 ID:???
 アムステルは目前まで迫っていた。商業関係で一度訪れた際、オレはあまりの低構造な街並みに驚き思わず「この国は科学進歩に取り残された哀れな所であるな」と呟いてしまった。
それが原因で東進出は見事に失敗し無駄足とあいなったわけだが。とにかくアムステルは技術の希薄な部分を構造的なもので補い、防衛や発展に講じている。
高層ビル群がないのもそれに見合うメリットが得られないとしたからであるが、それもどうだか。それほど土地が余っているとも思えんが。
「あ、総長が戻ってきました。回収しますね」
ユフィアの差し出した手をすり抜け暴走気味の総長を、リュークの“死神ハンド”が捕らえマーフィの後ろへと戻した。
だがイルシオンの後部はすぐに鮮血に染まり、彼がもう長くないことを表している。
レディック医師はキャンプ地に置いてきてしまったし、戒厳令下のアムステルにおいてどれだけの医者が残っているだろうか。天使に治癒する力があっても死神にはない。
「すまない。ここからは私が最期の水先案内人となろう」


107 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/05(木) 19:37:47 ID:???
意識はあるようだが声を聞いた様子だと気力の限界であるなと感じる。
ユフィアが止血用の包帯を移動中の上で器用に行なうが既に彼の顔は青白く、失った血液が致死量に達していることが素人でもわかる。
こうなったのは最初よりローレンスを向けなかったオレのミスだろうか。見切るのが早すぎた傲慢な判断をしてしまったのか。
「ちっ、血を失いすぎてやがるな。アムステルに着けば血とそれを輸血する医者くらいいるだろう、頑張りやがれ」
激を飛ばしながら自分の上着を総長の身体にかけるマーフィ。
彼がまだ間に合うと考えたのかどうなのかは知らないが全速力で行かない理由などない。
大統領府の前に病院に寄っても誰も文句は言わない、それは国を失うに等しい悲しみを帯びるからである。
「くそ、死神はもうここにいるっているのに」
洩らす声は自然に出たものだった。そう距離のない後方より迫ってくるのは先のランドジープ。
エンジンの音がややおかしい所から多少のダメージは受けたようだが、まさかあの爆発に耐えなお問題なく走行するとは何という頑丈さだろうか。


108 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/05(木) 19:38:57 ID:???
「あれはキリング中佐! 彼もアムステルへ向かう気ね」
すぐ後ろまで迫った車内の軍人の顔を確認し、エッジライフルに弾を装填しながらユフィアは言った。
彼女はたずなに足を器用に引っ掛けながら身を逆さに乗り出し、宙ぶらりんの状態からライフルの狙いを定め三発、ジープにむけ発砲した。
弾は全てボンネット部分とフロントガラスに命中したが、両方とも貫通することなくめり込むに留まった。
「何て装甲。十センチの鉄板も貫くライフルなのに」
口の中からもう三発の弾を取り出し揺れるその場で装填する。今度は狙いを変えキリング自身を葬ろうとするが、ジープはそれに気付き左右に平行移動しながら距離を取る。
さらに頭を低く下げているため同じ高さからではもとより、地すれすれの彼女からの位置では狙いきれない。ダックドライブの背中からでも角度的に車内を撃つのは難しい。
ユフィアは身を起こし、再びたずなを手にしながら手榴弾のピンを抜き車内めがけ高く放り投げるが、やはり範囲外でピストルにより誘爆され走行を妨げるに至らない。


109 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/05(木) 19:39:44 ID:???
「蒸し焼きにしてやる」
ファイヤービュートを一閃させ、ダックドライブとジープの間に炎を発生させる。迎撃は難しい、この隙に逃げ切れれば。
「げっ」
激走するランドジープは燃えさかる火炎をもろともせず、さらにピストルでこちらを狙ってくる。
耐火構造か、あのジープは何を想定して作られているのか。あれは火炎放射器にも耐えうるぞ。
「おい、その槍を貸しな」
来る弾丸に身を伏せながら電磁レールガンと一緒にくくってあった《海王槍》をマーフィに向かい投げる。
できればそのまま額を貫いてくれないかと期待したが、首を折りながら長い柄の部分の真ん中を掴んだ。熱が駄目なら冷か。
「お前のは線香花火なんだよ」
何とイルシオンの背に直立し生意気に吐き捨てるマーフィはそのまま体を後ろに向け、腕を捲り上げた。
一閃された《海王槍》から大潮のような多量の水が出現し、それはクジラを描いたように収束しキリングを襲う。
オレは勿論、ラムズ大佐が使ったときよりそれは遥かに威力を増している。あの水圧ではどんなものでも圧壊してしまうだろう。


110 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/05(木) 19:40:36 ID:???
「まだまだ」
次々と繰り出される水生物を模した一撃を寸手で急転させ避け、なおかつ引き離されぬよう車は一定の距離を保っている。
イルカやエイ、ナマコもかわされオレは《海王槍》のネタが尽きるのが先かジープが尽きるのが先かちょっとだけ心配になった。
だんだん模される生物が貝や海藻になってきている。
『ζζηλ…』
一撃の弾丸がリュークの口元に命中し詠唱が中断された。無論リュークに物理攻撃は水に火なので心配はいらない。
死の言葉は詠唱が長く、連発できないのもデメリットだと言っていたのを理解させてくれる状況である。
キリングがそこまで見越して連射しているとは思えないが、飛来する弾の雨はアクションを起こすことを躊躇させる。
にしてもあれだけ車を左右前後に転がしながら発砲してくるとは、腕もさることながら精神力も大したものである。
「リューク、詠唱が短くすむ術を使え。さっきのビックリハンドとかで奴を捕らえたりできんのか」
『手にしろ炎にしろ召喚にしろ、魔界の術ってのは地より発生するものだ。魔界自身が遥か地下に位置するからな。
ああいう物に乗ってたり上空にいたりすると俺の場合、死の言葉以外ほとんど使えなくなる術ばかりだ』


111 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/05(木) 19:41:33 ID:???
何と理のかなった死霊であろうか。魔界とか死神とかなんだから少しくらいこう、無茶な設定でもいいものだが。
「彼をアムステルに入れてはいけない…」
飛び散る水滴を受けだいぶ機動力が削げてきた車体を、さらに数発の手榴弾が追い討ちを掛けるようにしてばら撒かれる。
水撃と爆撃が交差しながら平原を往生するランドジープを襲う。それでも奴はぴたりとつけ、ピンの抜かれた連爆手榴弾をこちらへ放ってきた。
マーフィがユフィアの腕を片手で掴み、たずなを操作しフォアグラの傍から急いで離れた。
数発の爆発がフォアグラの頭と足を吹き飛ばし地へと還した。腕を掴まれたまま地面すれすれを行くユフィアは、その光景を悲しそうに見ていた。
彼女の背中にはリュークが取り憑いている。


112 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/05(木) 19:43:07 ID:???
「また来るぞ」
妨げるものがなくなったジープは速度を一気に上げ、さらに二発の連爆手榴弾を投げ放ってきた。
混雑するダックドライブの背中に逃れたユフィアが、引き抜いた小銃で迎撃するが空中で炸裂したそれの爆風が舞い上がりオレたちの視界を奪った。
手で風を払い視界が再び晴れると、その険相なキリングの顔がはっきりと確認できるほどの近さにジープはいた。
そして奴の手にしたピストルがオレを狙っていた。
「この売国者め」
腰のサバイバルナイフを抜きながらランドジープに乗ったキリングめがけ、ユフィアがイルシオンから飛び出した。
キリングはハンドルを片手で握りながら、車内に乗り込んできた彼女の繰り出すナイフをもう一方の手に持ったサバイバルナイフで迎い受ける。
彼女はその隙にダッシュボードの上に置かれたピストルを外へと蹴り捨てた。
「小娘が」

--------------------------------区切り--------------------------------------------



113 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/05(木) 19:44:00 ID:???
ちょっと早いですが今日はここまでにします。いつも読んで頂いてどうもです。。

114 :雇われ店長:2005/05/05(木) 20:26:57 ID:???
hamada氏、まとめ人氏いつもお疲れです
漫画の日記のページにも書いたのですが緊急事態が発生しましたw
私事なのですが、部屋の天井から水漏れしだしましたw
水漏れが止まらなければ最悪引越しになるらしいのでそうなった場合
ネット開通するまで漫画更新できなくなります
なんかさっきよりは水漏れスピードが落ちたから(w引っ越さずにすむかもしれませんが・・・
なんにせよ、漫画を楽しみにしてくれてる方には申し訳ないす

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/05(木) 20:38:23 ID:???
>雇われ店長
お気の毒に。
第二話の39の下の方のコマの文字が「亜暗殺」になってます。

116 :雇われ店長:2005/05/05(木) 20:40:56 ID:???
>>115
やっぱりあれ暗殺でよかったのかw
暗殺されかかることを亜暗殺だと思ってましたw修正します
消すだけなんでwwwwww

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/05(木) 21:23:49 ID:Sbt/Dc8Q
それはまた大事に・・ネット引きなおしとか考えるだけでもう、、
再開を楽しみにしてますよ。それまではリリイでも読んでます。。

118 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/06(金) 22:09:47 ID:???
 「わいは南の人間や。この国がどうなろうと関係あらへんがな」
二刀の連撃を一刀の聖剣があしらう。二刀のほうが有利に見えるかもしれないが、その分リーチを対価として失っている。
ジンナイが常に左右中下段から小太刀を繰り出し反撃の暇を与えないのは、
間合いを少しでも譲るとローレンスの一振りを許すことになるからであり一概に押しているとは言えない。
そしてジンナイも彼の一撃が致命的なものになると感じ隙を見せぬよう、かつ隙あらばその心部を一突きにしようと考えていた。
それでもジンナイにはある程度の余裕があった。
「結局どの国もリディアに喰われんねんで、ほんなら賭けてみるのもいいやろ」
エクスカリバーの防御の合間をかいくぐり、何撃かがローレンスに傷を負わせていた。
だがこれでは彼を伏せるまでにどれほどの時間を要するだろうとジンナイは滅入り、先への焦りがやや表面化してきた。
その致命的な変化をローレンスは見逃さなかった。
「1チャージの10000Gスロットより勝ち目のない事など賭けとは言えません」


119 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/06(金) 22:10:40 ID:???
詠唱のみの“大風”を放ちジンナイの動きをけん制しながら、大きく後退し離脱する。
そうはさせまいとジンナイは自慢の俊足で追撃を試みるが、エクスカリバーの間合いを見てそれを断念する。
それ自身がフォースを帯びているあれは警戒しなければならない。
「極氷」
流氷のように広い範囲で氷が地より這い出し、その氷河に目標の足を引きずり込もうと周りを侵食していく。
かなり広範囲に影響する氷系の術でも最高峰の威力であるが、それでも遮るもののない平原を自在に動き回るジンナイに触れることさえ難しかった。
氷手の侵食スピードを彼の早さが完全に上回っており、ローレンスにはこれより広範囲の術のストックがない。
大極風や他の高威力術ではピンポイントでしか狙えないのだ。
「ワイドレンジ・ブラスト」


120 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/06(金) 22:11:47 ID:???
極印から放たれた術は無造作に空中爆破を起こし、ジンナイの読みの部分を封じながら動きを制限する。
爆破にはさしたる威力はなく、ジンナイもそれを知っておりそれほど機敏に避けようとはしない。だがローレンスには行動範囲を狭めるだけでよかった。
エクスカリバーを中段に構えプレッシャーをかけながら動きの鈍った敵標に向かい突っ込んでいく。
いくら低威力とはいえ、まともに攻撃を受けるのは彼のプライドが許さなかった。
迫る神父の得物が横に一閃されそのまま上段へと刃が昇る。十字か!?
「あかんで、極雷」
ほとばしる稲妻がローレンスの周りに発現し、衣服を焦がす。既に術の間合いから逃れることはできない状況でありまともに喰らってたまらないと、
エクスカリバーを目前に迫ったジンナイめがけ突き刺すように投げ放った。
ジンナイは厄介なそれを奪い葬ろうと考えたがすぐにその場を離れ、駆ける閃光を目の当たりにした。
他に立つ物のない平原において、エクスカリバー自身が避雷針となり主へのダメージを回避させ、
なおかつそれをうかつにジンナイが奪いに出てればその身もろとも焼き焦がす。
ローレンスの行為は攻撃・けん制・防御の三つを一度にやってのけるものであった。
あのサングラスもそうだったがリディアのフォース使いは判断力や順応性にも長けているな。


121 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/06(金) 22:12:34 ID:???
「何を仕掛けてくるか予想もつかんやっちゃな」
アムステルへの進行に加え、ローレンスの戦闘慣れした行動にジンナイは焦燥感を一層強め対峙する敵を睨んだ。
しかし自身の攻撃力では防御にまわったローレンスを崩すのは困難であるとまた理解している。
できればカウンターを狙いたいところではあるが。
「まったく貴方の機動力には滅入りますね。私の術ではとても捉えきれない。
このまま続けても私は接近戦を回避するために術をけん制に使わなければならず、不時な消耗戦となってしまう。
非常にその足は厄介です」
ローレンスはエクスカリバーを居合い抜きのようにして下段に構え、腰をやや低くし姿勢を固めた。
完全に体重は下半身に移り、不動の気配を放っている。今度は一体何なんだ。
「ならば無駄なフォースは一切断ち、一撃に集中することが万事な攻略法であると私は考える。
さあ来なさい、この先へは行かせませんよ」


122 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/06(金) 22:13:30 ID:???
ジンナイは小太刀をかしゃかしゃ交わらせながら、頭の中でしたたかに算段をかけていた。
先の交刀を見る限り、この神父は居合い抜きを極めているほどの剣豪とは思えない。
口元や手元を見ても詠唱や印結の様子はないし、術での迎撃も考えられない。
あの時、剣で十字を斬ろうとしていたがそれがきっと奴の切り札に違いない。
しかし十字を斬るという動作自体、二振りの小太刀に間に合おうはずもないしもしそれを許してしまっても縦に斬る際に自分の足なら離脱は容易い。
何か不穏な動きをすればすぐさま離れる、そうすれば対策を練った後に再度アタックをかければいい。
「ええやろ、ここで確実にあんたを沈めてアムステルの地を踏みしめるとしよか」
今度はジンナイが平原を一直線に疾走し、小太刀を前に立てながら勝負を決めに行く。
術の詠唱はいらない、余計な策は溺れるだけである。確実に心臓を貫いてやる!


123 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/06(金) 22:14:09 ID:???
「焦燥。それだけで結果は揺らぐ」
左より繰り出された小太刀の一撃をローレンスは見極め、エクスカリバーが刃を立てそれを下より薙ぎ払った。
思ったより太刀筋が早い、しかしスピードでは二刀のほうが有利。右からの斬撃で決める。
「もろた」
確信の一撃は光の速さで平行に振られたエクスカリバーにくしくも妨げられ、握った手が外へと弾かれた。
それはジンナイが思っていたより桁違いに速く、かつ正確な太刀筋であった。いけない、ジンナイは離脱を試みようと地を踏み込んだ。
その瞬間、予想だにしない痛みが右足にほとばしった。見ると流れ出る鮮血が既に彼の足場を赤く染めている。
小太刀を弾くと同時に気のいかない足へと切り込んでいたのか!
「一撃で相乗の効果を得る。私は欲張りなんです」


124 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/06(金) 22:14:59 ID:???
エクスカリバーが縦に振られ十字を完成させた。ローレンスのフォースが収縮され、それでも逃れようとするジンナイを強大なフォースの流れが引きずり込む。
「カウンタークロス」
解き放たれた聖なる力がジンナイの体に流れ込み心臓もろとも内部より悪しき者を弾け飛ばした。
通常のグランドクロスとは異なり、受身の体勢より繰り出すこの技はエクスカリバーを中心としたフォースの流れを利用し飛び込んできたものを引きずり込み粛清する。
破壊力は本家に劣るが防御に特化したこの技の順応力は高い。
「貴方の敗因は先を急ぐあまり無駄な焦りにかられたこと。そして何より敵である私の力量を見極められなかったこと。己の器を知りなさい」


125 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/06(金) 22:17:27 ID:???
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今日はここまでにします。相変わらず読者の方サンクスです。。
戦闘シーン描くの難しいからあまり書きたくないんですが自分なりに頑張りました。
臨場感とか迫力がいまいちなくてすいません。精進しますので・・

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/06(金) 23:07:18 ID:???
おつかりさーん

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/07(土) 00:18:22 ID:???
いや、おもすれーですよ。バトルシーン増加希望。
ローレンス新技キタキタキタ(・∀・)━━━!!

128 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/07(土) 20:56:51 ID:???
 キリングはハンドル握る手を応戦に回し、車は蛇行走行しながらスピードを固定クラッチにより落とさないようにしている。
ユフィアの放つナイフがキリングの喉元を裂こうと狙うが、その連撃はことごとくキリングに弾かれていた。
お世辞にも対等とは言えず、キリングの表情には余裕すら感じられる。こちらとしても車もろとも吹っ飛ばすわけにはいかず、下手に動けないでいた。
車は左右に揺れ、オレの腕ではキリングだけを狙うことができないし、リュークの術ではユフィアの耳にも入り巻き込んでしまう。
「裏切り者め、ここで死んで詫びろ」
彼女の攻撃には怒気がはらみ正確さを得ていない。元同じ東軍の人間として感情が高ぶってしまうのも無理はない。
だがキリングは表情を変えずに、それをあざ笑うかのように流す。軍に従事していた彼は一体どんな心境で戦場を観しているのだろうか。
「中佐にあって国を守らねばならない人がこんなところで何を……」


129 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/07(土) 20:57:55 ID:???
アムステルを先に見ながら彼女は呟いた。キリングはその一瞬の隙を突き、ナイフを彼女の手から蹴り弾いた。
奴は感情が戦闘において不必要なものであると知っており、それを実行できるほどの精神力を持っていることもまた確かである。
まだ感情をコントロールしきれない彼女では及ばないところであったのだとオレは感じる。
「引け! 譲ちゃんじゃ勝ち目はねえぜ」
マーフィの言葉に耳を貸さず、ユフィアは右側からの蹴りを放つ。
そこそこ鋭いものであったがキリングは左腕でガードし、右手のナイフで間合いを一閃した。
ユフィアは顔を引きそれをかわしながらキリングの懐に飛び込み、ナックルをつけた左手で腹部にフックを見舞う。
だが奴の内臓を潰すには至らず、キリングはふらつくこともなくその正確な右ストレートがユフィアの顔面を捉えた。
彼女は後部座席に吹っ飛ばされ、着けた眼鏡が座席の下へと落ちるのをキリングは口元の血を拭いながら見ていた。
いかに非力なパンチでもナックルを装着していればダメージは与えられる。


130 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/07(土) 20:59:10 ID:???
「東軍の人間はよく鍛えてある。こんな娘でも男一人を殺せる位の力はあるのか」
追撃をかけないキリングの前で、ユフィアは立ち上がりざま手元にあった通信機器を投げつけた。
それには少々驚いた様子でかわすがそこを再度、左ミドルキックが襲う。今度はナイフを持ったほうの手を封じ反撃を削ぐ。
しかしキリングは彼女の腕を掴み、その場に宙返しにたたき付けた。さすがに軍人同士では男女差がそのまま出るか。
それにしても相手が女性とはいえ、片手で人一人を持ち上げるキリングの腕力も目を張る。
「リーダーに似ているな」
呟くキリングのナイフが伏したユフィアの胸元に突き立てられる。
とっさに腕を出しそれを受けるが、キリングは腕に刺さった刃をそのまま下へ引き裂こうと握る手をさらに締めた。
一センチほど傷口が侵食したところでユフィアは表情を苦悶ににごらせながらも、
手のないハンドルを足で回し、車の揺れに足元をふらつかせたキリングの手を折ろうと足を絡みつかせる。
仕方なくナイフを手放しそれを回避するが両者とも得物を失い、決定出がなくなった。このまま奴をアムステルへ入れるわけにはいかない。


131 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/07(土) 20:59:57 ID:???
「お前の父はここ数年、一体何をしてきた」
キリングは後部座席に移り少し距離を取ったところで、隠し持っていた小銃の狙いをつけた。
接近戦では銃の機能性が損なわれてしまう。ある程度の距離を置いた場面でそれは真価を得る。
だが揺れる車上ではすぐそこの標的を正確に撃ち抜くのは極めて難しい。
「黙れ」
動こうとするユフィアの足を弾丸が貫いた。キリングは目を細目ながら銃を構えなおし、トリガーに指をかけた。
「大国の圧力に屈したこの国など消えてしまえ」
「外へ飛べ!」
発砲と同時にユフィアは素直に体を平原へと投げ、キリングの想定を超えた。
無防備に地につこうかというところを紙一重で二つの手が抱え込んだ。思ったより早かったな。


132 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/07(土) 21:01:55 ID:???
「進む速度が落ちていたので私の鈍足でも追いつけました」
そのまま車と併走しながらローレンスはオレの後ろへと飛び乗った。
オレはローレンスが視界に入ったときから構えていた電磁レールガンの狙いを定める。
この距離であれば確実に当てられる! スタンバイゲージはグリーンのOKゾーンを指している。
それに気付きキリングは車より身を投げ、受身を取りながら離脱した。
放たれた帯状の閃光は完全装甲の車体を貫きながらエンジン部へ達し、大爆発と共にランドジープを塵へと帰した。
「リディアなんかに屈してはいない」
オレの手から電磁レールガンを奪いトリガーに指をかけるユフィアをローレンスの手が止めた。
彼の指がトリガーの後ろへ入り込み、彼女の力では引ききることができなかった。
「もうよいでしょう」
彼女は傷付いた身体を落としオレの背中に寄りかかった。息遣いから泣いているのが分かった。


133 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/07(土) 21:02:55 ID:???
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ちょい休憩。。
楽天もうちょっと頑張れ・・

134 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/07(土) 23:59:04 ID:???
 「社長、お客様がみえていますがいかがなさいましょう。ミスタークロス、フィッシュフックと名乗るいささか怪しい格好をした方々ですが」
「通せ」
部屋に入室してきたのはその通り、このビジネス街にはおよそそぐわない格好に身を包んだ二人組みであった。
両者とも全身にハード・ソフト問わないデザインのシルバーアクセサリーをつけ、いささかヨハネストリートのギャングといった感じである。
今日は確か“ワールドカードCompany”の外資担当部長が来社しているはずだったが。
「君たちはスーツを持っていないのかね。そのような風貌で社内を闊歩されると非常に困るのだが」
高級ソファに我が物顔で腰を掛け、鬱陶しそうに小言をいう男を睨みながらタバコに火をつけた。
社長室は禁煙ではないのだが、それでも何だか無性に腹がたった。ビジネス路線に特化した《黒瘴》とは大違いであるなと感じる。
だが実績・腕ともに、それを許容するに値する水準に達しているのも事実だが。


135 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/08(日) 00:00:02 ID:???
「ヴァリウスには断られたらしいな。まあ、あんな臆病腰どもにハンターの一角なんぞ相手にする度胸はないんだよ」
ソファーに掛けた男は煙を吐きだしながら手を背もたれに回した。煙は“death”という文字を描き消えた。
フォースにできぬ事などないのだろうか。
依頼主である彼は対に置かれたソファーに浅く腰掛けながら二枚の写真をテーブルの上に投げ出した。
一枚はファーブスの記事を写しただけのものであり、もう一枚の方もあるリストの写真を写しただけの粗末なものであった。
男はそれを手に取るまでもなく吸殻をもう一方の手の平に落とす。灰皿はワークデスクの上である。
「ただこの男ともなるとそれも無理はないがよ」
男は金髪の細った人物の写真を見ながらフォローを入れた。
別に《黒瘴》の肩を持つわけではない、素直な言葉が漏れただけであった。
もう一方の写真は知らないが察するにこの依頼主と同系であると男は感じ取った。
なぜこの二人が一緒にいるかは疑問であるが、きっと仲良しなのだろうということで男は自己解決した。
人が誰かと巡り会い、一緒にいることは自然でありそれは良いことである。


136 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/08(日) 00:01:00 ID:???
「フィッシュフック、前にこいつの仲間と交えたことあるよな」
金髪のほうの写真を後ろに立ったままの男に手渡しながら、口だけで器用に灰皿代わりの手に灰を落とした。
見ると赤く水ぶくれになっている。
「ああ、西でやった白髪のことネ。途中で邪魔が入って逃げられたケド、とても強かったネ」
依頼主の男は金髪の男のことは調べ上げたが、他の者については知らなかった。同じ世界政府国際指名手配リストの人間のことか? 
「あの幻術は厄介だったネ、なかなか手間取ったヨ。でもあの銀髪の男さえ乱入してこなきゃ確実に殺れていたネ」
国際テロリスト《赤い月》に依頼されてその白髪の男と黒髪の女を追っていたが、依頼主が何者かに殺されそこで終了とあいなった。
クロスは銀髪の男の仕業だろうと考えていたが、真相を知りうるところでもなかったのでどうでもよかった。
ただ今回のターゲットがそいつらの仲間ということで、少々思い出したのであった。
フィッシュフックも特に逃がしたことを引きずっておらず、切り替えは済んでいる。
何事も割りきりが肝心であると彼らは考えていた。


137 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/08(日) 00:03:37 ID:???
「とにかく今回は大船に乗ったつもりでいるといいネ。ヴァリウスのところよりいい仕事するヨ」
クロスはタバコを吸いきりそれを握り潰した。そのゴージャスなコートが何とも悪々しい雰囲気を漂わせていた。
「そういうことだ。俺たち《デビル・トーカーズ》に任せておきな」

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138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/08(日) 00:04:23 ID:ZVkqO5f9
今日はここまでにします。ご愛読サンクスです。。

139 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/08(日) 00:04:48 ID:???
またやってしまった・・・

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/08(日) 00:26:57 ID:???
         ∧ ∧
       ヽ(・∀ ・)ノ <乙!
       (( ノ(  )ヽ ))
         <  >


141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/08(日) 00:59:47 ID:???


142 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/08(日) 19:57:03 ID:???
 アムステルに襲撃の様子はなかった。コーカスに進軍していた本軍から通信を受け、首都の防衛はできる限り最高のものになっていた。
それでも街中には賑わいはないものの、利益を切るわけにはいかない多忙な一流ビジネスマンや国家機関の公務者がちらほら見える。
戒厳令下でも国家経済に重大な影響を与えると判断された大企業は、通常通り活動することができる。
リディアのように経済規模が大きければ、例えトップ企業が二つ三つ倒産しようが国が揺らぐほどのものではないが他国はそうもいくまい。
それも金融機関のように連鎖倒産を引き起こしかねないものともなれば、政府も苦渋ざる得ないようだ。
「いいか、大統領府に入るにはそれ相応の権がいる。陸士のユフィアでは門前払いだろう。しかも戒厳令下ではさらにそれは狭まる」
メインストリートをゆく軍車両の後部座席にいる男は、息絶える寸前の灯火であったがそれでも役を果たそうと気力で意識を保っていた。
運転するアルウェイ陸士長は病院への路を打診したが総長は大統領府への路を選んだ。これが彼のラストロードとなるだろう。


143 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/08(日) 19:57:53 ID:???
「そして今この街には頼れるものがいない。優秀な将校は皆、本軍にて戦場に身を投じている。
可能性があるとすればこの私だけだ。戦場の司令官を拒むほど政府は愚かではないと信じている」
ユフィアの傷も放っておけるものではないのだが、軍人とはなんとも頑固なもので。
大抵の人間は腕から相当量出血していれば病院に足を運ぶというのに。まあ総長が拒否したところで何となくわかっていたが。
「大統領府が落ちてしまえば全て終わりだ。しかも守るべき防衛軍のいない不甲斐ない結果となりこの国は歴史から名を消してしまう。
イーストサンは最後の非核国家なんだ、それはまだ早すぎる」
行く道の所々に軍の検問所があり軍車両も停止を求められるが、アルウェイ陸士長が顔を出すと兵は敬礼と共にゲートを開いた。
彼は通り過ぎるたびにアクセルを踏み込み、時間の猶予を惜しんだ。
「まだ……」


144 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/08(日) 19:59:02 ID:???
フロントガラスの視界に歴史の教科書でしか見たことのない、有閑な建物が飛び込んできた。
薄いブラウントーンを基調にした中期の建築デザインを施した、東政府の総本山・大統領府。
周りは意外に閑散としており、軍車両もそれほど多くは見られない。既に大統領は街外へ避難した可能性もある。
「ご苦労です、アムウェイ陸士長。おや、後ろにいるのはモート曹長では。確か、南方の遠征キャンプで現場総長を任されていた気が…」
門兵はそこで総長の腕がないことに気付き言葉を止めた。
すぐに彼は軍医を呼ぼうと外回線を取ったが総長がドアを自ら開け、おぼつかない足で門に寄ってくるのを見てすぐさまその前に立ちふさがった。
もう一人の門兵がオレたちを睨みながらショットガンを構え、視線を総長のほうへと移す。
中からもう三人、武装した軍兵が出てきて同じように警戒に従じた。ちなみに電磁レールガンはトランクへとしまってある。
「大統領に…彼に会わねばならんのだ。もうすぐここに反乱軍の本隊がやってくる……主力の伴天連どもがだ」


145 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/08(日) 20:00:12 ID:???
「その体では無理です。ケーヴィ、モート曹長を近くの国立病院へお連れしろ」
ユフィアが足を引きずりながらも総長と掛け合う門兵へと駆け寄り、事情を話そうとする。
だが陸士である彼女には発言力がなかった。軍とは総じて縦社会である。
「残念ですが今の戒厳令下において、入府には中佐以上の将校の許可が必要となります。
それに後ろの彼らが反乱軍側の人間とも限りません、早々に去ることです。ユフィアさん、早く彼を病院へと連れていってあげなさい。
上官を見殺しにするなど軍人において恥ずべき行為ですよ」
門兵は今にも倒れそうな総長を支えながら、喰らいつくユフィアを退けた。
確かに彼の言うように身分の確証がないオレたちを、総司令官である大統領に謁見させないのは軍人として当然の行為である。
責任を負える将校クラスでないと通せないのも、それだけこの国は迫った危機の中にあるということである。
だがそれでも、ここで引き下がるわけにはいかない。


146 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/08(日) 20:01:08 ID:???
「おい、そこのモヒカン兵よ。そもそもだな、戒厳令とは国家防衛に基づいた…」
「頼む、ここを通してくれ! 彼らの身分は保証する。皆、我々の為に戦い傷付いてここまで来たんだ。
彼らにどうか道をあけてやって……」
オレの説得の言葉を遮って、総長のこれまでにない大きな声が大統領府の門前に響いた。
そしてその言葉を言い終わることなく、戦いに傷付いた司令官は身を沈めた。
門兵が脈を取るが、それを確認し彼は軍医車両を持ってきたケーヴィに手を払った。
ユフィアは掴む手をずるずると緩め落としながら、身近に知った上官の最期を見送る。
彼は最後まで願いを果たすことができなかった。
「勇敢に身を尽くした男よ、静かに休むといい」
ユフィアは俊敏に身を起こし門兵を押しのけ強行突破を試みるが、ショットガンの一撃を負傷したほうの足に受け再び身を伏せた。
彼女はオレたちとは異なり身の保障された正規軍の人間である。少々度が過ぎるのではないか。


147 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/08(日) 20:02:14 ID:???
「何事だ」
発砲音に触発され建物より背の高い軍帽をかぶった男が姿を見せた。
軍服の胸に輝く勲章の数からするに前線で活躍した将校だろう。
彼は場を見渡しながらその鋭い目を、殉職者にハンカチをかける門兵に向け概況を求めた。
「そうか、それは残念であった。ゲイル=モート曹長には後々閣下より少尉章が贈られるだろう」
その将校は二階級特進を告げ、目を瞑りながら餞の祈りを捧げた。開けた彼の目には悲壮感がないのを感じる。
「ではその勲章を代価にここを通してくれ。死人の勲章より今は求めるものがある」
将校は、誰だてめえはみたいな視線をオレに向けながら息を吐いた。その提案を呑む気はなさそうだな。
「死人の勲章などにさしたる価値はない。あの世で家宝にでもするんだな」
誰より早くユフィアの手が将校の顔面に向かい出たが、いつの間にか割って入ったマーフィが細い腕を掴み止めた。
将校は瞬き一つせずに後ろを向きながら、そこに佇む一人の男に身を驚かせた。
スーツを着ているところから察するに議員か政府高官だろう。
将校が軍帽を取り、敬礼をした。相当の権力者か?


148 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/08(日) 20:05:08 ID:???
ちょっとのんびりしたいので今日はここまでにします。
ご愛読いつもお疲れサンライズ日本です。。
この辺が漫画化されるの見たいなあ。

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/08(日) 22:11:48 ID:x70MBrrH
乙〜。

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/08(日) 22:42:29 ID:???
執筆いつもおつかれサマンサ!

151 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/09(月) 21:57:26 ID:???
「これはサザン議員。ただいま部外者が訪しております、危険ですので中へ」
しかし中年の紳士はそんな事に構わず、上品な革靴を鳴らしながら門前へと出てきた。
位置的に彼から見えないところで将校は表情を少し怪訝にしたが、すぐに鋭い顔つきに戻る。
「はなむけの言葉が浮かばない私が言うのもなんだが、彼の勇敢な行動は心打つものだと思うが。
いいではないか、ジーター大佐。彼らは歓迎すべき客人ではないかな」
オレはそこでサザン議員の顔をまじまじと見ながらあることに気付いた。
まだ歳もそこまでいっていないため顔は崩れておらず、若かりしの面影を残すようにして端麗な容姿をみせている。
「なりません。戒厳令下においてはわが東軍が全てを一任されています。
いかに国事議員であるあなたでも、それはかなわぬことです。
さあ君たち、早々にここを去りなさい。それとも強行突破を試み大統領の首を狙うか」


152 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/09(月) 21:58:51 ID:???
いつの間にか包囲する軍兵は数十人単位になっており、完全に敵方扱いである。
これでも一応、身分の保証されたブラックオーナーなんだが。
オレが足を一歩踏み出し前に出ると一斉にショットガンやら何やらが向けられる。ローレンスは警戒の様相こそあるが動く気配もない。
「サザン議員、今回は息子さんがやらかしていますね」
鋭いサーベルが一瞬で抜かれ、オレの首筋に突きつけられた。ローレンスが僅かに動き、いつでも抜刀できる位置に手を回した。
もっとも抜かせる気はないんだが。
「他国者が口を挟むことではない。議員、無礼極まりないこの者たちを強制退去させますので安全な場所へ」
ジーター大佐はサーベルを納め、振り向かぬまま下がり彼を引っ込めようと強引に後退させる。
その間に軍兵が割って入り今度は弾丸がオレの動きを封じるが、引く気のないことを悟ると向こうは一斉に威嚇射撃を行使した。
一発が頬をかするがそれ以外は寸手で外され、地面には多数の弾痕が生じた。次はマジで足辺りを貫かれそうだな。


153 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/09(月) 21:59:57 ID:???
「容赦はせんぞ。リディアの者らしいが、あの大国では数人行方不明になろうが警察などおおっぴらには動かんだろう。
君たちの事は閣下のほうから司法省へ報告しておこう。不法入国者、及び国家害者を処刑したと」
将校の手振りと共に一斉にショットガンが掃射された。
ユフィアの手を掴みこちらへと引き込むと同時にローレンスのフォースフィールドが展開され、弾の軌道をフォークのように急降下させながら地面に叩きつけた。
そこで連射は一旦止められた。ちなみにリュークはキャンプ地と同様、話をこじらせないよう潜ませている。
「伴天連か。やはり貴様らは反乱軍側の人間だな? ここは通さんぞ。撃ちかた、構え!」
司令官の一声に音が綺麗に並び、ショットガンが一斉に無機質なデザインのライフルのようなものに取って代わられる。ユフィアはそれを見て息を呑んだ。
「あれは…」
「そこの彼女は知っているだろう。東軍のフォースに対する技術と研究を煮詰め、つい最近に完成した対フォース兵器《FSS=Force Solution System》を。
その威力を見るといい」


154 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/09(月) 22:00:44 ID:???
一番前に構えた軍兵の発砲した弾丸がローレンスの長い髪を巻き込み、そのまま街路へと突き抜けた。
おいおい、こいつはやばいんじゃないの。勿論、都合の良い逃げ道などどこにもない。
「信之助様、先立つ犠牲は止む得ません。皆が引き金を一斉に引く前に地へと伏せましょう」
ローレンスは全員に聞こえるように声を上げながら剣を引き抜き、一閃させながらフォースをそれへと集中させる。
神速の聖剣…おそらくここの全員を斬り伏せられる。総長には申し訳ないが戦争は、終わるまで命の積み上げは必須となる。
先立つ犠牲、礎となるもの。
「大佐、そこまでの必要は…」
「撃ちかた構え、侵国者を薙ぎ払えっ!」
サザン議員の声をかき消し、敵方銃斉の号が将校の手上げとともに響いた。
瞬間、ローレンスの足元が揺れ真空波が巻き起こる。
最初の第一掃射は見えない刃に直接迎撃され、地に欠片がばら撒かれた。第二撃はどこまで来るか。


155 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/09(月) 22:01:29 ID:???
「撃ちかたやめえ! 銃を降ろし全員直れ」
後方よりの鶴の一声に銃撃は止射し、ジーター大佐を残し全ての軍兵がびしっと整体する。
ローレンスの剣はその刹那で、無罪の者を殺める前に静止した。
場は遠くを走る軍車両の音が聞こえるほどの静寂に包まれ、ただ一人の地を歩く音だけが身近にある。
猛禽の司令官は表情をこれまでにないほどこわばらせ、冷や汗すら伺える。それはサザン議員のときとはまったく異なる反応であった。
「わが軍はいつから陸佐の判断で、領事内の身元不詳者を処することができるようになったのだね。ジーター君」
その威圧感は将軍はもとよりラムズ大佐すらの比ではない。勲章の数はジーター大佐の倍以上であり、周りの軍兵の反応からもそれが伺える。
表情は憮然とした堅牢さがあり、まさに歴戦の司令官といった感じである。


156 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/09(月) 22:03:06 ID:???
「は…い、いえ。このようなところへおいでになられるとは、コーカスへ進軍されていたはずでは……」
「はずでは? 君はそんなことが気になるのかね。まったくもって呆れる」
ジーター大佐はそこで口を濁し、身を引き下がったまま慌てて姿勢を正した。
ユフィアも流血する足を無理やりまっすぐに立たせ、他の軍兵と同じく直りの姿勢をとる。
場はオレたち三人とサザン議員以外、全員が軍事的礼を一面にしていた。なんとも異様ではないだろうか。
「ユフィア、この将校は誰なんだ」
ぼそっと呟いた質問にユフィアは顔を前に向けたまま静かに答えた。
「この方は大統領、国家防衛長官に次ぐ東軍最高指揮官・ウェイクフィールド総軍大将です」


157 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/09(月) 22:05:39 ID:???
ちょっと早いですけど今日はここまでにします。ご愛読サンタマリアです。。


158 :雇われ店長:2005/05/09(月) 22:11:14 ID:???
まだ読んでないですけどお疲れ様です
なんとか水漏れが止まったっぽい(wので執筆再開しました
小説は快調に進んでいるのに漫画はちっとも進みませんですみません
1週間で19ページ描けたのが信じられない
では今から読みます

159 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/10(火) 00:38:27 ID:???
それは良かった良かった。。中国歴史は四千年、トイレの水漏れ八千円、
っていうネタあったな。
話はまあそこそこ進んだと思うのでどうぞ読んでください。

160 :おまけ ◆/I03giEWww :2005/05/10(火) 00:44:47 ID:???
             _,,,,ュゞヽレ∠,,,_
            /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
              |;;;,''-―'''''''''''―-、;;;|
             |;;;i        i;;;|
               |;;〉/~`  '冖ヽ〈;;|.        ∧∧∧∧∧∧∧
               ||' -uォ iru- '||       < >>1
             `|  ` ´ | ` ´ .|'       < そっちのミムラかよ!
     .         |.    ‘‐‐’    |       <
     .        \  -‐=‐-  /〉-、_     ∨∨∨∨∨∨∨
           / ̄ゝ\__二__/ ./  /   ̄'冖;


161 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/10(火) 21:16:33 ID:???
制服組のトップ、リディアでいうところの元帥か。
通常、大統領が最終判断を下しそれを実行させるのが防衛長官だったりするわけだが、
いずれも政治的観点から状況を見るのであり実践的な高度戦略は判断しかねる。
先生が教科書を見ながら授業を進めるように、大統領も助言者の言葉を頼りに選択する。
事実上、実践的な戦略は全て彼に任せられるのである。
防衛長官が政治展開、総軍大将が戦場展開において、大統領の軍事顧問となるのだ。
そう、今ここにいる将校はとってもお偉いさんなのである!
「彼らの事はホルツ陸尉より聞いている。彼らの先導により、首都防衛に従ずるべき本軍は無意味な戦闘を避けられた。
君よりよっぽど勲章為だと思うがね、大佐」
「では正規軍側の本軍はもう帰路を終えたのか」
だがウェイクフィールド大将は首を振りながらオレの問いかけを否定する。


162 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/10(火) 21:17:41 ID:???
「後方に敵を残し背を向け退行すれば、我々とともにアムステルもいずれ危面に晒されよう。
敵軍殲滅のために大半は交戦中、私を含め帰都を果たしたのは将校と僅かな兵のみである」
結果、反乱軍側は有利なフォース戦のみで首都攻撃を果たせる事となる。
だがこちら側もフォースへの対抗策を完成させている、ここにいる兵たちと手を合わせれば十分撃退可能だろう。
相手側の残る戦力が未知数なのが疑点だが。
話によれば向こうの最高戦力は親衛隊と呼ばれる三人のフォース使いであり、ローレンスの手により既に一人は始末済みである。
残る二人にはローレンスとマーフィがあたり、オレとリュークが他のフォース使いを相手にしながら後方を東軍が援護する形となるか。
反乱軍側の狙いは勿論、大統領であろう。彼を失ってこちら側の勝利はない。
反乱軍側はどんな手を使ってでもその首を取ろうとしてくるはずである。受身の戦いか、通常戦闘よりやり辛いな。


163 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/10(火) 21:18:28 ID:???
「敵軍はいつどこから攻めてきてもおかしくない。ジーター大佐、今時は事態が事態だ。
その国家精神に免じて今回の件に関しては目をつむろう。大統領の命は何に代えても絶対死守に徹するのだ」
大声の軍官が手を大きく振り放った。ウェイクフィールド大将の号令に一斉に兵たちは銃を納め、散っていく。
ジーター大佐はサザン議員に一礼しながら建物の中へと姿を消した。
「足を負傷しているのだろう。楽にしてよいぞ」
ユフィアを遠めで見ながら大将は理解ある一言を口にした。
彼女はそれを素直に聞きその場に腰を落とし、それでも顔だけは上を向いている。
剣を納めるローレンスの脇をサザン議員がゆっくりと歩み過ぎ、こちらへと緩やかな表情をしながら輪へと入ってくる。
「娘さんは見ての通り、上官に噛み付くほど元気ですな」
「昔からとげには敏感な子でして。出る杭叩かれぬよう、もう少し保身でもいいと思うんだが」


164 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/10(火) 21:19:32 ID:???
カラコス=サザンには二人の子供がいる。長男・ラシード=サザンは現反乱軍を指揮する敵軍大将である。
もう一人については詳しく聞いていなかったが、先のサザン議員とユフィアの顔立ちを見て判断できた。
長男が長男であったので、女性軍人とはまさか思わなかったな。故総長め、そんな重要なことを黙っているとは。
どうりでキリングが東政府を貶したときの過剰反応だったわけだ。しかし何だな、父親も色々と複雑な立場となっているし、
政治家としての判断も他議員ともまた少し違ってくるだろう。
敵軍への攻撃決議にしろ進軍決議にしろ、どこにでもそれが係わってくるのである。
それ故に政治家は高貴な人間が求められる。
「貴方から聞く言葉ではありませんな」
「子を思う言葉に政治も立場もない。家庭では議員バッチなど家計簿に挟まれてしまう」
「男尊などどこの話でしょうかね」


165 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/10(火) 21:20:29 ID:???
二人は談笑しながら、場の空気を徐々に緩めていく。そんな二人の影をさらに大きな影が飲みこんだ。
気付くとオレやローレンスの影も同じようにして消え、その大きな黒手は大統領府の壮美な建物へとゆっくり伸びてゆく。
上を見上げれば巨大な空中戦艦がもう届きそうかという所にまで高度を下げ、政府にのしかかる悪雲そのものを表しているようであった。
「大統領を」
一目散に駆け出したウェイクフィールド大将に続きオレたちも総長の亡骸を残し、高い代償を払ったその門をくぐり走り抜ける。
中は思うほどのものではなく、余計な装飾を省いた現政府をそのまま模写したような雰囲気であった。
この景観がもしこの手に収まるのであれば今ここを走り抜けていることも、平原をからがら疾走してきたことも、
キャンプ地での出会いも、無人島での一歩も、全てはオレにとって最なる意味を持つ。
金も、出会った人々も、兄や父の家族でさえも、それの為であれば静かに目を閉じ通り過ぎよう。


166 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/10(火) 21:22:20 ID:???
「閣下!」
奥扉の先には最期を知り過ごす聖者のように在る男の姿が、机上にひじをつき静かに息をしながら鎮座している。
その横にはジーター大佐ともう一人、知らぬ顔だが大方国防長官といったところだろう、
その胸に議員バッチと並んで軍のマークが刻まれた腕章をつけている。他に気配はない。
ジーター大佐は表情を冷淡に戻し、唯一座ったその男の脇に微動だにせず立っている。
「ウェイクフィールド将軍。総軍を率いての最終作戦、ついては無事の帰都、ご苦労であった。
続く君たちの見返りを求めない果敢な助為、同じくしてこの私より感謝を贈ろう」
初代イーストサン大統領・デシャネル=シラク。統一戦争時の国家再編以降、その手一つで困難な東独立制を舵してきた鉄腕政治家である。
だがその顔に浮かぶ表情は、混時を巻く世界の動向と自国の乱に憔悴しきったものであった。孤独に戦ったこの国の総括がそれだろうか。


167 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/10(火) 21:22:56 ID:???
ちょっと休憩と。。

168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/10(火) 23:05:22 ID:???
 \ 乙 /     \ カレー /
    __
   /   /.|
  /   /. |
 /__/./| |__
 |__|/ .| |__| |  _____
   (゚Д゚,,).| | //  | ボンカレー|:|
   (/  ヽ) |//   .| (゚д゚,,)  |:|
   | ∞ |  /   (/ 辛 ヽ)|:|
   \_\/    .|_    .|:|
    U"U ̄      U"U ̄

169 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/10(火) 23:20:03 ID:???
「何をおっしゃいますか、閣下! 軍雄たちは祖国の為に命を張って今もなお、戦っております。
そのような言葉をまだ口にすべきでは」
「もう十分だ。私は大統領の地位を国民へと還そう、それで私の政治は幕引きだ」
「な……馬鹿な。そのような愚言が…、戦場の者たちへの計らいの言葉であってたまるものか!」
拳でどんっと机を叩きつけながら憤怒する司令官に、しかし情を表すこともなく彼はただ座ったまま、
疲労感を見せつつ居るだけである。
その横で場を眺望するジーター大佐の表情はそれを容認する、諦めた先を受け入れるように堅固じめている。
そこからは彼の心情が、怒れる将校とはまた違ったものと感じ取れる。
結局のところ、制服組と背広組には相容れぬ価値観の差があるのだと、
それはどこの国でも同じであるということを示している。
司令官に敗走を示唆するような詭言は決して許されない。


170 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/10(火) 23:21:02 ID:???
「反乱軍は北と手を組んだ。事実上、この戦争は北東戦争の構図となったのだ。
政治家の本質は判断、私と国民の夢は散ったのだ」
「そして夢は舞台を変え、再び欠片を拾い始めるのは国民自身である。
それは国家があるべき形を取り戻すべく立ち上がる、世界の願いを写し出す鏡となり全世界の自由を鼓舞させるのだ」
扉を放ち、高貴な姿を魅せながら賢人の前へと参上したのはオレと年端変わらぬ、長い髪を結わえた青年だった。
ユフィアの寸前まで来たとき彼女の表情から、もっともそれを踏まえるまでもないが、彼が誰であるかを理解できる。
その傍には二人の人間、読み物に出てきそうな異文化的な服装を着た男と、
端整な正装に毛皮を施したハーフコートを羽織ったダークな男がいる。
「いつの時代でも屈強に存在した、あらぬ理想の元へ集った者たち。
反乱分子と虐げられようが、それを今はまだ受け入れよう我々は」


171 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/10(火) 23:22:44 ID:???
突如、白熱照明の天井が大きく崩れ落ち、ローレンスとその男の脇に添った一人の展開したフォースフィールドを滑りながら瓦礫が床へと散乱する。
それの正体は大統領府を覆いつくす先の戦艦であった。船尾に掲げられた風になびく旗には、独立を示す“ハナキリン”の花が描かれている。
「反乱軍《リベリオン》リーダー、このラシード=サザンが堕ちた廃国にピリオドを打つべく参府した。
東国家、最初にして最後の大統領・政雄デシャネル=シラク、覚悟を」


172 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/10(火) 23:24:11 ID:???
今日はここまでにします。ご愛読いつもお疲れサンセットクルーズです。
ちなみにデスニュ更新来てますよ〜

173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/11(水) 00:45:05 ID:???
お疲れー(*´¬`)ノ

174 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/11(水) 20:37:00 ID:???
ラシードは言うべくその首をとるためのサーベルを引き抜き、ひゅんと一閃させながらデシャネル大統領へと歩み寄っていく。
動き辛そうな衣服を引きながら、傍らの一人がおどろおどろしくそれを制した。
何事かと振り向くラシードに彼は異様な雰囲気に相応しい、滑らかに弧を描いた古風な剣を自身の腰につけた鞘より抜き、それを差し出した。
細身のデザインであり、どちらかといえば刀か。
「昔より歴史の変わり目は、王君・斬首の手合いと決まっている。それでは脊髄を切断できまい」
「ふむ。それもそうだな」
差し換えに受け取ったサーベルをそのまま構えながら、こちらを見る目に僅かな関心を宿し掛かる裾をはねのけた。
自らの武器を渡してしまい満足に戦えるのだろうか。
ローレンスの得物へのこだわりを身近で感じていると、おおよそそれはこちらを甘く見ているとしか思えない。
爬虫類系の皮を施した足元を音立てながら、それに並ぶようにしてコートの男は歩みを止めた。
懐より出した光銀のナックルを両手にはめながら同じく、こちらを興味半々に見据える。
ラシードを中心に王の近衛隊のようにして彼らが両端を固めた。


175 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/11(水) 20:38:09 ID:???
「他の者は我々があしらおう」
それに対するようにして、二人の将校が大統領の脇に寄りながら護身の剣を抜いた。
同じ護衛でも差はあるが、守ろうとする闘志は同じだろう。
ローレンスも剣を抜きながら詠唱を開始し、マーフィとともに応戦の陣を取る。
「信之助様、他の方々を連れ奥へと逃れなさい」
次の瞬間、エクスカリバーが瞬殺速で放たれたサーベルを受け弾いた。
すぐさま応撃に詠唱済みの術を放とうとするが、男はローレンスの口を片手で封じサーベルを首元へと突き立てた。
ローレンスは身を強引によじらせ一撃を肩口へと逸らすが、男はそのままローレンスを蹴り出し床に叩きつける。
印より指から雷撃がほとばしり、突き刺さったサーベルを通じローレンスのフォース壁を突破しながら雷撃がその身を焦がす。
あの形は大印であると思ったがなるほど、避雷針という媒体を通じ直接いなずまを送り込んだか。
あのタイミングで極印を結んでいる間などないし、
普通に放ったのではあの程度の術はローレンスのフォース壁に遮られてしまうだろう。


176 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/11(水) 20:38:48 ID:???
「サザン議員、あとそこの謎のおじさん。こちらへ」
「大統領を置いては下がれん」
そう言いその場をなかなか動かない二人を引きながら、部屋隅へとねじ込ませつつオレも一応ファイヤービュートを手に戦闘体勢をとる。
状況を見直し、冷静に判断しなければ盤上は思うように詰まない。
「ユフィア、ここを頼む」
ガンマXをほとんど動けない彼女に放り投げ、建前のガードを任せる。
下手に動かれては困る、こうしておけば軽はずみには離れられないだろう。
場は三つの交戦を描く構図となった。


177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/11(水) 20:39:27 ID:TZWf89aF
-----------------------------区切り----------------------------------------

ちょい休憩。。

178 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/11(水) 21:13:37 ID:???
 大統領府の付近はひっくり返したような騒がしさであったが、訓練された軍兵は緊急時にこそ一般人とは異なる冷静な対応を発揮させる。
安易に持ち場を離れず、最傍の上官に従いながら場を持ち直す。
しかし大統領府上空につけられた明らかな敵艦を眼上に、それでもなお訓練どおりに機敏さを見せ付ける者はそうそういない。
場で一番ベテランのジョーサウス中尉も出すべき指示を模索していた。彼のいる門前には一人の門兵を残し閑散としている。
その唯一の守衛がこちらへ歩み寄ってくる軍人を手招き、外の状況を聞こうと寄っていく。中尉はその男に見覚えがあったが思い出せなかった。
「街人の様子はどう……」
乾いた発砲音が響き渡り、聴覚と視覚が同時に中尉の脳に起こったことを伝えた。
さらに間の悪いことに記憶の欠片が今さらになって集まりだし、硝煙を吐く銃を手にした男の正体をまざまざと脳裏に浮かび上がらせた。
「う……」
口を“ら”の発音にしながら中尉の身体は地へと倒れた。男の銃の残弾は二発減った。

-----------------------------区切り----------------------------------------


179 :雇われ店長:2005/05/11(水) 22:15:07 ID:???
漫画更新しました
http://www.geocities.jp/rebellion_manga/

180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/11(水) 22:23:11 ID:???
浜田氏&雇われ店長氏おっつー
今更だけどトップ絵良いね。
保存したw

181 :雇われ店長:2005/05/11(水) 22:24:46 ID:???
>>180
dくすで〜す^^

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/11(水) 23:21:28 ID:???
ゴールドハンドがカッコ良過ぎ

183 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/11(水) 23:58:51 ID:???
 ラシードの虚空を旋回しながら振り放つ異刀の一撃が細いサーベルを折り飛ばした。
ウェイクフィールド大将はまさかの表情を浮かべ、それでも向かう姿勢を崩さずに大統領へ耳打ちをする。
……どうかご無事で……太い腕で大統領の腕部を掴み、大きく身を唸らせながら窓の外へと解き放った。
防弾加工の施された窓ガラスを突き破り、その身を外庭の芝へと投げ出された大統領は、
窓との衝突と地面に叩きつけられた衝撃で体を痛めた様子で悶えている。
ウェイクフィールド大将は役を終え、革命者の手によってその首を刎ねられ崩れ落ちた。
すぐにラシードは破られた窓から外へ駆け出そうとするが、その背部を猛速の球体が直撃しその場へ倒れこむ。
その上を小山の巨体が飛び越えすぐさまリカバーするのはマーフィ、たまには役に立つではないか。
オレは身を伏せたラシードにとどめを刺そうと懐を探るが、
ガンマXを手放してしまったことに気付きファイヤービュートを鳴らしながら駆け出す。
焼ききるほかない! だが間を割ってナックルの男が立ちはだかり、一閃した鞭を渦巻く炎ごとつかみ取った。
これだから原始的武器は!

184 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/11(水) 23:59:52 ID:???
「リーダー。気を確かに」
同じようにオレの体も鞭ごと放り投げられ、壁へと叩きつけられる。
ナックル男の姿を三重に見ながらもその場に居るところを確認し、
指をパチッと鳴らすとリュークの姿が浮かび上がり異界の詠唱がこだまする。
ナックルの男と同時に炎撃をあしらうもう一人の男もそれに異常な反応を示し、一瞬動きが止まる。
『ιτυιζ』
ナックル男の足元から赤黒い火柱が発現し、塵への導きをそくす。それを見て異風の男は表情を戻し再びローレンスへと視線をやる。
ローレンスの状態を見るとさっきの一撃が効いているか、戦況は互角とは言えなそうである。予想以上に敵方は強いか。
少なくともローレンスで確実に一人は抑えつけられると計算していたが。
状況もあいなって劣勢、そもそもこちらには元々不利な流れではあった。
幸い大統領は生きている、オレにとっては最高に近い状況でもあるか。
「ディープレンジ・ブラスト」


185 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/12(木) 00:00:52 ID:???
ローレンスの半径二メートルほどを耳の裂けるような強烈な爆発が包んだ。
その威力は足元を崩すには十分以上のもので、狭い部屋内を素早く動く異風の男を封じた。
そこへ金色の髪をなびかせる影が重なり見上げる敵に十字が刻まれる。
「グランドクロス」
収縮されたフォースが先ほど以上のエネルギーで目標を包み葬ろうとほとばしる。
白い発光を帯びた十字はしかし、瞬間にして流れを失い消えた。それ以上のフォースで抑え込んだのか? 
衣服を所々ほころばせながら佇む強靭な男は、瞳を安定させながら足取りをしっかりとした。
手にしたサーベルは柄以外なくなっている。
「聖なるフォース、アークスの者か。ラシード、刀を」
身をややふらつかせながら後退し、意識を取り戻したラシードの元へと寄って行く。そこそこのダメージは与えたか。だがしかし…


186 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/12(木) 00:02:09 ID:???
「ここは引きましょう。残念ですが彼らを退けるのは困難です、戦力が及びません」
肩口から血を流しながら、滅多に口にしない逃手の策を示唆してくるローレンスの様子を見てそれを悟った。
ウェストコールのときと同じ、絶対的な戦力不足。戦闘にも流れがある、風はこちら向きではない。
「リューク、ユフィア、撤収だ!」
煙弾を地面に思いっきり叩きつけ、部屋の視界を奪う。同時にローレンスはフォースを遮断する、したはずである。
サザン議員がユフィアを抱えながら窓より出て行く様子を見送りその場を動かない男。
ふむ、防衛長官だとすればこいつがいわゆるあれか。事実、オレが部屋に入ってからこの男の表情は誰より変化を見せていない。
今殺しておくべきか。だがすぐ後ろに大きな影を認め、すぐさま身を引くオレの腹部を強烈な衝撃波が襲った。
そのまま踏ん張りきれずに吹っ飛ばされるが、運よくその先は窓先の庭であった。

187 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/12(木) 00:04:27 ID:???
既に大統領を保護したマーフィと他の者が軍用トラックに身を移し、ジーター大佐の運転でトラックは急発進をした。
中から飛び出してきたローレンスのすぐ後ろでさらに爆発が数発あがり、そこをオレのファイヤービュートが追撃する。
炎に反応したスプリンクーラーが作動し部屋内は浸水に見舞われ視界はさらに悪化した。
それを背に急いでオレとローレンスは荷台へと飛び乗り、戦場からの脱出を図る。
皆の姿をそこに確認し再度、視線を後ろへやると窓から異風の男が飛び出し、その場で手にした刀を逆十時に切った。
「ハーケンクロイツ」
響く声と重なり強烈な圧力エネルギーがプレッシャーを帯びこちらへと迫る。
ローレンスはエクスカリバーを眼前に構えフォースを集中させながら再度、十字の線を切った。
そこで二つの対極エネルギーが衝突し車体がひどく揺れながら道を外れた。
そのままトラックは速度を少し落としながら建て直し、加速を帯びながら場を離脱した。
ほっと胸をなでおろす一同はローレンスの赤く染まり傷付いた両腕を目の当たりにし、息を呑んだ。
思いのほか事はうまく運ばなそうである。


188 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/12(木) 00:36:11 ID:???
「これはまずいですね」
トラックは先のフォースの激流に流され破壊しつくされた西ストリートを走り抜けていく。

-----------------------------区切り----------------------------------------


189 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/12(木) 00:45:33 ID:???
今日はここまでにします。ご愛読お疲れです。。
雇われ店長氏、更新お疲れです。早速読ませてもらいました。
こんな女敵キャラいますよね、女スパイとかで。
吹きだしの中に字を詰めるの大変そうですね、すいません。
表紙の絵、確かに見るほどにいいですねえ。ローレンスが特に><
シェーラも心なしかかわいく見える・・・

190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/12(木) 01:14:26 ID:???
一時はどうなることかと思ったけど
この板にきてからもうすぐ200ですなーすごい
浜田氏ほんとお疲れさん

落ちては立て、の日々も面白かったけど
こうやってマターリ安定して読めるのも(・∀・)イイ!

191 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/12(木) 19:42:51 ID:???
 珍しく大臣章をつけた人間が省内食堂に姿を見せ、IDカードを挿入しながら鍋焼きラーメンの食券を購入しおばちゃんに渡す。
トッピングに三つ葉とざん切りたまごを告げ、誰も座っていないカウンターに腰をおろした。おばちゃんは食券の履歴を見ながら麺を茹でだした。
ここ半年、高官の名前はない。
厨房に密接するカウンターは蒸気や鍋煙がいぶりそこらのラーメン屋並みの悪席だったが、大臣は構わず手を組み慌しい厨房内を見つめている。
昼時のピークこそ過ぎたが政府の人間は大変不規則な仕事柄も多く、一日中人が絶える事はなかった。
定期巡回を終えた護衛官や西に関する安置委員会を出てきた事務官などが雑談しながら遅い昼食を取っている。
ただ皆若い者が多く、自室を持つ高官やいつ呼び出されてもおかしくないベテラン事務官などは、隅っこに作られた食堂に足を運ぶことは滅多にない。
だからパート勤務のおばちゃんには高官を見ても実感がわかなかった、大臣を見るなど初めてのことでもあった。

192 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/12(木) 19:43:39 ID:???
「はいお待ち。お大臣様が五百Gの昼食とは、政府も戦争のしすぎで財政難かい」
箸を割りながら置かれた湯気立つラーメンに手をつけながら大臣は聞き耳を立てる。
省内で自分に敬語を使わない人間は、思い出すところで事務員アルバイトのモンデシー位だなと思った。
「お気に入りの店が出入り禁止になってしまってね。どうも釣りを毎回受けとらなかったのがまずかったらしい」
「あんたにはわからないかも知れないけど、料理する人間にもそれなりのプライドがあるんだよ。
全てが利益じゃないの」
「だからといってこの仕打ちはひどいものだと思うが」


193 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/12(木) 19:44:25 ID:???
三つ葉をたまごに乗せながらぼそっと呟いた。
別に情的なものでそうした訳ではない、ただ小銭を受け取るのが面倒なだけであった。
そのくせ彼はマネーカード所持をかたくなに拒否していた。金の感触くらい、そのありがたみと一緒に忘れたくないと思っていたからである。
それに加え彼は変なプライドがあった。彼より色あるカードを持つ護衛官はたくさんいる。
命を盾に政府をサポートするそれなりの対価は当然だった。
「あんたここで一番偉い人なんだろ。あっちの広い席で食べたらどうなんだい」
「君にはわからないかも知れないが、上司との食事は味が落ちる。忙しい時期なんだ、休憩の時間くらい思うようにさせてやらんとな」
「政府高官ってのは淋しいんだねえ」


194 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/12(木) 19:45:19 ID:???
そう言いながらおばちゃんは、数人で入ってきた事務官たちから食券を受け取り場に戻る。
中にはこちらに気付き礼をする者もいるが特に返すわけでもなく、孤独な食事をさっさと済まそうと箸を進める。
唯一の楽しみだった会計前の薄荷飴もない。何とも習性的な食事だろうか。
先の集団に続き一人の若い事務官が入ってきて室内を見渡す。
食券を買う様子もなくうろうろするが、やがてこちらを見ながら靴を鳴らしながら寄ってきた。
「フェレル諜報員から入電が。反乱軍が事実上の暫定政権となったようです」
事務官は大臣に耳打ちをしながら入電コードを記したメモを渡した。
彼はそれをしまいながら事務官を払い、食器を洗い口へと置く。
「どうだい、その店に比べて味は」
先のおばちゃんがトレーを運びながら批評を求めてきた。彼の頭の中では次なる一手が模索されていた。
「まったく及ばんね」


195 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/12(木) 19:46:08 ID:???
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ちょっと休憩。。巨人頑張れ、、

196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/12(木) 21:17:29 ID:???
久しぶりにこのテレビっ子が、と言っておく

197 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/12(木) 21:34:53 ID:???
すいません、IEの調子が悪いようで・・
なぜかページを開くたびに取り消されたアクションが表示され、先に進めません。
一体どうしたらよいのか。。。

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/12(木) 21:47:01 ID:???
専ブラで書き込めば?

199 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/12(木) 23:49:40 ID:???
 裾口をかばうようにして水浸しとなった床の上を行く吏に一斉に注目が集まる。
吏がここまでダメージを感じさせるのは初めてで……とは言っても付き合いはそんなに長くない……
特に彼をフォース戦の頼りにしているラシードの表情はなかなか人間味のあるものであった。だがその心配もマックスの姿を確認して分散した。
思う以上の抵抗だったなとラシードは思い悔やんだ。
「逃がしたか。まさかリディアのフォース使いがここまでやるとは想定外だった。
ゴッドハンド以外にもお前たちと対等にやりあえる者がいるのだな」
ラシードは主を失った王座に腰掛けながら二人にそう言った。
吏は幾度となく戦いに身を置いてきたがこれまでにない緊張感を感じ、ラシードの言葉に大方同意した。
リディアのフォース使いというくくりはあまり的を得てはいないがとも付け加えた。
「優秀な使い手は大抵ゴッドハンドの道を選ぶ。絶対政府のリディアで名誉・富を手に入れるには最も有用な先だからだ。
リディアのフォース使いとは総じて政府護衛官のことを指す」
「ではあの神父はゴッドハンドか」
ラシードの問いかけに吏は首を振った。


200 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/12(木) 23:50:20 ID:???
「確かに上の護衛官ほどの腕を持っているが、それより厄介なところに所属している」
「ゴッドハンドより厄介?」
「奴はアークスの人間だ」
ラシードとマックスの表情がぴくりとした。アークスについては学校の歴史誌にも出てくるが、ラシードの知識はそこから学んだものであった。
アークスがフォース国家という側面を持つ関係、フォースを使うものとしての知識がまた別にマックスにはあり双方の驚きには僅かな相違が見られた。
吏にもラシードがどこまでフォースに関して理解しているか伺い知れぬところではあるが、若い彼にわざわざ話しても箔にしかならないと考え口をつむいだ。
「フォースに性質などというものはないが我々フォース扱者の中では、アークスの人間が使うフォースは別物として捉えている。
あの十字斬りは聖なるフォースと形容された技、神の小手先とも聖者の制裁とも言われる」
「世界政府が指名手配する《ハンターナイン》もそうだったな。奴らが係わってくれば面倒そうだが、この国を見ているリディアも黙ってはいないだろう。
きっとゴッドハンドを送り込んでくるに違いない。その混乱に乗じて一気に世界進出といくか」


201 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/12(木) 23:50:49 ID:???
奴は単独ではないだろうかと吏は心で呟いた。リストのハンターナイン面々の中に奴の顔はなかったと記憶している。
ここ最近耳にする奴らの動きと関連があるのか。いや、おそらくあの神父はもうアークスとはつながりがないはずである。
アークスはもう分裂している、以前ほどの脅威はない。
「ラシード、ひとまずリディアとアークスは置いておけ。そのどちらかを相手にするにせよ、両方を相手にするにせよ、我々だけでは到底厳しい。
早々に北との交渉を進めねば」
「そうだな。まあそれは彼に任せようじゃないか」
ここで吏とマックスは初めてそこに佇む男に関心を示した。男は空気を読んでこちらへと歩み寄ってくる。
キリングと同じように専門知識に長ける人間は彼らにとって貴重なものであった。
政府内で常に策を弄じてきたその腕は、裏での交渉を進め北との同盟に一役かった確かなものである。


202 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/12(木) 23:51:17 ID:???
「既に構図は出来上がっている。あとは条件交換などの詰めだけだ、引き続き任せてもらおう」
そこで部屋内に軍服をきた男が悠然と入ってきて、状況をその床と彼らの様子より自分なりに予想し構築した。
大方考えていたのとは違っていたが、最低限の水準は満たしていると判断しラシードのほうを向いた。
「敵は」
「見ての通りだ。次は仕留めるさ」
ラシードの言葉にキリングは怪訝な表情を押し殺した。
逃がしたことは仕方がないことだがその過信はどこから来るのか、より最善の策を尽くして備えるのが当然のことではないかと軍に沿うキリングは思った。
無論それをすべきなのは脇の二人だが。
「ジンナイはどうしたんだ」
「死んだ。あの神父だ」
マックスは意外な返答にちょっと面食らった。少なくとも死ぬまで戦闘を続けるようなタイプではない、彼はどちらかといえば遊撃手のポジションにあった。
相手の力量を悟れば早々に引く利口な男だとマックスは認識しているつもりだった。


203 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/12(木) 23:52:55 ID:???
「それは残念だ。残る二人にフォース戦は任せよう。東政権は事実上倒壊したが大統領はまだ生きて国内にいる。
デシャネルの死・亡命をもってして我々の勝利は暫定的なものから確定的なものとなる。ここで北との共同功績として新国家設立を目指す」
椅子に深々と掛けながら机上に足をやりラシードは高らかに言った。
「これより奴らを頭上の戦艦で追撃し放逐する。それにて敵標は帝国リディアへと変わるだろう」
だがキリングはそれを否定し、若きカリスマの考えに一石を投じる。
意見は歓迎であるがこの男の策にはいまいち賛同できない部分が、ラシードには多かった。
「敵は電磁レールガンを使用してきた。あれは個人レベルで手に入るものじゃない。
武器商人か他国のスパイかは知れないが、場合によっては東軍などより脅威だ」
「リディアの先兵かもしれんな。武器商人が何の用でこの国にいるとは思えない」
そこで身を乗り出してきたこの国の国防長官が口を開いた。キリングもこの男とは幾度も政府内で顔を合わせたことがある。


204 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/12(木) 23:53:39 ID:???
「いくら多くの兵を用意しても、最新の兵器一つに身を削られることもある。もしその兵器群に戦術のプロが組み合わされば厄介だ。
そして奴らは大統領を連れ再び政権を奪還しようとやってくるだろう。そこを向かい討つべく万端に準備を整え、北との連合軍で敵を殲滅する」
「だが所詮は少数の者ども、そこまで時間と労をかける必要はないのではないか。兵器戦にしろフォース戦にしろこちら有利に変わりはない。
ここは追撃をかけ一気に叩くべきだ」
元部下のキリングに反論する国防長官の考えにラシードはおおむね同意であった。兵はまた募ればよいし、兵器自体は北が提供してくれる。
今が最機だとラシード自身も感じていた。
「あとは北と停戦同盟をまとめ上げ、ともにリディアを討った後に国家編成を図ればよい」
「それは違うな」


205 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/12(木) 23:54:26 ID:???
キリングの手にした銃が二発、音を立て硝煙を上げた。吏は刀を抜きキリングの首筋をとらえるがそこで流れは止まった。
ラシードは目を大きく開き、転がる死体を眼下に再び腰を落とす。
「圧倒的な戦力を見せ付けることで他国へのけん制も兼ねる。政治家としてそんなことも考慮していないとは笑止だな」
キリングは銃のマガジンを落とし、再度装填しながら冷淡に吐き捨てた。
吏はここで殺しておこうと刀に力を込めたが、ラシードが顔でそれを制す。納めた刀に手を掛けたまま、吏は一歩後退する。
「交渉は私が引き継ごう。一週間以内に軍を再編成し私が指揮を取る。神父たちは任せるぞ」
そういい残しキリングは部屋から去った。


206 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/12(木) 23:56:28 ID:???
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今日はここまでにします。ご愛読どうもです。。。
専ブラのほうが書き込みやすいですね。今はLive2ですがjaneとか評判いいし、乗り換えようかな。。
おすすめとかあればお願いします。

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/13(金) 00:03:46 ID:???
お疲れチャーハン
やっぱjaneは使いやすいね。他はギコナビ、Live2chしか使ってないけどw
janeは派生版がたくさんあるからそこで悩むかもね。自分的にはDoe Styleがいいかな

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/13(金) 00:22:22 ID:???
ノシ
俺もJane気にいってる
ちなみにかちゅからの乗り換え組

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/13(金) 11:19:55 ID:???
乙カレ。
「的を得る」は微妙な表現かもしれない。
正誤が未だに曖昧だし。

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/13(金) 22:14:55 ID:???
まだぁー?

211 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/13(金) 22:26:22 ID:???
jane導入してみました。慣れればLive2chより使いやすそう。。
>>209
「確信犯」みたいなものですか? 結構使われますよね「的を得る」


212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/13(金) 22:55:47 ID:???
普通は「的を射る」だと思われ

213 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/13(金) 23:11:45 ID:???
 「どのような用で」
出国ゲートの審査官がパスポートを下目で見ながら興味なさそうに言った。とはいえ仕事、しっかりやらねばなと顔を上げる。
ビジネスマン風といえば適切だろうが、今どき運び屋やその筋の人間の正装はスーツにアタッシュケースと決まっている。
この男もそうなのかどうかなど、心理学者でもないとわかるわけがない。
それでも年間を通すと結構な人間がここから鉄格子の中へと直行している。数字がゼロでなければ価値はあると上は考えている。
「見ての通り商用です。かばんの中も見ますか」
「お願いします」
くもりガラスのカウンターの上に出された、うす茶色の革鞄を開けて審査官は驚いた。
年代もばらばら、デザイン、用途まで多種多様なステンレスナイフがぎっしり詰まっている。
どう見ても料理用とは思えない。審査官は表情をいぶかしげに曇らせ、入管室への回線を手に取ろうとした。



214 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/13(金) 23:12:15 ID:???
「古物商なんですよ。ほら、キャッツストリートのキラーシルバーっていうお店知りません? 
私はそこのオーナーでこれから南に手を広げようかと思っているんです。
刃物はマニアに根強い人気がありますからね、つかみには持ってこいなんです」
男はそう言いながら、政府印の押された和紙を取り出しカウンターに置いた。
印主は経済省大臣になっており、発行年は今年である。
「三回目でやっと申請が受理されたんですよ。商売人はどうも嫌われがちでしてね」
審査官はしばし硬直し男の目を見つめるが手にした回線を置き、もう一度かばんの中を確認する。
よく問題となる国産食品や携帯ペットは見えない。
「わかりました。よい旅を…商いを」
書類にPermissionの青印が押され、男は満面の笑みを浮かべながらそれをかばんにしまう。
後ろには何人もの出国希望者が今か今かと並んでいた。男は彼らに一つ頭を下げると審査官に指を立て感謝し入着ゲートへと足早に向かった。


215 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/13(金) 23:13:39 ID:???
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 治安省外政担当部・東国緊急対策室。
室長の丹念なリサーチによる詳細報告を治安大臣は目を閉じ、上座にどっかり腰を落としながら静かに聴じていた。
東の政権倒壊はある程度予測されたものであり、世界政府の反応は極めてぬるいもので一番忙しくなる司法省でさえ、
申請された半数の年給が受理され事務官たちは長時間残業も張り切っている。
治安省でもこれまで特別な動きはなく、部屋内に流れる空気もいつもと何ら変わらないものであった。
「送られてきた写真に写っているのはノースアイスのミドル級対地上戦艦です。
イーストサン上空の衛星レーダーに他の機影は見られませんが、状況が進行すれば本格的な軍事行動に出る予測が立ちます。
けん制にノースアイス上空の軍事衛星をフル稼働させ、目を張っていますがその気になれば彼らはお構いなしでしょう」
「当事国の東より北の動向が論議されているとデシャネル大統領が知ったら、さぞかし愉快に顔を歪めるでしょうな」


216 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/13(金) 23:14:06 ID:???
省長官の冗談にしかし誰も反応することなく、皆の視線が一斉に大臣に集まる。
そこで大臣は閉じていた目を開き、頭の中に大体の未来図を描きながらそれの言語化に努めようと口を開いた。
「既に手は打ってある。《ヒューロン》には大臣特務全権を与えている、政治ルートの面ではそれで問題ないだろう」
各国の在国大使には "大臣特務全権"が司法省より与えられており、外交権を一任されている司法大臣と同等の権力を持つ。
普通他国において他大臣は交渉権を持たないが、軍事を統治する治安大臣には非公的な外交権が発生する。
政治的な性質を持つ司法大臣の交渉権に対し軍事的性質を持つ権、すなわち軍事的圧力。
「ではストラウス抹殺はカモフラージュと? でもなぜそんな事を」
「一石で二羽落とす。司法省への目くらましに貴重な戦力をわざわざさけない」


217 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/13(金) 23:14:49 ID:???
いかにもあなたらしい考えだ、と省長官は思いながら書類を置いた。
勿論、政府内であからさまに軍事交渉を振りまわっては司法省に目をつけられる。
軍事と政治は別物であると一般的に認識されている。それは間違っているとカダフィーは考えるが事実はそうでもない。
所詮は脅し、政治の本質とはかけ離れたものなのだ。
「アークスの一掃はまだいい。今一番気にかかるのは北の核開発だ。
ウルウラニウムの核弾頭が完成しそれが長距離ミサイルに搭載されれば、その後の交渉など全て銃をつきつけられたようなものだ。
一刻も早く北を切り崩さねば」
「その原因も奴らでは」
大臣は沈黙した。兵器に関する条約でリディアに譲渡されたウルウラニウムは、研究段階でベネディクトたちに奪われた。
これで北の最新核の完成による脅威は跳ね上がった。もしもう彼らが試験段階を終え実践段階に入っているとしたら、それを防ぐ手立てはない。
この広い国土をその一撃で焦土へと変えられるだろう。報復のいとまなど与えられない。
「ZONEの潜水艦に搭載するのもただの核では北へのプレッシャーにはなりませんな。あれは廃棄の形で処理しましょう」
「財務省が面倒だな。それは省長官、君に任せよう」


218 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/13(金) 23:15:31 ID:???
ウルウラニウム搭載核を想定した戦略潜水艦《メルエム》の着航は夢へと消えた。
確かに言われてみれば、奴らを放っておいたことに非があるかもしれない。
それに学び先を考え潰せるところから潰しておかねばな、とカダフィは終思した。だがうるさいのは司法省だけではない。
「こうなれば上級護衛官を総動員し一気に攻めるべきでは。兵器戦で主戦力を引き付けておけば、彼らだけで北を崩せるでしょう」
「そのためには本閣院の総承認と全大臣の説得が必要となるな。果たして命を天秤にかけられる者がどれほどいるかな」
だが今話していることは口調のそれとは対照的に現実問題の最重要項目である。
リディアは重い腰をあげ、早急に手を打たねばならない。
核開発のいたちごっこから世界は決別するときなのである。
「《イオ》の着航を早める。財務省に掛け合って予算の拡張を行い人員を増やし、工学・戦略防衛に長けた学者も各所から集めろ。
同時に全軍から優秀な人間を選別し入艦訓練を始めさせ、人的失敗のないように配慮しろ。
必要があれば他省にも協力を求めサポートさせるのだ。科学省と財務省はフルに活用しろ」
「財務省はジャイルズをねじ伏せねばなりません。多少手こずりそうですが、三週間で着航にこぎつけましょう。
各幕僚長にも通達しておきます」


219 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/13(金) 23:17:25 ID:???
そこにいた事務官はこうして戦争が始まるのかと一連の流れを見ており、廊下に掲げられた室名の無意味さに少し呆れた。
話の内容のスケールに実感が湧かないが、確かにこの先当分は忙しくなるのだろうと彼はがっかりした。
だがこんな機会もそうそうないだろうと前向きに構え場を片付けだす。
統一戦争を経験した事務官の大半が高官へとなってる歴も、彼の手を早ばせる追い風となった。
それを見て部屋にいた唯一の護衛官は暇の足しにと雑談を交え彼を手伝う。彼にはその護衛官がつけた五つ星がまぶしく見えた。
政府一の高給とりでありながら政府の骨格を担う彼らの存在は、フォースを持たないその事務官にとって雲の上の存在である。
大臣室の奥席と胸に輝く星なら彼は後者を迷いなく選ぶ。
「それと《エリー》をあとで呼びつけておいてくれ。あの派手な車は裏に停めるようにとも付け加えておけ」
事務官はうなずきながら書類をシュレッダーに掛ける。出て行く大臣を見送りながらそれについて歩く護衛官を事務官はしばし眺めていた。
彼女と釣り合うにはどれほどの地位が必要となるだろう。


220 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/13(金) 23:20:19 ID:???
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今日はここまでにします。ご愛読いつもサンクスサンクスです。。
なるほど「的を射る」なんですね。国語苦手なもので・・色々と本から学ぼうと思います。


221 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/13(金) 23:54:56 ID:???
http://www.raitonoveru.jp/
このサイトに目を通したのですがその辺の小説サイトと違い評価が厳しいですね。
ですがその評価は参考になります。自分のは怖くて晒せませんがまだ論外でしょう・・・
なんか少しへこむなあ、、でも作家になるのならこれくらい頑張らねば。

222 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/14(土) 14:50:03 ID:???
三点リードは2つ繋げるの基本らしい。
あくまで基本だから間延びするようなら1つでもOK。
それと全角の「・」三つだと意味が違ってくるので「…」か「……」が良いと思う。

それと「…」や「――」は使い易いが多用すると読み辛くなるので
気を付けたほうが良いというのが文字を扱う業界でのプチルール。

細かい指摘で悪いが応援してるのでガンバレ。

223 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/14(土) 17:26:36 ID:???
応援どうもです、参考になります。・・は使用を控えようと思います。
リードの数は難しいなあ、プロの作家さんはどう決めるんだろうか。

224 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/14(土) 17:44:39 ID:???
それと今日は更新できなそうです。すいません、、


225 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/15(日) 23:02:07 ID:???
 ハラシブをゆくカップルは多い。
それほどロマンチックを演出するスポットがあるわけでもないし、青透明のカクテルを通して輝く魅惑の夜景も、細々と店が並ぶこの街には必要ない。
遠くに倭神沌やポートガスの高層ビル群を望むことができ、都市部に存在することを感じさせるが、二都市とは雰囲気が異なる。
それはやはり、そこを歩き行く人層の明らかな違いからだろう。双方に並ぶ各店の価格帯も大きな幅があるが、それも相違点の要因となっている。
何よりこの街はある意味、規則性のある社会とはかけ離れた位置にあると多くの人は考え、
そこに身を落とす人間を見下しながらも無意識の内にかすかな憧れのまなざしを向けている。
勿論、彼らはそんなことなど気にしない。彼らにとってそれは一部の意見でしかない。
世界国土の六割を占めるリディア領でも一際込み合った、人材発掘には持って来いの多種人街でもあるのだ。
文化の数はそれに比例する。

226 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/15(日) 23:02:34 ID:???
「寄ってけこの野郎! 今ダイナマイトセール中だぜ」
「我が店、一籌に嵩じて啼きに生さずである。逸史にて鬨の儒資に然様」
「依頼受けるよ〜金次第〜窃盗〜殺し〜護衛〜にこにこよろずや〜」
「オニサンオニサン。ウチトテモロープライス、イケンノカチアルヨ」
男はさすがに最初ほどのテンションを保てず、悪いと思いながらも店内のベンチに腰をおろしてしまった。
自分が好みの服を選んでいるときに飽きられると嫌な気分になるものだが、この場合仕方ないと彼は思った。
総じて女性のショッピングにかける時間とは、男性の想定を遥かに超える。
だが会う機会が遠距離カップル並みに限られてしまうことを思うと、彼の重たい腰は自然と足に連動し活性を与えた。
この時間くらい、常に近くに姿を置いておきたいと彼は彼女の髪を触った。


227 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/15(日) 23:03:22 ID:???
「これとこれ、どっちがいいと思う」
サイケ柄のちかちかするキャスケットと黒地に白字で"Mr.busi"と書かれたハットを両手に彼女は、
この店で何回発せられただろう"本意のない言葉"をそっけなく彼に投げかけた。
彼の知るところでは、彼女のセンスからすればこの選択は困窮するものでもない。
大半のカップルがそんなやりとりを交わすように、また彼女もそういう普通の振る舞いに憧れているのかもしれないと男は察した。
「そうだね」
その両方にも興味を示さずに男はさまざまな帽子の中から、彼女が好まないボーイッシュなキャップを手に取りサイズベルトをいじる。
女性は髪が崩れるのを嫌い、軽くかぶれる前者のようなものをチョイスすることが多いが、彼にも彼なりのセンスと理想がある。恋人に自分の何かをまとって欲しいのだ。
派手なビビットカラーのめりはりがついたそのキャップを、黒い髪を整えながら彼女にかぶせる。
思いのほか似合っておらず、彼は内心かしげながらも微笑みながら彼女の手を引いてレジへと向かう。
そこで彼は、レジ前に飾ってある"シンビジューム"の花を象ったピンバッジを手にとり、キャップの側地に丁寧につけた。
これで少しはどうかなと思いながら会計を済ますと、彼女の姿がないことに気付きキャッツストリートへと視線を先やりながらゆっくりと歩んでいく。


228 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/15(日) 23:05:01 ID:???
「機嫌を損ねたかな」
あちこち歩き回る彼女のせいで二回も入店した銀細工の店前に、申し訳程度の人だかりを見つけ彼は足を止める。
この街では小競り合いは頻繁に起きるが、それを祭りの種にして賭博やどんちゃか騒ぎを始めるいつもの雰囲気ではないと、彼はギャラリーの様子からそう見て取った。
人だかりの多くは、海に落ちた子供を心配そうに眺める泳げない人といった感じで、中には治安警察に通報するものまでいる。
ここハラシブで治安警察の出動は空気の読めないでじゃれた行動である。
彼は人ごみを掻き分け騒ぎの渦中にいる五人の姿を見るやいなや、その身を俊敏に飛び込ませ座り込む女の前に立ちはだかった。
その手は鋭いナイフに起因する出血が見られ、それでも彼は痛さを払拭しながらナイフを持つ手の主を腕掴みでその場へと叩きつける。
そこで似たような格好をした二人の若者がエレクトナックルをはめながら彼に襲い掛かってくる。
素人の繰り出しだなと彼は思いながら、素早く足払いを放ち一人をあしらう。
中段のその体勢から体を反転させ、もう一人の腕をがっしり掴みながら膝の上でその骨を砕く。そいつは悶絶しながら先の男の上に倒れこんだ。


229 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/15(日) 23:05:44 ID:???
「仲間か」
グループのまとめ役であるグリッシュは、一間で倒された三人の部下を冷ややかに見下しながらモード系の格好に身を包んだ彼を見やった。
どちらかといえば倭神沌のホテルロビーにいそうだなと皆が思った。
「違うね。ただ殺しは見逃せないと思って行動に出たまでさ。そもそもあなたたちの雰囲気がカタギの者じゃない。
喧嘩はいいけどそれ以上はご法度だね」
「なるほど、それはまったく正しい。その後ろのアマの正体を知るまではね」
「なに」


230 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/15(日) 23:06:35 ID:???
今日はここまでにします。お付き合いサンクスです。。

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/15(日) 23:46:48 ID:???
乙ー。

232 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/17(火) 21:36:53 ID:???
そこで彼を含めた一同の視線が、行き交うギャルたちと変わらぬいでたちの……しかし雰囲気はこちらさんと同じくカタギの者ではなさそうだ……
座り込んだ若い女性に注がれる。その女性はグリッシュを睨みながらつばを吐き捨て、反抗の意思を示すがそれ以上のことはない。
もう逃げることは諦めているようなそんな感じでもあった。
「そいつは仲間を売りやがった。治安警察の安っぽちな金に目がくらんだ、裏切り野朗を裁くのは人として当然だろ?」
「そうかい」
代償行為を行なった下っ端を裁く仕置き人は、懐から取り出したピストルのトリガーに指を掛けながらゆっくりと彼の横を通り過ぎようとするが、
グリッシュは考えていなかった妨げに少し驚き、視線を女からすぐ脇へ移動させる。
「俺らには係わるな。配当はろくなもんじゃないぜ」
「そんなものは期待しないよ。不正配当は商法で没収されてしまうんだ」
これでも、というより見た目どおり、彼は勉学に長けていた。
現在の進路を選択するまでは司法や政学の道をゆこうと、《倭神沌大学》を視野に入れ学んでいた。
だが進路変更の要因は偏差値のそれではない。親は進学を薦めたがそれには至らなかった。


233 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/17(火) 21:38:28 ID:???
「なら即払いとゆこうか」
先の男たちより数段早い拳蹴がその節々を捉え、腹部に入ったとどめの正拳が彼を銀細工店前の屋外棚ごと吹っ飛ばす。
何事かと店の主人もそこでやっと姿を見せるが、場の空気を群がる人々から察し店奥の緊急回線を取った。
店の損害を保険屋に請求するより先にこの騒ぎを収拾しようと勤める主人の思いとは裏腹に、安い価格帯の銀細工に身を埋めた彼は挑発的に立ち上がる。
驚きのグリッシュはしばし視線を彼に固定し、大半の者が思いつく理由による納得に至った。
「フォースで正拳をガードしたか。なるほどなるほど、我々《ヘイト・ドラッグ》に立てついてくるだけはある」
《ヘイト・ドラッグ》。ハラシブを界隈とするいわゆる"マフィア"で、薬物売買を芯とし法律ぎりぎりから違法行為までバラエティに含む犯罪組織である。
治安警察もやや引け腰で、大っぴらな摘発行為には及ばずにいた。
その勢力の大きさということもあるが、何より治安省がこういったシンジケート等の殆どを放置していることに問題がある。
ゴッドハンドや優秀な治安官は少なく、最高峰の脅威を押さえ込んでいるだけで精一杯であった。
だからこその賞金手配なわけだが、同じく優秀な賞金稼ぎは滅多におらず、結局そういった輩を都心部でものさばらせてしまっている。


234 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/17(火) 21:40:29 ID:???
「油断ならない奴だ。今の今までそれを隠しているとは。不穏の動きの前にさっさと片付けるか」
彼はグリッシュのフォースを徐々に感じ始め、足をやや後退させながら目を凝らし相手のせつなの動きを見極めようとしている。
フォース戦では相手の実力・性質の把握が勝敗に大きく係わってくる。
「隠すわけじゃないさ。フォースはフォース使いにしか使わない。それが自分のルールだ」
伺う目をひそめる。対峙する男は何かを掴む仕草で虚空を薙ぎ次の瞬間、彼の顔面を強烈な衝撃が襲った。
彼は不可解なダメージにたじろぎながら、その場に留まることを危惧し小刻みに移動を開始する。
衝撃の正体の把握に神経を集中させ受身に回るが、それはグリッシュの思う壺でもあった。
一連の動作から次々と繰り出される見えざる衝撃波に、ダメージを蓄積させ徐々に身の俊敏さを失っていく。何なんだこれは。
「対フォースにおいて実践不足といったところだな。全てを知る前にくたばるぞ」


235 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/17(火) 21:41:58 ID:???
グリッシュの挟口に機を見つけ、節々痛む身体に全霊込めながら倒れた棚の影へと回り込む。
攻撃の手を休め一瞬判断に意識を取られるが、すぐに回帰し棚の影を狙うベくダッシュをかける。
再び掴みのモーションに入ったとき、目の覚めるような唐突さで彼が突進をかけてきた。
グリッシュは気の狂いだと全身の力をたぎらせ、表情を戦闘中に初めてほころばせる。だがそれは自分だったと後悔することになる。
手の平にフォースを集中させた瞬間グリッシュの体は自由を奪われ、意志に反して通りの片隅へと引きずられるようにして全身をその場に伏せ込んだ。
見えざる手、グリッシュはそう感じながら同時に見えないものへの畏怖を初めて体感した。
「それはあなたにも言えることだ。待ってろ、今からお返しにそちらへいく」
加速度を上げ一気に間合いを詰めた彼の渾身の一撃が、思うように回避行動を取れない無抵抗の悪菌の端正な顔面をなぎ払った。
それでもダメージを受けすぎた彼のそのストレートはグリッシュを沈めるに至らず、次なる連撃を繰り出そうとするが拘束から解放された抵抗の腕に防がれてしまう。
グリッシュはこの至近距離で決めようとフォースを手の平に集中させ虚空を掴もうとするが、再度その身を引かれ間合いを一旦あける彼を逃がしてしまう。
そしてこの時点で双方には決定的な差があった。


236 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/17(火) 21:42:46 ID:???
「磁力か。珍しい性質のフォースだ」
彼のフォース能力"マグネット・クエスト[磁力支配]"は触れた部分を範囲とし、磁力をフォースに置き換え行動の自由を制限する。
より強いフォースほど引き付けあう力は強くなる。優れたフォース使いは可能性を広く考え、多様な要因から本質を見極める。
経験不足の彼と長い間、戦闘に身を置いてきたグリッシュとの差がここに出たのだった。彼は舌打ちし構えを低くした。
「しかしトリッキーな能力の最大限生かすには念密な戦略が必要だ。やはりお前に足りないのは経験。この差は決定的だ。
無謀に歯向かってしまったことを悔やみながら死ね」


237 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/17(火) 22:15:02 ID:???
今日はここまでにします。読んでくれた方どうもですです・・
今週中にはイーストサン前編を終えそうですので頑張って書きたいと思います。

238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/17(火) 22:33:15 ID:???

昨日更新ないからどうしたかと思ったぜ

239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/17(火) 23:17:32 ID:???
乙カレー

240 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/18(水) 21:18:03 ID:???
彼は再び屋外棚の影へと逃れようとするが、見えない衝撃波によって体ごと店の外壁へと弾かれてしまう。
一撃一撃の威力は大したことなく、それ故の距離を取っての削撃だと思っていた彼の頭は、それによりさらなる混乱を招いた。
「様子見でけん制していたつもりだが、お前にとっては困難な不可視攻撃だったな。次で決める」
どうにか策を模索しようと、かがみながら観察眼と思考回路を同時に働かせる彼からさらに遠ざかるグリッシュはそこで再度、フォースを発する。
ここならば店前の磁界ポイントに影響されず発現できる、グリッシュの睨んだとおり彼のフォースはそこまで強力ではなかった。
先ほどより大きく手を広げ、まるで小銭つかみ取りのようにめいっぱい"何か"を掴む。
彼はその正体に何となくぴんと来たが、これといった対抗策は浮かばない。いや、対抗ではなく攻めるんだ。心の決心は、彼の消耗した足を踏み出させた。
その何かを考えついたような気配の動きに、とどめの体勢にあるグリッシュは警戒しながらも構わず攻撃の段に移行しようとした。


241 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/18(水) 21:19:51 ID:???
「……!?」
十分な距離を取ったにも係わらず、半分ほどの大きさに見えていた彼の姿は瞬間で原寸大となり、グリッシュは思わず後ろ目で後ずさってしまった。
それも接触の瞬間を秒単位で先延ばしするだけであったが、鍛錬されたグリッシュが冷静さを取り戻すには十分な時であった。
フォースを断つと彼のスピードは勢いとともに衰え、反撃の目をつむぐ。
「殴りざまに俺の顔にポイントを植えつけ、自らのフォースを引き寄せさせたか。少しは頭が回るな、護衛学校の生徒か?」
グリッシュは拳にフォースを集め、不意の寄せる力に彼はその拳をもろに受けその場に倒れこんだ。
先ほどの二倍ほど間合いを取るグリッシュに、もう触れる力すら彼には残っていない。この距離はそのまま力の差を示しているようだった。
「手間取ったな。万が一ゴッドハンドが来ても厄介だ、女ごと消してさっさと失せるか」
その両手が虚空を薙ぐ。全身のフォースがその二撃に注ぎ込まれた。


-----------------------------区切り----------------------------------------


242 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/18(水) 21:21:39 ID:???
 ハラシブ名物"さんまクレープ" を両手に抱えた彼女の視線が、結局何も買わなかった銀細工の店前での騒ぎに止まり、興味を引かせる。
彼を探すのが先決かなとも思ったが、好奇心には勝てずクレープをガードしながら強引に身をねじ込ませていく。
「……ソウ!」
予想だにしない彼の姿に彼女は感嘆に呟いた。なんてこと、彼の実力を知る彼女は状況を悲観視し口を開いたまま周りを見渡し、
騒ぎなどそっちのけで客引きをあしらい歩くごてごてのアクセサリーを全身装備した男に目を付けた。
「ちょっと、これ持ってて」
「はい? っておいおい、こんなもの渡されても困るネ……おい、ちょっと待つネ」
両手をフリーにした彼女は再び群集の中へと入っていく。
結末の見届けを恐れその場から去ろうとする若者に触れようとしたとき、彼女の肩を不意の手が触れた。
出した手を引っ込め振り向くと、二つの"さんまクレープ"を持った男の姿があった。
雰囲気は先の〜ネの男と似ているが、羽織った革のコートがよりゴージャスさを演出している。
アクセサリーをじゃらじゃら鳴らしながら男は、手にしたそれを彼女へと手渡した。
「彼氏だろ? 心配だろうが連れが傷つけられたら彼氏も悲しむぜ。それを持っておとなしく待ってな」


243 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/18(水) 21:22:37 ID:???
ちょっと休憩。。


244 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/18(水) 22:24:18 ID:???
コミックニートで小説連載が始まりましたね。
自分も何か連載してみようかな、、、

245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/18(水) 23:43:09 ID:???
いいね。色の違う作品も読んでみたいな

246 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/19(木) 00:15:03 ID:???
-----------------------------区切り----------------------------------------




 「力を伴わない正義は駄目なのか」
彼の後ろで呆然と場を見ていた女は、面識のない、しかも自業自得の自分をかばうためにここまで傷付いたあたたかい男の呟きを聞き漏らさなかった。
彼女にとってはそんなこと今さら悟ることでもなかった。治安警察という身近なケースから、大半の人間が早期に知るその"教訓"を身に染みるほど学んだ。
そして大半の人間がそうであって欲しくないと願うように、また彼女もそういった願望から無意識に抵抗行為へと及んだ。
衝撃波の招待を知る彼女は、彼を全霊の体当たりで道端へと跳ね飛ばす。
あそこなら範囲外、隙を見て無事逃げてくれ、最期に感じたささやかな優しさを胸に彼女は覚悟を決めた。
「力なき正義。見ての通りそいつはNGだ」
そのまま数秒。あれ、生きている。女はその幸運を今までで一番のハッピーだと確信した。
それをより一層深めたのは、ギャラリーの異常な反応とグリッシュの今までにない焦燥感あらわの表情であった。


247 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/19(木) 00:16:01 ID:???
「だがしかし。正義は金と一緒でいくらあっても困りはしないぜ」
畏怖の視線を一陽に受け群集の中からコートのポケットに両手を突っ込んだまま現れた男は、
無力の二人を襲った衝撃波を先と同じようにあらぬ方向へと逸らす。
もしかしたら助かるかもしれない、高揚感がこみ上げてくるのを押さえ女は傷付いた彼を心配しながら寄っていく。
傷の手当てくらいできるかもしれない。
「こいつはまた治安警察より適した奴が出てきたな」
「有名人? あいつ」
群集の最前列で最初からそれを固唾を呑んで見ていたおっちゃんに、彼女は冷めてしまったクレープを握り締めながら問うた。
見たところ政府側の人間とは思えない。
世界政府発行の指名手配リストにはよく目を通すが、他のブラックリストには一切識のない彼女には至らぬところであった。
「フォース使いなら誰もが恐れる、南最大規模のシンジケート"トーカー・ファミリー"の構成員にして、サウスメリア政府指名手配の高額首」


248 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/19(木) 00:17:10 ID:???
多くの通報に仕方なく駆けつけた治安警察も、息を呑むそこらの群集と何ら変わった行動を取れないまま場を傍観する。
「あの腕の刺青、間違いねえ。南屈指のフォース使い―――《シャッター〔完封の〕・クロス》」
次の瞬間、仕掛けたグリッシュの触範囲の大きい拳が地面に直径五十センチほどの浅いくぼみを作る。
クロスは両手を温めながら何もしていない。わかっていながら放った二発めのストレートも、いぶし銀のアクセサリー一つにも触れられず再び地を這う。
「空気を圧縮しそれを弾とする。それをまとわせることもできるのか。だがしょぼいな。総じてお前はしょぼい。実力も、器も、そして悪どいそのセンスもだ」
強烈なローがグリッシュの膝うちに放たれ、声にならない痛みとともに身を伏せさせる。
クロスは治安警察がどこででしゃばってくるか様子見ていたが、どうもびびって円の中に入ってきそうにないのを感じ取り、手をポケットから出しながらグリッシュを見下した。


249 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/19(木) 00:17:46 ID:???
「金に困ってるのなら世界政府指名の賊でも狙えばいいだろう。なぜ邪魔をする」
「俺はてめえらみたいな下種な人種じゃねえんだよ。高潔なセンスを持つ"武装ギャング"なんだぜ。
理由はあの兄ちゃんと一緒だ、お前が気に入らないだけだよ」
襟首掴んだその手を強引に引き離し、後退しながら遠距離攻撃に移ろうとするグリッシュにクロスの追跡がプレッシャーをかける。
クロスが手の平を突き出し、徒手の構えを取った。それに連動してグリッシュの体が弾かれたようにギャラリーのほうへと突き飛ばされる。
それを間近で見ていた彼女は瞬時にクロスのフォース能力を見極めた。
……斥力。物と物が互いに遠ざかろうとする力で、ソウの磁力能力と似ているようだが扱いやすさはクロスの能力のほうが上だろう。
先の回避を見る限り、ポイントなどの発動条件がない。ある程度、自由に斥力を発生させることができるのか。
「その気に入らねえ顔面が視界に入るだけで不快だ。治安省までダイレクトで吹っ飛ばしてやる」


250 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/19(木) 00:19:28 ID:???
右手を引き構えたクロスは、強大なフォースを発し始めた。
グリッシュが受身から体勢を整えたところで、先の数倍もの斥力を集め始めたクロスの体が、道端の電柱へともの凄い勢いで引き付けられバランスを崩した。
磁界がまだ有効なことをグリッシュは機と考え、全フォースを利き手に集め空気を高い密度で圧縮し、
強力な圧拳を携えながら動きの鈍ったクロスへとダッシュをかける。
「運も実力、お前の間抜けさが一番しょぼかったな」
クロスはフォースを断ち行動の自由を得た。同時に先と同じように右手を奥に引き、腰を深く落とした。右手は彼の利き手である。
「素手でフォースに勝てると思うのか。だが仕方がないな、お前の強大なフォースでは完全に身を拘束されてしまう。一か八かに賭けざる得ないわけだ」
迫る空圧の拳が伸びきる前に、その場にいた者ではクレープを手にした彼女とその後ろで様子を見ていた男にしか見えなかった、
瞬手の正拳突きがあばらごとグリッシュの体を砕き、場のギャラリーとともに完全に沈黙させた。もう動くものはない。
「賭け? 俺はギャンブルは嫌いなんだ。フォースなんざ無くともお前程度の雑魚ならいつでもウェルカムだぜ」


251 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/19(木) 00:21:14 ID:???
今日はここまでにします。ご愛読いつもサンクスです。。
戦闘シーンが相変わらず難しい。スレイヤーズでも読み返して少し勉強しようかな・・

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/19(木) 00:26:45 ID:???
おつー
スレイヤーズってえらい懐かしいな。

253 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/19(木) 20:26:33 ID:???
ポケットに手を突っ込みコートを一つなびかせながら、クロスは群集のほうへ足を向ける。
本来であれば喧嘩決まりには大いに盛り上がる若者たちだが、久々に起きたフォース使いのいざこざで、さすがにテンションがその方向へ向かないようだった。
「捕まえないのか? 俺をとれば本省へ一発昇進だろうぜ」
「あいにく最寄の省に手の空いたゴッドハンドがいないんだ。またの機会にさせてもらうよ」
しばし治安官を見ながら表情を無に戻す。僅かながら感謝されているのかな、そうクロスは妄想しながら派手なキャップを召した彼女へと目の先を変えた。
こいつはとんでもないセンスだ、俺じゃ着こなせないね。クロスは少し表情に微笑を浮かべた。
「礼に貰っていくぜ。さっき並んで買えなかったんだ」
勝手にクレープを一つ取り去ると、すぐ後ろにいたさらに背の高い男と一緒に、開けられた道を闊歩しながらそれをかじった。
食べ物に不似合いという垣根は存在しないんだなと、彼女は思った。


254 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/19(木) 20:27:43 ID:???
「ワタシにも一口よこすネ」
「あっちにもう一つあるぜ」
そこで男は歩きざま彼女のほうを振り向く。彼女がにこっと笑顔を見せると、仕方無しに男は再び背を向けすぐさまクロスに追いついた。
「次は割り込んででも買うネ」
内心ちっとも感謝の意の無い彼女は、治安警察の仕切り始めたその場に踏み込み、ソウのほうへと歩み寄る。
そこで彼は格好悪いところを見せてしまったと恥じながら、彼女に手を取られて立ち上がった。
傍らにいた、この先の身の振りを考えねばならない女は目を下に落としながら、その場を去ろうと遅れて腰を上げる。
治安官はこちらを見ながらも様子を伺っている。一部始終の要因を知っている班長はどうしたものかといった感じであった。
「拾った命と思って好きなようにして下さい。ただどうせなら、あなたが納得できるように生きてみて欲しいです」
そこにいる彼女と自分の境遇の違いをまざまざと感じながら、それでも前向きな日差しを見つけたような気がする、女は自ら治安官の元へ行き償いの道を選択した。
リライトの可能性を、少しでもその女に信じて欲しいという想いから口走った彼の言葉を、横で見ていた彼女はちょっとだけ見直した。
弱さは罪じゃないよ、出会った当時に彼女が言った言葉である。マークタワーの時計台の針はあるべく時を示した。また二人はしばしの別れである。


255 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/19(木) 20:28:12 ID:???
-----------------------------区切り----------------------------------------


ちょっと休憩・・

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/19(木) 23:08:34 ID:???
乙。毎回楽しませてもらっている。

>>246
衝撃波の招待を知る→衝撃波の正体を知る

257 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/19(木) 23:28:22 ID:???
 騒ぎのキャッツストリートより二本路地裏。
この街では一風違った雰囲気をまとっている、ガラス張りとステンチタニウムでデザインされたツートーンの高層建物《ヘイト・ドラッグ》本拠地であるこの"四季学館"は、
ハラシブのシンボル建築"マークタワー"に匹敵するほどの高さを誇り、その眼下の治安警察署をあざ笑うかのようにハラシブ一の組織力を見せつけている。
リディアの裏社会でも相当の勢力を持ち、治安警察単独では手に負えないほどのフォース達者を抱えているのも周知の事実である。
名誉回復に燃える治安警察の最近の奮闘により、全盛期ほどの勢いこそ失ったが小規模の軍隊並みの戦力は健在である。
そしてこういった組織同士というものはえてして昔より仲の悪いことであり、南の組織《トーカー・ファミリー》とは政府同士の対立を思わせるものであった。
案の上、クロスの一件はボスの耳に入り、これでは女を逃がすどころかトーカーの野郎になめられると報復行動に出ようとしていた矢先に、
銃声の一波が最上階のボス室に届き警護の男たちは銃を抜いた。クロスの野郎か!?

258 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/19(木) 23:30:58 ID:???
「勝負はあった。銃を納めるがいい」
扉がゆっくり開きそこに見えた姿を一斉に銃弾が襲うが、それは緊張を決して表面に出さないボスへと矛先を変え、
紙一重でかすりながら防弾仕様のワイドガラスに跡を残す。その部屋を支配するのは二人の威風なフォース使いであった。
肩に猫をのせた渋いスーツの男はその年柄、非常に落ち着いて見える。脇に差した刀は抜かれた気配がない。
すると今の主は隣のニット帽を深くかぶったヤンキー風の野郎か。耳にはいくつものピアスが痛々しいほどに見える。
「見ての通り、我輩たちはいわゆるフォースのプロである。正面よりここまでの道のりの過程で遭遇した者は皆、その場で伏せてもらった。
はは、心配するでない。死人は出ておらぬ、組織壊滅の危機はない」
「当然、あんたたち次第っすけどね」
深い被り物のせいで若い方の目は見えづらい。この世界で己を張ってきたボスにはこの建物の今の状況をイメージで把握することができた。
グリッシュより腕の立つフォース使いはたくさんいるが、できれば政府と同じく無駄に消費するのは避けたいと彼は考えた。
警護の者も抵抗の意志は薄れ、それでもボスの周りからは離れない。恩は恩で返す、この世界の掟である。


259 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/19(木) 23:32:02 ID:???
「今日一日は静かにして欲しいんですよね。連れがデート中なんすよ、今。
そりゃ"シャッター"を逃がしたくないボスさんの気持ちはわかるっすけど、そこを頼みますよ」
「我輩からもその意を是非、ボス殿に許じてもらいたい。我々の中では唯一の恋事でな。
なかなかにいいコンビなのだ、ここは一つ若い気持ちに免じてどうだろう」
損得勘定からもそうするのが賢明だと判断したが、なりより若者の恋愛を邪魔するなど、
リディアを張る《ヘイト・ドラッグ》の頭ともあろうものがどうしてできようかとボスは己の小ささに嘆いた。
全人員を投入すればたった二人の人間など、いくら達者だろうとゴーズ湾に沈められようが、ボスは明るい未来の若い力をはぐくむ選択をした。


260 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/19(木) 23:32:55 ID:???
「よろしい。今日一日は治安のクズどもにこの街をくれてやろう。トーカーには酸気練成爆弾でも贈ってやるか」
そこで数人の状況を知らない構成員が銃を構え、ボスを敵手から避所させようと飛び込んできた。
ボスはそれを制し、恩情厚い部下どもをむざに殺させはしない。そしてボスは妙な満足感に混じり、果てしない畏怖の念を二人に感じた。
猫をしがみつかせながら男の手は刀の柄にしっかりかかっており、深いニット帽の奥からは暗殺者のような威圧感ある冷たい視線を認めた。
ボスは損得勘定のほうを再度よぎらせた。
「お前たちの名ぐらい聞いておこう」
二人は警護の男たちを威圧しながら部屋を去っていく。ボスはその背中にも疑念を抱いた。
ゴッドハンド以外のフォース達者なんぞが、こんな都市部で一体何を。
「名? 表世界でもそこそこの有名人なのだ。断ろう」


261 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/19(木) 23:35:19 ID:???
-----------------------------区切り----------------------------------------

今日はここまでにします。ご愛読いつもお疲れアルシンドです。。
>>256
愛読どうもです。
誤字指摘助かります、ちゃんと見直さないといかんですね。

262 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/20(金) 00:13:06 ID:???
>>249
×徒手の構えを取った
○掌底の構えを取った
かな? 手を波動拳みたいに突き出すイメージです。

263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/20(金) 00:18:23 ID:???
おつかれんこん

264 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/21(土) 00:22:47 ID:???
すいません、今日は更新なしです。。
雇われ店長氏大変そうだな、、小説、描写結構荒いからなあ・・・・
最近は特にその傾向が・・。
細かく書いたほうがいいんだろうけど、先を考えるとこの位のペースじゃないと完結できんしなあ。
デスノとかキートンの原作ってどんな感じなんだろう。
Lの気持ち悪さとかリュークのデザインとかつぐみさんが考えたのかな。。
とにかく申しわけないです、努力しますので>>yatoware tennchousi

265 :雇われ店長:2005/05/21(土) 00:37:44 ID:???
日記見ててくれててワロスですw
いや、細かく書かなくて結構ですよ。今漫画化してるところの小説部分は描写の量が少ないわけではなく、
ある状態からいきなりある状態になっててその間を漫画にするときは補完しないといけないところが多い
かなって感じです。わかりづらくてすみませんw
そこは小説と漫画の違いでしょうね。要は私の力不足といったところでしょう。

ちなみにデスノとかは原作者がネームつくってると思うので小畑氏は絵を描くだけって感じでしょうか
(ヒカルの碁はそうだったらしいです)まあそれでもかなりすごいんですけど。
キャラのデザインは小畑氏でしょうね。ジャンプのインタビューで苦労したって言ってましたし。

266 :雇われ店長:2005/05/21(土) 00:50:41 ID:???
スミマセンw上のレスだと結局細かく書いてないだけに見えてしまいましたw
なんというかどうしてこういう行動をとるのかわからない部分があるってところでしょうかね。
まあここらへんは漫画化意識してないってことも多分にあるでしょうね。

ちょっと例を挙げるとするとすでに漫画化されてますが
喜喜がローレンスの極氷を剣ではらいながら突進していって「もらった!」と切りかかり小説じゃ
ローレンスがよけきれないとなっているのですが次のコマではいきなり愕然としているってところ
とかですかね。漫画にするとき勝手にローレンスのフォースの量に驚いてるって感じにしちゃいましたがw

あと今描いてるとこなんですけど信之助がロケットランチャーでヘリを撃つところがあるんですけど
ヘリの左側にあてて左のバルカンは落としたんですが右のバルカンは残っているから車を降りて
魔法筒を使うんですけどなぜロケットランチャーで再度狙わずに魔法筒を使うのかがわからないって
感じですかね。

ちょっと自分が気にしすぎなのかなって感もあるんですけどちょっと描いててしっくりこなかったものですから

あと更新遅くてスミマセンw

267 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/21(土) 00:59:54 ID:???
原作者って文だけ書いてるのかと思ってた・・・
ライト笑い→リューク同じく笑い→デスノ発動→L死亡→ライト極悪
ってな感じで。ニミ先生のデスニュを小畑氏がリライトするって流れなんだなあ。。
そうかあ、結構都合的な流れがありますね。ロケットランチャーの弾切れとか描くべきだったかな・・
まあこだわりのある部分はそれなりに気合入れて文章考えますので、気楽に。
別に普段、手抜いているわけじゃないですよ、ええ。ちゃんと必死に書いてますから・・

268 :雇われ店長:2005/05/21(土) 01:08:25 ID:???
じゃあ弾切れってことにしときますねw
下書きの段階じゃ6発ほど装填されてるランチャー描いちゃったんでw
やっぱり自分で原作してないってことで勝手に辻褄あわせして原作と辻褄が
あわなくなるのも困りますから。そういう時は避難所で質問させてもらいます

269 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/21(土) 01:13:49 ID:???
どうもです。ゆっくりでいいんで、自分が満足できる仕上げを。。
今ゴッドハンド描いてますが、もう五日目ですから・・絵ってホントセンスないと無理です。


270 :雇われ店長:2005/05/21(土) 01:38:58 ID:???
自分が満足できる仕上げ・・これが結構難しいですね。妥協を絵に描いてきた人生を歩んできたものですから・・
なんとか今の質を保ちつつ頑張ります。信之助とかローレンスが決め台詞言う時はめちゃくちゃ気合入るんですけどねw

絵は模写し続ければ自然と手が勝手に動いてくれますよ。たくさんの漫画家のタッチをまねるとオリジナルっぽい感じになりますww

271 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/21(土) 01:45:42 ID:???
富樫先生も「とにかく書け」って言ってるしなあ・・
まあ自分は絵より文体・中身を上達させねば。でも文体はともかく、ストーリーとかって
どうやって向上させるのだろうか。感性を豊かにせねばいかんのでしょうかね。
とにかく手塚先生が言っていたように「どんな作品でも完成させるのが重要」を実行しないとな。。
平和な人々書いている人、出版社に持ち込みとかしているらしいですね。
あのクオリティでも通らないとは・・でも絵は水準満たしていますよね。
多分、内容だったのかな。気になる・・・
自分はまだ持ち込みする勇気なんてないけど、動かないと始まらないんだよなあ。。

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/21(土) 02:04:08 ID:???
二人ともがんがれ、超がんがれ。

273 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/21(土) 12:11:00 ID:???
 キャッツストリートを抜け、多くのブランド路面店がつらなるメインストリートを少し歩くと、
駅との複合建築となっている"マークタワー"を眼上に望める。
その中に含まれるレストラン街の洋食屋《フレンチ・さかい》で食事を済ませ、空の暗さを感じさせないほどウィンドウ光に明るく照らされた通りを歩く二人を、
やや強引にこの街に合わせた格好の男と、こちらは申し分ないくらいマッチした雰囲気の女が屋台フード片手で待ち受けていた。
雰囲気の違いすぎるせいか、街に溢れるカップルには見えない。
「この街の食いもんは安っぽい味が売りなのか? 腹は減る一方で財布の中身はまったく減らんぜ」
苦学生が耳にしたらいきり立ってきそうな事を言いながら、700Gのビーフチキンポーク串をかじる男に頭を軽く下げるソウ。
並ぶとその男のほうが、頭一つ分高いことがわかる。
昨日ぶりに彼女に再会した二人は、かぶられた帽子に目を大きくしながらどういった経緯で購入に至ったのかを聞きたいところであったが
それは後にしようと思いながら、こちらは半年振りに顔を見る彼に挨拶を返す。礼儀はいつでもしっかりと。


274 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/21(土) 12:11:30 ID:???
「久しぶりなのに、あなたの顔はつい昨日のように覚えていますよ。どうも印象的な顔立ちなんですね」
「お前も相変わらず遠まわしな言い方するぜ。直接"濃い顔ですね"って言われるより何だか腹立つな」
「わざとじゃないんですけどね」
自然とそうなる彼のこの先を案じながら、男は彼女の肩口に手を回し彼を少し挑発する。
チキンとポーク部分を捨てながら、近い年齢でもここまで違うんだなと、それを見ていた女は思った。
はたからはソウのほうが大人びて見える。もっとも、自分自身大した大人といわれる人物に会ったことがないけど、と付け加えた。
「気がかりだろうがちょっとの間、借りてくぜ。今度のは重要な任務なんだよ」
ソウはそこで少し表情を渋く変え、男の目をじっと見据える。女はそれに連じて同じように男のほうを睨みつけた。
ただ二人、彼女と男は表情を変えない。


275 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/21(土) 12:12:21 ID:???
「重要任務って。今度の相手はプロの部隊ですか? 
まあ実弾じゃないんですから、リラックスしてやったほうがいい結果を残せると思いますよ。"阿亜倶洲"でしたっけ、チーム名」
「素人にサバゲーの何がわかるっていうのかな。それと名は "阿亞倶洲"だ。ま、似たようなもんだ。
初見のチームには大抵間違えられるからな。この間、"賭華外沙淫"とかいう、ネットオタクのチームもあったぜ。
何事にも上には上がいるもんだ」
「そうですね」
先のフォース使いたちも、自分なんかより遥か上のステージに身を置いていた。
フォースを身に付けてからまだ一年とはいえ、これでは大切なものすら守れないと彼は奮起する。
強さは正義、正しいものが一番でなくてはいけないと彼は考える。そのために《倭神沌大学》の願書をくずかごへ捨てたのだ、
少なくともあの全身アクセ男と対等になる位でないと、自分の人生は何の価値もない。
「どうだ、学校は楽しいか。倭神沌大学なんかよりバラエティな顔ぶれだろう」
「どうでしょう、まだ四分の一ですからね。この前、二つ星の護衛官と実践訓練しましたよ。
結果はあれでしたけど、ゴッドハンドと呼ばれる程でもないと感じましたね」


276 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/21(土) 12:13:04 ID:???
実際、誰も触れることすらできなかったその師範護衛官に、彼は治療を要する程度の負傷を与え他の新学生を驚かせた。
担当師範である元スーパーハンドには遠く及ばず、動きすら捉えられないが、そこまでの道のりは決して遠いものではないと彼自身確信していた。
任官の頃には、シンジケートのフォース使いなどに引けらない護衛官になるのだと、遥かな未来予想図を描いていた。
それを自惚れなどとは一寸たりとも感じていない。
「そいつはまた大きく出たもんだ。あと三年で見事倭神沌に行ってくれ。上の護衛官は金には困らんらしいからな、彼女と毎日ルンルンだぜ」
「少し黙ってろ」
そこで初めて彼女は不快のアクションをとった。男は引っかかれ赤くなった手を離し、街路フェンスに寄りかかる女の隣に座り込んだ。
それをいい機だと思い、女は男のかぶったシックなハットをすっと手取り、なんだという男の目を尻目に彼女へ放り渡す。
「今日の服装には少し派手なんじゃない」
しかし彼女はそれを丁寧に折りたたみ、男へと放り投げ返す。でしょうね、と女は少しセンチな気分になった。


277 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/21(土) 12:13:38 ID:???
「そういえば大きくなったね、マリアちゃん。半年前より二センチくらい伸びたんじゃない」
「どうも。成長期ですから」
敬語になったところから、あまり良い印象を与える言葉選びではなかったなと、彼は反省しにこやかに笑いかけた。
それでも愛想よく返してくる小さなその娘に、彼はまだ知らぬ親心のようなものを感じた。
こんな子がスタンダードライフルのモデルガンを携え木林の影に潜むのだから、そりゃ敵方も一瞬躊躇するだろうなと、
彼は周りには理解できぬ納得の仕草を取る。ソウの聞いた話だと、この娘の父親は"阿亜倶洲"を取りまとめる中心人物で、今は世界を周り留守とのことだった。
気品あるこの娘の父親はどんな人物なのだろうと、彼はちょっとだけ好奇を示すが結局はどうでもよかった。
本当に知りたいことは、どうやってでも知ろうとするのが人間古来の本能であると、彼は高等部で学んだ。
「行くか。また会うんだから、別れもほどほどにな」


278 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/21(土) 12:14:18 ID:???
男は朝方適当に購入した、しわしわになったハットを気にもせずかぶり直しながら、眉をわざとらしくひそめる。
自分でも結構このハットを気に入っているようだと、女二人は心で微笑しながら顔を見合わせた。
そこそこのセンスだなと、彼女は少しポイントを上げた。
「じゃあね。クリスマスまでには帰るから」
たかだかサバイバルゲームでなぜ海外まで遠征するのだろうと、彼にはとても理解の及ばぬところであったが、
別れ際に彼女がくれた口づけに表情を微妙な照れに染め、再会の日を見ながら三人を送る。
彼は一度、チームへの参加を申し出たが、リーダーに相談してみると言われて以来、返答はない。
今また聞いてみようかとも思ったが、もしかすると向こうなりの事情があるのかもしれない、彼は踏み込み過ぎを遠慮し言葉を飲み込んだ。
知っている全てが真実とは限らない。
「ちょっとだけ忠告しておくぜ」
男が振り向き、こちらにゆっくり歩み寄ってくる。他の二人はそのまま進む足を止めない。

279 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/21(土) 12:15:54 ID:???
「上級ゴッドハンドと言われる護衛官は、入学当時からスーパーハンドどもと互角に渡り合える実力を持っていた奴らばかりだ。
フォース国家と呼ばれるリディアでなぜ、星四つ以上の護衛官が二十人にも満たないかわかるか?」
ソウはなぜ、そんなことを知っているのかという事と、スーパーハンド"ども"という語尾が気に掛かったが、答えを自分なりに模索してみる。
思いついたそれは、男のそれとさしたる違いはなかった。
「その水準に達するフォース使いがいない、お前もそう思っただろう。
国民の大半は、奴ら以外にも凶悪指名手配犯だったり、隠れた名フォース使いがそれに匹敵するものがいるだろうと思っている。
だが事実はもうちょっと明確だ。奴らに敵うフォース使いなど、全世界でも数人しかいない。もしかするともう一人か二人かもしれないな。
勿論、状況やコンディションにも寄りけりだが」
男はそこでちらっと後ろを伺う。二人の姿はまだかろうじて確認できる。
「タイマン張って勝とうなんざ、その数人も考えちゃいないだろうぜ」


280 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/21(土) 12:17:22 ID:???
「自分はその数人と対等に張り合える護衛官になりたいのです。
そしてそんな戦力を抱えながら政府が野放しにしている犯罪者たちを裁くことが、自分の全てであり世のための正義でもあると思うのです。
ゴッドハンドは絶対な正義です。悪の者は粛清され、消えることが正しい」
唐突に拳を突き出し、男の頬をかする程度にとどめるソウ。男は微動だにせず、その手をしっかり掴んだ。
そう意識すれば、こんな微弱な腕など男には容易く砕くことができる。
「あなた、フォース使えるんでしょう。どうです、今度勝負してみません? もう半年後には今の倍以上、数倍強くなってきますよ」
「どうかな。その時の気分次第だ、俺はタイマンが嫌いなんでね。その気ならもっと強いのをよこすぜ」
彼の手をそっと離し、二人に追いつこうと男は足早に人ごみに消えた。
思うに、彼は元護衛官なんじゃないかという予測をソウは立て、つじつまを合わせようとした。
人は物事を納得いくように解釈しようとする、彼はそう高等部で学んだ。


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281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/21(土) 16:40:34 ID:???
今日は早いな

282 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/22(日) 00:29:34 ID:???
久々に初期執筆文を読み返してみました。
ホント、一人称と三人称が混ざっていて、しかも〜した、〜だった、などの
過去描写が多いですね。。少しは上達したかなと自分で思っています。
いや、まだまだですけどね。
あと設定も混沌としていますね。特に物価指数的なものが凄まじいです。
あとでインフラ整備を施行しなければ。賞金額が最もひどいので、あとで修正します。

283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/22(日) 14:28:23 ID:???
確実に上達していると思うよ。

物価はアレなのが多いが。
スーパータイムブースターがタイムブースターと比べるとかなり安かったり、
ヘリの値段もよく考えると微妙だし。
オークションの値段も誇示することを考えても
倹約家の割には使いすぎだったり。

でも、勢いや雰囲気にあってればそんな細かいところは問題ないけどね

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/22(日) 14:42:40 ID:???
まとめの人更新乙。

>一条の血を引くものと最強と謳われた王家の血を引くものが
なんか分かりにくい表現なんだけどこれで合ってるの?

285 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/22(日) 23:10:03 ID:???
今日も更新さぼちゃった・・すいません。。
>>283
オークションの値って微妙ですよねえ。本当のお金持ちに聞かないと見当つかない・・
前にモナリザの微笑みでオークションの雰囲気はある程度、知っているつもりなのですが・
>>284
信之助・ローレンスのことですね。
数ある設定ミスや捨て設定でもこれはあっています。今後の展開にご期待下さいな。

286 :雇われ店長:2005/05/23(月) 01:22:39 ID:???
いつもお疲れちゃーはんです
漫画やっと更新しました。
http://www.geocities.jp/rebellion_manga/

287 :284:2005/05/23(月) 15:16:19 ID:RCEauVnY
スマン、読みなおしたら理解できた。
贅沢を言うなら、
>一条の血を引くものと、最強と謳われた王家の血を引くものが〜
にしたら分かり易いかもしれない。

それと。12話の「国瘴」は「黒瘴」かと思われる。

288 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/23(月) 21:07:00 ID:???
>>雇われ店長
おお、待ちに待っていた更新、、お疲れです。
信之助がだんだんアレになってきましたね、いいっすよ〜
最初から魔法筒か迷ったけど、ロケットランチャーはさんでおいて良かった。
楽しみにしています・・

>>287
そういうことですか。区読点がないと混ざっちゃいますね。。
誤字指摘どうもです、よく国になっちゃうんだよな・・

289 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/24(火) 00:14:07 ID:???
 「他は?」
男があごで示した先に目をやると、駅前改札の前には、場違いな雰囲気をまとった三人組が、しりとりを楽しみながらたむろっている。
「切腹」
「クレバスである」
「す……す……スリザリン空手っすね」
「天下統一」
「対馬海流である」
「う……う……うらしま効果っすね」
あまり楽しそうではないなと、彼女は遠目で見ていて思った。
彼らはこちらに気付き、修学旅行生のように大きく手を振りながら、その場違いな風気を一層加速させる。
この街にて、年齢層が揃わない男の三人組は、寿司屋の品書きにあるワインの如く存在である。
それも実際あるわけで、彼らの存在もまた実在するのだと、一番後ろを歩く小さな女はかぶりを振った。
自分も向こうのほうが良かった、そんな言葉を振りを止めながら呑み込む。このことは、ここにいる人たちには知らされていないことを思い出した。
お父様に言われたのも、戦力の分散は集団自衛には不可欠要素だという、そういった論理からであり個々の意志とは係わらないのだ、と一人納得する。


290 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/24(火) 00:16:09 ID:???
「列車?」
「残念ながら、我輩たちの懐は極めて厳しい。しかも高速列車にさえ乗れないありさま。
強制的に心豊かな旅が味わえる特典付きである」
「鈍行!? 空港までどれくらいかかると思ってんのよ。ヨハンから少し貰ってないの?お金」
彼女と老紳士のやりとりに、ヤンキー風の男は首を横に振り、券売機に硬貨を入れる。
ざっと見積もっても、半日はかかる旅路である。彼女は日中のデート気分から一転、出てきた粗末な区間切符に目眩がした。
「ったく、肝心なときに顔見せないのよね」
「俺らがたかり過ぎだからじゃないっすか。この間なんて、あんたとベネが"この店のメニューで一番高い物、上から五個づつ"を連発するから、
ヨハン途中で逃げようとしたじゃないっすか」
「あれは今思うと悪かったわね。今度謝っておく」
そこで一同は、老紳士の取り出した《SAICO》の一瞬精算に驚いた。
これは電子マネーという次世代通貨――といっても、流通が始まったのはもう随分前のことで、単に彼らがこういったものとは無縁だっただけである――を
用いた電子カードで、マネーカードが《ワールドカードCo.》の代理精算という仕組みなのに対し、
《SAICO》はカード自身に電子マネーという形でストックしておくという仕組みになっている。
つまり、使いすぎという心配がないのだ。


291 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/24(火) 00:16:39 ID:???
「どうだ、神の奇跡に触れたかのようであろう。懸賞で十万G分当たったのだ。
ここ二ヶ月、《家紋》を飲み続けたかいがあったというものだ。そなたらも最新の文明に関心を持つとよいぞ」
あなたはまず、首都の名前と都心部の駅名を覚えたほうがよいのではないだろうか、同じく一人ではどこへも行けないマリア以外の他全員が、冷じた目を彼に注ぐ。
それを背後に気にもせず、老紳士はさっさとホームのほうへと消えてしまった。
それを見てヤンキー風の男が急いで改札を通り抜け、人を掻き分けながらその姿を追う。
わからないのなら勝手に進まないで欲しい、言っても聞かないのが駄目な人間の特徴である。

――列車入ります。入車後、ホーム扉が開きますので離れてお待ち下さい――

車両内は、時間帯に割りに空いている印象を受ける。無論、六人全員がまとまって座れるほどではないが、幸いボックスシートに四人が腰をおろすことができた。


292 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/24(火) 00:17:05 ID:???
「ここいいっすか」
「ええ。どうぞ」
その隣のボックス席に隙を見つけ、ヤンキーの風貌を老人三人で染まるそこに納める。
ハラシブ駅の三つ前が《ジゾウガモ》ということもあり、しばしばこういった光景が都市セントラル線には見られる。
「耳、痛くないのかい? "やんきー"の人ってのは大変だねえ」
一人のおばあさんが、彼の耳に関心を示しながらお茶をすするのを止めた。
ゼロゲージのピアス穴には、いくつものゴシック調のデザインを象ったシルバーアクセが手を通している。
その中でも、十字を刻んだ繊細なピアスが印象的であった。中心には、高価そうな石が埋め込まれている。
「いや、自分ヤンキーじゃないっすよ。今どき、ピアスなんて誰でもしますって」
「 "やんきー"じゃないのかい、そうなのかい。最近の子は個性的だからねえ」
「埋目さん、 "やんきー"ってのは、こんな目つきで"めんそーるらいと"をふかすんだよ」
「そんで"いんすぱ"に乗りながら大音量で"あゅ"を聴くんじゃ」
盛り上がる隣の席を眺めながら、彼女は大きく息をついた。時計を見ても何も変わりはしない。
どう考えても、出発は明日になるとますます落胆するだけであった。


293 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/24(火) 00:17:39 ID:???
「こんなことなら、あいつらから金も貰っておけばよかったわ。貧乏旅行って一っつも楽しくないのよね」
「愛に金はいらないか」
ハラシブにいるカップルの大半は、低所得層を親に持つ者が多い。
裕福な親を持つ者や、もう働いて自立している者は、大抵パリスやポートガスの高級レストラン街などに繰り出す。
残念ながら、彼女とソウのカップルは前者であった。それでも彼女は、学生である彼氏を困らせまいと会計は全て割り勘、服も自分で買っている。
それだけに、今日買ってもらったこのハイセンスなキャップは、それなりに嬉しかった。これを親に渡されても、その場で焼却処分である。
「あるに越したことはないけどね」
髪を手ぐしで整えながら、彼女は鮮やかなそのキャップを手にくるくる回す。値札が付いたままであることに気付き、指でそれを切断する。
9800Gとあり、四人はそれに少々戸惑い驚いた。
「これの花言葉、何か知ってるか」
キャップに光る"シンビジューム"のピンバッジを指しながら出た男の言葉に、通路側の二人のおっさんは縁のない話だと心の中で切り捨てた。
そして彼女も、占いやそういった類のことには興味なく、知る得るところではなかった。


294 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/24(火) 00:18:19 ID:???
「何よ」
そこで男と老紳士の頭の間からマリアが顔を唐突に出し、向かいの二人を驚かせた。あちら側は優先席で、老人・子供なら堂々と座れるはずである。
といっても、もうそんな年齢ではない気が、彼女はうっとおしそうな目を向けた。
「雪舟おじさま。さっきのあれ、貸してくださる? これでお買い物もできるらしいの」
通路側から老紳士が覗き込むと、車内販売のお姉さんがにこっと笑いながら、スパークキャンディーを手に会計機を差し出してきた。
懐から出した《SAICO》をかざすと、電子音とともにレシート用紙が吐き出され老紳士の手の平に落ちる。
お姉さんはキャンディーをマリアに手渡すと、また台車を押しながら次の車両へと去っていった。レシートには残額98540Gとあった。
運賃が360Gだから……老紳士は目を丸くした。
――次はサンタフィールド。各線乗り換えの方はここで降車です――
「あいつもなかなかどうして、味なことをするな」


295 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/24(火) 00:20:05 ID:???
男は立ち上がり、白い髪を後ろにかき上げながらハットをかぶり直す。必要な物資はあらかた揃った。
今回の一件で、北より対価として提供されるものを含めれば、もうあの国には用はない。いい加減、もううんざりであると男は嫌気ぎみていた。
どうも入りこんだ事は苦手である。あと一回、治安省に行かねばならないことを思うと、男の欝は彼女と同等の、あるいはそれ以上のものになった。
だが男が秘めたそれは、欝などもろともせず彼を突き動かす。必ず自分の目的は達成する、彼女を横目で見ながら男は決意を改めた。
情が移りつつある男は、それに少々罪悪感を抱いたが、すぐに握りつぶした。
「残る国は四つ。そして来週には二つになるわけだ。世界末期ってやつだな」
「マジで"世も末"っすね」
「十年前に国家間のバランスは崩れ去ったのだ。行く末は我輩も気になるところである」
「結局、リディアの一人勝ちなんじゃない? 切り札もまだ出していないだろうし」
「拙者もクインシー殿に同意だ」
「どちらにしても、北央の対立図は決定的ね。もう二国は既にないも同然」
ホームに降り立った六人は、他を寄せ付けぬ威圧的な空気をまといながら、目指す先を定め歩き出す。
それに連じて世界終末時計は秒針を再び刻み始めた。
「では南攻略、張り切っていきますか」


296 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/24(火) 00:24:12 ID:???
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今日はここまでにします。読んでくれた方、いつもすぐそこサンクスです。。
TSUTAYAに行ったんですが、陰陽座というアーティストの新曲がなかった・・
アニメの主題歌らしいですが、CDTVで聴いていいなと思ったのです。どっかにないかな・・
さて、デスニュ読んでこようっと。野球のない日に内Pとこれはありがたい、、

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/24(火) 02:12:54 ID:???
Zかれ〜

298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/24(火) 14:54:14 ID:???
乙カレー。

読んでいて思ったけど、
あまり難しい言葉は使わない方が良いと思う。

難しい言葉を使えば、面白いものに見えるけど、
それは表面的なものだけで、本当の意味での表現力が育たなくなるよ。


…と新人モノ書きがよく言われることを言ってみたり

299 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/24(火) 20:13:11 ID:???
そうですね。難しい言葉はなるたけ使わないようにしたほうがいいですね。
漫画のノリですので、そういった回りくどい表現もなくしたほうがいいかな。
ただ、たまに無性にそういった書き方をしてしまう・・・

300 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/24(火) 23:15:02 ID:???
 オレには元々そんな気は無かったのかもしれない。
本当に今回で決めるつもりであったならば、戦力の見積もり違いなどというくだらないミスはしなかっただろうし、
総長の時も最初からローレンスを放り投げておけば余計な犠牲は出さなかった。
思えばオレ自身、上に立つほどの器ではないのかもしれない。
このメンバーでは一番戦闘力もないし、それでいてリーダーシップを取れるほどのキレがあるわけでもない。
だがそれも、その気がなかった、ただそれだけであると自身、思っている。他の人と同様、オレも"その気になればできるんだ"と。
「全戦力をこちらへ呼び寄せる。そうだ、ありったけの人材を投入し、金にものを言わせる大企業戦略でいく。
ラムズ大佐に指揮を取らせ、優秀な者は特に漏れなく連れて来い。
そちらは二木谷とポートガス大経済系の人間に、引き続き全て任せる」


301 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/24(火) 23:15:37 ID:???
確認の返事を聞き、そこで通話ボタンを押し衛星電話をしまう。
ローレンスを除く人間の視線が、荷台の端にどかっと腰をおろすオレにじーっと注がれる。
野球ではバントよりホームラン、サッカーではラストパスよりゴールシュートが注目され、新聞の一面も彩られる。
ローレンスの渡航費も、ローレンスの宿泊費も、ローレンスの食費も、つまりローレンスの維持費は全てオレが出しているのだ。
これは、家で稼ぎ頭の夫方より妻方が強いように、倫理的な問題じゃないだろうかと思うのだ。
結局、オレは不当な扱いを受けているのだと、そう結論付けた。
「君は政府関係の人間かね? だったら大変失礼であった。
私はまた、繁華街の売れないホストか、不渡り手形を連発している中小の経営者かと勘違いしていたよ」
「わたしは、百戦錬磨の詐欺師か、悪性不当業者の頭取、もしくは極悪殺戮武器商人かと」
「そこの神父に更生修行に連れられている、社会不適合者にも見えるな」


302 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/24(火) 23:16:10 ID:???
大統領、ユフィア、サザン議員の順に口走られる勝手なイメージがそれを如実に表している。
ホストなんかはわからんでもないが、その他については明らかに背後のリュークが原因の一つであると感じる。
前に使った電磁レールガンや、いびるイメージのある鞭のせいもあるだろうが、総じてそれらは誤りであると伝えたい。
「ですが今はそんな詮索をしている場合ではありません、大統領。
我々はこれより、戦力を建て直した後に、アムステルを総攻撃し奪還しなければなりません。
今回の正規軍の敗走は、歴史に残る間抜けな陽動戦術にやられる結果となりました。
残念ですがこれは、あなたの判断ミスであったと言わざるえません」
「そう一手に言い切れる……」
「それは」
反論を差そうとするサザン議員の言葉を、重い口どりで遮ったのは当人自身であった。
軍用トラックの荷台に、政府の要人が二人も乗っているのは非常に貧しい光景だが、それは今の国自身の姿を反映している。


303 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/24(火) 23:16:48 ID:???
「国民に対して、すまないと感じている。総司令官である私に軍事責任がある事は明確だ。
ゴルチェ(国防長官)の言葉を聞き入れ、ウェイクフィールドの忠告を流してしまったことが、
私の国政人生最大のミスであったと、自身を呪うほど悔いている」
結果的にあの国防長官に全てにおいて、してやられたということになる。
もっとも、たった一人の人間によって国家危機に陥ってしまう政府など、そんなものはもはや政府と呼べる代物ではない。
何のためのウェイクフィールドとゴルチェの双角なのか。何のための最終判断機関・大統領府なのか。何のための民主主義なのか。
何ともお粗末な次第である。
「過ぎたことは仕方ありません。あなたの静かな政治は、もう立ち消えてしまったのです。
あとはこのまま亡命者として身を朽ちさせるだけか、最期まで熱意の政治人として燃え尽きるか。簡単な二択かと思いますが」


304 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/24(火) 23:17:51 ID:???
車は西海岸沿いを走りながら落ちる日を横目に、港町への舗装された静かな路をヘッドライトが照らす。他に車・人の姿はない。
これが大統領自身が招いた、終わりの情景である。街中に入っても、それは何ら変わりはしない。
戦争の損失は、最終的に国民へと転じられ、政府の崩落とともに生活を失う。アムステル制圧の一報はもう流れているだろう。
事実上、この国は北の統治下に置かれた。
「わかる。これからすべきことも、国民の意志も、求められるその大きな期待も、全て今の私にはわかる。私は最期まで政治家として戦うことを選択する」
ただウェストコールのそれとは違っていた。それは相手がリディアか北かという、外的なものではない。
政府という国の心臓部が鼓動しているか、そうでないかという自身らの内面である。まだこの国は死んではいない。
反乱軍という癌を取り除くオペのため、麻酔とメスを片手に患者をこれから救うのだ。
「デシャネル=シラクは死ぬまでが任期の"初代東国家大統領"だ」
サザン議員とユフィアは司令官の奮起に、疲れた体をみなぎらせた。
ローレンスもひどく負傷した手を休ませながら、ゆっくりと目を閉じ眠りについた。
遥か先のリディア大陸に沈む太陽を眺めながら、オレはただ一人、口を歪め微笑した。それを見ていたリュークは、じっとこちらを見つめた後、すうっと消えた。
その眼は死神らしい、静かな、ひどく冷たいものであった。


305 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/24(火) 23:33:49 ID:???
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今日はここまでにします。ご愛読どうもです。。。。
先週中に前編を終わらせるとかほざいていたのに、すいません。
最近さぼり気味なもので・・野球のせいですよ、きっと。

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/25(水) 00:31:14 ID:???
このテレビっ子が!

無理せず自分のペースで頑張れ
おつかれんこん

307 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/25(水) 20:42:17 ID:???
 「これで構図は見やすくなったわね。東を舞台に、リディアと北の対立が本格化してきた。
そして、彼らもそれに触発されるように動き出したわ。
もし彼らが揃って、リディアに襲撃をかけていたなら、がら空きの世界政府はどうなっていたかしらね」
「どうなったの?」
暖炉前に置かれた、湯気立つ陶器鍋を木べらでかき回しながら、彼女は窓外のいつもの風景に消沈する。
積もった雪が、心を痛たませるその淋しげな光景を和らげている。
崩れた雪間から見える鉄板にペイントされた"AM"の文字を眺めながら、彼は前々からそれが何なのかを聞こう聞こうと思っていた。
問いかけたまま、黙り込んでしまった彼女に興味をなくした彼は、つまもうと手を鍋に近づけるが、彼女にたしなめられてしまう。
ハンモックに飛び乗り、何気なく目をやったチェスト上の写真に、今度は興味を示す。
そこには数人と写る、彼が見たことのない笑顔をした彼女の姿があった。
どれだけ長い間、日光にさらされたのか、光学射加工のカラー写真も時とともに色褪せている。


308 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/25(水) 20:46:37 ID:???
「でさ、前から気になってたんだけどさ、その神父は結局なんなの? 
話だけ聞いてるとどうしても、よく物語に出てくる謎の冷男のイメージが離れないんだけど」
「最初、彼はローレンスと名乗っていたわ。ローレン=ストラウス――ローレン=ストラウ・ス――」
そこで彼女は表情を崩し、目をつむった。彼に見られぬよう手で顔を覆い、素っ気に向こうを向く。
こんなことがしばしばあるため、彼は興味を満たすための、その話をなかなか
切り出せない時があった。彼女はやがて顔を上げ、暖炉の火を様子見ながら鍋の火力を弱める。
今日の夕食は、彼女の得意なブラウンシチューだ。
「彼は紛れも無く、聖者。神の子よ」


309 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/25(水) 20:47:49 ID:???
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休憩。巨人・・・

310 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/25(水) 21:38:32 ID:???
雇われ店長氏のHPいいなあ。あの日記、楽しそう。。
自分はここが日記兼ですからいいんですが。30000HITおめでとうです。
まああの素晴らしい絵で稼いだようなものですねえ・・
内容がもっと良ければ・・・なんかこんなうまい人に書いてもらって申し訳ない・・
こんな駄作ですが、これからもお付き合い下さい。

311 :雇われ店長:2005/05/25(水) 23:48:04 ID:???
正直楽しいですw日記くらい好き勝手書いてもいいかなと思いましてw

あんなオリジナリティ皆無の絵で喜んでもらえて正直申し訳ないです。
安易なコマ割り。貧富な構図。
定規使うのは枠線だけ。機械とか車なんて細部はごまかしまくり。
連載始めてから一向に上達しない絵。etc・・・

こんな漫画ですがどうぞよろしくお願いしますw

312 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/26(木) 00:42:49 ID:???
 誰もいない暗い部屋からの奇妙な音を聞きつけ、月夜の廊下を、赤外線スコープを頼りに忍び足で行く男は、
部屋の中にぼんやり浮かぶ、一点の光に目を奪われた。
スコープの解析度を調整し、光の源であるPCの画面を覗き込むと、羅列する文字列の最表面に"ダウンロード中"の表示があり、
スティックゲージが残り49%を示している。彼は映画でこんな感じのPC画面を幾度と見たことがある。
大好きなスパイアクション映画には、ほぼ間違いなく出てきて、重要な情報をまんまともって行かれてしまうのだ。
彼は急いで退室し、スコープの調整つまみを再び最高値に戻しながら、ライフルから小銃に持ち替える。
こういった場合、ダウンロードを中止させようと注意を逸らした瞬間に背後から襲われたり、
部屋を無作為に探ろうと視線を巡らせる頭上から首をへし折られるのが、エンターテイメントである映画の常套手でもあった。
廊下は見通しが効き、潜む物陰などない。部屋の入り口は一つで、通気口は人の入れる大きさではなかったと、彼は見回り時に記憶している。

313 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/26(木) 00:43:26 ID:???
その唯一の脱出口には、射撃を得意とする自分の銃口が待ち構えている――完璧だ――彼は軍部たった頃の冷静さを保っている自分を称えた。
無線で警備室にも伝えた。応援が来たら、スコープライフルで援護させながら、部屋に踏み込めばいい。
複数の可能性もあるが、外の厳重警備からしてそれは低い。皆、練磨の屈強な軍人だ、そうやすやすと侵入者を許しはしないだろう。
長年の勘からしても、間違いなく侵入者は一人。リディアか、あるいは南のスパイか。ただの情報窃盗か。
どうであれ、そいつが生きて明朝の日を見られることは、自分が銃弾を外すよりない、そういった自信が彼にはあった。応援はまだか。
「くそっ」
一切の雑音がない静かな夜、遥か先の足音まで聞き取れる状況であって、その静けさは彼をやや苛立たせていた。
その兆候は、トリガーに掛けた指の震えに表れている。そういえば、昨日今日とキリング中佐が軍事配備のため、コーカスへ出ていて不在だったな。
上官がいないことを機に、カードゲームでもやっているのか、睡魔でだれているのか、今日の他兵はろくな面子じゃないなと、彼は歯噛みしながらマガジンを引き直した。
無線の応答ランプも点灯したままである。――単独で踏み込むか――そう判断しかけた彼の目端に、ランプの点滅が飛び込んできた。
彼は心を高ぶらせながら、音量が最小値になっていることを確認しながら、回線を取る。


314 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/26(木) 00:43:48 ID:???
「Kbだ。侵入者の気配あり、応援を」
『わかった。すぐに人をよこす、それまで息を殺し潜め』
言われるまでも無い、そう吐き捨て切った。彼は膝を着き、腕をしっかり組みながら銃を持つ手をリラックスさせる。
いつでも俊敏に反応できる、そんな構えを彼は常套としていた。今はスナイパーのような精密さが求められるわけじゃない。
遊撃を含んだ、柔軟なものが必要なんだ。相変わらず、部屋の中に動く気配はない。自分と同じく、気配と息を絶ち、潜み隠れているのだ。
この間にも、データのダウンロードは進んでいる。だがそれも、ここから持ち出さなければ意味のない代物である。情報戦……彼が嫌いな風向だった。
「しまった。スコープライフルを持ってこさせるのを忘れた」
小さく呟く彼は、一発、二発、三発の銃声を聞きつけ、固定した下半身に緊張を走らせた。
さらに数発の発砲音が静かな暗闇を切り裂き、建物全体に響き渡る。彼の集中力は、不可解な状況の変化により、その先を徐々に逸らし始めた。
だがそれを、ランプ点滅が再び彼の意識を緊張の中に呼び戻す。


315 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/26(木) 00:44:38 ID:???
「どうした」
『二人の侵入者を追い込み、一人を捕らえた。もう一人は射殺した。リディアのスパイだろう』
そこで彼は、気配のない部屋を凝らす目を緩め、肩を二回、上下させた。よくやった、彼は心で言い聞かせる。
「了解した。部屋内の証拠物件を回収する。俺は機械がまるっきし駄目なんだ、指示を頼む」
『わかった。爆弾が仕掛けられているかもしれない。慎重にな』
「ああ」
それでも彼は銃を構えたまま、だが大胆に扉を開け放ち、ダウンロード画面が終了したPCの前に立ったまま、回線をフリーにする。
「データは全部落ちたようだ。何だか奇妙な端末が繋がっている。それの液晶には"OK.END"とある」
『携帯用の情報共有端末機器だ。数秒で政府のマザーコンピューターにデータを送信できる。
それを解析すれば、逆に情報を抜き取れる』


316 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/26(木) 00:48:57 ID:???
めっさ中途半端ですが、ここまでにします。お付き合いどうもです。。
本当は今日中にここを終わらせたかったんですが、どうしても気が散ってしまう・・
内容は大したことないのに、気分だけはプロ作家並みの繊細さです。
会話の少ない文って、難しいんですよね・・表現が続かない。。。

317 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/26(木) 21:01:21 ID:???
「そうか。ではこれを……ん? 何か端末のアンテナ部が点滅し始めたぞ。PCの画面もシャットダウンされた。
とりあえず視界を確保する」
唯一の光源を失った真っ暗な部屋を、マグライトの細い光帯が駆ける。
操作のためのキーボードを確認する程度は可能で、さらに軍人の視力は平均的に高く、凝らして見れば細かい操作キーもはっきりと確認できた。
照明をつければいいのだが、彼は非常に用心深く、極力自分の位置を他人に認識させたくなかった。
マグライトの光も一定の範囲に絞り、必要以上の角度に漏れないようにしている。
点滅は未だ続いており、遠隔操作でデータをどこかへ送っているのかとも思ったが、機械に関してはいつも見当はずれだったので、指示を仰ぐことにする。
「点滅は続いている。PCは静かになった、完全に停止したようだな。どうする」
『その端末自体が爆弾かもしれない。メモリー圧縮カードを抜き取ろう。横のほうに出っ張りがあるだろう。それが差し込まれたカードだ』
照らさずに探ると、確かに感触がある。


318 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/26(木) 21:01:48 ID:???
「あった。引っこ抜けばいいのか」
『端末を一旦シャットダウンしなければならない。データが壊れてしまう可能性があるんだ。
電源スイッチか、スタンバイ切り替えスイッチがあるだろう』
マグライトで照らされた端末の操作部に、緑色の楕円形のスイッチがある。
「ある。切ればいいんな。――よし、切った。画面の表示が消えた」
『それでOKだ。メモリーカードを抜け』
言われたとおり、手早くそれを端末から抜き取る。
その瞬間、遮断されたはずの端末の画面に文字列が出現し、恐怖を煽る赤色に点滅を始めた。
「端末の電源がまたついた。画面が赤く点滅している。"Danger"という表示が羅列されている。どうする?」
彼の言葉には、先ほどの平静さがなく、それでもまだ集中力は欠けていない。爆弾であれば、落ち着いて起動をダウンさせればいい。
お決まりのカウントがないのも、彼に時間的余裕を感じさせる要因となった。
『カードの離作によって起動される爆弾だ。落ち着け。端末のほうはダミーだ。カード自身が起爆源になっている。まず……』


319 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/26(木) 21:02:48 ID:???
突然、PCがポップコーンのように弾け飛び、破片が彼の左目を切り裂いた。
かろうじて眼球に痛みは感じないが、ざっくり切れたまぶたから、僅かに照らされたキーボードへと赤い鮮血が落ちる。
しかしその痛みは、冷静の彼を恐怖に突き落とすには十分なものだった。
視覚という、人間が最も頼ってしまう部位を片方失った彼の手は、端末から既に離れており、マグライトも驚きで真っ暗い床に落としてしまった。
「くそったれめ。PCが爆発しやがった」
『落ち着け、Kb。落ち着くんだ』
視覚は聴覚より優先する。彼の意識は閉ざされた左目に集まり、無線からの声にはほとんど無反応だった。
「どうした!? 何かあったか」
爆発音に反応し、廊下から駆けつける足音が彼の耳に入ったが、そんなことはどうでもよかった。その声に応える間もなく、
今度はキーボードが弾き飛んだ。規模は爆竹程度のものだったが、頭を支配する混乱はそれにより加速される。
不意に足元を動かしてしまい、落としたマグライトにつまずいてしまう。
廊下の外で何事かと察知しようとしていた兵は、その音が情報機器の部屋からしたことに気付き、
警戒しながら扉へと近づいていくが部屋内は暗く、見通しが利かない。
兵は照明を探るが、見回りはサボりがちだったため、位置を把握していなかった。


320 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/26(木) 21:03:12 ID:???
『連動式かもしれない。起爆スイッチなしでも爆破するぞ! メモリーカードを捨てろ。そして近くの物陰に身を隠せ』
極度の緊張で握り締めたカードを、彼はとっさに廊下のほうへと放り投げる。
兵はいきなり部屋から飛び出してきたそれに驚き、すぐさま後退するが、それが何かを確認し息をつく。
その腰につけた無線機から突如、低い男の声が聞こえ、兵は耳をすました。
『こちらF、作戦は失敗だ。データはない。これより証拠を隠滅する』
一体何のことだか、その兵にはさっぱりだったが、部屋内のデスク影に隠れていた彼には、それがどういうことなのか、掴みかけていた。
そして混乱の去った頭は、それにより冷静さを取り戻していたが、反比例し恐怖感がこみ上げてくる。彼は無線機を外し、床にどんと置いた。
「誰だ」
しばし間があき、やがて無線機から一つ、先と同じ声が流れる。
『しまった! 手動操作がロックされた、データ記録を破棄する』
廊下の外の兵はますます頭を混乱させ、潜む彼はますます恐怖にかられる。やられた。部屋の扉からは離れてしまっている。くそっ。


321 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/26(木) 21:03:37 ID:???
『誰か。君は誰かと聞いたのか』
闇の中で、無線機の通信ランプだけが不気味に点滅している。今この声は、彼の無線機にだけ流れている。
彼は次の言葉が浮かんでこなかった。
『私は』
そこで初めて、彼の無線機から流れる声が変わった。
それは最初のくぐもった男の声ではなく、若い――若すぎる――女の無機質なものだった。
彼は無線機を掴み取り、声に聞き入る。
『誰でしょう』
外の兵の無線機に女の声で、それだけが聞こえた。次に耳が捉えたのは、鼓膜の裂ける鋭い爆破の音刃だった。


322 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/26(木) 21:05:09 ID:???
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休憩。トレマーズ見たいようなどうでもいいような・・
つまらなくはないんですけどね。

323 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/26(木) 23:59:13 ID:???
 波間漂う、朝日がきらきらと跳ね返る海岸。
遠洋のほうでは、イルカたちが弧を描き飛び跳ねている、ような気のする遥か広大な海に、
非自然的な造形物が出現し、しぶきを上げながらあっという間に水面へと消えた。アザラシ、タバラガニ、うに、うみうし、昆布、次は何だろうか。
「Gウェポンの真価は、ポテンシャルの収束にある。お前のように、全体に力が分散してしまうと不意の無駄な流れが出来ちまうんだ」
昆布で終わっていいものか、マーフィは迷ったに違いないが、振り回す《海王槍》をローレンスに渡す。
馴染まぬ得物を一閃二閃しながら、その長い金の髪を朝焼けになびかせ片手で、海を裂くように《海王槍》を薙いだ。
肉眼で確認できる範囲の海面が割れ、あとは見えないのでよくわからないが、多分オレがイルカを描いた遠洋まで届いているはずである。
水が割れあらわになった海底に目をやると、珊瑚やら岩礁やらがすぱっと切断されている。遠くのほうに一つ、ばらっと落ちた肉片が確認できる。
運悪く今の一撃を喰らってしまったのだろう。そんな物語を残しつつ、水面のカーテンは閉じてしまった。


324 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/26(木) 23:59:58 ID:???
「そしてフォースの大小には左右されない。神父も悪くは無いが、まとまりがない。
今のでせいぜいが、俺のうに程度だろうな」
あのうにが一体どれ程のエネルギーを秘めているのか、オレにはおおよそ見当のつかないところだが、今度はリュークの番になり、
どんな風になるのか少し期待を寄せ眺める。リュークは野球選手のように槍を高く構え、そこから不恰好なゴルフスイングで虚空を一閃した。
数秒の間の後、静かな海面を水柱が空へと突き上げ、海岸のオレたちにしぶきが降りかかる。
まだ暗さの残る空を見上げると、水柱は明らかに大気圏を突破している、ような気がするほど、高く高くその先を抜けさせている。
これはローレンスのより評価点は高いか?
「死神だけあって、いい線は行ってる。タバラガニとアザラシの中間ってとこだな」
適当ぶっこくマーフィを輪に加え、四人一同はさらさら白い砂浜に腰をおろす。
そのすぐ傍らには、水浸しになった木製のボートがひび割れ転がっている。これがオレの"昆布以下"の一撃である。
こんなものかなと流したが、内心は非常に悔しかった。昆布の形容も悪かったが、まさか武器を使ってもボロ船一つ割れないとは……。
まあ、金にものをいわせた"各兵器"を使用すれば、容易くはあるが。でも……悔しい!


325 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/27(金) 00:00:33 ID:???
「フォースには影響されない。では何がこの差を生むのか。
イメージやセンスも大事だが、決定的な要素はずばり"魔力"だ」
「ふむ。言われてみればリュークは魔界の住民、そんなイメージがあるぞ。
であれば、お前のことも説明がつく。実は魔界の者だな?」
話のほねを折るのはいつも悪いとは思うのだが、それでも思いついたことはつい喋りたくなってしまう。
《海王槍》を布で拭き拭きしながら、オレはそこで口をつむいだ。悪かった。
「それはないが、そこの死神より俺は"魔力"を持っていることになるな。人間で魔界の奴より魔力を持っているのは珍しい。
この世界の力がフォースであるように、魔界の力が魔力であるからだ。まあ何事にもそういった例外があるもんだ」
「でも似たようなものじゃないのか。科学からすれば、どちらも機知外の概念なんだが」
フォースだけでも科学は負けそうなのに、そんなものまで登場してくると、この世の摂理がますます崩れていく。
まじめに物理を学んでいる学生たちがかわいそうではないか。


326 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/27(金) 00:01:00 ID:???
「フォースの主な性質は"活性化"だ。フォースを持つ人間は、身体能力が飛躍的に向上する。
それはお前自身、よく知っているだろ。フォースを持つ奴は、オリンピックに出られねえ」
「あのつんつんも異常なスピードだったな。確かにあんなのが1000m走に参加したら、大会が成立しなくなる」
オリンピックに代表される、スポーツ競技の大半はフォース使いの参加を禁じている。
セントラル・べースボール、キックス・リーグ、総合運動協会などもそれに準じて、スポーツ本来の意義を保っている。
フォース使いに対する差別ではないか、そういったフォース使いたちがデモを起こし、倭神沌とポートガスを騒がせたのは記憶に新しい。
あの時は死者が出る事件にまで発展したが、ゴッドハンドの手によりあえなく鎮圧された。一般人からしたら、何とも迷惑なものである。
「対して魔力ってのは、物理法則を無視した超能力、科学で言うならば"ありえない"性質を持つ。術ってのは、魔力によって引き出される奇跡。
そして魔力の大小・コントロールなどの技術力によって、威力や扱える種類も違ってくる」
フォースも術も、科学からしたら同等の"ありえなさ"だと思うが。3秒/100mも、立派に物理法則を無視した異常事態である。
フォースの象徴をローレンス、魔力の象徴をリュークとすれば、まあ人間である分のそれはまだましだろうが。
物理的に見れば、リュークなどもはや宇宙に存在してはならないものとなる。


327 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/27(金) 00:05:40 ID:???
今日はここまで。読んでくれた方、眠い中どうもです。。
明日には多分、終わると思います。いや、どうだろう・・・頑張ります。
ここが終わると、話は一旦リディアへ戻ります。後編はまた先になりますね。
長々となってだれてしまっている感もありますが、暇なとき、気付いたときでいいんで
読んでくれるとありがたいです。

ttp://www.uploda.org/file/uporg110171.jpg
やっぱり縦読みのほうが見やすいですよね。友人にも言われました・・・


328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/27(金) 00:25:23 ID:???
おつかれんこん

縦読みっつーからクマーかと思ったw
確かにそっちの方が小説っぽくていいかも
でも2ちゃんのログとして見るにはやっぱり横かなぁ

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/27(金) 11:45:26 ID:???
俺は携帯に保存して読んでいるから、
気が向いたときには縦にして読んでるよ。

330 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/27(金) 21:52:51 ID:???
自分の小説は“ラノベ”にカテゴライズされるようですね。漫画感覚で読める作品。
もう漫画化されてるんで、何ともですが・・・
文学的なものも書いてみたいな。ドラマ化とか映画化されるような、、、
リベリオンは・・・いや、デビルマンやキャシャーンが映画化されているし、可能なはずだ!
CGとか使いまくれば・・・いや、嘘です。。
ローレンス→ロードオブザリングのレゴラスの人
首相→森前首相

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/27(金) 22:11:31 ID:???
>首相→森前首相
名前のまんまじゃんw

332 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/28(土) 02:09:43 ID:???
「待て待て。つまりローレンスは、どっちも持っている、そういうことになる。お前もリュークもフォースは使えないのだろう?」
「フォースを使える者は大抵、ほぼ例外なく、魔力も併せ持っている。その大小に相関関係はない。
そいつのフォースが強力でも、魔力は極端に弱い場合もある。その逆もまた然りだな」
強力な術を使える者=魔力が強い、ということになる。そしてフォースを持つものはほぼ例外なく、術を扱うことができる――まとめ。
「そして術の威力も、魔力の大きさで変わってくる」
マーフィは重い腰を上げ、海のほうを向きながら極印の術を結んだ。
「極氷」
放たれた冷気が海上を吹き抜け、かなりの表面積を(推定パリス国議場二個分)凍てつかせる。
氷部はスケートができそうなくらいの厚みを帯びている。ローレンスの術とは、だいぶ威力に差があるように思える。
「並みの術師の大極レベルはあると思うぜ。最高峰の術師の大極術は、これの数倍以上の威力らしいがな」
そこまで海を凍らせて、一体何をする気なのだろう。安直に、スケート場でも経営するのか。
ただそうなった場合、経営に関する項目で、スケートリンクの維持費を経費とするか、術者の人件費とするかによって、経済省の定める税率に対する扱いが……って。


333 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/28(土) 02:10:07 ID:???
「そんなことはどうでもいい。リューク、お前も今のやってみろ」
『は? 俺は魔界出身だぜ。この世界の術なんか使えるか。
元々、術ってのは魔界が発祥で、俺らの中では魔界の言語を使用した"魔術"以外は術なんて認めていない。
今のも、こっちの奴らが開発した、いわば"魔術"の派生だろ。所詮は劣化版に他ならない』
「そんなこと言って、実は強力な術を使えんのだろ。というかお前、あまり術に詳しくないんじゃないか? 
前に、術はフォースを使うとか言っていたではないか。魔力の存在を知っていたんだろ。ペテンだ」
『面倒だったから説明しなかっただけだ。大体この世界の人間で、魔力の存在を知っている奴など、ほんの一握りだ。
人間は何事も統一されていたほうが都合いいんだろ』
そう言って、リュークは姿を消した。逃げたか、オレに劣らず負けず嫌いのようだな。今回はオレの勝ち。死神らしく、どよんとしておれ。
「魔界の奴らは総じて魔力が高い。あいつも勉強不足なだけで、その気になれば強力な術も扱えるだろ。
そしてそいつらを呼び寄せるのがいわゆる"召喚術"だ」
「それは知っている。前に何度か見たからな。竜とかもいたな」
既に場は、マーフィ先生のマンツーマン授業になっている。ローレンスはとっくに転がり寝ている。枕なしでよく寝られるものだ。


334 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/28(土) 02:10:43 ID:???
「竜? 魔界の竜っては気性が荒く、しかも馬鹿なんで扱いは大変なはずだぜ。相当腕の召喚士だな」
「ほう、そうなのか。にしては、そこまでインパクトはなかったな。術師もそんな器には見えなかったが」
そこまで強力なら、ZONE本社ビルごと、粉々にふっ飛ばしていてもおかしくはない気もする。
「それはきっと、ただのイメージ。魔界の竜は、そんなほいほいこっちには来ない」
黒いミニスカに変なデザインのシャツ。見ると、朝日を背に顔を影にし、尊大な喋り方で登場したのは女だった。また変なのが増える……。
「あいつら、無駄に尊大だからね。大したアレでもないのに」
傍の小さな岩上を払いながら腰をおろす女を見て、意外にかわいいとも思ったが、オレにはろくな女運がないので、
これまたどうせろくなものじゃないんだろうとうなずく。
「イメージ?」
「術ってのはね、センスが大事なの。センス」
オレもマーフィも"?"の様相で、まあでも言いたいことは何となくわかるよ、彼女に疑視を注ぐ。
「君はそこそこ詳しいようだけど、そっちの君は術論も知らなそうね。義務教育でやらなかったの?」


335 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/28(土) 02:11:07 ID:???
「中等部では株式を専攻した。使えんものを学んでも、仕方ないからな」
「あ、そう」
そこで女は、聞き取れないほどの小さな声で詠唱を始め、手の平にバスケットボール大の炎を灯す。
それはだんだん形を変化させ、ハートを象った。
「上級者になるとね、絵描きが筆を扱うように、術の媒体を自在に描けるのよ」
それは次第に、マンタエイの優雅さ溢れる姿へと変わる。
「練達者になるほど、より複雑なものを表現できる」
マンタエイはかっさばれたように身をよじらせ、躍動感のあるホバークラフトへと輪郭を変化させる。今にも走り出しそうだ。
「ま、威力には影響しないんだけど。でもどうせなら、見た目端麗な術にしたいわよね」
ホバークラフトは中心から崩れてゆき、炎は花火のように上昇し、頭上で散った。
マーフィは同じようにして手の平に炎を発現させ試みるが、不細工なタヌキが出来上がったところで女の嫌味な微笑に、それを握りつぶす。
「では、あの竜もイメージなのか? 火吐いてたぞ」
「召喚術っていうのは、魔界生物を魔力という餌でこちらへ連れてくること。魔界の竜族は口から火なんて吐きません。
つまりそんな竜は存在しません。存在しないものを呼ぶことはできません」


336 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/28(土) 02:11:25 ID:???
「じゃあアレは、シェーラのイメージだったのか」
にしても随分と、王道な竜だったな。魔界図鑑に載っている竜や死霊なんかの姿は、オレらがイメージしているそれとはだいぶ違う。
魔界大図鑑自体、誰が書いたか判明しないので、それも本当かどうか知らないが。今度、リュークに見せてみよう。
「にしても、お前の口ぶりは腹立つな」
「きっとその術師も、同じように憤怒していたんじゃない。怒りは攻撃的なイメージになるから。思うに、その術師はあまり利口ではない」
…………。
「そうだな」
「イメージが単純過ぎる。思うに、その術師は気が強い」
…………。
「ああ」
「火は最も攻撃的なイメージ。わかりやすい性格ね」
「人によっては、付き合いにくいタイプだな」
そんなに悪くはないけどね。企業なんかは欲しいタイプかもしれない、いやうちではいらないが。最低限の水準はあるしね。
「でも術師としては論外。魔力に無駄な流れを作ってはいけない。術論の基本も知らないごみ術者が、こっちには存在するのね」
「まだこの世界の術は、研究が進んでいないんだ。その分、フォース使いは重宝される。いっぱしの術者なんて、ほとんどいないようなもんだからな」


337 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/28(土) 02:11:46 ID:???
女は、割り込んできたマーフィに細めで視線を送りながら、再びオレを向き直る。
「話が逸れたが、フォース能力ってのは、両者の性質を併せ持つものが大半だ。
フォースは魔力の生み出す、"媒体"をアレンジされると考えていい。
神父の"グランドクロス"も、魔力の走る剣にフォースを追加させ、爆発的なエネルギーを収縮させたものだ。
フォースそれ単体では、何も生み出せはしない。魔力がエンジン、フォースがガソリンってとこだな」
「ではGウェポンとは、フォースの武器、ということになるのか」
「そう。Gウェポンには、既にフォースが封じられている。扱者の魔力を加速させるのが、Gウェポン本来の役目だ」
ふーむ。フォースが関係ないことはわかったが、結局その魔力がないと話しにならない。オレにとっては、やはりただの資産分散の価値しかないということか。
せっかく新車を購入したのに、免許がなくてただ眺めている気分である。
「ちっ、結局才能か。努力の結晶である金で、その真価を発揮する武器はないのか」
「ハンマーに核弾頭でも付けるんだな。ただ、お前はまだ魔力を扱いきれてねえ。100%引き出して、それでも駄目だったら核でも株でも買うこった」
「なに。修行すれば見込みがあるのか。それをさっさと言わないか。せめて、お前を倒せるくらいの威力は引き出したい」
「お前次第だ」


338 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/28(土) 02:18:59 ID:???
今日はここまで。いつもどうもです。。
終わりませんでした。どうやら、自分は文章を短く纏めるのが苦手なようです・・
設定を書こうとするとどうしても、説明口調になってしまう。。


339 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/28(土) 11:49:41 ID:???
雇われ店長氏のサイトが一新されていますね。
でもやっぱりトップ絵が無いと淋しい感じがするなあ。

340 :雇われ店長:2005/05/29(日) 22:48:31 ID:???
漫画のサイトが一部のブラウザで見れないという報告を受けたのですが
皆さん見れてます?IE、Operaじゃカウンターしか見れなかった・・・
ローカルじゃIEでみれたんだけどなぁ・・・原因わかる方いらっしゃいますか?
まあかなりギリギリの知識で作ったものですから正直もう限界ですw
こんなことなら前のままにしとけばよかった・・・

341 :雇われ店長:2005/05/29(日) 23:01:56 ID:???
自己解決しました^^てのは嘘で指摘されたindex.htmlのソースをみてサンプルソースと見比べたら滅茶苦茶でした。
なんとかIEでみることができました。
Operaじゃまだエラーが表示されるけど見れないことはないのでこのままってことで・・・Opera使いの人スマソ

342 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/29(日) 23:30:06 ID:???
がぜんやる気の出てきたオレの頭には、マーフィの粉々に燃え尽きる様相が浮かんでくる。
イメージとは、術にしろ、何にしろ、非常に大切なのである。
「どうかな。その歳であれでは、難しいかも」
砂に横たわる、原型を保ったままのボートを見ながら、女はわざとらしい呟きを洩らす。
受験、就職、結婚。人生の分岐点は数あれど、手遅れなどということは決してない。
それまでの積み上げ、歳などで、無論個人差はあるが、やる気、なる気次第だとできる人間は思うのだ。年齢差別は良くない。
「どうとでも言え。次はタンカーを燃してやる」
手にした《ファイヤービュート》を鳴らし、自分なりに鋭く振り抜いた。断片を残していた木ボートは、灰とまではいかないが、炭々に朽ち散った。
この程度でも、一般人数人であれば軽くあしらえるのだが。
「才能ないかも。でも暇だし、わたしが見てあげる。そこそこにはなると思うけど」
「暇なら、まず言葉遣いを矯正してくれ。その歳だから危機感がないのも無理ないが、そんな性格では結婚も厳しいと思うぞ。
大体、お前は何なんだ。オレは明らかに自分より優れている人間以外からは、指導を受けないと決めている」


343 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/29(日) 23:30:30 ID:???
知識と先の術使いを見る限り、まあオレよりは手練なのだろうがそれでも、年下の女にぺこぺこするのはやはりプライド的なものが出てくる。
まだマーフィに教わったほうがまし。
「むかつく。わたしはこれでも……」
『待たせたな。今からこの海を、海流と海洋生態系に危機が生じるくらい、凄まじいことにしてやる』
そこで勢いよく地面から飛び出してきたリュークの言葉が、ぐだぐだ言い始めそうな女を遮り砂丘にこだました。
手には、"みんなの自然術・初級編"と題された薄い参考書が握られており、中央本院堂のシールが貼られたままである。
わざわざ倭神沌まで買いに行ってきたのか……。
「あれ」
『げ』
声を上げる女に気付き振り向くやいなや、リュークは本を放り投げ、頭から飛び込むようにして地面に身を沈める。
それを打って変わり表情を豊かにした女の手が、同じように地面を貫通し、リュークのしっぽ(と思う)を掴み上げ、こちらの世界へ強引に引き戻す。
この女、世捨ての上級術師あたりだろうと思っていたのだが……。


344 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/29(日) 23:30:56 ID:???
「どこのくそ死神かと思ったら、リューちゃんじゃない。ちょっと見ないうちに薄くなったね」
リュークは表情をこれまでにないほど渋く歪めながら、女のほうに黒い目をぎろりと向ける。
『もう"死神クエスト"クリアしたのか。十年以上かかるはずなんだが』
「三ヶ月で終わっちゃった。かなり無理したけど。魂を2〜3回、取られかけたけど、所詮は死神の作ったくそゲーね。
そういうわけで、またこちらへ遊びに来たんだけど」
『妹は一緒じゃないのか』
「あいつは就活中。内定なんて買えばいいのに。それ相応のものがないんだろうけど」
どうやら魔界でも、社会というものが存在するようだ。それもそうか。
リュークの持ってきた本にはシールが貼ってあったし、ちゃんと会計というシステムを理解している証拠である。
まさか、そのまま持ってきたわけではないだろうな……、そもそもリュークはどこから金を?
「リューちゃんはずっとこっちにいるの? またお兄さんに連れ戻されて、死刑になったりはしないの?」
『ちゃんと許可状ももらってる。何も問題はない』
「やった。これで当分は飽きのない日々を送れそう」
『え? お前もまさか居座るのか。許可状は』
「あとで履歴を書き換えておく。わたしのパパ、ゲート管理庁の役員なの。リューちゃんが帰るまで、わたしもいることにするわ」


345 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/29(日) 23:31:27 ID:???
リュークはすっぱいマンのような表情を、さらに渋くしながらオレのほうへと寄ってくる。
その気持ちを少しながら、オレは理解できる。
「お前の知り合いにしては、外見はまともではないか。性格はそれなりだが」
『奴はインテリの魔女だ。まあうまくおだてれば、戦力にはなると思うが、断るなら今だぞ。
オレが言うのもなんだが、魔界の奴に係わると不幸度数が増える』
「うむ……」
社交性はありそうなので、そこまで扱いに困ることはなさそうだが。
正直なところ、戦力は魔女だろうがゾンビだろうが構わないので、味方なら心強い。
フォース戦力がローレンスとマーフィ、リュークの三人だけでは依然、厳しい状況である。
一応、手は打ってあるが、プラン的に圧倒的な勝利が必要となる。半端な者はそこまでして欲しいとは思わないが。


346 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/29(日) 23:39:23 ID:???
今日はこれだけ。少しでも読んでくれた方、どうも感謝です。。
読みたい小説や漫画がたまっていて、ついついだらだらしてしまいます・・

>>雇われ店長
お疲れです。HP復旧してよかったです。トップ絵、かなり渋いですね。
誰か、色をつけれくれたりしないかな・・

ディープ強すぎでしたね。全財産、つぎ込んでおけば良かった・・
まあ終わったあとだから思えるのですが。。


347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/30(月) 00:04:01 ID:???
乙ー。
次のレースでは100万買えばいいじゃん。10万儲かるぞww
単勝と複勝倍率同じとかいってアホかと。

348 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/30(月) 00:08:24 ID:???
知り合いは、ディープ死亡を狙って他のを200円づつ買っていましたね。
宝くじよりは確率高かったかな? 自分はマック一食ほど温まりましたが。


349 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/30(月) 01:30:36 ID:???
遥かなる宇宙
内容に政治的なお話が出てきます。学校で政治学とかやっていたのかな・・
こういった本格的な政治を描いてみたかったのですが、自分にはまだ知識が足りなかったのです。
これを読んで、雰囲気とかを掴んでみようかと思います。

いろは君
バトルシーンがカッコよかった。最後もちょっと感動しました。
いろはのわかりやすいキャラもいい。やっぱりこういう熱い人物のほうが燃えますね。


350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/30(月) 14:03:52 ID:???
>>雇われ店長
スクロール式で重くなっているのなら、
一つのページに10Pくらいを収めれば良いのでは?

351 :雇われ店長:2005/05/30(月) 20:52:00 ID:???
>>350
その手がありましたね・・・でもまたクリックして次のページに行くやつにしちゃいましたorz
まあ自分的にはこっちのほうが良いような気もするんで・・・しばらくこれで行こうと思います

352 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/31(火) 00:11:46 ID:???
「金で買収できそうもないしな。とりあえず、保留しておく。今後の展開次第だ」
リュークは渋い表情のまま、こくこくとうなずいた。政治家のような振る舞いをするやつである。
そのまま海のほうを向き直すと、術の詠唱を口走り始めた。こちらの言語である。
『大氷』
低い詠唱が海上に響き渡り、太陽光射によって氷を溶かされた海面が、再び凍てつき始める。海面侵食は、浅瀬の境目あたりで止まった。
先のマーフィの術ほどの効果は見られないが、極系と基系の格差を考えれば、リュークの魔力が非常に強力なことは理解できよう。
オレも覚えてみるかな。
『時間がなかったから、極系は無理だったが、その内、大極系までこなせるようにしてやる。乞うご期待』


353 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/31(火) 00:12:43 ID:???
もしリュークが極系術まで扱えるようになれば、言っちゃ悪いが、ローレンスより戦力的に大きなプラスになるかもしれない。
ローレンスには剣術もあるし、経験もリュークより豊富だろうし、一概に判断し得ないが。
そもそも、基系の術は詠唱だけで済むが、極系になると複雑な印結が必要となる。
オレも昔フォースがあると思っていた頃、術を独学で学ぼうと参考書片手に練習したものだが、詠唱は発音を一字一句間違えても駄目だし、
印結に至ってはもはやセンスの世界である。
数ミリずれるだけで術は発動しない。大極系はそのどちらも要求され、同時動作による感覚統一が、威力の対価となっている。
他にも、基礎論理やコンディションの調整なども必要となってくるが、途中で投げ出してしまったので、詳しくは知らない。
先にあの女が言っていた術論の理解も欠かせない。無論、参考書には、術はフォースによって引き出される不可解現象、と定義されており、
魔力という単語は出てこない。
もしその辺が研究され、魔力と術発動の因果関係が見出されれば、もうちょっと術の扱いは簡単になるかもしれないが、
初見の詠唱を僅かな時間でこなすリュークのそれには、さすがの一言である。
オレは発音の練習の段階で、株価の動向が気になり始め、いつしか積もったほこりとともに忘れ去られてしまった。
どうせオレには、大した術は使えないんだろうけど。

354 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/31(火) 00:13:16 ID:???
「大炎」
不意に響くその言葉に、冷え冷えに満ちた海上の氷塊が一瞬で蒸発し、遥か向こうに望むリディア本土が見えなくなるほどの蒸気が発生した。
ローレンスの極炎を上回る威力を帯びた燃えさかる炎は、なおも水気のある海面にくすぶっている。
「発音しずらい詠唱ね。失敗しちゃった。天使を象りたかったのに」
"みんなの自然術・初級編"を片手に、女はページをぱらぱらめくり目を流しながら呟いた。
術の発祥地だけあって、魔界の者は総じてセンスがあるらしい。
下手な異国語よりよほど難しいのだが。彼女は最後のとじ込みページを見ながら、もう一方の手を無造作に動かし始めた。
初級編には基系レベルの術しか載っていないが、付録として次の段階の術が少しだけ掲載されている。
「これはリューちゃんには無理ね。一応、魔術の片鱗は感じるし」
彼女の細い手が、複雑な印を描いてゆく。周りの大気が輝き始めた。


355 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/31(火) 00:13:39 ID:???
「極氷」
発動した広範囲の氷術は、マーフィやリュークの数倍の速さで海面を侵食してゆき、厳戒な北の領海を思わせる氷河へと姿を変えた。
向こうのほうで、飛び跳ねたと思われるジェットハゼが氷像と化している。凍ったり燃えたり、海の生物はいい迷惑だろう。
「これはまた、見事な術ですね」
いつの間にか目を覚まし、あくびを押し殺しながら、凍てついた海に視線をやるローレンスに、彼女はびくっと驚きながら本を閉じる。
空がだんだん明るくなってきた。ローレンスめ、体内目覚まし時計を持っているな。
「君たちとは次元が違うの。こっちでは構築理論や可変換理論なんか確立されていないだろうし、わたし、魔界でも一応プロですから」
本を主に返すと、彼女は元いた岩上に腰を戻し、ひじをつきながらごちゃごちゃと述べる。ローレンスは微笑を浮かべながら、エクスカリバーを抜いた。
ここで始末する気か? 分からないでもないが。
「貴方がプロを名乗るように」
縦に一閃された聖剣の軌跡がそのまま、綺麗に表面を輝かせている氷上に断裂を写し、文字通りそれを真っ二つにした。
この剣さばき、やはり頼りにはなる。
「こちらにも、フォースのプロが存在するのです。我々は別に貴方たちに喧嘩を仕掛けるわけではありません。これで十分です」


356 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/31(火) 00:14:17 ID:???
鞘じまいをするローレンスにも、表情をまた無愛想に戻した女は反応せず、また言いたいことを自己主張し始める。
「プロがそんな消極的な姿勢では、この世界の発展もたかが知れるわね。大体、フォースだって元々は……まあいっか。
それより君をさっさと鍛えないと」
言葉を切り、オレに視線を向けながら女は立ち上がると、寄ってきたついでに《ファイヤービュート》を取り上げ、獣使いのように鋭く鳴らし、
大きな音を耳に突き刺した。
やっぱり年下に教わるのは嫌だな〜。
「魔力を最大限に引き出すには、これまた脳内でのイメージが大事になってくる。
それほどウェイトを占める要素でもないけど、お菓子の原料と同じで欠かせないものなの」
一閃、二閃、三閃された鞭が赤い残像を帯びながら、曇りない軌跡を描いた。
「オレの時と違って、炎すら出ないではないか」
しかし、海岸すぐの氷上に出現した"素"の文字裂に、オレは悔しさとともに感嘆の息を漏らす。
もう三振りさせると彼女は、オレにそれを返し、あくびをしながら自分の頭を指差した。氷上の"素"の横に"人"が追加されている。死ね。
「まずはここ。より炎を収縮させるイメージを先行させながら、念じること。わたし、少し寝るわ。徹夜で買い物してたから疲れてるの。
起きるまでに、好きな形くらい描けるようになってね」


357 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/31(火) 00:14:44 ID:???
指で虚空をなぞると、人一人分ほどの穴が口をあけ、女はそこへ消えていった。うーむ、イメージか。
大抵の分野には、この"イメージ"というやつが必ず出てくるが、あまりに抽象的過ぎていまいち輪郭がはっきりしない概念である。
数字のように、はっきり見えないものは基本的に嫌いなんだが。
「朝一のニュースで、正式に政権交代が報じられました。リディアと北も、本格的に動き始めたようです。もう時間がありません」
情報収集に回っていたユフィアが息を切らしながら、駆けつけざま、各国の進軍を告げる。北は承知の上だが、いよいよリディアも重い腰を上げたか。
おそらく、大統領不在のこの機に、北もろとも二国を潰すつもりだろう。その半帝国主義が、リディアをここまでの大国に成し上げた要因かもしれない。
「焦っても、飛んでくるミサイルの数は減らない。戦略をしっかり練り、各々の役目をはっきりさせ、万全で敵陣に踏み込むのだ。
東政府は一度、倒壊している。ただ反乱軍を沈めるだけでは、国民は蜃気楼の政府などを信頼したりせんぞ。それ相応のものを演出しなければならない」
朝食の済んでいない一同を、営業を始めた食処のいい匂いが刺激する。
ここ一週間、まともなものを口にしていないオレは、彼女の宿題を一旦おき、港町へと繰り出すことに決めた。
久々に美味しい海鮮料理をいただけるいい機会を、逃すわけにはいかない。


358 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/31(火) 00:15:10 ID:???
「ローレンス。フォース戦は引き続き任せるぞ。あの二人を蹴散らさなければ、勝利の二文字は刻めない」
「信之助様。残念ながら、私一人ではあの男を倒すことは、極めて難しいです。戦術パターンや技の詳細など、情報も少なすぎます」
「何もお前一人でとは言わん。本土から"奴"を呼びつけてある。二人掛かりで、何とかねじ伏せてくれ」
「彼ですか。なら十分、勝算はありますね。さすがは信之助様、抜かりはないようで」
「今回は一条財閥全体をあげての総力戦。もしかすると、最初で最後の総指揮かもしれんな」
話すオレとローレンスを遮り、ユフィアがさまざまな兵器武器を、その場にじゃらじゃらと豪快にぶちまけた。
スタンダードライフル、バスターランチャー、ロケット・イーグル、可変ギア式火炎放射器、放雷キャノンなど、新旧さまざまな火器の展覧会である。
やや、威力に偏りが見られるが……。まさに戦争用といった感じを受ける。
「いくらいい武器を持っていても、扱者が素人ではせっかくの最新火器も、ただの鉄くずに他なりません。
わたしが一条さんに、火器の扱い方を教えてあげます。食事が済んだら、これを持ってあの岬まで来て下さい」


359 :ハマタ ◆/I03giEWww :2005/05/31(火) 00:15:40 ID:???
「ちょっと待ってくれ。"これ"って、このバスタランチャーもろもろの事か? どう見ても、一トン近くあると思うのだが」
「強力な重火器を扱うには、体力も必要です」
オレはただ、目がテンである。
「それと、手当て薬も持って来て下さいね。過剰気味でいいんで」
そう言い残し、ユフィアはマーフィに並んで、さっさと港町のほうへと駆け足で行ってしまった。
ローレンスは表情でオレを励ますと、ゆっくり歩き始める。
リュークは女が掛けていた岩上に転がり、参考書を見ながら一生懸命ぶつぶつ詠唱を繰り返している。
「やれやれ。早くこの国をひと段落させて、また社長に戻ってふんぞり返りたいものだな」
朝日が完全に水平線から顔を出し、眩しい紫外光が一日を照射し始めた。世界の夜明けはいつ訪れるのだろう。


360 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/31(火) 00:20:47 ID:???
-------------------------区切り----------------------------------

イーストサン前編おしまいです。ご愛読、有難うございました。
ちょっと間、執筆をお休みします。前に言ったように読みたい小説やら何やらがたまっているので。。
神坂一さん、またストーリー物書き始めたんですね。一巻を購入してきました。
一応、出ている分は読んでみるつもりです。
今回は会話をだいぶ多めにしたつもりです、そんなに情景描写の必要を感じなかったので。
でも、少しでもいいから心理描写なりをはさんだほうがいいですね、読み返して感じました。
久々に小説を読んで、勉強したいと思います。

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/31(火) 00:28:04 ID:???
乙彼ー。
休みになるのは寂しいけど再開楽しみにしてるよー。
俺も久々に本でも読もうかな………

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/31(火) 15:30:12 ID:???
乙。
以下は誤字。

>>354
>発音しずらい ←×
>発音しづらい←○

「辛い」の濁点だから「づ」だと思われる。

363 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/31(火) 21:03:46 ID:???
>>362
そうでした。気をつけているつもりなのですが・・・
サンクスです。。

364 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/31(火) 22:42:01 ID:???
レギー=クラークソン         2000万G
リティク=ドーラ           1000万G
ネイビー=テスタロッサ        4000万G
トゥエル=オーシャン         7億2000万G
ファザーマザー=ロドリゲス      7億G
ネス=ネクスト            5億2000万G
黄河 蘇姫              6億4000万G
トロイ=ベネディクト         5億100万G
聖ヨハン=イェンヴィヴァン      6億4000万G
リヴ=クインシー           5億5000万G
レンチ=ガボール           5億800万G
神田川 雪舟             6億2500万G
ローレン=ストラウス         7億1000万G
マリア=フランシーヌ=オーシャン   5億8000万G
ムサシ                2億5000万G
カウィリ=ヴァリウス         4億4000万G
フィリップ=FOX・FOX      3億7000万G
キャプテン・セガール         3億8000万G

 

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/31(火) 22:44:07 ID:???
わ、暫くお休みかー寂しいな。
何はなくとも浜田氏おつかれー
雇われ店長も遅ればせながらサイトリニュお疲れー

今日は自分も久しぶりに本を買ってきたよ。
昔はものすごい本の虫だったのに
今じゃもう集中力が持続しない自分に愕然

366 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/31(火) 22:52:38 ID:???
資価インフラ整備中です。
賞金額をひとまず訂正。ワンピースを参考にしました。
兵器に関してですが、実際のヘリは数億から十億程度だったと思います。
軍事用ヘリは装備があるので、もう少し高額になるかと。ミサイル一発百億Gとか
にしちゃったし・・・。この辺は面倒なので、修正はしません。
兵器密売専門の武器商人の方、または携わったことのある経験者の方、誰かいらっしゃればご指導願います。

あと世界観についてですが、執筆当初は、高度な未来を想定していましたが、書いているうちに今の文明と大差無くなってしまいました。
この辺は独創性の及ばないところが原因かと考えられます。
一応、基準としては今現在(2005年)より、数十年ほど経ったくらいのものと考えて下さい。
リニアシステムとか、宇宙旅行とか、海底都市とか。車もしばらく空を走る予定もなさそうなので、それはなしで。
曖昧ですが、各読者の方にはそうイメージしていただけると嬉しいです。
雇われ店長氏には、描写の参考にしてもらいたいです。
あと何かあったかな・・・

367 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/31(火) 23:00:19 ID:???
本もしばらく読んでいないと、なかなかページが進まないですね。
書くのと一緒で、のってくればさっと読んでしまうのですが。
ちなみに皆さんは何を読まれていますか?
自分は小説だと
マイケル=クライトン(ジュラシックパーク、エアフレーム等)
トム=クランシー(レットオクトーバーを追え、今そこにある危機など)
神坂一(スレイヤーズ、ロストユニバース)
あれ、もうない・・・。自分はやっぱり漫画のほうが向いていそうです。

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/31(火) 23:01:50 ID:???
金関係は具体的な数字ではなく、
ぼかした表現をしたら後々楽かも。

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/05/31(火) 23:03:59 ID:???
>>367
ベタだけど宮部みゆき。
人物描写が良くて、魅力的。
読み終えるが勿体無いと思ってしまう。

370 :hamada ◆/I03giEWww :2005/05/31(火) 23:34:05 ID:???
ぼかしか・・・それでもいいんですけどね。今度から兵器や給与等の額は伏せよう。。
ちなみにオークションは金が主役なので、これからもあのレートで行こうと思います。
信之助にはもっともっと金持ちになってもらうしかないですね。

>>宮部みゆき
読んだことはないですが、人物関係のサスペンスが多いですね。
自分は政治や企業系のサスペンスに偏っているので、こういった類は読みませんがミステリー、サスペンスは
小説では根強い人気がありますね。でも書くのが難しそう><
作家さんは色々な本を読むといいますが、興味の無いジャンルのものも読むのかな。
興味がなかったら、読んでもほうがないと思うのですがね・・
恋愛系は特に駄目ですね。大学生の日常とかをつづられるともう・・・
漫画は比較的いろいろなジャンルを読んでいるつもりなんですが。

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/01(水) 00:33:16 ID:???
舞城王太郎お勧め

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/01(水) 15:18:08 ID:???
イーストサン前編ってこのスレの頭から>>359まで?

373 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/01(水) 21:01:08 ID:???
イーストサン編はもうちょい前からですね。
まとめサイトのほうで、今ちょうどウェストコール編が終わったところですので、
もうちょっと待ってくださいね。

374 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/01(水) 21:44:23 ID:???
右手がうまく書けない・・・
こういうのって何かを参考にして書くものなんですかね。漫画とか雑誌とか。
スーツとかラインのはっきりしているものは比較的、書きやすいんですが。
絵を描いていると、漫画家の偉大さが身にしみます。
矢吹先生、中身がねえんだよ、とか言っててすいませんでした・・

375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/01(水) 22:26:37 ID:???
わはは。
やっぱり本物を参考にするのが一番よ。
手なんかはホントに身近で手ごろな練習対象だね

376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/02(木) 22:18:03 ID:h+3r2Vg8
新都社キャラクターグッズ化計画第一弾
ttp://www.uploda.org/file/uporg116952.jpg
作者さんには許可とってません、ごめんなさい。。

377 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/02(木) 22:20:47 ID:???
また名前欄とメール欄忘れた・・固定してくれ・・・
しかも上の見れないっぽいですか?

378 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/02(木) 22:24:52 ID:???
http://neetsha.com/bbs/up/vip1354.jpg
これでどうだ。

379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/03(金) 00:16:39 ID:???
リベリオンのグッズつくれよwwwwwwww

380 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/03(金) 22:56:30 ID:???
今また読み直したら、シェーラの口調に吹きだしました。
誰ですか? これ一体・・・・
普通に戻してもらって結構です、というか修正してください>>yatoware店長氏
台詞とかも勝手にいじってもらって結構ですので。あくまで雇われ店長氏の漫画ですからね。

381 :小説まとめ人 ◆9Ce54OonTI :2005/06/06(月) 01:59:31 ID:???
>>372
ごめんね、イーストサン編の更新遅れてごめんね。
まとめページ更新したので見てくださいです。
ちょっと色々一息ついたのでこれから更新頑張りますのでよろしく。

382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/06(月) 14:54:35 ID:3iRuK/ez
⊂⌒⊃。д。)⊃ 俺も小説書きてー

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/06(月) 15:27:21 ID:???
とりあえず書いてみれば?
浜田氏も書くことで最初の頃より上手くなってきてると思うし。
ただし読みづらくなるからここでやるのは堪忍な。

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/06(月) 18:40:21 ID:???
それはそれで初代スレのカオスぶりを髣髴とさせてオモロイかもしれん

いやそれは冗談だが>>382が書くなら俺も応援する
思い切ってスレ立てるなりサイト作るなりして晒してみれ

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/06(月) 19:33:45 ID:CwY6Ytrr
ここで書いたらいいんかな?


っていうかLive2chでかきこめねぇwwwwwテラウザスwwwww

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/06(月) 19:44:46 ID:IqNIegX1
Live2chかけないお_| ̄|○

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/07(火) 13:38:55 ID:G2gFVa+z
まだLive2chでかきこめないんだけどまだクソ狐が実験してんの?

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/07(火) 23:22:55 ID:KDyilpMe
382だけど一応連載開始。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/5886/1118152643/
Live2chでかけるようになったらこの板にくるお

389 :浜田:2005/06/07(火) 23:26:14 ID:???
携帯からです。
http//www.imgup.org/file/iup38077.jpg.html
次のリディア編の表紙を書いてみました。ちなみに製作期間は一週間です。疲れた;
いろいろなものを模写、いえ参考にして描いた主要キャラを並べただけですが、自分でも満足できる仕上がりだと思います。

390 :浜田:2005/06/07(火) 23:31:39 ID:???
ミス・・・
携帯からです。
http://www.imgup.org/file/iup38077.jpg.html


391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/07(火) 23:34:12 ID:???
できればどれがどのキャラか教えてホシス・・・

392 :浜田:2005/06/08(水) 00:08:09 ID:???
話しが進むにつれ、いずれわかっていくと思います。
上の二人は案外わかりやすいかも。左の二人は現時点では判明しませんね。

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/08(水) 14:46:00 ID:???
>>388
他の板はLive2chで普通に書けるよ。
でも、見難くなるから別スレで書いてくれ。
ココで書いても見づらいからNG設定されるのがオチ

394 :382:2005/06/08(水) 17:29:04 ID:aOrK6W40
そりゃこの板に来ることはくるけどこのスレに落としはしないよ。

395 :浜田:2005/06/08(水) 21:37:05 ID:???
日本オメデトウ。まあ興味あんまりないけど。
http://www.uploda.org/file/uporg121886.jpg.html

396 :浜田:2005/06/09(木) 19:43:05 ID:???
http://www.imgup.org/file/iup38802.jpg.html
名前を付けました。

397 :雇われ店長:2005/06/09(木) 21:32:38 ID:???
61Pから65Pまで更新しました。大量更新は無理でした
http://www.geocities.jp/rebellion_manga/

398 :浜田:2005/06/09(木) 23:57:16 ID:???
http://www.imgup.org/file/iup38903.jpg.html
>>雇われ店長
お疲れです。久しぶりにセバスに会えました。
アンパンマン号は好評でしたね、、バイキンマンが訴えにきたとかW
次も楽しみにしてます。それにしても、こういうはっきりした線で描けるのがうらやましいです。

399 :雇われ店長:2005/06/10(金) 00:07:38 ID:???
>>hamada
一応ペン入れしてますから嫌が追うにもはっきりしてしまうのですw
インクつけなくてもいいGペン売ってますから試してみてはどうでしょう

400 :92:2005/06/10(金) 18:11:46 ID:Bd8fBJxb
とりあえず板を作ったと報告。
ttp://jbbs.livedoor.jp/computer/22290/

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/10(金) 18:36:14 ID:???
tes

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/10(金) 18:43:39 ID:Bd8fBJxb
てs

403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/10(金) 18:43:54 ID:Bd8fBJxb
Live2chでかきこめるようになってるwwwwwwwおkwwwwwwwwww

404 :92 ◆ATYeONdYdY :2005/06/10(金) 20:28:13 ID:Bd8fBJxb
http://dso.2ch.net/test/read.cgi/myanmar/1118402861/
スレ立てやした。

405 :雇われ店長:2005/06/11(土) 00:54:17 ID:???
漫画66〜70まで更新
http://www.geocities.jp/rebellion_manga/
>>404
頑張れ!

406 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/12(日) 00:57:25 ID:???
http://www.uploda.org/file/uporg124128.jpg.html

>>雇われ店長
いつもお疲れです〜。政府のエンブレム考えていただいてどうもです、ほっぽちゃった・・・
ミツヒデが意外にカッコよかったので感動しました。これから出てくるサブキャラはお任せしますね(いや、丸投げじゃないですよ)

戦国自衛隊を見に行ったら、なんとシネコンのくせに完売でした。なんとまあ・・・
それと更新ですが、明日から再開予定です。多分・・・
ストーリーの構成を考えるのが大変なんですが、それを表現するのがもっと難しい、、、気付けば方向性がずれそうになったりするのです・・

407 :92 ◆ATYeONdYdY :2005/06/12(日) 07:44:29 ID:ZrU/BjTe
VIP鯖落ちてる?

408 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/12(日) 22:38:01 ID:???
 月影に潜む二つの黒点。
首都《倭神沌》のネオンを海の向こうに望める、本土から独立した、コンクリートサファイヤで固められただけの浮島に、それ以外の存在はない。
勿論、それは偶然的なめぐりではなく、本土とここを結ぶ鉄橋の本土側に配置された、警備の人間があってこその、必然的なものであった。
この島の半径数キロには、人口島やフロート(停船を主仕とする簡易港)などの一切の影は無く、ただ岩礁と泳ぎゆく魚たちが囲むだけである。
そしてそれもまた、必然的な計らいであったのだが、名目上は“浅瀬による海上安全面での事柄”となっており、一般人はその浮島には何があるのか皆目検討のつくところではなかった。
例え知ろうとしても、到底個人では突き詰められることではないし、多少の何らかの集団相手でも、誤魔化しは容易である。
その探る手が政府だったとしてもだと、目前に並ぶそれらを見ながら男は付け足した。
「よくもまあ、ここまで集めたな」
狐目の印象的なスーツの男は、素直な感嘆の声を漏らした。
その手を伸ばし、ひんやりとした無機質な感触を確かめながら、鋭い悪人眼をサングラスをかけた男へと移す。
どうすれば、こんな悪じみた目つきになるのだろうと、サングラスの男はふと疑問を抱いた。


409 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/12(日) 22:39:20 ID:???
「契約をしっかりこなせる者ばかりなら、この世はもっとスムーズに流れるのだが。大半が口先だけの無能だから困る」
「そういう優劣があるからおもしろいんですよ。皆が皆、スーパーマンでは希少価値が薄れる。
埋もれたゴミの中にこそあって、宝石は輝きを増すのです」
それにもし、優秀な人間が溢れていたら、困るのはあなたではないか。そんな完璧社会であったならば、より優秀な者しか上に行けなくなる。
それで損害被るのは、なりより大した資質の問われない、管理職にいる老人どもである。それはそれで、若い者に機が巡ってきて良いことなのだが。
少なくとも、この狐目の男では被る側となるだろう。彼はサングラスを外し、先ほど以上にはっきりとしたその戦慄する光景を目に入れる。
もしここが漏れれば、マスコミのヘリやクルーザーが、たちまちに取り囲むことだろう。考えるだけで面倒な事態だ。
「あとは今回の件での“報酬”だけか。素晴らしい。予想をはるかに上回る短期間で、これだけ揃えるとは。リスクに見合った対価だ」
「まだ所々、不足している部分はありますが、それらは別口で補えばよいでしょう。
いくら優秀な科学者どもも、これだけ解析するには相当の時間を浪費します。
後々追って補完することとしましょう」
「契約は今回で満了だ。それらはお前たちに任せる。角のほこりを拾うのは十八番だろう、ん?」


410 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/12(日) 22:40:01 ID:???
そう言って、狐目の男は改めてその資質の無さを露呈させた。
もし一般の企業であったならば、現場組のキャリア社員や中間管理職の中堅から、真っ先に嘲られる“無能上司”はすぐに駆逐される。
きっとポートガス大卒のフレッシュ社員が、事務のOLとそつなくこなす課長を味方に、社長のもとへと哀願に行くだろう。
残念ながら、我々にはそんな立派な構造はない。ただ、仕事をこなすだけである。
「ついては、人員の補完をお願いしたい。どうやら、我々の中にも“契約を満了できない者”がいるようで。
近々に始末予定ですが、小規模の我々にあってそれは、バランスの不均等を招きます。あなたのほうから、上に掛け合っていただけませんか」
「どこの集団にも、そういった人間はいる。上にはしっかりと伝えよう。それより、その裏切り者の始末をきちんとこなしてくれ。
小さなひずみは後々、あらゆる事象に大きく影響する。排除は我々の第一だ」


411 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/12(日) 22:41:06 ID:???
組織の根幹を崩す一番の要因を心配し、狐目の男は保身にそう釘を刺した。
目の前にいるこの男が失敗するとは思えないが、過信もまた、物事を崩壊させる要因だと彼は知っており、
こういった任に大事なのは、必要以上の警戒と数学的な対価構図の判断であると、両人はしっかりと心得ている。
それは彼らがボスから教わった、世の摂理の一部分でもあった。
「二人がかりで確実に仕留めます。問題はありません」
「私としては、三人でもいいとは思うが。まあいい、詰めでぬかるな。優秀な者は、要所でのミスをしない」
発弾口をなぞりながら、狐目の男の言葉に耳を傾ける。
――ミスは必ずある。人間である限りは――これはただの自己弁護に過ぎない。
「ジグソーパズルももうじき完成です。残りのピースは、責任を持って収集しましょう」


412 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/12(日) 23:20:38 ID:???
----------------------------区切り------------------------------------

野球があまりに退屈な展開だったので、途中で寝てしまった・・・
これだけですが今日はここまでにします。久々にご愛読サンクスです。。


413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/13(月) 01:29:54 ID:???
おっつ〜

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/13(月) 02:41:43 ID:???
おつかれさま、続き楽しみにしてます

415 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/13(月) 23:58:15 ID:???
 「確かにうちで働いてたよ。もう随分前だけどね」
昼時を前に徐々に混み始めるコンビニ内で、“ライヴァン”のサングラスをつけたままの無愛想な女はレジ脇の冷凍菓子棚に寄りかかり、
相応の答えにやや満足そうな感じであった。
その格好からするに、ここ倭神沌よりパリスのブランド街の雰囲気があると、ハンディスキャンを手にしながら遅いデリカ類の到着を待つ彼は思った。
客は今か今かと、レジ前の弁当コーナーへと急かしの視線を送っている。政治・ビジネスの中心街に位置するこの店では、なりより早さが求められる。
それ故に配達業者にも非常にシビアなタイムテーブルを強いているが、時計を見ると既に予定時刻より十分も遅れている。
時間のない取引担当のビジネスマンや、各省に出る政務官たちが腕時計を叩きながら、いらいらと店内にたむろしている。
これは業者の人、またどやされるなと彼は身をよだたせた。


416 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/13(月) 23:59:19 ID:???
「くそったれめ、あのちんたら業者は何してやがる! お客様を待たせるとは何たる醜態だ! 
ルーカス! 商品が来たら、先に並べろ。目視で検品して後で手書き処理だ」
ハンディをくるくる回しながら、彼は面倒そうな表情を浮かべる。女は相変わらず、その場に寄りかかったままだ。
「へいへい、了解ですと。それより店長は一条のこと知ってましたっけ。ほら、あの金髪つんつん頭」
金髪?
「あのイカサマ野朗か。俺が担当になってからすぐ入ってきたからな、嫌みったらしい口調まで覚えている。
どうした、借金苦で死にでもしたのか?」
「訪ね人が来てるんすよ。あいつにはもったいない位の」
店長が顔を彼からすぐ隣にいる女へ向けると、彼女はにこっと微笑んで愛想を振りまく。
ただそれも彼の時と同じく、一時的なものであった。
レジのほうから大声が飛び、客が少しびくっと驚くが、店長は表情変えずに彼女を上から見下ろす。


417 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/14(火) 00:00:15 ID:???
「恋人かなんだか知らねえが、これを機に乗り換えな。あいつは俺たちとは違うんだ」
「何が?」
「考え方とか、価値観とか、とにかく全部がだ。一緒にいたんなら感じただろ。
天才や偉人ってのいうのは、大衆には理解されないもんだ」
性格の割にはこじんまりした体つきの店長は、それだけ言い残すと混み合うレジへと応援に行った。
すぐさまその太い声が店内に響き渡り、より一層騒がしくなるが、二人のいるそこだけは閑散としている。
まだか、客の視線もまた比例して強くなった。
「店長とは仲が悪かったんだ、気にするな……と言いたいところだけど、俺もあまり薦めはしないぜ。いい奴なんだけどな」
自分はファッション的なあれでかけていたが、彼のかけているサングラスはどうなのだろう、と女は彼をグラス越しに見つめた。
客商売の小売店で、さすがに何も言われないほうが不思議だ。
他の店員を見ても、やはり問題になりそうな派手なピアスやアクセサリーが見受けられる。
ここは厳戒な趣の街なのであるが……。


418 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/14(火) 00:01:06 ID:???
「しかし信之助がコンビニで働いてたなんて意外ね。確かに性格悪そうだから、こういう社交性のいる仕事はNGなんじゃない? 
どっちかと言えばライン工とかリニア整備のほうが向いてる気がするけど」
彼はすかすかになった棚を整理しながら、彼女を見る目を少しひそめる。
「あいつはプライドが無駄に高いから、そんなところで働かないよ。
ここだって、政界人が観察できるからって目的で居ただけで、“こんな非効率な底辺産業でよく働けるな”って一ヶ月で辞めていったし。
典型的な資本主義至高者だったな。俺には理解できないね」
「高等部の頃からそんなに器が小さかったのね。だから中小社長止まりなのよ、あいつ」
「へえ、今は会社経営してるんだ。成るべくしてなったわけか。経済にもかなり偏ってたからな」
雑然とケースの積まれた、パノラマウィンドウ越しに見える搬入口にカーゴバイクが急停車した。どうやら荷物が届いたようだ。
「そうなの? そこまでは感じなかったけど」


419 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/14(火) 00:02:39 ID:???
「株をやってたんだ。こんなところで時間給もらうのが馬鹿らしくなる位、相当稼いでたんじゃないかな。
よく休憩時間に、そこらの高級レストランで奢ってもらったんだ。
他の客はみんな、政府の高官や毛皮のマダムばかりだったから、高等部の俺らはかなり浮いてたと思うよ。
あいつは微動だにしないで構えてたけど。連休にはサウスメリアにも一回連れてってもらったし、なんだかんだで気前は良かったよ」
「ふーん」
その気前の良さなど、彼女は微塵も感じはしなかった。ゴールドオーナーだと思って見ていたけど、株資産が別口座にあったりするなら
――あるいは資産管理専門の弁護士や税務管理士を駆使してうまく誤魔化しているなら――
ローレンスの雇われ理由や、あの大層な態度も納得できなくはない。
ひょっとすると、プラチナくらいの総資産はあり、都合上で申請をしていないだけなのかもしれない。
そう勝手に推測を錯そうさせる彼女は、ますます腹立たしい気分になってきた。
その手に握りしめた未会計の冷凍じゃがじゃがは、水滴を床に垂らしながら半解凍状態になっている。
それを彼女はさらに強く潰してしまった。


420 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/14(火) 00:03:25 ID:???
「で、彼女さんなわけ? お金目的?」
慌ててドライバーが運んできたおにぎりやサンドイッチを、ぱっぱと並べていく彼は視線を棚に固定したまま問う。
それらは、ダムが決壊したような勢いで押し寄せる客手が、並べられる片っ端から無くなっていく。
ここの系列のデリカ類は、舌の肥えた倭神沌の彼らにもなかなかに好評である。
「いや、別に彼女ってわけじゃないけど。でもまあ、付き合ってもいいかな、なんて。
それにわたし、お金はそこそこあるの。資産目当てじゃないわよ」
「じゃあますます止したほうがいいと思うぜ。金持ちでも、もう少し素人向けの奴がいるって」


421 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/14(火) 00:04:39 ID:???
何が素人なのか、彼女には見当つかずであったが、何気に空いたケースを重ねるのを手伝いながら、その凄まじい売れ行きを眺め、しばし感に浸っていた。
父が亡くなり会社は彼女に引き継がれたため、身分上は社長であったが、経営自体はまだ未熟な彼女に代わり、
前社長の友人で経済学博士号を持つスタッカードがあとを任された。
彼は《ローレル・ゴードン社》常務、《一条財閥》証券・株式部門取締役と、財界ではエリートの経歴を持ち、
フォード社の緊急総会で彼が推薦されたのだった。
彼の努力により、経営・株価ともに元の平穏を取り戻しつつある。しかし彼女自身、企業のトップという実感はなかった。
無論それは今現在、自身が経営に係わっていないということにも起因しているが何より、本来トップに求められる経済の流れを理解している数知識、
人を動かすに必要な経験が、彼女にはまだ足りていなかったし、年齢的な問題もあるかもしれない。
令嬢であった彼女には、こういったところでのアルバイト経験もなく、
動かす側から社会を見る機会もほとんどなかったのだから、仕方がないと言えば仕方がない。

422 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/14(火) 00:05:50 ID:???
「人の好みに口出し無用。そう言うあなたはどうなのよ。その素人向けのメンズなわけ?」
「そうだな、俺はオールラウンドタイプのお笑い系かな。おっと、残念だけどもう先客がいるんだ。
あんたほどじゃないかもしれないが結構可愛い子で、性格はぴか一だぜ。貧乏人にはそれなりの幸せがあるってことさ」
彼は重ねた空ケースを足で蹴りながら、搬入口へと滑らすように運んでいく。
彼女も寄りかかっていた棚から重心を戻し、ゆっくりついていく。
レジは会計の客でごった返していたが、もう既に中には三人おり、彼は特に気にする様子もない。
店内には相変わらず、BGMに負けないほどの店長の大声が響いていた。
「そのサングラス、注意されないの? ハラシブとかならありかもしれないけど。
あっちの娘のループピアスといい、クレームとか来ないの?」
「ここは倭神沌でも、本閣院や中央議館、ワールドカードCo.本社が集う中枢中の中枢だ。
コンビニの店員の外見にいちいちケチつける奴はいないさ。
もちろん、店長は接客には厳しいけど、それでも内面を重視してくれるいい人だよ。
政府の人にも評判いいんだぜ、この店の接客は素晴らしいってね」


423 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/14(火) 00:07:04 ID:???
さすがに搬入口に入るわけにはいかず、そこで足を止める彼女を尻目に彼は奥へと姿を消した。
しばらくの後、伝票シートを広げながら彼は明るい店内へと再び姿を現した。
時間帯的に、昼間のピークはもうそろそろ終わるだろう。
「その計らいで、入政させてくれたらもっといいんだけどな。まあ、外見で人間は判断するなと」
「そうよ。あなたの知ってる信之助も、それが全てじゃないのよ。きっと」
彼はしぶしぶ納得した様子で小刻みに頷きながら、伝票の空白部分をちぎり、胸にさしたペンでメモをつづると、それを彼女に手渡す。
そこにはアドレスが殴り書きで記されていた。
「一条の数少ない友人の一人だ。もしかしたら居所を知ってるかもしれない、当たってみな。美人はこういうとき得だな」
「それを維持するのも大変なのよ」
オープン冷蔵ケースから“コエンザイムゼリー・ハンディタイプ”を二つ手にすると、彼女はカードをちらつかせながらきびすを返す。
「ありがとう。あとで何か飲んで」
レジで二つのコエンザイムゼリーと、潰れた冷凍じゃがじゃがの会計を済ますと、ムーンバックスカフェのプリペイドコインを彼に投げ渡し、
彼女は去っていった。見ると5000G分のプラチナコインであった。
「金持ちってのは気前がいいな」


424 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/14(火) 00:10:00 ID:???
----------------------------区切り------------------------------------

今日はここまでです。読んでくれたかた、どうもです。。
Live2chから書き込めないため、IEからですが面倒すぎるし、読み辛い・・・
Janeからだと、ここが見つけられないため論外。どうやってこの板にくればいいのでしょう・・
小説書いたで検索してもヒットしないし。。。

425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/14(火) 00:31:16 ID:???
janeなら適当なカテゴリ右クリックしてここに板を追加ってとこクリックして板の名前入れて
http://dso.2ch.net/myanmar/
のurl入れればjaneでいけるよ

426 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/14(火) 00:53:14 ID:???
できた〜。どうもで〜す。。

427 :雇われ店長:2005/06/14(火) 01:51:00 ID:???
漫画71p〜75pまで更新しますた
http://www.geocities.jp/rebellion_manga/

428 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/15(水) 00:20:05 ID:???
 「室長。予想通りの回答ですが、報告しますか」
ガラス板で仕切られた、近代的な明るいオフィスは、昼休みで大半の者が外しており、僅かに区切りまでと打ち込まれるキーボード音が聞こえる。
シンガーもちょうど今、昼食に出ようと背広を羽織ったところであった。
「予想と事実は別物だ。突っ込まれた時、予想とは違います、なんて言えない」
彼はネクタイを緩めながら、むこうを向いた椅子に腰を落とし、そのまま体を彼女の方へと回転させる。
彼女が口を開き始めるのと同時に、遮光ウィンドウが四方のガラス面に適用された。
「回線遮断は」
「構わん。昨日、盗聴バスターが入ったばかりだ」
「そうですか。大した項ではないので、どちらでもいいのですが」
なら言わずにいればいいじゃないか。彼女はいちいち一言が多い。
「校正はしてありません。
"今回の質疑でついて、当局は一切を容認しない。貴殿らがこれを受けず、不当な調査へと発展させるならば、司法の場において、公平な争議を望む"
これが財務省の正式回答です。随分と強気に出ましたね」

429 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/15(水) 00:20:56 ID:???
「フェリッチオは司法長官を歴任している。法のかいくぐりかたはよく知っているのさ。財法治の三大臣は、必ず司法省の高官を通る。
政府にとって、司法は素晴らしい防御壁になることを知っているからだ」
そして合間抜けた矢は、力で叩き折る。知と力。この二つの武器が世界政府の基盤であり、全てでもあった。
その力は、彼が思う範囲を超え、徐々に凶器へと変貌の一途を辿る。
ここ数年で、軍事力の数倍に比例して大きくなったフォース戦力も、他と同じく彼も危険視していた。
今の世界政府には、戦力が集中し過ぎている。
「あとは"ジェニーマン"からの諜報結果次第ですが、法廷に引き出せればこちらのものです、裁判の準備を整えましょう。
本家に勝る後家はありません」
司法省は、倭神沌大学出の優秀な"切れる法家"を多数抱え込んでいる。
毎年、同大の司法学部科の上位二十名の内、半数が司法省に入省し、民間に出て行くのは僅かに数人である。
本当に達腕の弁護士は、世にほとんど送り出されない。そのほんの一握りも、大企業などの法人がお抱えにしてしまい、
実際に個人が彼らを相手取り裁判に勝とうなど、遥か夢物語である。もちろんこの問題も、国民議員たちからたびたび取り立たされているのだが。

430 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/15(水) 00:22:00 ID:???
「司法の場においては、全てが平等公平。必ず正義が裁きをくだす。
彼らには残念だが、この場ではこちらのほうが何手も先を行っている。
司法改革も騒がれているが、今はまだ現況を利用させてもらう。
我々が蝕む悪を裁かねばならない、正義を掲げた法のもとに」
「いよいよ、真実が表に立たされるのですね。我々の努力も、もうじき評価されるわ。
そうしたら褒賞休暇をもらって、南にバカンスに行こうかな、新しい服で。よし、やる気が出てきた!」
一人気合をいれ、さっさと退室する彼女を、彼は静かに見送る。
上司として、彼女を是非バカンスに行かせてやりたいと、置かれた財務省の報告書を見下ろしながら思った。

431 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/15(水) 00:23:22 ID:???
----------------------------区切り------------------------------------


 財界のブレイン・《ポートガス》には、かつてフォードの本社があった。
標準地価は主要四都市の中では最安値を示すが、企業戦略の渦巻くこの街にはそんなものは通用しない。
最大手薬品会社《グラソック・スミスクラウン》本社の四方有地は、通常の2.5倍もの価格をつけており、
《ワールドカードCompany》支社の裏地に至っては、相場の4倍もの高騰地となっている。
これはライバル社の進出を防ごうとする各社のせめぎ合いに寄るもので、不動産が売りに出した瞬間の多数の入札が、この異常な数字をたたき出していた。
他にも研究施設のスパイ防止や、安全上の点という部分からも、こういった陣取りゲームが成されている要因の一つであったが、
会計監査という、既存飽和状態のカテゴリーを軸とする《フォード》社は、この凄まじい企業間競争で生き残れなかった。
一昔前までは、新企業の生まれる"経済の発信源"であったここポートガスも今では、
株主資本率が8割を超える大企業ですらなかなか手の出せない "雲の上の天地"となった。

432 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/15(水) 00:24:09 ID:???
シェーラは、幼少の頃からこの街を知っている。まだ、ここ"経済の発信源"にフォード本社があり、まだ父が生きていたあの頃から。
コートを羽織ったビジネスマンたちがせわしく行き交う、メイン通りを歩いていくと、よく母と通った紅茶葉ショップ、
家族でひいきにしていた父の知人が経営する懐石料理屋、かかりつけの先生が一人で切り盛りする診療所、
初等部の友達と毎日れんこん飴を買いに通った小さな駄菓子やはもうなかったが、霞んだ記憶の奥から、その懐かしい景観が鮮やかに蘇ってくる。
ふと前で足をとめた紅茶葉ショップに入ってみると、ナチュラルな木装の香り漂う店内に知った顔の店員は一人もいなかった。
――当然か、もうずっと前だもんね――
香ばしい香りのする茶葉缶をあおりながら、シェーラは遠い時を想い起こすように目をつむる。
「アッサム、私も好きですよ。とても優しい香りですよね」
アッサムの茶葉缶を棚に戻すと、今度は女性の店員がそれを手にとり、シェーラと同じようにして片手で軽くあおる。
フォード家ではミルクティーが好まれ、イーストサンの西地方で取れるこのアッサムティーを母はいつも買っていた。
それをいつも持って帰ったのはシェーラ自身だった。

433 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/15(水) 00:24:39 ID:???
「生前、母が好きでしょっちゅう買っていたわ。この香り、今でも覚えてる」
女性店員は缶を置くと、にっこり微笑みながらシェーラに顔を向けた。
「きっと、お母様も覚えていらっしゃいますよ」
その店員はまだシェーラと年端変わらない、アッサムの香りが似合う綺麗な人だった。母と同じように。
「これ、200g包んでもらっていいかしら。ここってカードは……」
「はい、お使いいただけますよ。以前は未対応だったんですけどね」
「そうよね。ここに来る時はいつも財布持って来てた」
父が娘に贈った、《プローサム》の気品あるチェック柄の財布を、母はまだ早すぎると随分自分のものとして使っていた。
だがここに来る以外に、その姿は滅多に見ることはなかった。
「1400Gになります。ではお支払いはカードでよろしいですか」
シェーラはバッグから、白金に輝くカードではなく、古びた、しかし今でも繊細なデザインを醸すチェック柄の財布を代わりに取り出した。
中にはそこそこのコインと紙幣は入っている。
「やっぱり現金でいいかしら」
「あ、はい。かしこまりました」

434 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/15(水) 00:29:20 ID:???
今日はここまで。ご愛読お疲れで〜す

>>雇われ店長
漫画もついにシェーラが出てきましたね。全然いいと思いますよ、ブラリとかは別物ですって。
あと個人的にはデフュージョンの人の書く女性が好きですね。凄い上達したと思いますよ、この作者さん。

今日ぷっすまにエガちゃんが久々に出てましたね。こういうのがあったのが昔の・・・


435 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/16(木) 00:29:48 ID:???
包装は変わらぬまま、ただリボンの色のバリエーションが増えており、アッサムには透き通るようなパールホワイトが施された。
「ありがとう」
こんなに買って、とても一人では飲み切れないわね。シェーラは自分の悪い癖をまたしても悔いながら、退店し薄暗い空を見上げる。
吐く息は白く、もしかしたら雪になるかもしれない。みぞれのような冷たい雪は嫌いだが、ひらひら舞うぼたん雪は、彼女も見惚れるほど、待ち遠しいものだった。
今日はどうだろう。
「寒い……」
コートも羽織らずに歩むメイン通りの路肩には、出張狙いのタクシーや企業役員を待つハイヤー、
億単位の株を動かすトレーダーだろうか――コバルトブルーの高級スポーツカーなどが軒を連ねている。
厳しい景観規制の敷かれている《KYOTO》は例外としても、大概の大都市にはよく見られる光景だった。
タクシーにしろ、ハイヤーにしろ、礼の黒塗り車体が多く、その車列に堂々点々と輝く多彩なボディカラーは少々不自然に感じるが、
中でもシルバーグリーンの古びたクラシックカーに、あまり車には詳しくないシェーラの視線がいった。
――こういうのって結構高いのよね、古銭とか掛け軸みたいに、由緒ある歴史的価値があるに違いないわ。
シェーラはそう考えながら、その前を通り過ぎようとする。

436 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/16(木) 00:30:36 ID:???
「澄み切った空気は、この季節ならでは、ですね」
今にも取れそうなドアが取れずに開き、身軽にシェーラの前に立ちはだかった紳士風の男は、静かにドアを閉めながら、静かに呟く。
スーツなのはスーツなのだが、あちらこちらへ飛び回るポートガス・マンには見えない。
よくよく考えれば、そんな人間が横にあるこんな車に乗るわけがないと、シェーラは腕を組んだまま、静かな佇まいのクラシックカーに目をやる。
「いまいちな時間ではありますが、ブルジョアな食事でもどうですか」
彼からはわからないだろうが、サングラス奥のシェーラの瞳は車にロックされたまま、意識だけが男へと注がれている。
その言葉はしっかりと彼女へと伝わっているが、彼の誠意な目送りは、残念ながら効果を成していないようだ。――ナンパかよ。
「悪いけど、行かなきゃいけない所があるの。私は顔で選ぶタイプじゃないんだけど、またね」
こういうタイプってしつこそうね。
「常に先を見るということは素晴らしい。ですが、たまには視線を逸らしたりつむったりしないと、心が疲れてしまいますよ。私はお金持ちではありませんが」
《タップガン》のT.カールズのように気取った雰囲気で、シェーラに視線を送りながら微笑む。

437 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/16(木) 00:31:09 ID:???
「この心意気ひとつで貴女をエスコートしましょう。さあ」
そう言いながら、板金のドアをそっと開け手を添える彼を、今度はしっかりと見ているシェーラは、高価そうな腕時計に視線を落とす。
確かに時はもう昼過ぎだいぶ経つが、サポートゼリーと季節違いの菓子しか口にしていない彼女のお腹は、今からまた街の散策を続けるほどには満たされていなかった。
ハラシブでナンパ待ちにたむろう若者のようにひもじいわけではないが、たまには人と食卓を囲むのも悪くはないかなと、シェーラは彼の差し出す綺麗な手を見つめながら思った。
「ついでに《ローレル・ゴードン》本社まで送り届けてね」
「護衛用のミサイルでも購入なされるのですか」
シェーラの手を取り、助手席に彼女を乗せると彼はまたそっとドアを閉める。
普段、ハイヤー以外の車にあまり乗らないシェーラには、やや窮屈なシートで、見られる計器類はまさに古き良き映画の世界であった。
その震える計器類を稼動させながら、時価不明のクラシックカーは空砲のようなエンジン音をまとい、走行車線へと飛び出す。
速度・加速ともに、走行するそれはシェーラを驚かせるほどの性能を見せ付けていた。

438 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/16(木) 00:31:49 ID:???
「これはこういう仕様なの? ビックリカーみたいに、車線のど真ん中で分解したりしないでしょうね」
車体はお世辞にも、安全の基準を満たしているとは思えないほど、左右安定せずに周りの車を警戒に遠ざけている。
「いくら古くても、職人が丹精込めて造った手製のクラシックカーは、愛情さえあればいつまでも走るのです。
現代車のように、全てを保障に任されたドライバーにはわかり得ないでしょう」
「そ……そう。まあ、分解しないならいいけど……」
追い越し車線からどんどん抜かれていく様子を見て、シェーラはこういった趣きの好みはいまいち理解できないと感じた。
車はやがてある店の駐車場へとタイヤを止め、異音なエンジンを停止させた。シェーラはサングラスを取りながら、窓越しに呟きを漏らす。
「ファミレス……?」
開けられたドアに手を掛けながら降車するシェーラは、予想とは違った看板に少し戸惑ったが、まあたまにはいいかなと、紅茶缶を座席に置いたまま彼を待つ。
といっても、オートセキュリティ認証システムがついているわけでもなく、指紋記憶などのわずわらしい操作のないのが、この車の唯一許容できる部分でもあった。
彼は粗末なアナログキーだけを両ドアにかけ、静かにキーを懐にしまいこみながら、こちらへと歩み寄ってくる。

439 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/16(木) 00:32:23 ID:???
「ここはチェーン店には珍しく、なかなかサービスが行き届いているのです。
もちろん、私と入る店は全て、七つ星のレストランになりますけどね」
シェーラの二歩先をゆき、遮る二枚の手動扉をそっと開き、彼女を招き入れる。
そこらの星ありホテルのボーイでもやっているのかと思うほど、静かな、そして丁寧な振る舞いであった。
こういった人も悪くはないかなと、やや騒がしい店内を一望しながらシェーラは思った。――まさか喫煙席があったりしないでしょうね。
「いらしゃいませ。お二人様ですね、こちら窓際の席へどうぞ」
通された丸テーブルを囲む食席は、日当たりのよい開放的な場所にあった。
近代的な企業ビルが立ち並ぶ"マクロ・ストリート"を目先に置け、さらに正面のパノラマウィンドウからは隣接する"ミクロ・ストリート"も望める。
二人は適当に注文を済ませ、さて話題展開といった空気になったところで、彼はドリンクバーへと席を立った。
シェーラも腰を上げシナモンコーヒーを取りに行こうとするが、彼は緩やかな振る舞いで制し、にこっと微笑んでからキッチン前のドリンクバーに向かっていく。

440 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/16(木) 00:32:46 ID:???
「ああいう紳士もありか」
戻ってきた彼の両手には、同じような深い緑色をした飲料の注がれたグラスがそこそこ繊細に輝いている。
最近のファミレスは備品もこだわっているようだ。
「私はいつも、これを飲みます。食事がより一層美味しくなりますよ」
置かれたそれを口にすると、今までにない、苦味のある刺激が舌を突く。
「これはメロンコークと、古園緑茶をミックスしたものです。
私が考えた飲み物で、"古都と新都の出会い"と名付けました。どうです?」
「悪くないわね。この甘すぎる炭酸飲料に、深い味わいのある大人の古茶を合わせようとする発想、ただならぬセンスを感じるわ」
「他にもコーヒーベースの"眠気に揺れる灯篭流し"や、食後の"宵の流星群"など、オリジナルの手製ドリンクは数多ありますが、追々持ってきましょう。
時間は思うほかせっかちではありませんよ」
シェーラは軽くうなずきながら、それを半分ほどまで飲み味わう。意外に庶民的な発想でもある。

441 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/16(木) 00:34:55 ID:???
----------------------------区切り------------------------------------


 シンガーは食の新天地を求め、倭神沌を飛び出しここポートガスにやって来ていた。
さすがに、政界や財界の重鎮で賑わう《セブンスター・ヘブン・リストランテ街》には踏み入れずづらいし――何より懐が薄い――、
かといって一般人が好んで入るこだわりの個人店や、ある程度の者なら常連である中堅星付きレストランも行き尽くしてしまい、
こうなれば発想の転換だと十五分かけて来たはいいが、経済には無縁の彼にとってこの街は、ハラシブ並に見知らぬ土地風であった。
流行に敏感な彼女を連れてくるべきだったと、シンガーはマクロストリートに並ぶ、見覚えある多数の企業名の書かれたエントランスを横目に思った。
《一条財閥・総合コンサルティング事業部》……、確か数ヶ月前に仕事で訪れたな。ここの社長はまだ若かったが、よくここまで上り詰めたものだ。
もっとも、それ相応の裏があってこそなのだが。
ふと通り向かいの《ジョナサン・プッチ》に目をやると、窓席に座り食事をする男女の姿が飛び込んできた。
カップル――にしては、歳差を感じる。兄弟か、はたまた友人同士の会食か。一人で食事することが多いシンガーには、その光景が少しだけ羨ましく写った。
手にグラスを持ちながら談笑する男が、こちらに顔を向ける。外を行き交う人の流れを見ているようだった。
「あれは確か……」
シンガーは今日の食卓を、普段行かないファミレスへと決め込んだ。

442 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/16(木) 00:36:43 ID:???
----------------------------区切り------------------------------------

今日はここまでです。お付き合いどうもです。。
楽天に連勝! 頑張れ巨人・・・

443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/16(木) 00:48:28 ID:???
おつ〜。てかシェーラきてるしwwwww

444 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/16(木) 23:44:40 ID:???
 「つまり、東西南北に散る各海にはそういった特徴があるのです」
言い終えると、"草原の酸"を飲み干し、行儀よく口を拭く。普通の人がやったら気持ち悪いが、彼には特にそういったものは感じなかった。
育ちなのか、最初の印象なのか。ブレッドをちぎりながら、シェーラはそんなことを思っていた。
「まさかこのフィッシュソテーから、そこまで話題を展開できるとは思いもしなかったわ。なんていうか、慣れてるのね」
「それは思い違いです。私は慣れるほど、女性の方とお付き合いしたことはありません。
今日も貴女に一目惚れしたからであって、誰でも良かったわけではないですよ」
一目惚れってのはととのつまり、顔さえ良ければ誰でも良かったということではないのか。
別に普段の生活で触れる機会があるわけでもないし、結果どうであれきっかけなどどうでもよいのだが。――変なことするわけじゃないしね。
「ああ、私としたことが。大変失礼な振る舞いをしてしまった。お名前も聞かずに、名も名乗らずによく紳士を気取れたものだ」
彼は悩ましいポーズを取りながら、すっと名刺を差し出す。そこには崩し体で"フラン=ネイル"とつづられていた。
こうしてみると、名前までが上品に感じてしまうから不思議である。

445 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/16(木) 23:45:21 ID:???
「ネイルね。わたしはシェーラ。相手を呼ばなくても会話できるなんて、さすがね。
相手を知らなくても、これなら知り合いの振りとかもできちゃいそうだわ」
ネイルはただ微笑んで、カンパーニュにマーガリンを塗る。それなりにシェーラは満足ゆく時間を過ごしていた。
だが平静な時は、一転して騒動の渦中へと引き込まれる。
「それがてめえのファーザーに対する恩返しってことかよ!」
すぐ向こうのテーブル席から、怒号とともに何かが割れる音が、二人の耳に入ってきた。
マウンテンパフェを片手に横を通り過ぎようとする店員は、ネイルの呼びかけに足を止め、それでも事態の把握に努めようと、視線が騒ぐ向こうとネイルを往復する。
「あれはただの喧嘩ではない。すぐに指名手配中のフォース使いが暴れていると、経済省に連絡を入れなさい。
既に死人が出ているとでも言えば、重い腰をあげすぐさま護衛官が飛んでくるでしょう。治安警察では手に負えない」
「わ、わかりました……!」

446 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/16(木) 23:45:57 ID:???
パフェをその場に置き、急ぎ足でキッチンのほうへと駆けていく店員とは対照的に、ネイルは非常に落ち着いた雰囲気で席を立ち上がり、
「危険ですから、シェーラさんはここでお待ちを」
と残し、騒中の奥席へと歩んでいく。大丈夫だろうか、フォース使い同士の争いを仲裁するにはそれなりのものが必要である。
経済省はすぐ近くだし、護衛官をおとなしく待ったほうがいいのではないか。シェーラは心配そうな視線をネイルの背に送る。
そのすぐ後ろの席では、同じくして事態に伺いのまなざしを送る男がいた。ノーネクタイは、ここポートガスでは珍しい。
「恩はある。だが個人の意志を強制するほど、ファーザーは尊大じゃない。そしてあなたに言われる筋合いもない」
「これからは孤独に余生を送るってわけか。確かにファーザーは出て行く奴を止めたりはしねえ。
だがてめえはもう重要な戦力の一人なんだ、他に寝返られる位なら俺が今ここで始末してやる」
「俺をやるのか? ただじゃあ済まないぞ」
和解を諦めた二人の空気は、ファミレスには決してそぐわない雰囲気となり、左右席の戸惑う客を含め緊張が張り詰める。
ウェトレスたちも、客を避難させようと往生するが、肝心の客がすくんでしまい、どうにもこうにもいかない状況となっていた。
おそらく近席の客は二人の会話を一部始終聞いていたのだろう。その表情には、彼らの素性を知ってしまったことからの恐怖が垣間見える。

447 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/16(木) 23:46:40 ID:???
「短い付き合いだったが、父親の代わりだったあなたには感謝しているよ」
突如、テーブルの上にあったナイフやフォークが宙に浮く。
それに伴い、客が座っていない椅子や、使われていない他の席のナイフ・フォーク類までが一斉に舞い出す。
それらの狙いは、彼の正面に座る髭っ面のワイルドな男に定められていた。
「この恩知らずめ。てめえなんか、息子であってたまるか」
髭っ面の男はそう吐き捨て、席を立った。座ったままの彼を見下ろしながら、何かを思い舌打ちをする。が、彼にその真意はわからない。
「その偉大なファーザーが言うのであれば、去るもの追わずでいいではないですか。まだ見聞を広げる必要のある若者です。
縛りつけてしまうのはよくないですよ」
浮かぶマーガリンナイフを一つ手に取りながら、静観に諭すネイルを立ったままの男は顔を向け、座ったままの彼は横目で、目視する。
――なんだこいつは。
「恩は人間的に見て、非常に大事なことです。が、命を奪うほどのものでもない。私にはわかります、貴方は必ず後悔する。
彼が生きていれば、いずれまた会えることもあるし、その時は年差を越え分かり合えるかもしれない。だから私はとめます。
後に貴方たちが悔やまぬよう」

448 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/16(木) 23:47:21 ID:???
ネイルはマーガリンナイフを次の瞬間、どこかへ消してみせた。
二人は視線を警戒に染めるが、特に何も起こらないのを察してネイルから目を外す。
そのネイルの言葉に揺り動かされたのか、彼なりに思うところがあったのか、それとも今の奇怪な現象に畏怖・戸惑いを感じたのか、
すっと席を外し、金属音を立てながら床に落ちる銀食器類を気にもせず、彼はネイルの横を通り抜けていく。
それに続き、ぞろぞろとその場を去ろうとする客たちをまた震え上がらせるように、髭っ面の男はテーブルの上のナイフをネイルのほうに投げつけた。
それはあっという間にネイルの顔横を通過し、振り向かないままの彼の背後で不自然に失速し、そのままナイフは磨かれた床へと転がる。
――さっきのフォース能力か――シェーラはパフェをつっつきながらそれを見ていた。
「どけ。あいつの首をファーザーのところへ持って行く。そして俺の今後も委ねる」
男は左手を震わせながら、右手でそれを抑える仕草をする。この男のフォース能力だろうか。
「ここは通しません」
まぶたの端から流れる血を拭いながら、ネイルは窓外のマクロストリートへと目をやる。この通りの先には経済省がある。
通りは昼時をとうに過ぎ、閑散としている。

449 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/16(木) 23:47:57 ID:???
「ならまずお前だ。俺より先に後悔するぞ」
男は抑える手をも震わせ、徐々にプレッシャーを増していく。フォースを持たない一般客にも、それは感じられた。
一番近くにいるネイルにも、振動する空気を伝いぴりぴりと感覚に触れてくる。だがネイルは微動だにしない。
「後悔などするなら、最初から修羅場に身を投じたりはしない。私は自らの命をそこまで軽く見ていないし、それの対価は慎重に選ぶつもりです」
今にも発奮しそうな男を静かに見据え、腰をやや低くし、ネイルは受動の構えを取る。
全ての攻撃を受け流せそうな段構えだと男は感じたが、フォースを集中させた左手を納めることはしない。
彼を、あいつを今ここで沈めなくてはならない。
「七秒あげましょう。私にもあまり時間がないので」
男はネイルの視線につられ、窓の外をちらっと伺うと、マクロストリートに姿を現したのは、制服に身を包んだ数人の護衛官だった。
大した数ではないが、いずれもこちらへ向かってくる。馬鹿な、たかが喧嘩に政府がゴッドハンドをそう多々派遣してくるはずがない。
「ただのいざこざに政府が介入してくるはずがない。ではなぜ重要施設である経済省から、複数の護衛官がここへ向かってくるのか」
男はネイルの問いに、すぐさま相応の答えが浮かべた。治安警察ではなく護衛官が来る理由。それは通報対象が――

450 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/16(木) 23:48:44 ID:???
「客の中に、どうやらそれなりのフォース使いがいるようですね」
限られた達者にしか晒されない、世界政府直令の指名手配リスト"ハント・フォー・15〔十五の災い〕"を
上の人間が所持していることを男は知っているが、自身には与えられなかった。
それはファーザーが判断して決めたこと――彼にはまだ必要ないと。
「そんなまさか……」
男は初めて表情を負に落とし、少しずつ心拍数を上げ始めた。こいつが? まさか政府の目が光るこんな都市部で……。
「一」
いや、はったりか。
「二」
俺はあのリストを見たことはないし、顔も知らない。
「三」
証拠もない。
「四」
だがこいつの物腰には、動揺一つ感じない。
「五」
はったりとすれば、相当の精神力。
「六」
くそ。

451 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/16(木) 23:49:14 ID:???
「七」
ネイルは口の形を"な"から閉じに変えると、指を鳴らした。
男はびくっとしそちらに目の先を移すと次の瞬間、先ほどのナイフが足元の床に突き刺さっているのに気付く。
再び目を上げると、ネイルの両手には複数のナイフとピックが握られていた。ネイルは冷笑とも言える静かな笑みを浮かべる。
――ふう。男は脱力に息をついた。
「後悔ない人生などありません。せめて納得のいく悔いをかみ締めてください」
男は肩を落とし、オーダーメモを掴み取ると、店から姿を消した。

452 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/16(木) 23:52:40 ID:???
今日はここまでです。ご愛読いつもどうもです。。
マガジンではそろそろRAVEが終わるらしいですね。
単行本も結構出ているし、本誌では人気あるんでしょうかね。


453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/17(金) 03:13:39 ID:???
乙。RAVEはワンピにしかみえん

454 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/19(日) 06:15:42 ID:???
漫画更新しました
76〜84ページまでです。最近かなりの場面をはしょってる気がする。
どうもすみません。このほうがなんか進み具合がいいんですよね
大事な場面とかは忠実にいくんでなんとかお許しを
http://www.geocities.jp/rebellion_manga/

455 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/19(日) 23:40:41 ID:???
>>雇われ店長
更新お疲れです〜いいですよ、がんがん進めちゃってください。
思えば、シェーラの設定失敗したなあ・・・性格がかわいらしくない・・

月ニーに連載する別作を書いてたので(書き直し)、こっちが更新できませんですいません。
明日からまた書きますんで、どうか見放さない方向でお願いします・・・

456 :雇われ店長:2005/06/19(日) 23:55:48 ID:???
シェーラこの性格でいいと思うんすけどね。
自分的にはカウビバのフェイっぽくいこうと思ってたんで

グラサンがここで逃げずにローレンスに殺されることになったけど
どうやって決着つけるのか悩むところです・・・

457 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/20(月) 00:00:17 ID:???
そうですかね? ありですかね? なんかありがちなあれだと思っていたんで。
てかこの作品自体が・・・おっと。
好きなように書いてもらって結構ですよ。ただ面倒なら、大極風で頭ボンでいいんじゃないですか?
インパクトあるようなないようなですけど。

458 :雇われ店長:2005/06/20(月) 00:09:09 ID:???
まあなんとか適当に殺しちゃいますねw

459 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/20(月) 23:41:05 ID:???
「へえ、やるじゃない。あなたフォース使いだったの。意外ね」
乱れない足並みで席に戻ってきた彼を、シェーラは労う。相当集中力を費やしたらしく、彼の顔は多量の汗で湿っている。
その汗を拭いながら、笑みを崩さずにコップの中身を飲み干した。
「いえ。何も力だけが解決へのプロセスではありません。
人は太古より今に至るまで、歴史から多くのことを学んだはずです。話し合いで和解できることも」
ネイルの視線先を見ると、数人の護衛官が店内に入ってきて、状況の説明をウェイトレスに求めている。
胸に付けた印章には政府エンブレムとともに、所属を表す省名が刻まれている。皆、そこには経済省とあった。
店長が説明をしながらこちらを指すと、一人が食事の済んだ卓へと歩み寄ってくる。星二つ――ゴールドハンド。
「今回はご協力どうも。私はジェス」
「フラン=ネイルです」
求められた握手に応えながら、ネイルはいつものように微笑む。
シェーラはその笑みが、今まで自分に見せていたものとは少し違うことに気付いた。
どことなくよそ行きっぽい、作り笑い的である。護衛官は彼女にも一礼をすると、再びネイルを向く。

460 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/20(月) 23:41:44 ID:???
「都市部だと思って油断していたが。どうやら奴らもリディアへと界隈を広げようとしているようだ」
「奴ら?」
ネイルは気に掛かったその言葉を聞き返す。
「ある客が会話を聞いたところによると、どうも君が仲裁に入った二人は、トーカー・ファミリーの者らしい。
南を拠点とするマフィアどもだが、この間もハラシブで二人の構成員が目撃されている。治安省もぼちぼち対策を取り始めるだろう」
シェーラは耳にしたことのない名前だが、ネイルは表情を曇らせ、護衛官の話に聞き入っている。
そこに女性の護衛官がやってきて、上官である彼に並びながら、聞き込んだ商法を報告する。
彼女も星二つを胸に付けたゴールドハンドであったが、シルバーハンド・ゴールドハンドの二階級には、治安警察のように個人別の階級がある。
これは人数の多い下級護衛官の統率を図るためであり、治安省は毎年の試験で選別を行なっている。
「顔はよく覚えていないらしいですけど、この前の"シャッター"らではないようです。
サウスメリア政府から送られてきた手配写真を見せましたが、いずれも首を横に振っています」

461 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/20(月) 23:42:15 ID:???
「彼らがここで暴れたら、もっと上の護衛官じゃなければ収拾つかないさ。おそらくは末端員の口論だろう。
それでもネイルさんには感謝しているよ。末端とはいえ、中には治安警察では手に負えない、厄介なフォース使いもいるからね」
ジェスは改めてネイルに感謝を贈ると、懐からライターほどのポケットカメラを取り出し、ネイルにレンズを向けシャッターを切った。
ネイルは一転、面食らったように目をしばしばさせる。
「君の勇敢な行為には、あとで治安大臣から感謝状が贈られるだろう。名前欄の空いた用紙に、大臣が印を押すだけだがね」
照会用の写真を撮り終えた護衛官は任を終え、経済省へと戻るため、二人に背を向ける。
ネイルはすっと立ち上がり、昼下がりのレストランを去ろうとする彼らを呼び止めた。まだ何か、ジェスは立ち止まり再び席へと戻ってくる。
「私一人で彼らを説得したわけではありません。感謝状なら彼女にも贈られるべきです」
突然何を言いだすかと思えば、シェーラは口を挟もうとしたが、別に感謝状など貰って困るものではないしなと、浮いた腰を落としポテトをつまむ。
護衛官はそれもそうだとカメラを取り出し、シェーラをレンズ越しに見る。だがそれを覆う影が遮った。

462 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/20(月) 23:42:57 ID:???
「私は彼女のエスコートです。自分が」
そう言ってネイルは、ジェスからカメラを受け取り、精一杯綺麗に写ろうと笑顔を浮かべる彼女を見ながら、二回シャッターを切った。
それをジェスに渡そうと差し出した瞬間、カメラはネイルの色白い手から消えてしまった。
ジェスは奇天烈な現象に驚くが、ネイルが指した自分の上着ポケットを探ると、きちんとレンズカバーがしてあるカメラがある。
「君は手品師か。……むう、そういえばどこかで見た顔……」
ジェスは眉間を寄せながら、ネイルの顔に考え込む――どこだったか。新聞紙……TV……省内の何か……省長官室……。
「ではこれにて。今度は私たちの到着を待つように」
見送るネイルは、今度はまた見せたことのないような笑みを浮かべる。ほっとしたような、そして深い笑みを。
「私たちも参りましょう」



----------------------------区切り------------------------------------

463 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/20(月) 23:44:17 ID:???
 男は急ハンドルを繰り返し、300階を超える高層ビル群がそびえる"ロジック摩天楼"を奔走していた。
IT産業を支えるハイテク企業が集まるここは、科学省が構える都市《サイコセンブラ》の中心を担うオフィス街であり、だがしかし人影は非常に少ない。
他の大企業と違い、ここで活動するIT企業は、そのほとんどをコンピューターで管理し、判断し、実際に経営戦略を思考し実行する。
最大手システム管理総合会社《P.C.S(プラチナ・コミュニュッケーション・システムズ)》には、僅かに54名の社員しかおらず、
役員がその4割を占めるという、アルバイトシステムをさらに突き詰めた、次世代企業構想図となっている。
それ故に、街中は夜の郊外のように静まり返っており、監視システムの小さな機動音だけがアスファルトに響く、無機質な景観であった。
その静寂を、タイヤの擦れる音が切り裂く。各企業・民営施設をつなぐ地下通路が主流の"ロジック摩天楼"には、走る車もまばらで――というより、
この先のポートガスへと抜ける国道を走る車が数台いるだけで、この街の人間は環境に悪影響を与える車などには乗らない。
水素還元機関を空調機とした地下街を主な生活区とし、皆エアバイクや静電気動自転車を利用していた。

464 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/20(月) 23:44:49 ID:???
ので男はエンジン音だけで察知され、追跡をくらませるための、必死のかく乱運転も意味を成さなかった。
シルバーの《RV44》にぴたりとつける、ブラックの《M―E600》は、4駆というターゲットの車のデメリットを突き、確実に距離を詰めていく。
夕前の街をゆく人はおらず、仮に卓球のナイターを見たいがために、仕事を早く切り上げ帰路につく者がいたとしても、
映画を見尽くした孤独好きのITマンは、このカーチェイスをきっと映画かTVの撮影と思っただろう。
追跡車は射程内に逃亡車が入ったのを見計らい速度を落とす。助手席の窓が開き、チタン製の銃口がやや下に向けられる。
心を持たない街に鳴り響く乾いた音と同時に、《RV44》は走行性を失い、急ブレーキ音を帯びながら道端へと停車した。
そのドアから出てきた白衣を羽織った男は、ダッシュボード上のピストルを掴むと、路地裏へと走り去る。
続いて停まった黒塗りの車から、二人のコートを着込んだ追跡者がサングラスをつけると、靴を鳴らしながら男の後を追い路地裏へと入っていった。

465 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/20(月) 23:45:41 ID:???
----------------------------区切り------------------------------------



 「うちもね、経費の余剰配分は原則禁止なんだ。
よくコンビニエンスとかだと売れ筋を過剰に取って、売り上げを極力追求したりするし、
家電販売店とかだとライバル店に負けないように、価格を色々な方法で極限まで切り詰めていくよね。
この業界はいわば後者なんだ。過去のデータや今度の論理予想から、無駄のない資本展開を実行していく。
これとこれを試して、結果のいいほうを取ろう、ではなく、最初から結果を予測計算して選択を行なう。
普通の企業みたいに、毎年何百人も採用して、当たりを探すなんてことはうちは絶対にしないんだ」
人事部の担当者はそう切った。部屋は何台ものコンピューターが並んでおり、空調も人間以上に気遣い調整されていた。
「経済はよくわかりませんが、僕はコンビニのほうが向いている、ってことですか?」
青年は真意を悟れぬ、計算外の返答を返してくる。
この問いが真なのか偽なのか、判断し難いところではあったが、担当者の彼はこれはどうでもいいことだと結論づけた。
テーブルの上には採用条項の書かれた、エントリーシートを兼ねる用紙が青年に頭を向け、置かれている。
そこには、就職活動にとって――特にこういった業界・大企業では――決定的な、致命的な項目が白紙となっていた。
彼も、その一点のみで既に合否を決定おり、これ以上のやりとりは無駄なのだと、また決定付けていた。青年はそんなことを知る由もない。

466 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/20(月) 23:46:42 ID:???
「とにかくね、いい年で経歴のない者を雇うほど、社会は甘くないんだよ。
まずは下積みから始めて、実力を証明できるものを身に付けてから、もう一回来て下さい」
青年は息をついてから、担当者を凝視する。
民間での就職活動は初めてだが――というより就職活動自体が初めてだった――こんなにも厳しいとは思いも寄らなかった。
いわば今の自分は、何の築きもないホームレスと一緒なのか。青年はあまりのカルチャーショックに目眩を覚えた。
「今回の募集は、研究員の出張に従ずる、短期護衛なんだ。
うちも競争熾烈な業界再編成の今、優秀な人材を失うわけにはいかないし、研究内容を黙秘できるある程度の信頼も必要だ。
申し訳ないけど、大学を出ていない君を雇うのは、リスクに対する妥当な選択とは言えない。
フォース使いだったら、いくらでも雇い先はあると思うよ。
うちには高額の報酬目当てで来たんだろうけど――もちろん政府じゃないんだからそれは全然問題ない、それなりのものは求められる。
うちも高い支出を覚悟するんだから、経歴白紙の人間なんて、護衛官をやっていたとかそういった者以外、門前払いにせざる得ない。他を当たってよ」
そういって担当者は、書類をまとめ青年の前に差し出すと、彼はそれを手に取りゴミ箱に放り入れた。
写真はもったいないと思ったが、それ以上に腹立たしかった。でも仕方ない、民間は安定した収入源もないし、全てを自らで補っていくしかない。
彼の言うことも、一般常識からすれば正しい。これで青年はまた一つ学んだ。
「お仕事頑張ってください」
青年は退室した。

467 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/20(月) 23:48:47 ID:???
----------------------------区切り------------------------------------

今日はここまでです。詠んでくれた方、これからもどうぞよろしくです。
内P今日ないんだ・・・ショック・・・

468 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/21(火) 00:44:41 ID:???
×コミュニュッケーション
○コミュニケーション

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/21(火) 01:11:47 ID:???
おつかれちゃん

470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/21(火) 14:42:57 ID:???
>>460
>聞き込んだ商法

おそらく

「聞き込んだ情報」だと思う。

471 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/22(水) 21:35:08 ID:???
ニュー速にスレ立てしたいのですが、Beってのは個人情報が必要なんですか?
よくわからない・・

472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/22(水) 21:42:24 ID:???
メールアドレスだけじゃなかったっけ

473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/22(水) 21:47:13 ID:??? ?
そうでした。できたできた・・・


474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/22(水) 21:58:34 ID:??? ?
くそ、削除人いないと思ってたのに。


475 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/22(水) 22:49:47 ID:??? ?
思うに、足りないものはなんですかね。
漫画版を読んでいても、ほとんど絵の見やすさ・巧さで読者を獲得していると思います。
序盤に関しては、展開が多分読みやすい(先を)っていうのがある気がします。
どこか頭の隅にそういった一定のパターンなどが残っているのだと思います。
漫画にもパターンはありますが、それをプロの方はうまく見せていたり、オリジナルの要素を詰め込んでいるのでしょうね。
まあ元々オリジナリティ皆無の作品ですが、ここから巻き返したいので参考に意見が欲しい次第です。

476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/23(木) 02:06:26 ID:???
オレみたいにろくに本読まないニートの意見でもいいのか?ww

477 :浜田:2005/06/23(木) 11:14:53 ID:???
はい、歓迎ですよ〜

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/23(木) 15:17:50 ID:???
>>475
一から読みなおせば分かるが確実に上達しているよ。
気になったのは倒置法などの強調する手法は多用せず
本当に魅せたい部分に使うとイイと思う。

その辺を気を付けながらメリハリを考えながら
とにかく書いていけば良いと思う。

プロじゃないんだから今は欠点を無くす事を考えるより
長所を伸ばす方が先。

479 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/23(木) 16:39:28 ID:???
 日照権のないこの街は、多々の高層開発に彩色を失っていた。
補助灯の明かりが僅かに照らす薄暗い路地を行く二人は、複雑な天然の回廊に足を止める。ターゲットのフォースを探ろうとするが、気配はない。
交戦中でもない限り、フォースを断たないのは、よほどの自信家か、よほどの馬鹿か、よほどの策士かのいずれかである。
少なくとも、今追っている"奴"はそれのどれにも当てはまらない。
目の前にある、3つに枝分かれした逃走路の先の暗闇を凝らしながら、もう一人の男は壁に手の平を密着させる。そのまま耳を澄まし、静寂を纏う。
「左、左、左だ。プロか」
離した利き手にピストルを持ち直しながら、若い男は相方に小声で言った。初老の男はその言葉に推測を巡らせる。
街中や建物内を逃走するとき、諜報員などは一定の方向に逃走経路を導く。
なりふり構わず分岐を進むと方向感覚を失う可能性があるし、左右に振っても距離は稼げず、ただ中心へと迷い込むだけである。
どちらかに絞って走れば、良くも悪くも追い詰められることはないだろうし、二手に分かれた追跡者の脅威を半減できる――中央を行くと、そのどちらにも遭遇する可能性がある――。
「にしては粗末過ぎる逃走だ。政府のフォース扱者か司法警察辺りだろう」
言いながら彼は、ゴードン社製の鈍い光沢を放つマガジンを引き構えた。闇の路地先を左に定め、追跡を再開する。

480 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/23(木) 16:41:19 ID:???
「援護する。もうすぐ人の出てくる頃だ、急ごう」
同時に初老の男は駆け出し、風を切りながら黒い路を疾走していく。迷いのない追跡者の足は、どんどんと逃亡者を追い詰める。
このまま左へと偏り進めば、見通しのいい街路に出るはずと目算し、レーザースコープをピストルに装着しながら彼は、後頭部の撃ち抜きをシミュレートする。
頭部より小さな心部を正確に射抜くほど、腕に自身はなかったし、死を確認するという手間もかかる。頭部ならほぼ間違いなく致命傷である。
この明るさなら――
「方向を変えた。右中左だ。最初のは偶然だったようだな」
どこからか聞こえる声に、彼は頭でそれを繰り返し、逃走経路をロールプレングする。このまま迷い込む気か、彼は危惧感を示しながら足を少し遅めた。
「経路を修正しろ。この路地は細すぎる。まるで逃走用に作られたような構造だ。倭神沌の中枢部でもあるまい」
要人要所が集う倭神沌"プレジデント・ストリート"には無数の街路が大河に流れ込む用水路のように合流しており、有事に対応した意図的な街構造となっている。
それがどこまで有用なのか、誰にも見当つかずなところであるが、過去そこを走り抜けた政治家はいない。いるとしても、それはもう明るみには出ない虚無の事実となっている。
「左はメインストリートに繋がっている。右に誘導する」
声が消えると、男もそれに従い右壁に体を寄せながら、悔いを改めていた。
――詰めが甘かった。既に何人かに目撃されている。事実に気付く者はいないだろうが、もしその中に――
男は懐から取り出したセーフティロックのかかるスイッチを解除し押した。


----------------------------区切り------------------------------------

481 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/23(木) 20:11:36 ID:???
 冬だけあって暗みの進む速度が速く、数十分しかいなかった《一条重工 システム事業部》を出ると、
ただでさえ暗い街は夜のとばりに、より闇を濃くしていた。
向かいのビルからはタイなしのシャツを着た者が――エンジニアだろうか――数人出てきて、地下街への階段通路に消えていく。
週末で飲みに行く者が多い今日、青年は鬱だった。それなりの日々があってこその週末、今の青年には持て余すものだった。
やはり個人雇用のほうが融通も利くし、一般より相場もいいだろう。だが肝心の当てがない。
そこら辺の企業重役のお付護衛などたかが知れているし、一流企業と呼ばれる財閥系の専属護衛への道には、
それなりの厳しい試験や理論選別などがあったりする。
青年はそれらを抜ける自信がなくもなかったが、面倒だし期間も結構長い。それに第一、そんな財界の重鎮が常々護衛を募集などしていない。
専属の護衛が退任したとか、殉死したとか、人数補充のため以外に雇うことなどは、よほどの事情でない限りないのだ。
トップ企業の抱える護衛は厳しい選別をパスしただけあって、殉職することなど滅多にないし、
エリート民間企業の特別職である彼らの待遇は、もちろん公職員である護衛官よりいい。
ので歳以外を理由に辞める者などもまたいない。
つまり、毎年採用試験を行なっている護衛官より、就職……なるのが難しいのが現状である。
上級護衛官を官のエリートとするならば、彼らは民間のエリートであり、絶対数は同数程度だろうか。
民間にはそういったことの提示義務などないので、実際のところはわからないが。
でも同じくらい、その道のりは険しいのだ。結局、その思考は彼の鬱を加速させただけであった。
こうなればもういっそのこと、人手不足の裁判所や刑務所の司法職員にでも――

482 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/23(木) 20:12:34 ID:???
「安いんだよなあ、収入……」
路上駐車のない道端に珍しく、《メーセデス》が停まっているのを見ながら彼は呟く。
司法職員では、いくら特別職で手当の付く守護官でもこんな高級車など定年まで買えないだろう。
それに彼には自身の腕に対するプライドがあった。犯罪者や嘘を言っているのかわからない被告人のために、なぜ自分が振るわなくてはいけないのか。
人手不足の要因である"やりがい"という項目を彼もまた、克服はできないでいた。
判事や弁護士ならまた話は別だろうけど……、彼はE600の黒く輝く高貴なボディを見ながら、司法の頂上に想いを馳せていた。
やり手の弁護士ならこんな車、20代で買えてしまうことだろう。
「4駆も悪くないけど……」
そのちょっと先に車高の高いシルバーの車が停車している。歩道に乗り上げ気味で、普通の都市ならすぐに押収されてしまうだろう。
彼は通り過ぎざま、タイヤ部の破損に気付いた。頑丈な4駆の足回りでも、これでは走行不能であることは素人目にも判別つく。
パンクか、彼は特に疑問に思うことなく離れていく。そして次の瞬間、黒の《メーセデス》は前に停まったシルバーの車を爆発に巻き込み、炎上した。
人の出てきたメインストリートは、徐々に騒がしくなっていく。彼は振り向きざまその光景を見ながら、一つの結論に行き着いた。
――危険な人間の周りは危険で溢れている――
「まるで映画の世界だ」


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483 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/23(木) 22:04:58 ID:???
 ピストルを握る手は汗で握力を失っていた。進む路地での7度目の選択に、彼は悩むことなく直感で左を選ぶ。
彼には何となく、すぐ先の未来が見える気がしていた。
人に予知能力などあるはずないのだが、見えざる流れを、何にも存在しうる物事の流れを、彼には感じることができた。
一点で決まる宝くじやじゃんけんのようなものではなく、スポーツの試合や選挙など多次元的な要素を帯びるものの結果が、
その流れから予測できることがあった。しかし彼は結果を読もうとはしない。流れだけをその身に感じることだけを受け入れていた。
「逃がすか」
不可視の先から聞こえた声に、とっさに足を右の路地へと踏み入れる。
――回り込まれたか――
走る路地に小さな詠唱がこだまする。発動ワードと同時に、せまい通路が圧力矯正に歪んだ。
設置された照明灯が割れるその逃走路を敬遠し、残る選択を取る。
――詠唱は歪んだ通路から聞こえた。少なくともこれで4人――
ずっと二人でつけてきたにしては、やや不可解だったが、闇夜を前に焦っているのだろう。
追跡者にも精神的要素があるのだと、彼は少し優位を覚え、後ろを振り向く。そこには誰もいない。

484 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/23(木) 22:06:05 ID:???
「サブテラパスカル」
発生する歪みが、今度は彼の足元にまで及び、左足の甲骨を砕く。
凄まじい圧力を受けた左足には、地を踏みしめる度に激痛が走る。それでも彼は駆け抜ける。流れだ、流れを。
「レクサス、左だ!」
術声と同じ声が彼の前方から聞こえる。
――抜け道? おかしい、どう考えても追いついている。なぜ捕まえに来ない――
既に彼の頭は混乱をきたしていた。聞こえる声は全て同じである。
今追ってくるのがおそらくレクサス、もう一人の若い男はそれより後ろか、街路から回り込んだか、いずれにせよ術者とは別だろう。位置点がおかしい。
――いや、そういえば術は詠唱のみの軽術、奴らは殺しに来ているはずだが――
彼はトリックに気付きかけたが、次の瞬間弾けた地面に駆ける足を止め、再び右へと逃走を図る。
――誘導か――
だがその先は思惑通り、メインストリートから一本外れた静かな街路だった。十数分の追走劇は、闇夜の下へと辿り着く。


----------------------------区切り------------------------------------

485 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/24(金) 00:35:57 ID:???
 騒ぎのメインストリートから離れた青年は、ある方向にフォースを感じ駆け出した。
一本入るとそこはもう喧騒のない、意味を持たないサーチライトが床に埋め込まれた人気のない通り。
そこの裏口から出てきたOLと思われる女は、青年には気付かず、メインストリートのほうへ騒ぎの原因を確かめようと走っていく。
青年は立ち止まり、意識を集中する。
――人の気配――
ビル間から飛び出した白衣の男は、メインストリートへ逃れようと青年のほうに向かって来る。
すぐ後に続きコートを纏った男が同じところから現れた。青年はすぐさま状況を判断し、フォースを発動する。
コートの男が立ち止まり二発、放った。打ち出された鋭い弾丸は、その弾道と逃げる男の間に割って入った青年の肩口を貫き、頬をえぐる。
青年は予想外の痛みに一瞬、意識を逸らしてしまう。
――フォース壁を貫通した!? そんな武器が今はあるのか――
痛みには慣れているはずだが、久しく忘れていた感覚が彼の本能を呼び起こす。
障害を駆除しようとコートの男がとどめに放った二発の弾丸を、虚空に出現した水のヴェールが包み込み、勢いを失った凶弾を地へと放り出した。
コートの男は表情に警戒色をあらわにさせ、立ち止まった地点から一歩二歩後退しながら、消えた。
青年は視覚とフォースの両面から探るが、姿は文字通り消失してしまっている。気配すらない――はっ、と察し青年は振り向き、白衣の男の背中を捉える。
彼はこちらを見返し、状況の一転さに足を止めた。

486 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/24(金) 00:37:24 ID:???
「止まるな、進め!」
青年は携帯していたバタフライナイフの刃を起こし、白衣の男へ吠える。
すぐさまきびすを返し駆け出す彼のすぐ頭上に、鋭いひょうが降り注ぎ、白衣を赤く染めながら身を切り裂いた。
彼は足の痛みにも悶え、膝を落とす。青年は術者の姿を警戒しながら、彼のほうへ走り出すが――瞬間、背にフォースを感じ切り返す。
「アクアソート」
先の比にならない範囲に広がる水のカーテンが、三発の弾丸と詠唱から放たれた炎の弾丸の連撃から、主を守る。
コートの男はさらに青年の足元にけん制弾を放ちながら、出てきた路地へと消えていった。
「シンガーっ!」
通りに響く声に振り向いた青年の視界に飛び込んで来たのは、立ち上がった白衣の男とコートを着たサングラスの男。
乾いた一発の発砲音に白衣の男はすぐまた、体を地に伏せた。サングラスの男は彼の懐を探り、グレーの書類封筒を手にするとメインストリートへと走り出す。
青年は追いざま、ナイフを一閃し圧縮された鋭い水の刃を放つ。
が、壁に手をつきながら走り去る男に届く前に、別のところから発現した冷気が刃を凍結させてしまい、
僅かに抜けた水閃もかろうじて男を外しながら地下通路階段の屋根を切断するに留まる。
青年がメインストリートに出ると、そこには災害消防と治安警察と野次馬が入り乱れる人ごみの中へと溶け込んでいく男の姿があった。
サングラスとコートは道端へと脱ぎ捨てられている。青年は通りを見返し、白衣の男の亡骸を放置したまま細い路地へと消えた。

487 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/24(金) 00:38:28 ID:??? ?
----------------------------区切り------------------------------------


今日はここまでです。ご愛読サンクスです。。

488 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/24(金) 00:57:16 ID:??? ?
ちなみに文章なのですが、今回の一連の逃走シーン、状況などしっかり伝わっているでしょうか。
ここがいまいちわかりづらい、これが誰の行動なのかわからない、状況が把握しづらいなどありますか?
できる限りシンプルに書いたつもりですし、かなり巻きで進めているつもりなのですが・・・

>>478
どうもです。
下手な演出とか自分下手糞なんですね。書いていてやっと自覚しました・・・
ハンターとか見せ方巧いですよね。自分的にはかなり影響されていると思っていますが、
何のあれにもなってないですね・・・ああいった先の読めない展開・描写に憧れる。。
自分の中では富樫先生は別次元のレベルですね、態度とか生活含めて・・・

遅レスですが、カーボーイビバップってロスユニと前後してやってた奴ですよね?
おもしろいんですか? 今度見てみようかな・・・2ちゃんやってるとアニメに興味が出てきますね。
ローゼンメイデンとかプラテネスとか・・

489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/24(金) 01:06:16 ID:3CH5hAkP
アドバイスは出来ないのだけど
他の人もいってるように確実に上手くなってると思うから
自分を信じて続ければ結果はついてくると思うよ。
がんばれ。

ビバップは面白いねー
アニメあんまり見ない自分もすっかりはまった。
DVDもCDも集めた。おすすめ。

490 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/24(金) 01:23:59 ID:???
俺もビバップかなり好きだな。映画は公開日に観に行ったし。
帰りにサントラ買って帰ったなw

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/24(金) 02:03:24 ID:???
ビバップとトライガンはかなりオススメ

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/25(土) 22:47:42 ID:???
ググっていたら参考になりそうなサイトがあった
ttp://www.raitonoveru.jp/

493 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/26(日) 01:21:28 ID:??? ?
今日はCDTVないのか・・・歌聴きながらしゃべる恐竜と書こうと思ってたのに。
仕方ないから自前のをかけながら・・・
漫画喫茶に行ってきたのですが、漫画ってある意味エンターテイメントというか、都合よく展開したほうがいいのかな。
ブリーチとかレイヴ読んでいて思ったのですが、ああいうわかりやすいっていうか、悪く言えば単純さが受けるのでしょうかね。
ワンピなんかはハリウッド的なそれがあるでしょうけど、他は正直どうなんだろ・・

>>492
そこは既に拝見しとります。自分的にはあまり参考になってないかな。


494 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/26(日) 18:14:13 ID:???
 光学プリズム加工の施された柱が支える美しいエントランスは、《ローレル・ゴードン》社の顔でもあった。
企業規模、総資産、純利益率、社会的信用――どれを取っても申し分ない、流通経済の主柱である政府公認兵器開発会社は、
上位社の中では珍しく本社をポートガスに構えていた。
最近の企業推移を見てみると、ポートガスで会社を興すことを第一とし、そこで蓄えた後に倭神沌へと本社を移行させることが、一般の"一流企業"への王道である。
王道も何も、最初の段階で98%は淘汰されてしまうのだが、それを含めての一連の流れであり、富豪への最初の代価、難関でもある。
生まれるこの地からは、叶った夢以上のドラマがあり、礎となっている。発起はエネルギーとなり、チャンスを呼び込み、良くも悪くも人生を彩っていく。
この街はそんな正負の念が集い、今を形成していた。
光の部分――栄光を掴んだ僅かな者たち、一般人の生涯賃金の数十倍から数百倍――あるいは人の機知を超える――にもなる巨万の富を築いた資産家。
彼らの最大の敵は資本流動に悪影響を及ぼす戦争と税官だが、冷静な視野と巧みな口論でかわしてきた。
彼らは常人でなかったからこそ、常人では決して得ることのできない代価を手中に納めることが可能だったわけであり、
人間行為の延長であるそれらに揺るがされるほど浅い者などいないのだ。
運でのし上がっていけるほど――政界とは異なり――安い世界ではない。時には運も味方するが、それも資質次第なのかもしれない。

495 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/26(日) 18:15:51 ID:???
 ローレル=ゴードンは30歳半ばで光を見た遅咲きの才人で、彼もまた、蔑まれる目に耐え歩んできた勝利の開拓者たちの仲間入りを果たした。
武器商人として各国を渡り歩き、フォースがまだ十分に解明されていなかった時代、神の力と言われた中において火器の復権を成し得た彼の功績は、
過剰な兵器供給がなされる今日でも、世界秩序の守護名目として――何にせよ世界のバランスは保たれている――政府に力を与え続ける大企業に姿を変え、今もなお名を残す。
現在では護身用の小銃から戦略重器まで幅広く供給する同社は、主な取引先を世界政府とし、治安警察官の携帯銃やショックガン、
治安省の防衛設備から軍事兵器まで一手に受注を請け負っており、他企業に比べると利益推移が安定し株価も同じくして安定している。
相手が世界政府という何より大きな組織であることと、兵器の単価が異常なまでに高いことが一定の需要にあいまみえ、莫大な経常利益を生み出してることも要因の一つであった。
だが何より、ここ最近の軍拡兆候、世界情勢、現政府の強硬派がはびこる体制が、戦争で一番儲かる企業への最大の投資理由だった。
2隻目、3隻目の戦略潜水艦は、既に防衛の範囲を超えている。
空の核爆撃機も同様で、防衛に必要なのは盾であって矛ではないのだと、無戦争論者は言う。
そして同社の存在意義もまた、専門家の中では疑問視されている。こういった性質の競争は――軍拡と核抑止力――必ず崩壊をきたす。
兵器は溢れ、行き場を失い、矛先をどこかへと向けたまま、役を待ち続ける。
もし《ローレル・ゴードン》社が株式を全て放棄したなら、あるいは戦争をなくせるのかもしれない。

496 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/26(日) 18:17:02 ID:???
「所属名までお書き下さい」受付の女性は丁寧に告げる。
「ええっ、なんで? いいじゃない別に」シェーラは言う。
「セキュリティの関係上、当社では来客人の身元を国家安全委員会のほうへ照会しております。
所属名の明記がない場合、回答不能となってしまい治安警察に自動通報されてしまいます。
取り調べには慣れている、言い逃れは得意だ、痴漢冤罪はいつものことだ、という方以外は書かれることをおすすめしますが」
彼女はそう切って、受付の電話を取った。機械のように的確な言葉選びで対応し、すぐに回線を切り替える。
シェーラは仕方なく"雅=フォード"と書き足した。
「ご用件は?」
「タヒール氏に」
シェーラの言葉に、社内システム端末を操作しながら彼女はまた切り返す。
「アポイントメントか、紹介状はお持ちですか?」
バッグではなくポケットを探る手から出てきたくしゃくしゃのレシートを横目に、
受付の女性はマニュアル通りにシェーラに不面会の可能性を示唆すると、待合ソファーのほうを示した。
一人モダンなデザインのソファーに腰掛け、何かを思い出したようにまた立ち上がる。
「一条の使いです、って付け加えておいてね」

497 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/26(日) 18:18:21 ID:???
ネイルはいない。カフェで優雅なホリデーナイトを過ごしているのか、お気に入りのあの個性的な車内で考えにふけっているのか、
もしかするともうどこか消えてしまったのか、いずれにせよ今シェーラの横にはいない。
そんな彼女の視界には、個々様々な人間模様が映る。
何とか独占契約を取り付けようと名刺を何度も置いていく警備会社の営業担当、定期訪問に来社した治安省の事務官、
それを白い目で睨みながらこちらもまた定期的に来社している反戦反政団体の主婦、そのほか外見では判別つかないスーツに身を包んだ者たちが、
各用を満たすためにたむろしている。そこに退社する社員たちの足並みが交わり、玄関口である広間は、その大企業の風格を表すようにして混雑していた。
シェーラにはまったく関係ない人々だったが、疲れた表情をつり下げて帰路に着く彼らに対する妙な親近感が、彼女の心に湧いた。
上部社会の一枠として腕を振るう"勝ち組"の彼らも、評価と過労に追われる悲喜こもごもな日々を送っている。
それでも、社会的ステータスと、一般賃金より多めの代価を得ている彼らは、客観的に見ればやはり"勝ち組"なのだろう。

498 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/26(日) 18:19:15 ID:???
「残念ですが、既に退社されたようです。フォード様がみえたということはお伝えしておきます」目は下の端末に落ちたまま受付の女性は告げた。
「ちょっと、アポが必要ってことは役員か何かなんでしょ。平社員に混じってこんな時間にさっさと帰ったっていうの? 
フォード様がいらっしゃいました、なんて言われても彼はそうですか、としか言いようがないじゃない」
そう言われましても――顔に浮かんだ表情を見て、シェーラはレセプションペーパーに記した名前を塗りつぶしながら、暗いトーンが支配するエントランスを見渡す。
鮮やかなビビットカラーが流行る夏のファッションとは違い、なぜスーツはブラックだったりグレーだったりネイビーだったりの暗いバリエーションしかないのだろうと、
シェーラは見るたび思っていた。
「いえ、なら結構です。またの機会に伺いますよ」
見ると、先の事務官がすぐ隣で、伝家の宝刀の愛想笑いを炸裂させていた。
政府エンブレムバッジが光る、愛想のない黒スーツからちらっと見える腕時計を下目使いで気にしながら、事務官は正面に座る彼女以上の機械的な言葉遣いで伝えた。
もちろん、治安省の人間とまでは判断できないが、この場にそれ以外の可能性はあまり考えられない。
財務省や経済省は癒着を示唆されることもあり、こういった多大な影響力を持つ大企業には出入しづらい。他省も同様に無意味な接触などしないだろう。

499 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/26(日) 18:19:56 ID:???
「もうすぐ開発事業部長のグラマンが戻ります。わざわざまたご足労を……」
「私のところの上司は時間に厳しいもので。それに、今回はサルキス氏でないと困るのです。後日ということで、失礼します」
「ですが……」
ある程度の社交辞令的な礼儀を踏まえた制止を流し、事務官は早足でその場を去っていった。シェーラには彼の言葉の前半部分が嘘々しく感じた。
政府が時間にうるさい? 外政官じゃあるまいし、どんな笑い話――
「今のは治安の人間か?」
ストライプのスーツを着た男が聞いた。受付の女性はうなずきながら、ちらっとシェーラのほうを見やり、また視線を戻す。
絵のような表情に僅かな困惑が浮かんで見えた。シェーラはしたたかに微笑んだ。
「どうもメイス=タヒール。わたしはシェーラ=フォード」
彼はシェーラに目を送りながら、受付の女性へと警戒の眼差しを向け直す。彼女は目でそれに応える。既に身分照合は完了していた。
彼は健やかに微笑み、シェーラの差し出した手を握り返す。
「私は面識ないが、それなりの方なのかな」
その身なりをファーストネームに付随させながら、彼は言った。フォード――有名デザイナー、監査会社、自転車メーカーくらいしか思い浮かばなかった。
その令嬢か、ただの深考か。彼はもう一度、周囲を見渡すと彼女を見つめた。あるいは……。
「一条様の使いらしいですが」受付の女性が彼に言う。

500 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/26(日) 18:20:29 ID:???
「一条? 慶一郎のほうか、それとも信之助、または他の……」
「信之助よ。彼について聞きたいことがあるの」シェーラは遮りそう言った。
彼はエレベーターを示した。ここ本社ビルには、随所にレストラン、ラウンジバー、スカイガーデンなどがある。
一般には社員たちが主な利用者だが、来客人にも開放されている。非常に優れた夜景を望めるスカイレストランは評判であった。
「一つ聞いておきたい。君は信用できるのか? 信之助とはどういう関係だ」
過剰な警戒だ、シェーラは彼の疑惑に満ちた眼を感じながら、言葉を選び出す。
「保証人よ。ほら彼、会社経営してるでしょ? 銀行も今は厳しいから、同じく会社を持っているわたしが信用を保証しているのよ」
彼はそれを聞き、途端に表情を緩めた。そしてにやにや笑いを浮かべ始める。彼にはそれが嘘だと――悪意のない嘘だと判別できた。
「政府の人間はうまい言い回しを思いつく。君には交渉は無理だ」
二人は混み合うエレベーターに乗り込んだ。


----------------------------区切り------------------------------------

501 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/26(日) 22:03:44 ID:???
「彼はスパイとしての訓練は受けていなかった。無理を承知で送り込んだ結果が、こうなる可能性もわかっていた。
科学知識のある彼しか適役がいなかったのだ」シンガー室長は淡々と言った。
上司として、彼の事は心の痛みであったが、それを表すのは葬儀の場だけでいいと思っていた。
「我々は潜入捜査といった類に精通していない。
平等な立場である私たちの武器は"法"であり、公正さを期すために抱える"力"がそれを支える。だがバランスは崩れた」
机の上に本来あるはずの証拠物件は持ち去られた。これさえあれば、戦いはこちら側有利に傾いていただろう。
今回の件で、彼らのガードはより固くなる。戦況はまた、見えない先に揺れ始めている。
「彼らは何を抱えているのですか」青年が続けざまに問う。
"シンガー"をキーワードにバロックネットワークのデータベースで、一定水準の社会身分に絞り、《倭神沌》《ポートガス》《パリス》《KYOTO》内で検索をかけ、
さらに一般カテゴライズでフィルターに通す――これで民間などに勤める一般人は除外できる。
ポートガスでの件を踏まえ、該当データからここに辿り着くのは容易だった。
青年はこの世界の縮図を脳に携えており、ここの機関名から、敵の正体以外の大まかな輪郭が、彼の中で構築された。
あとの空白部を埋めようと、青年は深く入り込んでいく。

502 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/26(日) 22:04:40 ID:???
「彼らは新たな兵器開発に着手している。
君が言うとおり、その"イオ計画"の一部分――あるいは全貌なのかもしれないが、それが国民の総意でないことは私たちの知りえないことからも明白だ。
政界の賢人たちは、良からぬことを――文民統制のなされていないケースを実行に移そうと目論んでいる。これは民主の意に反する、違法行為だ」
「そのことが政府内に分裂を招いていると」青年はもう一度確認する。
「少なくとも、推進派の筆頭であるカッターと、統一戦争前からの古株が占める保守派の対立は激化している。
一部は事態の収拾を一刻とし、カッターの退任を求める提書を中央議会に出した。
議会は検討委員会を招集し考議に入っているが、今度の裁判の結果を受けて判断するつもりだろう。我々は――勝たねばならない」
捜査調書、事件陳述概要書、立件要件総書、原告側名簿、検察名簿、弁護人名簿など、机上には裁判に必要な書類が大雑把に置かれていた。
その全てに黙秘の印が押されている。担当弁護士らはそれらに目を通しており、別所で構想を練っている。
相手側の質疑、答弁は全て予想しなければならず、適切な対応弁論を法の倫理に乗っ取り、隙なく構成するのが彼らの仕事である。
リディアでは陪審員制度を採っており、法の本質である良心を持ってして客観的な裁きを下す彼らを、いかに納得させるかも重要な構成要因となる。
弁護士にとって、彼らは判事より――司法をかじったことのある者は特に――厄介な存在となり、時に予想外の結果を招くこともある。
司法は平等であり、一個人の描くようには行かないことも、法廷では多々ある。
裁判の本質は勝ち負けではなく、正しい認識に基づく権利の確立と更生なのだと、シンガーは思っている。

503 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/26(日) 22:05:39 ID:???
「勝算はあるんですか? あなた方も専門家ですから、勝ち目ないことはないんでしょうけど」青年は彼の表情からも答えが読み取れる問いを投げた。
「裁判では第3者への――陪審員へのコントロールが大事となる。最終的な判決は判事が下すが、それには彼らの承認――評決が要る。
君がもし殺人を犯し立件されたとして、それを裁くには何が必要となるか」
「証明」青年はそう言い切った。シンガーはうなずき、書類を引き出しから取り出す。
「次がラストチャンスになる。彼らもそれを知っていて、だからこそあらゆる手段を投じてくるだろう。君に力を貸してもらいたい」
青年は出された雇用契約書類に目を通しながら、肩の具合を心配していた。まだ剣を振るえる程には回復していない。
彼が言うように、敵は大きな戦力を投じてくるに違いない。この裁判は彼らにとって、こちらにとって、そして今後の世界情勢にとっての大きな分岐点となる。
今の自分でも力になれるだろうか、青年は決めていた。
「これは光の当たらない場所での――彼らの独壇場での、見えない戦いだ。正義のためにも、死んでいった彼のためにも、私はどうしても妥当な裁きを与えたい」
「ともに頑張りましょう」青年は期待通りの答えを返した。今度こそ――彼の思いはしかし、色々な部分で錯そうしていた。自分は今、裏切り行為の中で存在している。
「そういえば名前を聞いていなかったね」シンガーは今さらながら言った。青年は半分だけ顔を見せながら、シンガーを横目で見る。
「キエフ=ウェンズデイです」


----------------------------区切り-----------------------------------

504 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/26(日) 22:58:22 ID:???
今日はここまでです、いつも読んでくれてサンクスです。。

505 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/27(月) 00:18:56 ID:???
×弁護士にとって、彼らは判事より――司法をかじったことのある者は特に――厄介な存在となり、時に予想外の結果を招くこともある。
○弁護士にとって、彼らは――司法をかじったことのある者は特に――判事より厄介な存在となり、時に予想外の結果を招くこともある。

こうかな・・・

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/27(月) 15:02:30 ID:???
乙。
テレビッ子に言っておくが今日も内Pはないぞ。

507 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/27(月) 20:12:41 ID:???
本当だ・・・またゴルフ・・・・テレ朝の株売っちゃうかな・・・死ね
つかなんで浜崎あゆみに芸人が絡んで来るんだよ・・
歌番組でアーティスト以上に芸人がでしゃばるなよ・・・空気読めるのが持ち味なはずなのに・・

508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/27(月) 20:24:17 ID:???
とりあえず・・・
もちつけ
     /\⌒ヽペタン
   /  /⌒)ノ ペタン
  ∧_∧ \ (( ∧_∧
 (; ´Д`))' ))(・∀・ ;)
 /  ⌒ノ ( ⌒ヽ⊂⌒ヽ
.(O   ノ ) ̄ ̄ ̄()__   )
 )_)_) (;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)(_(

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/28(火) 21:08:32 ID:???
ウェンズデイって<<ミシガン>>や<<ヒューロン>>みたいに政府につけられた名前だと思ってた
スーパー7の名が全部曜日なのは偶然だったのね

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/28(火) 22:06:13 ID:???
俺も思っていた。
それと能力化しにくい曜日のヤツから死んだ気がする。
金とか月とか。

それと内P好きの俺としてはハンターナインのロドリゲスに反応した。
ちなみにスターウォーズでフォースって単語が出る度にも反応した。

511 :まとめ:2005/06/28(火) 22:33:42 ID:???
間違えてindex.htmlを上書きしてしまった件について。
よりによってindexかよorz

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/28(火) 22:40:47 ID:???
あるあr・・・乙wwwwwwwwwwww

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/28(火) 22:48:12 ID:???
最近知ったんだけど、マスター5の作戦名はアメリカの五大湖の名前から取ったのね
めんどくさい地理も小説のキャラの名前になったら覚えられるやもしれん

514 :まとめ:2005/06/28(火) 23:14:16 ID:???
取得ソフトで取得すた。
結果、Yesyesyes!大丈夫だった。さて、更新がんばろう。

515 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/29(水) 00:38:20 ID:???
 浮島の構造は、防ぐという点では優れていた。
陸路での入り口は本土に繋がる唯一の橋だけで、守衛とセキュリティシステムが出入りを厳重に監視している。
"この先は私有地であり研究に関する施設あり"と触書きがされた警告札が、それらを正当化していた。
浅瀬に囲まれた海路からの侵入は実質不可能であり――モーターボートなどの小回りが利く機動船なら決して無理ではないだろうが、
海上を見張る目もあるわけで、小波を立てながらモーター音とともに走行する機動船はすぐに発見されてしまう。
最近では、非常に小型の潜水艇が普及し始めているが、やはりこの浅さでは容易に見つけられてしまうだろう。
空路に至っては、着陸できるほどのスペースがないここでは心配はない。
仮に超が付くほどの腕前を持ったパイロットが神業でBJ―10をつけたとしても、加速距離の皆無な浮島から飛び立つのはいかなる場合でも不可能である。
ヘリなら難なく着陸離陸をやってのけるだろうが、モーターボートを見逃さない監視がプロペラ音を聞き逃すはずがない。

516 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/29(水) 00:39:50 ID:???
もっとも、いくら小さな警備範囲とはいえ、絶対侵入阻止など理想主義の偏屈金持ちの絵空事である。
そういった類のプロのならこの程度の警備監視はやり過ごせるだろうし――機動船やヘリは使う必要はない、
規模の大きな組織らが本気で探ろうとしてくれば、極力地味に抑えられた警備網は難なく突破されてしまうことだろう。
それはここのオーナーも承知のことで、彼らに過剰な期待はしていない。
彼らはオーナーからここがどういった場所なのか聞かされているし、命を投げてまで守るべきものなどないのだとも言付けられている。
もちろん、何があるのかを知っているだけで、それらが一体どういった目的を持っているのかは聞かされていない。
相場の数倍高い報酬とオーナーの信頼性――その点だけで十分であった。
請負会社の生き残っていくコツは、聞けるところまで聞き、相手の裁量を素直に受け入れること。彼らは割り切った仕事が習慣だった。
 月夜の日にはオーナーがやってくる――怪奇小説のような言われ事が守衛たちの間で出回っていた。
月夜=満月ということであり、その通りであれば今夜もまた黒の《M―S500》がやってくることだろうと、守衛は思っていた。
この日を、この時を彼は非常に楽しみにしていた。飲めないブラックコーヒーを無理して一気飲みし、目を冴えさせていた。
――きた――きっちり時間通りに姿を現したメルブラックのメーセデスは、守衛の制止に従い停車した。
スモークは掛かっておらず、後部座席に座った二人はいずれもサングラスをかけている。両者ともスーツ姿だったため、はたからはマフィアの夫妻に見えたかもしれない。
運転手が窓を開け、この後入ってくる車は全て拒否しろと告げた。いつものことだと守衛は意識半分で、視線は後部座席の彼女へ向けていた。
オーナーの専属護衛らしいが、そうは見えない体つきで、目の保養には持って来いだった。
いつも通り、彼女は優しく微笑みかけてくれ、彼はゲートを開きながらにこやかに微笑み返す。
他の二人は表情を変えることなく前を見ていた――いい歳したおっさんに愛想よくされるのも嫌だが、守衛はそう思いながら車を見送る。
自分には遠い存在だと、その高貴な車体を眺めながら、彼は引継ぎの準備をし始めた。

517 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/29(水) 00:40:25 ID:???
 倉庫内をヘッドライトで照らしながら、メーセデスは中央付近でエンジンを切った。
待ち受けていた三人はじっと立ったまま、それぞれ言葉と思考を選択していた。
彼は心を読み、思考を吸い取り、衛星時計より正確な取捨択一をし、理解を示しながらも否定し、鍛錬された慎重な言葉遣いで翻弄してくる。
うかつに口を滑らせないことだと、特に二人は思っていた。
「愛想笑いも程々にすることだ。ああいった男は勘違いする」
「そんなつもりでは」
開いたドアから出てきた二人は、内輪な会話をやりとりしながらこちらへ寄ってくる。
文脈を理解できない会話ほど不快なものはない――レクサスはがらんとした倉庫に響く声を流しながら、珍しく喋っている彼女を見ていた。
オーナーは自分より手練の使い手である。彼の護衛を任せられているこの女はどれ程のものなのだろう、レクサスは前々から気になっていた。
が、それは単なる好奇心で、詮索に値することではないと自らに言い聞かせ、視線をオーナーに戻す。
「書類は」オーナーの問いに
「彼が持っている」レクサスは顎でフォルクスを示しながら答えた。
フォルクスは取り戻したグレーの書類封筒を出し、差し出されたオーナーの手に渡す。
彼は中身を取り出し確認すると、"財務諸表"と表記されたそれにライターで火をつけ、燃やしながら投げ捨てた。
これでまた一つ心配の種は消えた、オーナーは灰となっていく様子を静かに見ていた。

518 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/29(水) 00:42:28 ID:???
「奪ったその場で処分したほうが良かったのでは。
書類を持ち去った彼の仲間が我々を襲い再度奪われたら、あなたはそこで終わってしまう。
現に、私たちを遥かに凌ぐ者が現れ、彼を逃がそうとした」フォルクスの余計な言葉に、レクサスは睨みで意志を示した。
「君たちが信頼できるということを前提にした話だ」オーナーは言う。
「それで、その彼の仲間というのは?」オーナーは続けて問いを重ねた。
「私たち二人でも及ばないフォースを発していた。水の能力を持っていた」
レクサスの言葉に、オーナーと彼女は目を合わせ、心当たりを示した。
水の能力など数多に存在し、素人目には術とすら見分けつかないほど、ごくありふれたものである。
レクサスたちに見分ける目があることはオーナーも知っていたし、いくら戦闘向きではない彼らとはいえ二人がかりでも敵わない者など、無数には浮かんでこない。
水という殺傷力の低いフォース能力をそこまで昇華させるのは、非常に難しい。
「キエフ=ウェンズデイの可能性がある。彼は元三つ星の護衛官だ」オーナーの言葉にレクサスとフォルクス、もう一人の男はそれぞれの反応を心の中に表した。
表情は変えない。意味がないからだ。この男はあらゆる表情を分析し、心理状態を探ってくるのだ。レクサスは心理戦は得意ではなかった。
「ではやはり賢明な判断だった。初見だったからこそ、逃げ切れた。次は難しい」

519 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/29(水) 00:44:22 ID:???
レクサスは能力を早めに使用し、機会を伺おうとした。彼は一歩も動かず、姿だけを隠した。
彼が姿を消していられるのは、その場に留まっているときだけであり、一歩でも動けば効力は消える。
あのフォース使いが背を向けた瞬間、攻撃に転じたが反応されてしまった。
この"ファントム"は自らの気配、フォースも虚空に隠せるが、動いた瞬間に姿とともに解放されてしまう。
水のフォース使いは出現したフォースを感じ、俊敏な対応を見せたのだろう。全てが異常な水準だと、レクサスとフォルクスは感じ取っていた。
「もしそれがキエフ=ウェンズデイだった場合、戦力的に大きな障害になる。厄介な奴が入り込んできた」オーナーは言う。
「奴は最後に姿を見せた。通りがかったかの偶然だろう。これ以上、不運が続くとは――」
「彼は正義感が強い。
残された車や死体から手がかりを見つけ出し、必ず彼らの助けになる。まるでシナリオに書いたような構図だ」オーナーは遮り言った。
「車は隠滅した。死体にも書類以外の物は銃以外なかった。車に残したままにしたのだろう。手がかりになるようなものはない」
「奴は最期に何か言葉を発したり、そのフォース使いに何かを手渡す素振りは見せなかったか?」
「そうだな……」レクサスは考え込み、記憶を巡る。
「シンガー、そう叫んだ」フォルクスが言った。

520 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/29(水) 00:45:24 ID:???
オーナーはそれを聞き、歯をきしらせながら可能性の肥大を危惧した。オーナーにはそれが何を意味する単語か、すぐにわかった。
この三人には話していないが、オーナーは独自の情報網で敵方の構図を把握しており、シンガーがある幹部であることも知っている。
官学校で論理教育を受けているキエフなら、それだけで彼らに辿り着くことは十二分に可能。
そして彼らに力を貸す。これも間違いない。オーナーは対抗策をこうじ始めた。
「彼は今日、ゴードン社に現れる。手を打たねばならない」オーナーは言った。
そこで初めて、三人目の男が口を開いた。オーナーは彼の名前を失念しかけていた。
「あまり派手な面倒は困る。裁判は近い、あくまで水面下での行動を」
ノーン――オーナーはそう聞いていた。
《ローレル・ゴードン》の重役らしいが、この中ではレクサスたちの雇い主側であり、彼らにとってはオーナーより上の立場にいる人間だった。
今回の元約はオーナーとゴードン社の社長の間で交わされたもので、
ゴードン側が雇ったこの二人は、自分には直接的に関係ないのだとオーナーは割り切っていた。
そして今の場では、このノーンが契約相手の代理である。
「裁判だと?」オーナーはややあって、疑念の言葉を吐いた。
「何のことだ」その言葉と同時に、レクサスとフォルクスの素早く抜かれた銃がノーンに向けられた。
彼女は動かぬまま、フォースを僅かに発動させる。

521 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/29(水) 00:45:54 ID:???
「上から聞いている。例の裁判のことだ」ノーンは答える。
オーナーは表情を変えず、ノーンを睨みながら、頭の中で事のつじつまを合わせていた。
オーナーにはもう、彼が自分の思っていたものとは異なるものだとわかっていた。
「例の裁判? どこからそんなことを聞いた」オーナーは問いを続ける。
「言っただろう。上に聞いたのだ。私が知らされぬ理由があるか」ノーンは問いにそう答えた。
オーナーは目を細め、彼の顔をじっと見る。汗一つかいていない。
「上? 君たちは裁判のことは知っていたか」
「知っている」フォルクスは答えた。レクサスもそれは同じだった。雇い主から、明後日に裁判があることは聞いている。
「サルキスは口が堅いと思っていたが。まあ口止めをしなかった私に非があるか」オーナーは言いながら、時計を見た。もうじき時間か。
「財務諸表は処分した。これで認件に必要な証拠はなくなった」
「正確にはあと一つ」ノーンの言葉をオーナーはそう正した。二人は銃を引き、彼女は警戒を解く。
「ゴードン社の地下にあるアレだが……、彼らにとってそれは有用な証拠物件となり得るかね」オーナーは言った。
「アレをおさえられれば、敗訴は免れないだろう。だから今日中に――」ノーンはそこで、オーナーの質問の意味を理解した。
彼の常套手段――誘導。

522 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/29(水) 00:47:02 ID:???
「今日中にゴードン社地下にある"例の兵器"を処理できれば、
明後日の"経済省の某企業に対する圧力"に関する裁判の勝訴項目となると言うのかな。君は」
ノーンは表情を焦燥に変え、レクサスに再び銃を向けられる。
――馬鹿な、裁判は財務諸表に関するものだと――
「さっきの財務諸表だって証拠隠滅を図るために……」
「我々は雇い主から、経済省を相手取った民事裁判と聞いている」レクサスは事実を述べた――その通りである。
「私はサルキスに"財務掲示に関する裁判"とは一言も話していない」オーナーは言った。
裁判の内容を知るのは、被告側である政府と原告側の人間だけである。
以前のフォード裁判の一件を考慮し、政府関係の裁判は公示しないよう司法省が手回ししてある。
無論、襲撃したのが政府であることは誰も知らない。
「相変わらず慎重な男だ」
言いながら銃を抜こうとしたノーンは、額に銃弾を貫通させ倒れた。レクサスは引き金を引いていない。
「私もお前の顔など知らない」
硝煙を吐き出す銃を片手にサルキスは、室内灯の当たらない暗みから無表情な顔を見せた。
オーナーは、今倒れた男の代わりには申し分ない補員だと思った。

523 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/29(水) 00:47:37 ID:???
「いつからいた」オーナーは好奇心で聞いた。
「そこの二人が、大臣殿の首相席への執着を論じながら入ってきた時から」
レクサスとフォルクスは雇い主である彼に軽く会釈した。まさかそこからいたとは思いもしなかったが、いるだろうということは感づいていた。
チェックメイトの最終局面を彼が放っておくはずがない。フォルクスは彼の性格からそう分析した。
「首相席はまだ遠いか? 冷めた大臣殿でも」サルキスは嘲笑気味に言った。
「我が国は大統領制ではない。軍部を動かせる今のポストのほうが何かと都合がいい」
護衛官もだ――横で彼女は修正した。むしろそこが一番の理由ではないだろうか。軍部とて単独では動かせない。
あくまで軍の最高司令官である首相の承認が必要だ。
だが、もうそんなことは、彼にとってさしたる差し金にはならないのかもしれない。
議会の代弁者である首相に、どれほどの政治手腕があるのか。
政治動向を護衛官として見てきた彼女にも、政界のポジショニングはイメージできた。
保守派強硬派など、都合合わせのくくりでしかない。
結局政治は、個人の裁量で決まっていくのだと、彼女は自分なりに納得づけていた。

524 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/29(水) 00:48:12 ID:???
「司法の人間か」横たわる男を指しながら、サルキスはオーナーに意見を求めた。
「彼は非常にくだらないミスを犯した。奴らはこんな馬鹿の集まりではない」
奴ら――原告側は切れる。裏切り者の話はレクサスから部下――狐目の男を通して聞いていた。
原告側の動きには常に注意を払っているオーナーは、科学者が原告側の人間ということをだいぶ前に知っていたが、傍観し泳がせていた。
結局得られるものはなく、キエフ=ウェンズデイを引き込むというマイナスの結果になってしまった。
昔の自分なら、始末を躊躇わなかっただろうと、オーナーは思った。
「では一体」
「いわゆる"抵抗勢力"だ」オーナーはそう言うと、ノーンの背広裏から衛星電話を探り出した。
画面にはGPSシステムの起動画面が映っている。それを地面に落とし、堅い革靴のかかとで踏み壊した。
情報を過剰視するサルキスは、渋い表情を彼に向ける。
「大した情報は得られないだろう。得たとすれば向こう側だ」
静かな夜に爆発音が響いた。
GPSシステムが彼の死と同時に機動したのであれば――彼が銃を抜く前にスイッチを押したのであれば、時間的にこんなものだろうとオーナーは思った。
エンジン音が倉庫内に轟き、ヘッドライトが五人を照らした。

525 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/29(水) 00:49:11 ID:???
「大臣、お車へ! 撤収します」彼女はオーナーを後部座席へと放り込みドアを強く閉めると、
フォースを発動させ、メーセデスを背に倉庫の外へと駆け出す。
運転手がアクセルを踏み込む頃には、彼女の姿は捉えづらいほど小さくなっていた。
 守衛は爆発に巻き込まれ、視覚以外の全てを失っていた。その唯一が捉えたのは、舞い上がる炎に浮かび上がる大男たち。
守衛はその数を数えながら息絶えた。大男の一人が気配を感じ、号声とともに散る。
その一人の顔面を鋭いハイキックが捕らえ、暗い海上へと吹っ飛ばした。
残る四人はフォースを発動させ、スーツを着た女に対峙する。
女は腰を低く落とし構えたまま、全ての動きに対応できるよう目を四人に配らせる。
そこに猛スピードで突っ込んでくる《M―S500》を見送りながら、彼女はさらに発するフォースを強め、その強大な威圧でけん制する。
「追え」声と同時に、二人が大きな体で彼女の前に立ち塞がる。見るともう二人の姿はない。
彼女はシャツのセカンドボタンを外しながら、腰をばねに地を蹴った。

526 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/29(水) 00:50:03 ID:???
 運転手はアクセルをめいっぱい踏み込むが、見通しの悪い港の悪路にすぐ減速せざるえなかった。
運転手はサイドミラーとバックミラーを交互に見やりながら、後部座席に乗ったオーナーの無表情さを不可思議に感じていた。
空気の擦れる音が車内に聞こえた。運転手は奥手のハンドルを引く。
同時に後部ドアが開き、シートごとオーナーは固いコンクリートの上に放り出された。
車はさらに数メートル進んだ後、ロケットランチャーの直撃を受け、数発の爆破を起こしながら炎上した。
運転手が脱出できた様子はない。オーナーは意識をはっきりさせ、額から血を流しながら、後ろと前の気配に目を走らせる。
「司法家は地味だ。これは彼らのやり口ではない」二人を従えながら、サルキスは先の意見を肯定した。
彼は場を見渡す。ここではフォルクスの能力は使用できない。
「機があれば構わず粉々にしろ」大男の一人が叫ぶ。
サルキスは闇にとけ込んだ灰色のロケットランチャーを肩にかけた、小柄な男を停泊する船に見つけた。
身をやや前に乗り出しながら、こちらに狙いを定めている。

527 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/29(水) 00:50:56 ID:???
「ロケットランチャーは対人用ではない。思うほど簡単に回避できる」
「私は銃弾も避けられる」オーナーは言いながら、前に出たレクサスとフォルクスに前線を任せる。
彼らにオーナーを守る義務はなかったが、サルキスだけを敵が逃がすとは思えないと察し、結果的に両者を背に回すことになった。
大男二人は互いに逆方向へ駆け出し、挟むようにしてレクサスとフォルクスに向かってくる。
二人はサルキスとオーナーを囲みながら銃を数発発砲するが、
その全てを避けるなり叩き落すなりしながら、大男たちは素早い動きで二人の目の前に出現した。
レクサスは印を完成させる前に首を折られ、役を終えた。
もう一人が手に電撃を帯びながらフォルクスの首を狙い放つが、後退するフォルクスの前に現れた女の手がそれを受け止める。
電撃はフォース壁に散らされ、片手を掴まれ動けない大男は、彼女の掌突を腹部に受けその場にダウンする。
大男はやがて意識を失い、目を閉じた。
「もう追いついただと!? 信じられん……あの二人は"アイアントーカーズ"の幹部だぞ」後退しながら、残った一人は呟く。
サルキスは少し驚いた様子でオーナーに問いをかけた。
「トーカーといえば有名なマフィアじゃないか。特に幹部は非常にいい腕を持つフォース使いが大半だ。
世界政府はなぜ懸賞金をかけないのかね?」
「価値がないからだ」オーナーは言った。

528 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/29(水) 00:51:44 ID:???
「治安警察がもうじき来る。我々は先にゴードン社へ向かう」オーナーは彼女にそう告げるとサルキスとともに夜道に消えた。
治安警察がもうじき来る――その前に引けということであり、後半は本来の目的を確認する意味を持つ。
けん制しながら策を弄する大男を正面に、彼女はただ「すぐに追いつきます」とだけ答え、船上に目を向ける。
彼は今まさにトリガースイッチを入れようとしていた。彼女は髪をなびかせながら、再び地を蹴った。


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529 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/29(水) 00:57:10 ID:???
今日はここまでです。ご愛読どうもです。。

疲れた・・・今回の場面は複雑で(自分なりです)見直しが大変だった・・・
もしかしたら漏れた矛盾なんかがあるかもしれません。気付かれた方、指摘よろしくです。
複数の人物が絡むと描写が難しすぎる・・・かなり頑張ったつもりですが、今はこれが精一杯です。勘弁ください。

マスターハンドの作戦名は指摘の通り五大湖です。地理の苦手なかた、この際に覚えてしまいましょう。


530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/29(水) 01:00:15 ID:???
乙。東の方の話の続きが気になるぜ・・・

531 :まとめちゃん:2005/06/29(水) 21:18:08 ID:???
16話更新しました、遅れてごめんなさい。
現行スレに追いついたしこれから頑張るよ。

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/29(水) 22:05:26 ID:axbwUqVE
俺も書きてー
キノ風味のが頭で練成されてるんだが

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/29(水) 22:21:51 ID:???
書くなら応援するぞ。ただし別にスレ立ててくれ。

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/29(水) 22:33:34 ID:???
序盤では少なかったが最近になって、誰の行動だか良く分からない描写が増えてきた様に思う。
「彼」とか「男」が主語になって場面が展開する感じ。(上手く言えてるかな?)
この行動は誰のだろうと推測させたかったり、誰の行動か明かすことが出来ない状況なら仕方ないけれど、あまりその表現が多くなったり連続して用いられると、混乱して読みづらくなるかもしれない。

応援してるのでがんばって

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/29(水) 22:55:17 ID:???
>>532
http://jbbs.livedoor.jp/music/13355/

536 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/30(木) 00:24:50 ID:???
「そうかそうか。結局とんずらされ、あてが無くなったと」
メイス=タヒール――若干31歳でローレルゴードン社海外戦略事業部長補佐のポストに就く若き才人である。
信之助とは倭神沌のコンビニエンスで知り合い、彼が一ヶ月で辞めた後も度々付き合いがあった。
高等部一年目で既に冷めていた信之助にとって、ポートガス大学経済大学院に在籍していたメイスは、良き話し相手の知識人だった。
経済学を株式運用の手段としか考えていなかった信之助に、資本流動に基づく本質を教えたのも彼であり、信之助はその後経営学と並行し起業を志す。
総資産第二位の巨大な企業も、このような出会いや支えによって今を歩んでいる。
メイスは若い信之助の才を認め、彼の資本家という夢が実現したことを嬉しく思っていた。
それは信之助が金自体を追い求めていたのではなく、
金で得られる対価――信之助にとっての対価とは何なのか彼には及ばないところだったが――に目を向けていたことを考慮しての気持ちだった。
信之助の考える対価が、常人と同じく等価交換――豪華な食事や豊かな生活を支える嗜好品といったものであれば、彼はそれを個人の自由の範囲として捉えるだろう。
信之助はそういったもののためではなく、もっと別の、理想に対する過程を補うものとして力を欲しているのだと、メイスは思っていた。
そういった所が、信之助に対する彼の考えにある。

537 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/30(木) 00:25:29 ID:???
「彼は悪い意味で冷静だった。とても青春の高等部生には見えなかったよ」これが信之助に対する、彼の最初の印象だった。
シェーラにもそれは理解できた。ここから夜景の一部に見えるZONEビル。
起こった一連の出来事の中で、一条信之助という人間の世界観、考えかたなどを、僅かな時の中でシェーラは垣間見たつもりだった。
それが全てでないことも、人を見る彼女はわかっている。「じゃあ」シェーラは聞く。
「どうして友人なんか始めたの? 男ってお金目的で付き合ったりしないわよね」
時間的にまだ早いこともあり、流れる微音のフーガが聞こえるほど、ラウンジは非常に静かだった。
カウンターを中心にした造りだったが、ゆっくり談笑を楽しんで欲しいという社長の提案で、窓席は四人掛けのテーブル席となっている。
実際に発酵所で使われていた酒樽を支柱に使用したガラステーブルは、さながら深海都市を思わせる雰囲気にマッチしていた。
青白く光る淡い照明は、兵器開発という重き職につく社員たちを、優しく照らし出す。
といっても、今はメイスを除く社員はおらず、流れ商人風の男と、相撲取りのような着物をこなした小太りの男が奥にいるだけである。
彼の体重を目算しながら、シェーラはウィスキーを口にする。わたしまだ未成年だったんだ、シェーラはまあいいかと思いながら氷を鳴らす。
マスターの計らいでそれはだいぶ薄めてあった。

538 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/30(木) 00:26:13 ID:???
「彼が約束してくれたからだ」「約束?」シェーラは問い返す。
「映画より、小説より、ドキュメンタリードラマより、何より面白い、そして現実の、ある一人の人生を見返りに提供すると、彼が言ってくれたからだ。
私は彼の描く物語に惹かれた。だから私は彼にアドレスを教えた」
男のそういったロマン的な考えを、女であるシェーラには理解できなかった。その話自体が物語的なものだった。
将来に備え人脈を作るためではないのか? 信之助の金才を見透かしたからではないのか? 
シェーラは彼に経済人らしい答えを期待していたし、そうであると思っていた。会社の中身は一般人より知っている。
出世する人間は総じて、物事にメリットを求める。大学時代の友人付き合いを後のそれと考え、中で友人と人脈を分けるようになる。
経済学部の人間なら放課のあと、法学部、政治学部に立ち寄り、食事に誘ったりして将来の政界へのパイプを築こうとする。
官僚候補の彼らはその"接待"を学生時代から経験し、人を読む目を養う。財界と政界は密接な関係にあり、彼らにとっても損するものとはならない。
財界政界に進む者の多い上位大学では、特にこういった光景が良く見られる。彼女は父とその周りの人間から、そういった思考を学んでいた。
皆が皆、そうであるとは考えていなかったが、割合占めるものが多いのは事実だと知っている。

539 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/30(木) 00:27:15 ID:???
「物語の結末を、私は自分の出世街道の終着点より楽しみにしている」メイスはオレンジウォッカを一口した。
酔いは回っていない様子だ。彼の言葉は真実である。
「ただの一企業の社長よ? しかも中小の。あなたがそこまで興味を持つとは思えないけど」
「中小?」メイスは先の受付で彼女がジョークの嘘ではなく、騙す嘘をついたことに気付いた。
信之助は変に性格がひねくれている部分がある、身分を明確にしないことにより得られるものもあると、メイスは思った。
「君はファーブスを読まないのかね」シェーラは否定する。
「映画の主役は――元特殊部隊のコックだったり、かつて栄光を誇った一流の野球選手だったり、身分違いの相手に恋をする絵描きだったりする。
彼らは世界平和のために核を奪った敵と戦い、約束を果たすためにもう一度自分を信じ発起し、凍える海に散りゆく命を見ながら愛す人を最期まで案ずる。
"蜘蛛男英雄伝"という映画を見たことはあるかい」
ある事から力を手にした主人公は、人々を想いヒーローとなる。
彼は色々な苦悩を抱えながらも信じるものを見つけ、正義の為に悪人を倒してゆくアクション物語である。
「信之助はこの映画の主人公によく似ている。彼は力を手に入れた」メイスは言った。
彼のいう力とは何だろう――シェーラは酔いを感じ、飲む口を止める。

540 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/30(木) 00:27:55 ID:???
「蔑まれ、思うようにいかない世に悩みながらも、人々の温かい気持ちを感じ、成し遂げようとする。
信之助には描く理想がある」メイスは軽いカクテルをオーダーする。
「だったら続編でも見ればいいじゃない。ただそれが現実になっただけじゃ――」
「映画と現実は結びつかない。ヒーロー物の映画がバッドエンディングになったら嫌だろう? 
結局は魅せる為の物語であり、脚本通りの運はこびなんだ」メイスは言う。
それは当然じゃないかと、シェーラは心で呟いた。魅せるのが映画だ。
「主人公は何の為に戦っているか葛藤する。そして悩み抜き、悟る。同じように信之助にも心の闇部があり、悩むことだろう」
「闇部って……?」メイスはやっと興味を持ってくれたシェーラの言葉に、にやけながら先をもったいぶる。
「彼は精神を病んでいる」シェーラはショックを受けた。彼女の描く精神病棟は、映画などで見るそれと同じものであった。

541 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/30(木) 00:28:33 ID:???
「よく発狂したり、生きている意味を見失ったりする弱い人間を指す、そういった類ではない。信之助は――」「そうは見えない」シェーラは遮る。
「あんた適当言ってんじゃないの?」メイスは表情を堅くしながら、ナイトシャッフルを口にする。彼女は何を憤っているのだろう。
「天才は完壁主義にあって、信じていたものが崩れ去ったとき、自壊する。彼らは結果を恐れる。失敗を恐れる。それはもちろん大きさに比例する」
「で?」
「精神の疾患は物語では演出要素だ。都合よく誘発する。
だが実際は本人次第。揺れて揺れて、どうなるかわからない」メイスはそう切り、シェーラの顔色を伺った。
「信之助を買いかぶりすぎね。彼はもっと身近な、普通の人間よ」
「そう信じたい――少なくとも君は、小さな疑念を抱いているに違いない。もしかすると――」シェーラは立ち上がりメイスの襟首を掴んだ。
やはり女に酒を飲ませるものじゃないな、と彼は思った。
「わたしの心までいじらないで。もう少しいたわって言葉を使いなさいよ!」
「すまない」メイスはそっとシェーラの手を離し、席に座らせた。
シェーラは合わせづらくなった顔を窓の外へとやる。正門口に一台のタクシーが停車した。
「傷つけたなら謝る。私も女性をいたぶる趣味はない」
「ごめんなさい、つい興奮しちゃって……。わたしも謝るわ」

542 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/30(木) 00:31:04 ID:???
ラウンジは賑わい始める。
いい時間になっていたし、残業を終えた社員たちが週末の前夜をベストプレイスで過ごそうと、窓際席はどんどん埋まっていく。
同額でこんな夜景を見下ろせるところはない。二人は雰囲気に馴染みつつあった。
「社長」タクシーから降りてきた二人組みの男たちを見て、メイスは言った。両者ともサングラスをかけていたが、よく顔を合わせるメイスにはわかった。
「こんな時間に何だろう。それに横の男は一体」
二人はすぐに視界から消えてしまったが追うことなく、考えにふける彼女に目を戻す。
気にはなったが、多少の酔いもあって、深い考えは及ばなかった。社長は忙しい。
タイムテーブルなどあってないようなもの、メイスは無駄な疑念を振り払った。
「もし信之助が追い込まれるようなことがあれば、そばにいてあげたい。彼にはきっと……、支えが必要なのよ」シェーラは呟いた。
メイスの言うとおり、感じていた。信之助の目の奥にある冷たさを。
「彼はどこにいるの」
メイスは名刺をシェーラに手渡した。それはメイスが数ヶ月前、本人から直接もらったものだった。
シェーラはテーブル上でそれに目を落とし、息を呑んだ。思いもよらない展開――これが現実なのだと、シェーラは覚えた。
「物語は続いていく。私は結末を、君の思うようには考えていない。
現実は非情だから――」シェーラはそれを聞き、名刺を折り曲げた。メイスはしまったと悔いた。
「大丈夫。彼は優しいから、きっと」

543 :hamada ◆/I03giEWww :2005/06/30(木) 00:36:53 ID:???
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今日はここまでです。お付き合いどうもです。。

>>534
応援サンクスです。
複数の人間が出てくると、どう書き分けるかが問題なんですね。彼とか多用するとやはり読者の方に混乱を生じさせてしまう・・・
自分なりに試行錯誤しているんで、まだ当分は読者さんの解読力にお任せします。すいません。

>>小説まとめ★人
いつもどうもです〜ニュー速からの付き合い、これからもよろしくです

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/30(木) 00:47:41 ID:???


545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/30(木) 14:48:07 ID:???
>>534に同意。
16話で言えば、テムジンとエリーの会話や
大臣とヒューロンの会話が分かり難かった。

前者特に隠す必要は無いのでは遠回りな書き方をせず、
名前を明かせば良いし、
後者はどちらか一人でも人物が特定できるようにすれば良い。

複数のときも特定の誰かと不明の誰々みたいにしないと、
読者は分からない人だらけになってしまう。

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/06/30(木) 19:12:04 ID:???
16話のは許容範囲内だと思うけどな

「腰脇にうっとおしそうな物を三本さした男」ってのはテムジンしかいないし
もう一人は同じマスターハンドで唯一女性のエリーだろうなっていうのは、俺は大体想像ついたよ。


547 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/01(金) 23:37:55 ID:???
大臣とヒューロンの話は、悪い部分が出てしまったと思います。描写もそうですが、内容が抽象的過ぎるんですね。
自分は純文学といった読ませる文章ではなく、理系的なはっきりした文体を目指しています。
自分には比喩とか凝った言葉とか選ぶ能力がないんで、どのみち不可能なんですけどね。
余韻の残る文章とか印象的なものではなく、自分の伝えたいことが100%伝わる文を書きたいんです。
人によって捉え方が違うのではなく、100人が読んだら100人が同じことを思う、わかりやすい小説を書きたいんです。
それはつまり内容が求められるわけですが、文才がないのならそれで勝負しかありません。
頑張って話を考えられるようにしなくては・・・
>>545
倉庫のやり取りと違って、確かにぼかす必要はないですね。こういった場合は名前で書いちゃったほうがいいのかな。
あと呼称は統一したほうがいいのかな? カッターと大臣とかは使い分けるつもりですが、カダフィとカッターは分ける必要はないな・・

548 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/02(土) 01:04:38 ID:???
「社長。こんな時間に何か?」受付の女性は、エントランスに姿を現した二人を見て言った。
「もう遅い。退勤記録をつけてあがるといい。
残業代はしっかりもらいなさい」社長は言いながら、カウンター内に手を伸ばし、間接照明を切る。
彼女は目線を隣の男に向けた。
「そちらの方は?」
「カッター=カダフィだ」
カッターはサングラスを取りながら愛想笑いをすると、先を歩き始めた。受付の女性は彼を引きとめる。
「カダフィ様、照会が済むまでお待ち下さい」
カッターは戸惑い、社長を見る。受付の女性は端末を操作し始めた。
「いい。私の友人だ。もう帰りなさい」言って社長はカッターに並びながら、下階へのエレベーターに向かう。
エントランスに人影はなく、二人の足音だけが跳ね返る。
「最近の大学は政治を教えないのかね。ここは高等部の人間は取らないだろう」カッターは言う。
「女性は政治に興味を持たない。彼女たちに覚えて欲しかったら、マスコミとTVで踊ることだ」
言う社長は閉まる扉の隙間から、駆けて来る女性の姿を認め、開スイッチに触れた。
「えっと……」退勤パスをカードに読み込ませたまま、受付の女性は今入ってきたスーツ姿の女性に目を上げる。
見た感じ怪しいとは思わなかったが、仕事は仕事であると、彼女は仕方なく照会端末を再起動した。

549 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/03(日) 00:03:37 ID:???
「イオン=シャルル=ステイアウェイ、護衛の者です」イオンはエレベーター内を目で示す。
先のこともあり、受付の女性はうつむき気味にカウンター越し社長を仰いだ。
社長は招く素振りを見せ、イオンをエレベータに導く。受付の女性はほっとした表情で、帰り支度を始めた。
エレベータは照明を落とし、ビジュアルヴィジョンを映し出しながら、下降を始める。
イオンは息を少し切らせながらサードボタン、セカンドボタンと閉めると、カッターに目で合図を送った――問題はないと。
「生き残った者はいないな?」
「先の二人はともに頚椎を破壊しましたが、後の三人は交戦の末、解放しました。もう彼らに戦意はありませんでした」
イオンが言うと、カッターは表情を苦め、社長に先の質問の答えを促した。
興味はなかったが、話の間をもたすには十分な話題だった。
「我が社は才能がある者なら、高等部卒でも研究員として採用することもある。要は例外もあるということだ、大臣殿」
その言葉にカッターはうなずき、イオンを見ずに問いを投げる。
「なぜ逃す? いつも言っているだろう、敵の戦力は削れるだけ削れと」
「すみません。先の襲撃者を始末し、私が追いついた時点で、大臣の危険は去ったとみました。正しい判断と思っています」
イオンはそう答えた。言葉は選んだつもりだったが、大した違いはなかった。

550 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/03(日) 00:04:26 ID:???
「奴らはトーカーの人間だ。例外としても、護衛官としてどうかね」
「もしそれが、彼らの手に苦しむサウスメリア政府を気遣った言葉であるなら、政治家としての評価を上げます。
あるいは国民を想っての言葉であるなら、人としての評価を見直します」彼女は答えをはぐらかしながら、自分の手に目を落とした。
指がひどく腫れている。
「半端な気持ちでセーブして戦うから、格下の者に傷を許してしまうのだ。
君がやられてしまったなら、私は彼らからどうやって命を守ればいい」
カッターの言う彼らとは、フォース使いの最高峰を指す。
「申し訳ありません。油断しました。利き手をかばう為に指を数本折っただけです、問題はありません」
本来なら言い訳だと思うサルキスは、そのやり取りを見ていて、政界というものを改めて身近に感じた。
政治も、会社も、結局は学校の延長みたいなものだと。根底にある考え方は――教育と反映という、共通して単純なものであると。
同時に、護衛官という政界の微妙なポジションにある彼らの境遇を、彼は得意の資本と併せながら、その価値を探ろうとした。
彼女は少なくとも、自分の社の役員大半よりは手厚い待遇を受けているだろう。何より社会的地位が財界の人間とは格段に違う。
だが指を折ることが仕事かと言えば、相応の報酬なのかもしれないと、サルキスは思った。フォースという才能も必要だ。
これは金には代え難い要素で、彼らの価値を飛躍的に上げていた。
我々とは――財界とは比べようのない世界なのだ、サルキスは結論を出した。自分たちの資本は金と人脈。
護衛官はまた違った、比べるだけ無駄な比較なのだ。

551 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/03(日) 00:05:24 ID:???
「私の政治家としての評価は、軍人のように死んで得られるものではない。目に見える変化と結果が要るのだ」
カッターはいつも言うことを今また、口にした。
イオンはカッターの政治手腕と考えは評価していた。
人としては、フェリッチオ財務大臣と同等の酷評だったが、両要素が比例しないことは人格者の科学大臣の例からも、彼女はよくわかっている。
彼らの評価は、何を基準にするかによって変わる。だとしたら――自分自身はどう見られているのだろう。
前の例からも、政界にはよく反比例が見られる。
《スペリオル》や《ミシガン》は護衛官のそれを表す最たる象徴だし、唯一見込んでいたキエフもいなくなってしまった。
中には政治に係わろうとする者もいる。護衛官の政界に染まる傾向も加速する一方であった。
世間でも良く言われていない、カッター=カダフィのお供ということもあり、もしかすると自分も相対評価を受けているのではないか? 
いつもスーツ姿で華やかさのない政界に身を置く自分は、同世代の女性に比べ必要以上のマイナス評価を受けていないだろうか? 
イオンはコスモのヴィジョンを見ながら、ささいなことに悩んでいた。
「嫁入り前の大事な体だ。もう少しいたわってあげなさい」カッターの言葉に、イオンは「はい」とだけ答えた。
「メイス=タヒールという非常に素晴らしい人間がいる。
彼は、我がゴードン社を背負っていく有望株で、まだ独身だ。彼自身、理想が高いが、君ならきっと――」
「気持ちをありがたいですが、恋愛は別としても、私は財界政界の人とは結婚しないと決めています」イオンは否定した。
サルキスは残念そうにうつむき、後悔した。人の幸せを悪くは思わない。

552 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/03(日) 00:06:11 ID:???
「ほう、初耳だ。よっぽど私に政治の暗部を見てしまったようだね」カッターは言うと、サルキスに意識を戻す。
どの段階だったか、カッターは頭中の整理を始めた。
「肝心なことを聞いていなかったが、アレをどうするつもりだね? 
今からまた別の所へ運び出す時間などないと思うが」サルキスは問う。
「持ち出しはしない。要は公判期間の間、彼らの目から覆い隠せればいい。それより」
下降は終わり、三人は最下層に足を踏み入れる。
外壁を防音コンクリートで固めた大きなホールは、非常によく空調が効いており、人工の水辺や地下植物すらある、
研究施設も兼ねた、地下都市並の長期滞在を想定した地下工場として利用されていた。
時間上、研究員は各々の個室に戻り、工場内は電圧と擬似日光照射装置の運転音だけが鳴っている。
「腕ずくで来るだろう"非正規"側のほうを何とかしなくてはならない」機器の中を歩くカッターは、サルキスにそう言った。
工場内は三つのセクションに分かれており、住居地区、研究地区、造機地区とそれぞれの役目を持っている。
今歩く、機器が陳列する研究地区には、加重実験や威力実験を行なう巨大な装置がいくつも並んでいる。
大きな穴の開いた厚さ数百センチの鉄板を見ながら、自分ならどれ位で破壊できるだろうと、イオンはフォースを少し込め殴ってみた。
びくともしない。

553 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/03(日) 00:07:03 ID:???
「では、やはりあの四人は彼らの――」
「浮島での襲撃者は原告側とは関係ない。奴らは保守派の古老どもだ。目的はどちらも一緒だが」
「派閥争いか。戦争と同じく、年々争いはより激しさを、狡猾さを増している。生き残るには力が必要だ」
それがゴードン社の根底にあるのだと、三人は思った。
彼――サルキス=ゴードンは、先代ウェルズから、創始者ローレルの"弱者共存"の平和理念とともにゴードン社を引き継いだ。
父ウェルズはゴードン家の血を引く者らしい、社会に真っ直ぐな男だった。
サルキスは、父を素晴らしい人間だと尊敬していたが、彼自身の理念には影響しなかった。
彼はゴードン家でも異端な――個々主義の思想を持っている。
「いざとなれば、立て付く彼ら全員を蜂の巣にすることもできる。
わが社には、北の技術を知り尽くした研究員が生み出す最高の武器と、それを最大限に生かす優秀なウェポンスペシャリストがいる。
彼らは皆、独裁国家ノースアイスから引き抜いた最高峰の者たちで、恐れを知らない。力を理念とするゴードン社には力がある」サルキスは言う。
誇示するものがあり、彼は初めて自分を認める。ゴードン社は、彼にとっての理念証明でもあった。
「元武器商人である君はそれで片付くだろうが、私は善人だ。静かに脅威をヘッジしなければ、今の地位もすぐに失ってしまう」
サルキスは面食らったような表情をカッターに見せ、驚きを示した。

554 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/03(日) 00:07:46 ID:???
「治安省は情報を国費で買っている。
世界中の犯罪者、有力者のことは、好むタバコの種類までわかっている」カッターは歩みを早める。
「キエフ=ウェンズデイはまだ若いが、優秀な人間だ。残念ながらお前の雇った"奪還屋"では、彼の水劇の駄賃にもならない」
「こっちにも頼もしい彼女がいるじゃないか」サルキスはイオンに後ろ目を送る。
「私の役目は、カダフィ大臣に対する非政治的な脅威の排除。積極的な攻撃は禁じられています」
イオンは、護衛官をよく知らないと思われる彼にそう説明した。
ゴッドハンドの中でも五つ星護衛官、首相専属護衛官には、専守防衛が義務付けられている。
その力を本来の任務以外に使うことは、法により制限されている。
襲われている人を助けるといった人道的な行為は何ら問題ないが、戦争支援や暗殺といった、
結果的には多数の命を救うとされる政治的思考に基づく交戦行為は、断じて許されない。
「キエフは利口だ。最初に私に対する無害を宣言し、なおかつ攻撃を仕掛けてこないだろう。
証拠の押収だけに専念し、彼もまた、専守防衛で来るつもりに違いない」カッターは言いながら、造機地区へと続くパスワード認証式の扉を開ける。
彼は18桁の数字を頭の中に記憶していた。

555 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/03(日) 00:08:29 ID:???
「ではどうする?」サルキスは問うた。通路は薄暗く、非常灯が足元だけを照らし出す。
「けん制しながら時間を稼ぐ。証拠のあるこの場所に入れなければいい」
今度は20桁のパスワードを入力し、数万ボルトの電流セキュリティシステムの扉を開く。
セクション内には、空圧異常を探知した警告音が鳴り響く。カッターは解除を忘れたと思い、すぐさま操作した。
静かになった広い空間に照らし出された"それ"は、科学の脅威を見せ付けるようにして、雄大なソロナガスクジラのように鎮座している。
何度見てもセンスのないデザインだと、イオンは心で嘲った。
「駒はまだある。キエフは説得に値する人間だが、あわよくば――先立つ脅威をここで消す」
これが投入されれば、世界の核バランスはどうなるだろうと、サルキスは思った。
面白くなる――見上げながら、彼はカッターの横に立つ。政治家は愚かだ、過去に無血革命があったことを知らない。
「あなたの描く未来予想図が楽しみだ」


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556 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/03(日) 00:09:19 ID:???
 外壁を警戒する非常灯が照らし出し、戦争の扇動者は静かに眠りにつき始めた。
また明日になれば、反戦団体やら何やらが押し寄せてくることだろう。自分は夜勤シフトで良かった、と守衛は思った。
夜はいい。誰とも会わず、考え事に興じられる。大企業ともなれば、それなりに格好もつく。
ボーナスもいいし、朝勤のように出社してくる若いエリートたちに劣等感を感じることもない。
休みも多い。平日の行楽地に繰り出し、マイペースで心を癒せる。休日のオフィス街はいつも以上に静かだ。
週末は働き、平日を過ごせばいい。こんな生活も悪くない。
守衛は、明日からまたひっそりとする近代的なゴードン社ビル周辺の見回りを終え、もう一つのマイルームに戻ってきた。
エントランス脇に設置された外部警備室は、内部警備室と連動し監視を行なう。
内部と比べかなり狭い造りだったが、彼は何一つ不満はなかった。
広ければ良いという考えも、彼にとっては先入観にとらわれた古い思想だった。
しまった――定期連絡を忘れてた、守衛は回線を繋ぎ、椅子にどかっと座った。
数回呼んだが、返事がない。もう内部シフトの人間も出勤しているはずである。
刻かな、守衛は回線を切り、また雑誌を読み出す。
見たい映画の録画ディスクもあったが、とりあえず内部勤の者が来るまでは、意識を外へ向けておこうと窓を開けた。
冷たい風が乾燥した部屋に水気を与える。足元は暖かく、彼にとっては最高の環境だった。冬は空気が澄んでいる。一年で一番、清々しい。

557 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/03(日) 00:09:50 ID:???
「なんだ」守衛の視界に、黒い車列が入ってきた。全てスモークが張られ、よく磨かれている。
正門前で先頭車が停まり、後車もそれに続く。守衛は回線を入れると、そっと扉から体を半分出し、様子を伺う。
まさかな、ここは都心部だ、守衛は回線の応答がないことを確認すると、正門前へと出て行く。
車のドアが一斉に開き出し、スーツにアタッシュケースを持った男女が守衛を取り囲みながら、ゴードン社前に姿を現した。
「なにか」守衛が聞くと、スーツの男は身分証を取り出した。
「司法警察です。貴社に不正取引の疑いがあると、司法省より告発を受けました。裁判所より査察命令も出ています」
併せて許可状を見せると、スーツの男はエントランスの方を示した。
「開けて下さい」
「なぜこんな時間に? 社長は今、不在です。連絡もつきません」
「だから来たのです。開けて下さい」
守衛は仕方なく、電子キーを取り出しエントランスに向かう。
数十人の査察員は二列に並び、守衛に視線を浴びせながら続く。

558 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/03(日) 00:11:18 ID:???
「まだ働かれているのですか?」査察員が上を見ながら聞いた。
「レストランとバーは深夜まで営業しています。客を見送るのが私の仕事です」
守衛がキーを通そうとした時、誰かが「人が!」と叫んだ。
目を上げると、バーの光が漏れる窓辺りが砕け散っており、また目を戻した瞬間、人の体がコンクリートの地面に叩きつけられた。
バーは65階だということを守衛は知っていた。飛び散った"それ"に一部の者が声を上げる。
守衛は急いで警備室の緊急回線を入れ、治安警察に通報した。
再び外へ出ると、彼らはただ呆然と明るく染まった空を仰いでいた。


----------------------------区切り---------------------------------

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/03(日) 00:19:38 ID:XdMMaVL4
イオン=天之常立神ってことか
ミラクルハンドの〜〜〜神も肩書きみたいなもんなのね

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/03(日) 04:33:17 ID:???
hamada氏乙です。
漫画85〜93ページまで更新しました。
やっと第二話終了です。
http://www.geocities.jp/rebellion_manga/

561 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/04(月) 23:42:00 ID:???
>>雇われ店長氏
お疲れです。相変わらず恐れ入ります。自分にはもったいない・・・
ところで一つ相談ですが、画風ってこだわっていますか?
自分的には最初に言われたように、ワンピとか鳥山風に感じるのですが。

562 :雇われ店長:2005/07/04(月) 23:53:43 ID:???
こだわってるというかこんな風にしかなりませんw
変えようと思えば変えれないことも無いんですが描くのが苦痛になりそうですね。
影響もろ受けなのは完全ドラゴンボールですね。

保育園の時DBのねむり姫の映画みてから中学あたりまでDBのキャラばっか描いてたんで。
ワンピは意識してないです。ワンピのキャラは模写とかしたことないですし。いや、ワンピも好きですよ
あとは幽遊白書・ベルセルク・バスタード・スラムダンクって感じですかね影響受けたのは

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/05(火) 00:06:13 ID:+j7I3w2U
ワンピの作者がDBの影響受けてるらしいから、そんなもんだろ

564 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/05(火) 00:08:12 ID:???
画風っていうか、雰囲気ですね。画風はラインのくせとかか・・・ワンピ面白いですよね
展開の仕方というか、多分見せ方的なものは確かにDBとかワンピ系のあれだと思うのですよ。
こう何というか、デスノとか幽遊白書とかみたいに、淡白に書くみたいな感じってできます?
絵ではなく、表情とかなんというか、ワンピとかって一つの出来事が強いじゃないですか。
ハンターとか青年誌の漫画って、どこか淡々としている気がするんですよね。
そんなのって、変えられるものですか? 意味不明ですいません・・

565 :雇われ店長:2005/07/05(火) 00:19:39 ID:???
うはwwwwwww難易度タカスwwwwwwww
う〜む淡白にか・・・難しいですね
ちょっと絵をリアル志向にしたらそうなるのかなぁ・・・顔のドアップも減らしたほうがよさそうだ
あと糞つまらないギャグなども減らしていこう
web拍手でこそドロローレンスのせいでふいんきがぶっ壊れたとマジレスがあったのでw
まあなんとか努力します。こうしたら良いっていう具体的な指摘とかもよろしくおねがいします

566 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/05(火) 00:35:52 ID:???
ギャグに関しては別に思いませんが、DBとかは作風がわざとらしくなってると感じますね。
「ば・・・ばかな! 戦闘力5200だと・・・!?」みたいな。表情もちょっとオーバー気味ですね。仕様ですが。
こんなヘボ作品で言うのも何ですが、自分のイメージとしては、ワンピとかDBみたいな魅せる作品、つまりエンターテイメント的なものではないと考えています。
ある意味リアルというか(最初は正直そうも言えませんが、最近は意識しているつもりです・・)、理屈っぽい漫画を描こうと努力しています。
表情とかをもうちょっと現実的というか、普通はこんなに驚かねえよ! みたいな、均一化みたいな感じでしょうか・・・
無理難題ですが、こうなってくれば、もうちょっと自分の考えている作品に近づく気がするのです。
参考までにお願いします。

567 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/05(火) 00:41:40 ID:???
自分の思うエンタ的な漫画
ワンピ DB ブリーチ ダイ大 食楽園

上記とはちと違う読ませる? 漫画
ハンター デスノ ジパング マインドアサシン 熱い競馬漫画 とか

自分のあくまで主観ですが、こんな感じではないでしょうか。
映画でいったら上はハリウッド、下は邦画みたいな感じかな・・・
野球でいったら上は巨人・ロッテ 下はソフトバンク

568 :雇われ店長:2005/07/05(火) 00:50:32 ID:???
なんとなくわかりましたw
今日ハンターの22巻買ってきたからちと勉強するかな
でも大して変わってなかったらごめんなさいwwwww

569 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/05(火) 01:02:05 ID:???
沈黙の艦隊の海江田の死は予想できませんでしたし、デスノでLの死も皆さんは衝撃的に感じたはずです。
アバンの復活は納得いかない人もいたでしょうし、武装錬金やワンピの緊張感のなさをいまいちと感じる人もいることかと思います。
つまりはそういうことです。
そう意味ではジョジョは両面を持っている気がする・・・オクヤス復活は微妙でしたけど、自分的には・・・
自分ってハンター信者ですね、こう見ると・・・まあいいか。

570 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/05(火) 19:49:23 ID:???
よくよく思えばヤマトも沈む気配なかったし、一概には言えないか・・・
http://neetsha.com/bbs/up/vip3195.jpg

雑で申し訳ないです。
自分なりに描いていた、ミツヒデとローレンスの場面を書いてみました。
実際は発動唱とかが入ったりするので正確ではないですが、首を吹っ飛ばしてみました。
雇われ店長氏の絵は線がはっきりしているので、少しくらい淡々としていても雑には見えない気がするのですがどうだろう。
下のコマみたいな場合、特にそれが生きると思うのですが、どうでしょう。

571 :雇われ店長:2005/07/05(火) 21:59:17 ID:???
アクションシーンがちょっと仰々しかったすかね。
もうちょっと広い視点のコマ作りに励みます

あと漫画リベリオンのサイトなのですが新都社の避難所のスレで見難いといわれました
新都社のフレームとリベリオンのフレームのせいで漫画がちっちゃくなってるせいかな
前みたいなシンプルな奴に戻したほうがいいですかね?

572 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/05(火) 23:55:52 ID:???
確かに見辛いかな・・・デスニュのサイトなんかは見やすいし、かつ見栄えがいいですよね。
レイアウトのセンスがないので、アドバイスはできませんが、競馬漫画みたいなシンプルな感じでもいいかなと思います。

573 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/06(水) 00:05:54 ID:???
あともう一つ、漫画の原作ってネームまで書くのが主流らしいのですが
やっぱりネームあったほうが書きやすいのかな? それとも、そういうの含めて自分で書きたいものですか?

574 :雇われ店長:2005/07/06(水) 00:13:27 ID:???
そりゃあネームがあったほうがかなり楽ですけど、絵だけだとちょっと物足りないかなという気もしますね。
漫画の原作の人が全部ネーム描いてるってわけじゃないですよ。
原作が小説の漫画などは漫画家がネームとかもやってるでしょうし。

575 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/06(水) 00:25:01 ID:???
 煙が視界をゼロにした。見えない――テーブルの下に身を置くシェーラは、口をハンカチで押さえ冷静になろうと心がける。
「大丈夫か。こんな所で爆弾を爆破させるとは、間抜けか機知外だ」爆破は奥で起きた。
手前の窓席だった二人は傷を負うこともなく――
だがあくまでそれは不幸中の幸い、聞こえる悲鳴と肌に感じる熱い空気は、テロの発生した場そのものの雰囲気を写し出していた。
天井は所々を落とし、床の一部は崩落している。移り火が叫ぶ客を包み込み、それを消そうと他の者が衣服やテーブルクロスを振る。
恐れていたことが起きた――メイスは作動し始めたスプリンクラーを頬に浴びながら、数人の死者に黙祷を捧げた。
シェーラは、渡されていたネイルの衛星電話の番号にメールを送った。
「はーっはっはっはっっ! 屑が騒ぐから他の屑も吹っ飛ばしてやったぜ! ルック、豆腐みてえにぺちゃんこだぜ!」窓の下を見ながら男は大声で言った。
両手で持つ機関銃は今、下を向いている。こいつは奥席にいた商人風の客――伺うシェーラの横から、メイスが飛び出した。
機関銃を持った男は目を戻し得物を上げるが、間合いは既にメイスのアイスピックの射程内。メイスは蛇の牙ように鋭く、男の顔めがけピックを放つ。
が、ピックは手前で大きな手に掴まれ、メイスは横殴りにバーカウンターへ吹っ飛ばされる。
背をステンレスウッドの支柱に叩きつけ呼吸を乱すメイスに、機関銃の口が向けられた。

576 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/06(水) 00:25:58 ID:???
「この気取り色男屑が! 顔面オセロにしてやる」
殺意の弾幕はメイスの脇床を粉々にした。メイスは僅かな酸素を息と一緒に呑み込んだ。
機関銃はトリガー部を凍てつかせ、冷傷を負った指を押さえる男の足元へ転がっている。
「シット! 女の分際で! 衣服全部ひっぺがえして、窓から辱め棄ててやる」
次の印が完結する前に、男のステンナイフが無防備になったシェーラの目尻をかすめた。
身こなしは鈍い、隙を見て極系の術を撃ち込めば――軽いステップでナイフを避けながら、シェーラは印を宙に描きつつ詠唱を刻む。
印結と詠唱の並行行為は、かなりの集中力を費やす。数回の失敗を繰り返し、印の帰点と終唱が重なった。
「極氷」シェーラの発動唱から、舞う花びらのように輝く細かな氷屑が発現し、怒気に満ちた男をのけぞらせる。
舞う氷花は追撃し、対象を凍てつかせようと冷たく空気を震わす。「
シッ」噛みながら男はテーブル上のウォッカ瓶を床に叩き割り、懐から出したバーナーで着火した。
アルコール度94%の透明な液体は龍尾のように炎を燃え上がらせ、冷気を遮る。
温度の急激上昇にスプリンクラーが起動しバー内は再び水浸しになるが、氷手は遮る炎や氷冷剤をも凍らせ、男の追撃をやめない。
「何とかしろ」言われ動いた大柄な男は、身を割り込ませ、自らのフォース壁で冷気の攻撃を飛散させた。
フォース使い?――シェーラは訝った。大柄な男は仁王立ちのままこちらを見ている。機関銃の男といた、相撲取り風の男――

577 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/06(水) 00:27:04 ID:???
「レッジーナさん、下がっておいでなさい。極術をフォース無き者が防ぐのは至極困難。
よかたが騒がぬ様、銃でも構えておく事です」見た目通りの低い声で大柄な男はそう言うと、大きな腰周りに巻かれた着物帯を締め直す。
「女は絶対殺せ! 麻蒋竜」レッジーナはバーナーでトリガー部を溶かしながら、機関銃で再び制圧を始めた。
「了解マスター」
シェーラはメイスに肩を貸し、カウンター裏へと身を隠す。マスターは爆破で気絶しており、傷は深くない。
「君はフォースを?」
「ええ。だけどあの大柄な男には勝てないわ。極系の術をフォース壁だけで防ぐなんて、並みのフォース使いじゃない。隙を見て逃げるしかないわ」
どう見積もってもゴールドハンド以上――もしかすると以前、共にしたローレンスに匹敵するかもしれない。
自分は大極系の術は使えない。他の客を見捨てるのは心痛むが、彼らを人質にして立てこもるつもりだろうし、むやみに殺しはしないだろう。
応援を呼びに行き、後に救出するのが最善策。シェーラはメイスにそれを伝え、出口を影から見る。
「隠れても無駄ですよ。早々に葬送して差し上げます」カウンターが粉々に崩れ、麻蒋竜が大きな威圧感ある体を揺らし二人を睨む。
まずい――メイスに出口を示しながら、シェーラは転がるアイスピックを手に巨体に飛びかかった。
麻蒋竜は何の造作もなく、ピックをはたき落とした。「いなすまでもありません」
メイスはバーを抜け出し、助けを呼びに階段へと消えた。麻蒋竜は気付いていたが、先にこの女だと、掴み上げたシェーラに意識を戻した。
首を絞められ、シェーラは意識を保とうと息を吸い込む力を強くするが、それに比例して大きな手はよりきつくまとわりつく。
「……かっ……っ……」息は完全に止まった。あと数秒で落ちるだろう。「……はっ」
彼は手を離した。シェーラは咳き込みながら床に力を落とし、引かない目眩を八つ裂きにしたい気分だった。

578 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/06(水) 00:27:46 ID:???
「ワッツ? どうして離す、麻蒋竜」
「この女は重要な情報を知っています。ここはお任せを」
奥からこちらを見ているレッジーナにそう答えると、麻蒋竜は疑念を浮かべたシェーラを隠すように座り込んだ。
「私は《黒瘴》の正規メンバーだ。あなたの力量も見切った。私には勝てない」
その名は聞いたことはなかったが、同意せざる得ないとシェーラは思った。《黒瘴》という名詞が、最後の言葉を修飾しているのだろう。
「君がエディ=フォードの娘ということも知っています」麻蒋竜は前の言葉と変わらず、囁くように言った。
「どうして」シェーラは訝った。
「私が事の全貌を知っているからです」
「全貌? まさか――」
政府の陰謀――不正会計の真実。父の死の理由。シェーラは、静めようとしていた心の高鳴りを抑えることができなかった。
「ある人間を追っています。協力して欲しい。手が足りないのです」
「あなたが何であろうと、誰がテロリストに従う――」
「なら殺しますよ」麻蒋竜はシェーラの顎を掴み、睨みつけた。無機な瞳――
「物事は二面性を持つ。政府も、私も、あなたも。今は感情を押し殺し、復讐に走りなさい。真実を知る時間はとってあげます。従いなさい」
「真実――」知りたい。理由を。
「ついて来なさい。真実の答えは単純です」


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579 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/06(水) 00:28:20 ID:???
「テロのようです。治安警察が封鎖線を張り、踏み込みは困難な状況です」
シンガーは何かを考えるかのように、じっと先を見ながら、テロという予想外の単語に混乱していた。
テロ――偶然か? それとも? これで内部捜査の可能性は皆無になってしまった。治安警察は治安省管轄。
シンガーは悔いた。もっと慎重に、正確に行くべきだった。これでは動かない。このままでは、政府を暴けない。
「長官に直談判しましょう。チャンスは今回だけです。治安警察を退け、強制捜査へ移行すべきです」
「上もどこまで信用できるかわからない。権力に溺れぬ者が司法を支える理想は、今の我々には困難な課題だ」
時計は日付の境を指した。時間がない。裁判は明日だ。もう駄目かもしれない――
「彼らに任せるしかない。証拠を――必ず証拠を持ち帰ってくれる」
シンガーは外を見た。首相官邸はひっそりとしている。彼は――最高権力者はどこまでを容認して、そして関わっているのだろう。


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580 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/06(水) 00:46:49 ID:???
正直この作品に関しては、小説としては結構限界なんですね。
内容が漫画っぽいだけあって、最初みたいにラノベ風に書くのがいいんですが
自分の書きたい小説はそれではないんです。後半の文体はあまり内容にあってないと思います。
そろそろ応募・持込みを意識してちゃんと書いてみようかなと思うのです。
ただこの作品も構想はあるし、続けようと思います。とりあえずは雇われ店長氏のサポートに回って
キャラとか書いてみようと思います。小説のほうは読みきりとか書いてみようかなと考えています。

581 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/06(水) 19:33:30 ID:???
http://www.uploda.org/file/uporg141988.jpg

下書きっぽいのを書いてみたのですが、こんな感じで流れ・テンポがわかっていたほうがいいでしょうか。
構図は適当ですのでお任せしますが、カットする場面とかは判断し兼ねる場合もありそうなので。
実際はもっと雑な絵になりますし、構図も適当すぎな位に早さ重視で書こうと思いますが。

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/06(水) 19:46:57 ID:mfmEEWhp
ギャグクオリティタカスwwwww
ボボボ ジャガー リボン IC ブリーチ


583 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/06(水) 19:49:44 ID:???
まあ雇われ店長氏に負担がかかってなければ、別にいいのですが。
小説書いてる奴が画風とか構図に文句つけるのはどうかなって思ったんで。

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/06(水) 20:27:58 ID:FfjYu+yN
http://www.acqua-love.com/bbs/cgi1/mbspro/bbs.cgi?room=1357
死んだ?

585 :雇われ店長:2005/07/06(水) 22:32:35 ID:???
いえいえ単に自分が力不足なだけでしょう・・・
ネーム描いてくれるのであれば描いてください。そのほうがより原作に忠実になるし
こっちが変なことしでかさなくて済むのでw

ただこれだけは言えるのは小説を読んでそれを漫画にすると描きてによって
かなり違った漫画になるのは仕方ないと思いますね。
他の方々も自分の描いてる漫画がイメージ通りなわけないですからね・・・

586 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/07(木) 00:15:11 ID:???
そうですね。少なくとも事細かに書かれた小説以外に統一性はないですよね・・
ZONE編はかなりばっさりいこうと思っています。焼き直しも含めて。

587 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/07(木) 01:16:45 ID:???
あ、別にイメージと違うからって理由ではないですよ。
漫画版を読んでいて、自分でいまいちと感じたからです、内容が。
漫画自体は前に述べたように、ちょっと仰々しい、ってのが本意ですが
雇われ店長氏なら自分の描きたいものを描けると考えてますし、これからも世話になりたいです。
ただカットや話の流れまでまる投げしてしまうのは、あれかなと思ったまでです。
ネームといっても、構図なんかは書けませんし、そこらも引き続きお願いしたいです。

588 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/07(木) 19:40:28 ID:???
http://www.uploda.org/file/uporg142666.jpg
http://www.uploda.org/file/uporg142621.jpg
http://www.uploda.org/file/uporg142667.jpg
http://www.uploda.org/file/uporg142668.jpg

雑ですが一応あげました、話はこんな感じになります。
二枚目見づらくて申し訳ないです。途中でボールペンに変えました。
コマ割りも適当ですので、お任せします。いくつかある構図も同じく変えてもらって結構です。
ページ数に関しても、多少増えてもいいですし、減ってもいいです。
だいぶ詰め込んだので、減ることはないかな・・・

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/07(木) 19:51:57 ID:XvN74PeC
http://bbs2.orange-e.net/?id=1357
エー

590 :まとめ人:2005/07/07(木) 21:56:32 ID:???
電車男は究極の小説だと思うのですがいかがなものでしょう。

591 :雇われ店長:2005/07/07(木) 23:51:58 ID:???
実況みてたけどやばかったなwwwオープニングで鯖落ちとはw

>>hamada
了解です。結構台詞が多いのでもうちょっとページは増えそうですね

592 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/08(金) 00:42:13 ID:???
そうですか。小説感覚で台詞書いちゃうのでよろしくです。。

電車男・・・伊東美咲・・・

593 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/08(金) 23:44:03 ID:???
そういえば、ここに下書き上げていってしまったほうがいいのかな・・
やっぱり描きあがったちゃんとしたやつ読みたいですよね。
あとデスノとかもですけど、原作と漫画別の作品って、両者どこまで疎通しているんでしょうかね。
このあとこいつ死ぬから大げさに描いておいて、とか、これ全部夢だからそんな感じにしておいて、
とか、書く人に伝えるのかな。

594 :まとめ人:2005/07/08(金) 23:56:15 ID:???
お待たせしました。17話更新しました。
展開上17話がちょっと長めになってしまいました。

>>593
デスノ7巻買ったんですが、あれですね。
ちょっとアレするのはやりすぎか早すぎる気がします。

それと自分も新都社でそろそろ漫画デビューしようかと思っています。

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/09(土) 00:03:38 ID:???
更新その2
俺書きページ更新しました。
その他要望ありましたら何でも言ってください。
浜田氏も画像保管庫などの要望や詳細などあったらどうぞ。

596 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/09(土) 00:49:08 ID:???
とりあえずは見易い、使いやすい、軽いとかそんな感じですね。
落書き置き場みたいな感じで。
漫画頑張ってください。個人的には少年VIPがおすすめかな・・・・
ヤングはプレッシャーが高そうだ

597 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/10(日) 22:14:54 ID:???
http://neetsha.com/bbs/up/vip3357.txt
月刊コミックニートに連載中の作品の続きです。前のは直接ニート社へどうぞ。
一応、小説は何か書かないといかんので。

598 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/12(火) 18:39:11 ID:???
そう言えば、イエヤスとヒデヨシってデザイン募集来てましたっけ?
都合でもう一人募集するつもりなんですが、上の2人はどうだったかなと。

599 :雇われ店長:2005/07/12(火) 20:38:26 ID:???
gebura氏と成年k氏が描いてくれました
一人ずつ採用することにしました

600 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/12(火) 23:09:33 ID:???
前にサイトのほうにあったような気がしたんですけど、どうだったかな?
やけにサイバーチックなデザインだった印象が・・すごい独創力だなと思ったな

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/14(木) 00:04:49 ID:k8zv2o+3
最近更新なくてつまらんなー

602 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/14(木) 00:32:52 ID:???
アナザーの方も来ないな

603 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/14(木) 00:44:37 ID:???
すいません。鍛錬中です・・・
今一度読み直して、どうしても納得いかないのでウェストコール編を焼き直している次第です。
漫画版を読んでいて、どうしても商業誌レベルにしてみたいと思ったんです。
ニート社を代表する作品にしたいんです、絵が素晴らしいので内容があれではもったいない。
描いているものが形になればきっといいものになると思ってるので・・

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/15(金) 13:15:42 ID:C2AMJKWT
新都社を代表する作品にしたければ、更新頻度を上げるのが手っ取り早い
絵が上手くても更新が遅ければ人気が出ないのは「ディフュージョン」がいい例
漫画リベリオンも更新が遅すぎる

605 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/15(金) 20:06:08 ID:???
ニート社はみんなの夢ですからね。実際は学生さんがほとんど、社会人の方もいるのではないかな。
プロみたいに漫画のみに(一概には言えませんが)集中できる環境は、やはり好きな人にはたまらないでしょうね。
寝られないらしいですが、一週間にあれだけ描くんだから当然ですよね。
Mステでも見て頑張っていきましょう。

606 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/15(金) 20:07:55 ID:???
    _  、_                                           ,.  ,./i,.
   、ヽ、 `ヽi、゙ヽ、                           ,,.-‐'''""'''- 、        /i/ '"´'´''"i,
  ,r''´'        ゙、                      ,.-'".:.: : :       `ヽ、     /        ノ'i'
. <´           ゙、  _,,.-- 、   __,,,_          /:.:.:.:.:.:. : :  __,,,. -- .,,,_ゝ、_,,,.-'、__       'ノ,
`フ         ./`'''7´    `y´   `ヽ、,.-‐''""'‐y'.:.:.:.:.:.:.:.:._,.-'"__,,. -''^ヽ、,_ヾ ヽ  ヾ、       ソ
〈、_...... . . . .  . ....:.:.〉、_l:..             /''"     l:.:.:.:.:.:.:.:.:/-‐''´       _,゙i      |'':.. . ....:.:.:.:>
  >.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::/   ゙、:.:.:.:.:....:.:..              i'ニヽ.:.:.:./  ,.== 、    i ,.=、'l  ノ:.:.ノ-、.:.:.:__=‐'"
   ̄´-ニ',,. -'"     `‐ --''゙、`.:.:.:.:.:.:.:.:.:..    . . ..l | | |.:.:.ノ  ,.=-=、`' ' ' _二, i'.:.:.:ノ'"     ̄
                   ヽ、,,__,,,.-、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l ! | |.:/ '‐‐(  Oi ゙i r' Oノ/_,ノ
                            ゙ヽ、,,,_,,{゙、i,l |:.i,  ,. 、`ー‐' ,.   ヽ=' i
                         _,,,,,.-''":l゙、'-'.:.゙、 ' ´i'ヽ、__ノi_   l、 /
                    ___,,,,r''":::::::::::::::::::::!:.:゙、.:.:.:| i l i'、   `ヽ,ノi/ ̄ ̄` ''ヽ、
                  ,,.-''"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\.'i, ! ! `、二ニニソ/ ノ       ̄ヽ、_
                  r'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`‐-.,,_::::::::::ヽゝ,    ‐‐  |r'      ,.-'"/::::::ヽ、

そういうあんたもさっさと書きな!!

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/15(金) 22:33:59 ID:???
ハマちゃんはリベリオン宣伝して多くの人に読んでもらいたいとかあるの?

608 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/15(金) 23:27:09 ID:???
前はそう思ってましたけど、最近はそうでもなくなってきましたねえ。
それ相応のものになってないから、まずは作品の質を上げないと駄目だなと感じましたね。
でもより多くの人に読んでもらいたいのは事実です、他の人と同様。
ただ宣伝じゃなくて、口コミ評判で広がっていくのが理想ですね。
CMもそうですけど、宣伝ってのは売れるのが確実なものをさらに売れるよう促すだけに過ぎないんじゃないですかね?
自分のはそこまでに至ってないので・・最近プロの小説を読んでいて思いました、格が違いすぎると・・・

609 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/15(金) 23:31:45 ID:???
そっかぁ、もっと評価的なものを受けたいなら多くの人に読んでもらうのもありだと思うけどね。
プロと比べたらそりゃ差は出るよね。

でももっと書いて色々勉強したら宣伝すればいいと思うよ。
まとめちゃんもそん時は協力してくれるだろうよ。
まとめサイトはハマちゃんのためのサイトだからね(だよね?)

610 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/15(金) 23:38:35 ID:???
そうですね・・・書くしかないんですよね・・・
思うに、プロの人というのはどうやって知識を得ているんだろう。
マイケル・クライトンなんか読んでると、本当に一人で書いているのだろうかと思うほど
守備範囲が広すぎる・・・やはり専門家に協力してもらっているのだろうか。
バトルものの小説にはあまり関係ないけど、正直小説で作家になるには漫画的なものは厳しいと感じる・・・
やっぱりもっと変わったのを書かなきゃ駄目なのかな・・・絵が描ける人は尊敬に値する・・
雇われ店長氏なんか、練習すればプロになれる気がするけどな・・・

611 :まとめ人:2005/07/15(金) 23:47:52 ID:???
本スレに更新がやっとこさ追いついたので一安心。

>>609
>まとめちゃんもそん時は協力してくれるだろうよ。
>まとめサイトはハマちゃんのためのサイトだからね(だよね?)
なんてったってその通りです。
いつだって宣伝だってなんだってやりますよ。

>>610
プロの人はやはり半端じゃない読書量と人生の体験から作品を生んでいるのでしょうね。
それ+ハマタ氏の言うような専門家(人脈含む)の協力と取材ではないでしょうか?
小説は読ませるものですから漫画のようなアクティブなものを表現するのは難しい気もする、
けどスターウォーズとか小説だよね・・・。

変わったものというか、書きたいものを書けばいいんですよ。
あとはそれをどう面白く表現するか、かな?

ちなみに自分の友人で漫画家いますが、やはり厳しい世界のようですよ。
とあるゲームとのタイアップで書いていますが、人気はあるわけでなく。
それだけで食べれるわけでもないので働きながら書いています。
一応『プロ』には属しますがまぁプロでもピンからキリまでという・・・。
ちょっと偉そうなこと書いてごめんなさい。

612 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/15(金) 23:48:20 ID:???
こう、漫画を読んでいて(主にバトル物)正直中身がないなと思うわけですよ。
自分ならもっといい話を書ける、と。でも実際はそうでもないんですね、話を書くのが難しいんです。
でも、最近のを見ていると、まんざらでもないとやはり思うんです。
絵で売ってるの、結構あると思いますよ。特にバトルものは。萌えとかはわかりますけどね、スクランとか自分も好きですから。
バトルものはパターンが決まりすぎてるのが多いし、一定のキャラに執着しすぎな感もありますし。
作者の描きたいものを描くというのはわかるのですが、どうしても自分にはそういった点が目についてしまう・・・
でもそういった気に入らない点は見つかるのに、作品に反映できてないのが事実なんですね、まったく。

613 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/15(金) 23:53:56 ID:???
>>611
そう、いかに思い描いてるものを表現できるか、そこに尽きますよね。
あと客観的に面白くかけるか。自分は特に心は歪んでないと思うので、万人受けする作品が書きたいですね。
厳しいにはわかってます、ただまだ夢の中にいるだけです。夢が醒めるまでは目指しますよ。
で、お金持ちになって、汐留にマンション買うんです。大きなハスキー犬も飼って、のんびり暮らしたい・・

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/15(金) 23:58:37 ID:???
汐留マンションワロスwwww応援してるぜ。
大きなハスキーは可愛いからな。

615 :まとめ人:2005/07/16(土) 00:03:21 ID:???
>>612
それはありますね、ジャンプの中での某漫画とかパクリとかしか(ry
個人的には絵<話ですね、少年VIPのニトロ(急展開の最終回でしたがw)は
ギャグセンスが光るものがありましたね、正直凄いと思いましたよ。
これまた個人的ですがヘルシングなんか絵はうまいし話は宗教も入っていて衝撃受けました。

ちなみに私の夢は六本木ヒルズに住むことです。

616 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/16(土) 00:31:11 ID:???
ニトロは読んでいました。好きでしたよ、主人公の斎藤が良かった・・・
ブリーチの作者さんなんてもったいないなあ、と思いますよ、あれだけ絵がうまいのに。
設定とかキャラデザインはいいのに、実にもったいない・・・あくまで主観ですけど。
ブラック猫の人がニトロ描いてあげればいいのにな。
六本木ならライブドアの終始を見ることができますね。札束が降って来るかも

617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/16(土) 15:43:30 ID:???
素人のWeb小説を読んでみたら?
Webからプロになった人もいるし、
遥か上の作品より自分よりやや上くらいの方が
自分との差が分かり易いと思うけど。

618 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/16(土) 18:47:33 ID:???
WEB小説って、題材が偏ってません?
日常系が多い気が・・・SFとかじゃないと読む気がおきない・・・
比喩とか文を楽しむ文学系のって、どうしても読む気にならんのですよ。
ラノベ研究所の作品は少し読んだけど、つまらないし、あまり参考にはならなかったな・・


619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/16(土) 20:44:59 ID:???
SFとかラノベとかファンタジーは結構多いよ。
戦闘シーンや設定が上手い作品もある。

620 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/17(日) 14:13:06 ID:???
戦闘シーンのうまい作品を読んでみたいな。SFなら艦隊戦とかもあるかも・・
漫画の原作って、ネーム部門以外でも募集しているのかな。
小説みたいに字だけじゃやっぱりほとんどないのかな?
創作文芸板を見てると、この業界が地獄に見えてくる・・

621 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/17(日) 19:10:04 ID:???
とりあえず、日本人作家の作品をもっと読んだほうがいいと忠告を受けたので
戦国自衛隊と亡国のイージスを読んでみようかと思います。まだ新しいから新品で買うしかないかな・・
他におすすめの邦作品があれば、教えて下さい。できれば上記のような、非日常的なものがいいです・・・
翻訳文体はいかがなものかと言われたのですが、駄目なのかな。
今まで海外作品しか読まない自分は、こんな感じの文体を良としてきたのですが・・


622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/17(日) 23:47:09 ID:???
ハイスクールオーラバスターとか小学生のとき読んでたな
戦闘物だった気がする

623 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/18(月) 01:08:48 ID:???
うはwwwwwwwwwオレも読んでたwwwwwww
十九郎テラカッコヨスwwwwwwwwwwwwww
ジャンル違うかもしれんが、個人的には小野不由美さんが好きだ

624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/18(月) 23:50:15 ID:???
小野不由美も聞いた事あるぞ・・・

625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/18(月) 23:59:31 ID:???
小野不由美は屍鬼読んだけどあれ長すぎだなw

俺のお勧めは「二重螺旋の悪魔」


626 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/19(火) 00:41:53 ID:???
あー屍鬼の人か、たしかに長いな
それなりにおもろいが

627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/19(火) 00:51:04 ID:???
オレ的には屍鬼より十二国記の方が先に出るな
その前の悪霊シリーズも好きだった

628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/19(火) 07:24:44 ID:???
あー十二国記も小野か
十二国記もおもろいね

629 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/19(火) 21:18:39 ID:???
ッ戦国自衛隊って二種類あるんだ・・オリジナルは古すぎるな・・・
バトル系の漫画でよくある“インフレ”の本意をいまいち理解できません。
何をもって、それを判断するのでしょうか。ドラゴンボールに関してはわかりますが。


630 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/20(水) 00:32:50 ID:???
ドラゴンボールがわかれば充分じゃね
他はマンキンとかか?

631 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/20(水) 00:40:25 ID:???
シャーマンキングの場合は結局、ハオの強さを消化できなかったわけですよね?
最後のほうはかなり無茶しているのはわかりましたし、酷いラスト(打ち切り)だった・・


632 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/20(水) 19:49:23 ID:???
雇われ店長氏、見てます? ちょっと相談が・・。

633 :雇われ店長:2005/07/20(水) 20:43:34 ID:???
何でしょうか?

634 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/20(水) 20:59:52 ID:???
原作に関して、設定などを一から焼き直しを考えています。
自分としては、改良になると思っています。
もし雇われ店長氏が他の何かを描きたいと言うなら、自分で何か描きたいというなら、
言って下さい。正直、現行の原作は描いていてそこまで面白いとは思っていません。
出来ることなら、リニューアル後の作画を担当してもらいたいですが、それは個人の自由だと思うので。
というわけで、聞いてみました。

635 :雇われ店長:2005/07/20(水) 21:12:36 ID:???
漫画のほうはしばらく休載って感じってことですね?
ではしばらく自分はリベリオンの連載を休むことにしますね。
もちろん新しい漫画版の原作が出来上がったら描かせてもらいますよ。よほど忙しくなってなければですが

なんか読みきりでも描こうかな・・・。少年ワロスのほうにでもwwwwwwwwwww

636 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/20(水) 21:22:22 ID:???
いやー、描いてくれますか! ありがたいです。
今度は漫画を意識して、書こうと思います。
バトル描写に関しては、最初の内はあーだこーだ言うと思いますが、その内雰囲気を掴んでくれるかと。
通常描写に関しては、今まで通りお任せします。ただ、漫画化に際するメモみたいなのは添えますね。
丸投げはやはり悪いと思うので。
ワロスは見てないな・・・
本スレにはどう言おうかな。

637 :雇われ店長:2005/07/20(水) 21:33:25 ID:???
しばらく休載ってことでいいんじゃないかな
リンクとかも別に消してもらっていいと思うし
ニート移籍って言われるかもしれないけどwwwwwwwwwww


638 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/20(水) 21:38:28 ID:???
リニューアルといっても、扱いは別作品だと思うので、雇われ店長氏が良ければ
打ち切り/リンク削除でいいかな? 
またHP作ってもらうなり、変えてもらうなりしなければなりませんが・・

639 :雇われ店長:2005/07/20(水) 21:43:25 ID:???
あ、じゃあ今まで描いてあるやつの続きからってわけじゃないんですか
なら打ち切りで全然OKじゃないすかね
HPは何とかなるでしょ。ジオでまた垢とれば良さそうだし。
FC2は容量1Gだからそっちのほうがいいかな。ま、その辺は気にしないでOKです


640 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/20(水) 21:46:53 ID:???
設定から焼き直すので。根幹は変わりませんが、商業誌レベルになるようもう少し努力します。
あと小説と漫画をもうちょい読まないと・・・あとEP3も・・・
本スレにはその旨を伝えておきます。


641 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/20(水) 21:50:18 ID:???
あと今まで描いてもらった分、申し訳ないです。
どうしても納得いくものが作りたいので、わがままですが許してください・・

642 :雇われ店長:2005/07/20(水) 21:52:04 ID:???
お願いします。原作が商業誌レベルでもそれに見合った絵が描ける自信は全くないんですけどねwwwwwwwwww
ちなみにEP3は公開日に観に行きました。おもしろかったですよ〜

643 :雇われ店長:2005/07/20(水) 21:53:52 ID:???
全然気にしないでOKです。プロの漫画家の凄さがはじめて身にしみていい経験になりました

644 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/20(水) 22:18:32 ID:???
絵は才能ですよ。尊ぶべきものです。
シスの復讐は絶対面白いよな〜寿司の逆転語なのに・・・
――若きスカイウォーカーは暗黒面に堕ちた――
これが全てな気がする・・

645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/20(水) 23:40:53 ID:???
シスの復讐は絶対面白いよな〜寿司の逆転語なのに・・・
には突っ込みをいれずにはいられないわけですが。

設定などを焼き直して一からまた書き始めると言うことでいいんですよね?
まぁまだ先のことかもしれませんがいくつか質問が、

・旧リベリオンの方は残しておいていいんですよね?(というか消す理由もないと思いますが)
・新リベリオンの方のまとめは画像表示でいいんでしょうか?
・画像・小ネタ倉庫はもう作りますか?(いつでも作れますが)

書く人描く人本当に凄いと思います。夏ですがお体に気をつけて頑張ってくださいね。

自分も小説書くのは好きなんですが最近はレベルの高い小説、
とは何かが分かりません。
面白ければいいのか、唸らせるような展開を見せるのか、
まぁ両方できればそれに越したことはないんですがね。

646 :まとめ人:2005/07/20(水) 23:43:46 ID:???
名前入れ忘れましたが↑はまとめの人です。

647 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/20(水) 23:54:20 ID:???
ジェダイになりたい・・・こう思った子供は多々いるに違いない。
上から
・消す理由は確かにないですね。記念すべき第一作ですから、残します
・イエス、画像表示を利用して、縦書きを実現したい次第です
・ここですが、HPのメインを本編にしたいので、もうちょっと検討させてください

思うに、他のあらゆる要素と同じく、人それぞれの感性ではないかと。まあこれは当然として。
自分の読む作品は、専門知識が半端じゃないですね。相対性理論とか数学的な理論、コンピューターや
医学などの理系学問知識を素人にもわかりやすいように説明してくれます。
それはつまり、それを理解しているということですよね(もちろん専門家の手助けもあるでしょうが)
T.クランシーの作品では、現代戦争が描かれていますが、本当に軍人や機関の人が書いているんじゃないかと
思えるほど、よくできてると思います。なんというか、重みとリアリティがある。
以前に日本人作家のSFを読みましたが、いまいちでしたね。
トップクラスの作品は次元が違いますね、やはり。才能じゃないかな・・

648 :まとめ人:2005/07/21(木) 00:11:53 ID:???
EP3を見るとジェダイの強さを疑わずにはいられません。
上から
・了解しました
・掲載する形的には、ハマタさんが書き込む→まとめが画像へ→掲載 でいいんですか?
・了解しました、確かにある程度波に乗ってからの方がいいかもしれませんね。

知ったかで書くと痛い目にあいますねwまぁそれは日常生活でも当てはまりますが。
スターウォーズは小説読んだことないけど表現するのも大変そうだ・・・。

でも自分はハマタさんの文章(リベリオン)はいいと思いますよ。
ああいった作品はあまり見ないし、序盤は結構展開的に多少の無理もある気もしますが
最近の場面と言うか雰囲気は序盤に比べて非常に良くなってますし。

やっぱりリアリティを表現できるかかなぁ。
いくら頑張って書いてもその場面が読者に伝わらなければ意味がないし。

649 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/21(木) 00:33:44 ID:???
そうですね、ただ改行とかの問題もあるので、後にその辺は伝えます。
展開はめちゃめちゃでしたね、後半に行くほど破綻してしまうパターンじゃないかな。
展開など中身に関しては、自分は悪い作品を読むことで、これはやってはいけない、と学びます。
むやみにこれはやってはいけない、これは注意する、ってな感じで。
リアリティは、統一しないとそこだけ浮いてしまいますね。徹底的にやらないと、むらができてしまいます・・・
映画戦国自衛隊も、妙な部分だけリアルっぽくて、全体的にはやはり無茶してた感があるかなあ。
邦画にしては珍しく、魅せる作風にしてたようですが、リターナーといい月子といい、
うまくいかないようで。泣かせる系はいいと思うんですが、いま会いにいきますとかはなかなか。

650 :まとめ人:2005/07/21(木) 01:01:09 ID:???
わかりました。

リターナー・・・見たことないんですが悪い印象しかないです。
CMが異様にうるさくてウンザリでした・・・。

雇われ店長さんも新作など期待しているので頑張ってくださいね。

651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/22(金) 19:12:07 ID:???
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/news/1121245160/l50

652 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/22(金) 21:58:27 ID:???
上のURLだけ張っちゃった・・おすすめスレ
小野不由美の作品を見てきましたが、あれ――屍鬼を読む気にはなれんですね・・・多い。
他作品も・・・東京見聞とか・・・
とりあえず亡国のイージスを購入、戦国自衛隊は薄すぎたのでやめ(リメイク? 100Pないんじゃないかな)
邦作はあと春樹先生のでも読んで終わりでいいかな。有名どころがわからない。
大御所で有名なのって他に何かあります? 村上春樹のもあんま惹かれるのないし、軽いのがいいな。
あと、バトル系の漫画でこれは読んどけみたいなのあります? なるべく新しいやつで。
古いやつ(90年代)で有名なのは大体読んだと思うので。

653 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/22(金) 22:08:29 ID:???
ジャンプ 海賊 狩人 忍者 死神 剣心 幽白 ダイ ジョジョ 梧桐 武装錬金
     封神 シャーマン DB  Dグレ 勝さん 
他    レイヴ GB KYO 烈火  鋼錬  
あと何かあったかな・・・こう挙げるとそんな多くないか・・・
最近のジャンプは知らないし、何か面白いのあるかな。評判はあまりよくないけど。
植木の法則とかメル? はどうでしょう。植木は面白いと聞きましたが。    

654 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/22(金) 22:26:52 ID:S11o/Cjf
ボーボボ


コメディを書く時結構参考になる。(ジャガー・ミスフルも)



あ、バトルか……

655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/22(金) 23:01:46 ID:???
植木の法則は能力バトルものとしては工夫があって面白いけど
メルは壊滅的につまらない。道具が強いもの勝つだけ。

レイヴは後半やたらと、ぐだぐたな展開になった印象しかないな。
やっと来週終わるけど。

656 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/22(金) 23:41:14 ID:???
首領パッチー! バババーバ・バーババ。

植木の法則読んでみようかな。工夫も必要だしなあ・・・
オラシオンセイス・・・ラスボスだと思ったのに・・

657 :まとめ人:2005/07/23(土) 00:16:23 ID:???
GANTZ絶対オススメです、誓ってもいいです。
絵でも非常に参考になります、CG使って書いているそうです。
最新巻は17で2ちゃんねるについても触れてますよ。
バトルシーンで燃えますよ、毎回違う星人が敵です。
とにかくしつこいですがオススメです。

それからヘルシング、宗教色が強いんですが、だがそれがいい。
吸血鬼に関する物語でスケールもぶっ飛んでいていいです。
それとちょっとネタバレで今の敵はナチスなので軍事兵器も出てくるので
戦闘の攻守というか攻防などがとても生々しく参考になります。

まぁこの2つは絶対に読まなきゃ損ですよ。


658 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/23(土) 00:47:14 ID:???
ガンツは9巻くらいまで読んだのですが、意味不明過ぎていまいちでした。
仏像とかめちゃ強かったり、星人とか、会わなかったな・・・
ヘルシングは青年誌でしたっけ? 軍事戦略をもっと学びたいので、目を通して見るかな。
クランシーは専門的過ぎて、漫画には向かないかもしれない。
総じて自分は青年誌の雰囲気になじめないんですね。寄生獣もちょっと・・・
自分はやはり少年誌が好きです・・・

659 :まとめ人:2005/07/23(土) 00:55:03 ID:???
確かにガンツは不明な部分も多いですからね。
今はガンツを知っている敵が出てきていますよ。

ヘルシングは最初は絵がヘタですが途中からまとまります。
軍事戦略という点では結構いいと思いますよ。
ノリ的にも少年誌っぽいところありますし。

自分は成年誌の方が好きでしっかり寄生獣も読んでいます。

660 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/23(土) 01:04:08 ID:???
ガンツって伏線が回収される見込みがないとか聞いたもので。
少年誌は回収率高いですけど、青年誌は思うほどほったらかしが多い気が。
エリートャンキー三郎はなかなか面白かったな。クロ高みたい。
明日また本オフ行ってくるか。。

661 :まとめ人:2005/07/23(土) 01:19:36 ID:???
伏線ですか、割りと今は回収の時期かな。
個人的に一番好きなキャラは仏像編のスナイパーでした・・・。
ああいう脇役書けたら良いんですけどね。
それとエリートヤンキー三郎検索したら欲しくなりましたw

そろそろ自分も小説書こうかな・・・。
漫画にしたいネタならいくらでもあるけど絵心がないので、
小説にしたいネタはあまりない。

662 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/24(日) 02:39:36 ID:???
http://etc4.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1119128332/
週漫板の特にアンチ系のスレはなかなか参考になります。
結構客観的な意見も多いし、取捨択一すればプラスになるかと。

663 :メジロ玉 ◆2AvvBJISTY :2005/07/24(日) 10:37:26 ID:???
コメディ描くなら
ボーボボ・ジャガー・ミスフル・ネギま、あとは電撃文庫のハーレム系(ワラ
がいいとオモ。っていうか俺はそれらを参考にしてる。

664 :メジロ玉 ◆2AvvBJISTY :2005/07/24(日) 10:56:34 ID:???
あと銀魂もいい柿酢。

665 :メジロ玉 ◆2AvvBJISTY :2005/07/24(日) 18:52:38 ID:???
絵板作っちまったwwwwwwwイマサラオソスwwwwww
ttp://fox.oekakist.com/shosetsu/bbsnote.cgi

666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/24(日) 22:57:21 ID:???
ハマタ氏か雇われ店長氏いる?もしくは両方。

667 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/25(月) 00:07:39 ID:???
はいはい

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/25(月) 00:10:31 ID:???
>>667
どもども。

なんかVIPの少年スレ、その他VIPPERの方だとリベリオンは打ち切りとか
店長氏とハマタ氏との不仲だとか色々誤解もあるようです。
まぁ報告した時に見てなかった人もいるかもしれないし。
んだから一回ちゃんと説明した方がいいんじゃないかなーと思って。


669 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/25(月) 00:16:50 ID:???
ああ、そういう話もありましたね。多分、一部の人だけだと思いますけど。
大半は気にしてないと思うけどなあ。あくまで推測ですよ。
今度は新作と一緒にまた乗り込みますよ。。

670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/25(月) 00:19:23 ID:???
あ、ご存知でしたか。
まぁ新作で乗り込めば大丈夫ですよね。
書くの頑張ってくださいね。

671 :まとめ人:2005/07/25(月) 00:20:16 ID:???
>>668
一応TOPに書いといたんだが分かりにくいかな?
もうちょっとチョチョっと軽く書いとくか・・・。

672 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/25(月) 00:24:49 ID:???
リベリオン――都合により打ち切りとあいなりました。
雇われ店長先生の次回作にご期待下さい。
リンクは削除していただいて結構です>>mato氏

これだけですしね、そう思われても仕方ないかも・・・
読者の方にはいきなりで申し訳ないけど、作家は作品で返す。
これでしょう。うーん、かっこいい・・・

673 :まとめ人:2005/07/25(月) 00:27:20 ID:???
ちょっと酔いしれ過ぎですよw
確かにその方が次回作で組んでいく時に堀江さんの言うシナジーが生まれますね。

焼き直しは大丈夫そうですか?
ちなみに自分もちょっと小説書き始めました。
掲載できそうなら掲載します(レベル的に大丈夫なら)

674 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/25(月) 00:35:31 ID:???
設定がまだいまいちで、バランスとかもなかなか定まりませんね。
バトル系の漫画は先駆者がたくさんいるから、かぶらんようするにもひと苦労です。
自分がいいと思っている作品とはかぶってもパクリとも言われても構わないのですが。
まだかかりそうですね。ローレンスをカットするか否か・・・いずれにせよ、設定は変わるでしょうね。

ニート社で掲載するのもいいですし、自分のサイトに組み込んでもらってもいいですよ。
作家は孤独ですから、仲間がいると嬉しいですね。

675 :まとめ人:2005/07/25(月) 00:48:39 ID:???
ロロロローレンスいなくなっちゃうんですか?

ちょっと生意気言わせてもらいますと・・・
話の流れ自体はとてもいいと思うんですがね。
バランスもいい感じに均衡してきて。
ただちょっとイメージしにくい場面があったところかな・・・。
ちょっと広がりすぎてる部分も含めて。
でも書き方自体良くなれば大分いい気もします。

ニート社はちょっとVIPもアレな状態なので多分自分のサイトかな。

まぁ要望があれば何でも言ってくだされ。

676 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/25(月) 00:54:28 ID:???
情景描写の不足と世界観の統一性がなかったのが失敗でした。
バトル系漫画はバランスが命なので、練りに練らなくては・・・
あと今度は主人公もフォースを使えるようにすると思います。
より少年誌っぽくします。

確かにVIPは小説より漫画のが反応いいかな? 僕も漫画のが好きですが。
小説は小説向きの話がありますしね、少年誌よりは青年誌に性質が近いかも。
ラノベは読みやすく、目にも優しいと思いますけど。ロスユニまた買っちゃった・・
すごい薄く感じる。

677 :まとめ人:2005/07/25(月) 01:06:44 ID:???
主人公がフォース使えるとなるとかなり変わりますね。

VIPの漫画面白いですもんね・・・。
熱い競馬漫画とか相当なレベルですよ。

ジャンルをバトルものにするか日常ものにするか非常に迷っています。
バトルものだとどうしても既存のものに似たものしか思いつかない。
かといって日常的なものはちょっとスリルに欠ける。

能力とかだとジョジョ、黒い服だとマトリックス、辛いね。
ただ漠然とそこに力があっても理由がないと不自然な気もしてきた。
何かがきっかけで力が存在するとか・・・。

678 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/25(月) 01:14:27 ID:???
ブラリなんかは設定もオリジナリティがあって、絵も上手いし、申し分ないですね。
ただあれは萌え系なのかな・・・?ツバサとかみたいな
バトル系は設定が既存とかぶりまくりなので、苦労すると思いますよ。
最近のそういった類のものを読んでいると、問題はなさそうですが。
より既存の設定を昇華できるかも、腕の見せ所かと。だって大体がジョジョとかぶっちゃうし・・・
先にやったもん勝ちなんだから、気にすることもないでしょう。
ようは面白いか否かですよ。頑張ってください。

679 :まとめ人:2005/07/25(月) 01:15:59 ID:???
ありがとうございます。早速書きます。

それとTOP微妙に更新しました。
ハマタさんも頑張ってください。

680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/25(月) 20:15:02 ID:???
絵板反応すらナスwwwwwwキングカワイソスwwwwwwwww

681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/25(月) 22:43:14 ID:???
まだ書き始めなのだから反応を求めてはいかんよ。
その筆で読者の心つかむんだ!

682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/26(火) 11:33:50 ID:???
いや俺作った本人じゃねーよwwww

683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/26(火) 20:17:08 ID:???
>>682
君も書けば問題なしwwwwおkwww

684 :hamada ◆/I03giEWww :2005/07/28(木) 19:36:56 ID:???
さて、今日は丑の日。夏バテには栄養を採らねばなりません。
うな重を買ってこよう・・・・高いですよね。

685 :まとめ人:2005/07/30(土) 22:41:32 ID:???
うなぎは2箇所の親戚から2食分来たので二度ウマーです。
片方はおいしくなかったけど・・・もう片方は天然でした。
やっぱり味はかなり違いましたね。
これも文学の肥やしとなるもんですよ。

686 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/07/31(日) 14:39:56 ID:???
なんかFLASH作る上での声優みたいの
やってるとこなかったっけ?あそこに依頼したらドラマCDみたいの出来るんじゃね?

ただリベリオンは休載中だから特別編シナリオを書く暇が浜田氏にあるかどうか。

687 :まとめ人:2005/07/31(日) 20:43:09 ID:???
>>686
それらしきスレは見つけた。
けどあんまり進行してないのかな?よく見てないけど。

688 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/08/01(月) 21:57:35 ID:???
これか
FLASHアニメ声優になろう!5幕目
http://pc8.2ch.net/test/read.cgi/swf/1119866302/l50

専ブラなきゃ見れないからね。

689 :メジロ玉 ◆2AvvBJISTY :2005/08/02(火) 09:17:56 ID:???
リベリオンが休載した瞬間過疎ったな

っていうか俺もそろそろこの板に移行しようかな…

690 :まとめ人:2005/08/03(水) 01:51:20 ID:???
>>689
もう移動してもいいと思うよ。
ただどうなんだろうな、よく考えたらこの板占有してもいいのだろうか?
まぁそれは人が増えてから考えるかw

しかしなかなか書く暇がないな。
ネタはある程度決まってきたんだが・・・。


691 :名無しさん@また挑戦:2005/08/05(金) 21:09:35 ID:cyxyUrwI
アニメではありますが、逆襲のシャアを見て改めて自分の文章の浅さを知りました。

なんか一種の社会に対するアンチテーゼといいますか、
まぁそれまでに構築された世界観があればこそできることですが。
やっぱり文章でそれを表現するとなると難しいですよね。
アニメや漫画などの動であればある程度やりやすい気もしますが・・・。

なんにせよもう少し現代社会のことについて勉強しなくちゃならなさそうです。

692 :まとめ人:2005/08/05(金) 21:10:11 ID:???
すいません、↑は自分です。
間違って押して名前未記入の上にageてしまいました。

693 :名無しさん@また挑戦:2005/08/06(土) 23:23:18 ID:???
ガノタ

694 :hamada ◆/I03giEWww :2005/08/09(火) 00:45:56 ID:???
最近はものを知らない先生方が多いと言われますね。
知識以前に、物事の認識的な考えが欠落しているとかいないとか。
最近の傾向を知りたく、ジャンプを定期購読しようと考えているんですが
途中からって買いづらいですよね。漫喫で単行本を最新刊まで読んでも、
埋められない間がありますが、これはやむ得ないのかな?
読み続けていないと理解できない作品が結構ありそうなので。

695 :まとめ人:2005/08/11(木) 20:44:48 ID:???
>>693
実は逆襲のシャアは見るの初めてでした。

>>694
オークションや楽天で中古を全巻セットで買うのはお得です。

関係ないですが島袋先生が帰ってきましたね。

696 :hamada ◆/I03giEWww :2005/08/11(木) 23:40:08 ID:???
たけし昔読んでたな・・ワンツーボス? だっけかな、アフロの超必

大体構成は出来てきました。もうちょいだな・・フォースの設定が一番面倒です・・
かぶりはしょうがないかな、能力系はもう飽和だと思うし・・・

697 :hamada ◆/I03giEWww :2005/08/13(土) 00:58:44 ID:??? ?
ジョジョ5部読破しました。
あのパターンには慣れましたが、最後の一連の流れが理解不能でした。
結果的にボスに勝ったわけですが、意味がわからなかった・・・
ジョジョファンの人は、ああいった深い意味をちゃんとわかった上で語っているんでしょうか。
絵が汚いと言う人がいますが、何となくそんな感じがしました。何が起きているのか、いまいち把握できなかった。
雇われ店長氏やデフュージョンの人はその点で非常にいいと思います、個人的に。
でもミスタはカッコよかったなあ。荒木先生はキャラの創作が得意だなと思いました。

698 :まとめ人:2005/08/13(土) 22:17:35 ID:???
>>696
ファンレター送ってサイン入りリ返事を持つと言うジョジョファンですが、
やっぱり個人的には3部が好きです。
5部は最後のところはわかりにくいですよね。
5回は繰り返し読まないと理解できません。

絵は3→4→5となるに連れて細々としてくるので分かりにくくなってますね。
別に細かいのが嫌なわけではないのですがね・・・。
キャラは活きてるのに話がもったいないという話は多いですよね、
というか毎回キャラ設定はいいのに作品の趣旨から外れていく・・・。

構成練るの頑張ってくださいね。
そこら辺は自分も難しいです。

699 :名無しさん@また挑戦:2005/08/17(水) 14:11:38 ID:???
>>697
禿同

700 :hamada ◆/I03giEWww :2005/08/20(土) 23:32:53 ID:???
漫喫で読みたい漫画は大体読み終えました。できれば青年誌も読んでおきたいですが、
この位にしておこうかと思います。ヘルシングだけは読んでおこうかな、アーカード? が強いらしいので。
あとは小説を数冊読んでから、執筆を始めようかと思います。そこそこまとまったし・・

能力バトルものということで、ハンターみたいな感じになると思います(いい意味でということになるよう頑張ります)
術・超武器などを無くし、世界観に統一感を持たせます。
主人公は護衛官を目指すフォース使いになる予定です。ので、少年漫画らしくなると思ってます、いい意味で。

ジョジョ6部を読破しようと考えてましたが、ウェザー・リポートが出てきたあたりで飽きちゃった・・・
能力の描写がわかりづらく、重力とか取立人とかもう・・どうやってマリリン・マンソンに勝てたか、理解できなかった。
彼女が狙いがディスクだと言わなかったのが違反? そんな制約あったっけ、とか
あと肝臓・・・
プッチ神父と衝撃のラストは興味あるけど、展開が遅い・・・いつの間にか戦闘が数週に渡っている。
ジョリンはかわいいのになあ


701 :名無しさん@また挑戦:2005/08/27(土) 19:18:01 ID:???
テレビッ子に一大事だ。
内Pが終わるよorz

702 :まとめ人:2005/08/27(土) 23:31:17 ID:???
>>700
ヘルシングはマジおすすめ
ただ最初の方でちょっと嫌かも知れんけど後半絵がうまくなるからw

6部は最後まで読んでない、真のジョジョファンにあらず。荒木先生ゴメンナサイ。

>>701
9月いっぱいらしいね、ウッチャンはこれでもう番組が・・・。

703 :hamada ◆/I03giEWww :2005/08/28(日) 00:19:57 ID:???
残念ですね。デスアクトが始まった辺りから下降気味だった気もしますが・・
あの究極時間で残すは、ぷっすまだけか。これもまた微妙ですが・・・
また新しい番組を発掘するしかないか。やっぱ質的には深夜ですよね。

知り合いが漫画家を目指しており、持ち込みの日々だそうです。
見せてもらったものはまだまだでしたが、絵は描くほどうまくなるよといっちょ前にアドバイスしました。
深夜バイトしながら頑張っているらしく、作家を目指す人間のあるべき姿だな、と感じました。
自分も頑張ろうと思いました

704 :名無しさん@また挑戦:2005/09/05(月) 22:00:57 ID:???
いつまでも待つよ。

705 :名無しさん@また挑戦:2005/09/09(金) 18:28:31 ID:jthpd64n
リベリオンおもしろいいおよおおよおおお
今読み始めた

706 :hamada ◆/I03giEWww :2005/09/10(土) 18:43:48 ID:???
>>まとめ人
http://neetsha.com/bbs/up/vip5265.jpg
これを試しにアップしていただきたいのですが、jpgで良かったのかな?
それとも、ここにペーストしたほうがいいのかな。

707 :まとめ人:2005/09/10(土) 21:27:37 ID:???
>>706
どこにどういう形でアップすればいいでしょうか?
文章については私の方で貼られた文章をまとめてるか、
ハマタ氏自身が画像としてまとめてURLを張るかはどちらでもいいですよ。
ただ私の方で画像にまとめると文章の区切りに若干のハマタ氏の考えとの差が出るかもしれません。

それと合ってるかは分かりませんが一応突っ込んどきます。
・対策網を整えるでなくて普通に対策を練るでいいかもしれません

・対策の2が全体的にやや分かりにくい。
調査者の具体的な身分(?)が分かりにくい(おそらく民間調査機関の人?)
調査員とした方がそれっぽいかもしれません。

身分者への聞き込みなどの直接的な方法を取ることを調査者に伝えるがちょっと日本語的におかしいかも。
聞き込みする人に対してその方法を伝えるということですか?

3については 政府側が完璧に把握している必要がある
の一文は3だけを見れば一見して(能力)を把握している必要があると取れますが、
2を踏まえると(対象者の生涯記録証明)を把握している...とも取れますので
はっきりと表記した方が良いかもしれません。

一応言っておきますが疑問に思っただけなので矯正すべきかは分かりませんw

708 :hamada ◆/I03giEWww :2005/09/10(土) 21:53:20 ID:???
できれば上記のような形で、こちらで画像として提出し、まとめ人氏のほうで
まとめサイトのほうに上げていただきたいです。
表示の仕方は試行錯誤してみようと思いますが、とりあえずどんな感じになるかを見ておきたいのです。
文章のほう指摘どうもです、推敲しなくちゃ・・・

709 :まとめ人:2005/09/10(土) 22:44:08 ID:???
こんなんなりました・・・

http://www.geocities.jp/hey2chsyo/test.jpg

710 :まとめ人:2005/09/10(土) 22:45:27 ID:???
クリックでは開けないので直接貼り付けてアクセスしてください。

711 :hamada ◆/I03giEWww :2005/09/10(土) 23:03:13 ID:???
下の黒いのは何だろう・・・?
拡大すると要スクロールになってしまうし、そのままだと字が薄くて読みづらいかな・・
これってどうにかして見やすくなりませんかねえ。読みやすくないと読んでもらえない・・
新都社本部に貼ってあったツール? は今のとは違うのかな。

712 :まとめ人:2005/09/11(日) 00:21:14 ID:???
>>711
何で黒い部分入るのか正直分かりません・・・。
ファイルサイズでなく単純に大きすぎるからgeoの方での制限かもしれません。
ツールは申し訳ないですが知らないです。
とりあえず何かいい案はないか考えておきます。

それと掲示板の方に曲作りたいという方がいましたよ。

713 :hamada ◆/I03giEWww :2005/09/11(日) 01:08:34 ID:???
よろしくです・・自分も努力はしてみますね。。
曲ですか? ローレンスはある名無しさんの原案ですし、漫画は雇われ店長氏ですから
自分一人では勝手なこと言えませんが、ほかの二人も「は? ふざけんなよ。著作権がよぉ〜」
とはいわないと思うので、どうぞどうぞ。印税入ったら焼肉おごってくださいね。

714 :名無しさん@また挑戦:2005/09/13(火) 23:11:05 ID:???
【面白い漫画の定義】 
・1ページ目を開いたときに目に飛び込んでくる斬新な画風、コマ割り
・読みはじめの掴み。どうやったら読者が興味をもってくれるか?
・読みやすいせりふの配慮(なるべく外側に噴出し)
・ページの最後は興味をそそられるような配慮をする
・絵だけでも何をしているのか分かるような、ある意味単純さ
・リアルな感情表現
・リアルなしぐさ 


715 :hamada ◆/I03giEWww :2005/09/17(土) 00:16:52 ID:???
http://neetsha.com/bbs/up/vip5339.jpg
キャラ案を描いて、さらにペン入れなるものをしてみました。ちょっとは漫画っぽくなったかな。
ほかにどこにベタ等をしたいいか、アドバイス求みます。。
ストーリー、世界の設定などはほぼGOなんですが、肝心の能力部がいまだまとまりません。
念がほとんど完成形で・・・どうしろと・・・
というわけで、絵を描きながら日々思考中です、やれやれ、ジャンプ連載は遠すぎる・・

716 :まとめ人:2005/09/23(金) 21:26:51 ID:???
どうもお久しぶりです。

いろいろうpして見た結果からは原因は分かりませんでした。
が、ふとファイルサイズを見てみるとハマタ氏のファイルは1MB以上あることが分かりましたw
最初に気付かなかった私がアホでした。

ttp://www.geocities.jp/hey2chsyo/test4.JPG
のようにいくら画像サイズを大きくしても黒くはなりませんでした。
というわけでファイルサイズが原因かと思われます。

717 :テスト:2005/09/24(土) 01:08:42 ID:???
「世はそれぞれの発展を遂げる。世が広ければ鉄道はどんどん速くなり、せまければテレ
ビがどんどん小さくなる。死者が多ければ医療が進歩し、子供が増えればゲーム業界が活
性化する。フォースは個人の価値を変える。仮にフォースが存在しないとすれば、政治家
たちは他のものを模索しなければならない。
理論上では国一つを一撃で焦土にできる科学兵器がすでに可能であり、WOSは開発を
禁止した。もし、それがシステム化されれば――競争になれば、いずれその範囲は惑星単
位となり、最終的に銀河単位に達するだろう」


718 :まとめ人:2005/09/27(火) 00:57:08 ID:???
内P終了!

719 :hamada ◆/I03giEWww :2005/09/28(水) 20:59:46 ID:???
>>内P
最後は少しほろっときました・・・自分が一番好きなのは、笑わせ王をぷろでゅーすのレッドでした。

ペイントって難しいですね、こんなんで絵なんて描けません・・・色塗るのも難しいです・・・
二極化? という機能って高いソフトにしかついてないんですかね。これあると取り込んだ絵の線を黒にできて、
塗りつぶしが楽だと聞いたもので。

720 :hamada ◆/I03giEWww :2005/09/30(金) 23:01:31 ID:???
>>まとめ人
いますかね? 一つお願いがあるのですが。

721 :まとめ人:2005/10/01(土) 14:16:33 ID:???
今はいますけどもう少ししたら出かけますので
用件だけでも書いておければと。

722 :まとめ人:2005/10/01(土) 20:57:41 ID:???
お出かけ終わりましたので何でもお願いどうぞ。

723 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/01(土) 23:14:48 ID:???
http://www.jtw.zaq.ne.jp/ffxi/vip/shou/tim1.txt
http://www.jtw.zaq.ne.jp/ffxi/vip/shou/tim2.txt
これをHTML化? して欲しいんです。テキストだと読みづらいと評判なので・・
して、いま続きを書いているのですが、挿絵やキャラ絵も掲載しようと思うので、
できればサイトを作って欲しいなあ、なんて・・・簡素なものでいいんで・・
纏さんも新都社運営大変そうなんでできればこっちでやったほうがいいかなと。
でも自分、PC知識がないので・・

724 :まとめ人:2005/10/01(土) 23:41:12 ID:???
サイトの方はどんな方向性にすればいいんでしょうか?
現在のサイトを新しい方向に、でいいんですか?

その作品に関するサイトでいいのか、浜田氏に関するサイトなのか。


725 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/01(土) 23:59:33 ID:???
新リベの原作は新都社に載せる予定はないので、別に作って欲しいですね。
面倒でしたら、一緒でもかまわないんですが。

726 :まとめ人:2005/10/02(日) 00:08:22 ID:???
でしたら新しくWebスペース用意するのもあれなんで
今のサイト内にこの作品用のスペースを用意、でOKですか?

727 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/02(日) 00:16:36 ID:???
それでお願いします〜無理言ってしまってすいません!

728 :まとめ人:2005/10/02(日) 00:20:37 ID:???
いえいえ、最近はちょっと忙しいんですが
少しずつでよければ更新していけると思います。
とりあえず明日にでもつくり始めるので気長にお待ちください〜。

729 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/06(木) 00:25:17 ID:???
雇われ店長氏がワロスにて連載を始めたようですね。
作者名が違うのですが、絵ですぐわかります。雇われ店長氏もヘルシング好きかな?
見てて、おじさまを描くのが上手だなと感じました。小畑先生みたいですね。

大人の科学を購入しました。本格プラネタリウムが2200円! コストパフォーマンスはグッドだと思います。
まだ作ってませんが・・・連休にでもいそいそと作成しようかな。

ボツ設定など
・プライベート・プラネット(能力)
 自分の周りに大気圏バリアを発生させる。入射角を計算しなければいかなる攻撃も
 摩擦で燃え尽きてしまう。使いづらい、ボツ
・ブラックホール(能力)
 三段階中の最上位の能力、潜在。直径5ミリのブラックホールを発生、潮汐力で範囲内対象を引きちぎる。
 対価は命。ありがち、強すぎ、ボツ
・マダックス(武器)
 弾道を見切る能力者対の武器。変化球の要領で(実際できるかは不明)弾道を変化させ、見切りづらくする。
 銃のモデルによって得意な変化が異なる。非能力者の活躍が見込める。リスク、扱い方など未考、再検討
・イントゥージョン・ホラー(能力)
 対象の潜在恐怖を具現化(ネコが嫌いだったら、魔猫的なものを具現化)、トラウマが強いほど高威力
 某小説から拝借、ありがち、抽象的、ボツ

現在ジャンプを想定して、設定等を検討中。ハンタ読者層(高校生から大学生くらい?)を狙う。
新人不足の集英社の救世主を目指す。

730 :雇われ店長ことオウナー:2005/10/06(木) 02:05:46 ID:???
気付きました?ww暇つぶしって感じです。実際はそれほど暇でもないんですけど。
名前はただ店長を英語にしただけです。そのままってのもあれだったんで。
ヘルシングはみたことないですね。上のほうでまとめ人さんが推薦してたんで
464.jp(wで読もうと思ったんですが準備中かつブラウザじゃ面倒くさいんで未読のままです。

最近はニュー速で祭りが起こりすぎていて疲れましたw

731 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/11(火) 23:48:30 ID:???
>>雇われ店長
ニュー速、最近面白いですよね。ニュー速で雑誌つくったら、政治系が多いんでしょうね。
亀井列伝とか、今日の小泉総理が漫画家されたら面白そう・・

久々にここで小説を連載しようと思います。ジャンプの読み切りを意識してみたので
そんなに長くはならないと思います。リベのほうはもうちょっと設定が煮詰まらないので。。
人も減ったでしょうけど、お暇でしたら読んでください。

732 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/11(火) 23:52:26 ID:???
ヴィンセント鉄道からお客様へ三つの約束

 1.当社はお客様の“安全”を保障します。万が一、お客様が怪我をされた場合、完治
までの治療費、損害を全額負担するとともに、旅行代金を全額お返しします
 
 2.当社はほかのどの社よりも早く、お客様を目的地にお連れします

 3.当社はお客様のご希望全てに応え、ほかのどの社よりも快適な旅を提供します



ビッチ・ヴィンセント


                         
                                                      
   


  人はたとえ大金を積んでも無駄な時間を買おうとする
  その時間が価値あるものだと信じているからだ
                     ――ビッチ・ヴィンセント





  すばらしい旅をありがとう
  すばらしい時をありがとう
  すばらしい思い出をありがとう
                     ――ゴーレッジ・ウェイク


733 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/11(火) 23:53:37 ID:???
          〜フロンティア〜



 全面ガラス張りの長距離鉄道専用駅は、世界有数の敷地面積を誇るにもかかわらず、小
走りも困難なほど混み合っていた。ホームの数こそ建造当時に比べればずいぶん減ったが、
三回の改装も手伝って、建物自体は非常にきれいに保たれており、今なお現役で稼動して
いる『ビッチベル駅』は、週に二本の“大陸横断鉄道”を迎える。うち一本は首都《セン
トアリーナ》、もう一本は極南の都市《サンタマリー》を出発し、三日かけてこの駅に着く。
そして乗客を入れ替え、再び都市部へと運転を始める。
ほかに《セントアリーナ》からの列車を受け入れる駅は『ノスタルジア駅』があったが、
客数の減少により先日閉鎖された。今は化学廃棄物処理場に姿を変え、跡地は面影すらな
い。鉄道博物館にしようという案もあったが、場所のこともあり、すでに首都にある歴史
展示館で事足りるだろうと断念された。もともと『ノスタルジア駅』は『ビッチベル駅』
の予備として建造されたもので、政府も歴史的価値は低いと判断した。特に反対する声も
なく、処理場はすぐに建った。
「すいません、通してください」ペリッシュは人ごみを乱暴に掻き分けながら、立体的な
構内をずいずい進んでいった。キルの手を離さないようにしっかり握りながら、セレモニ
ーの中心であるメインホームを探すが、人の流れはでたらめで、方向感覚がまるで働かな
い。まさか世界規模のイベント並みに混むとは予想もしていなかったペリッシュは、構内
図を覚えてこなかったことと甥っ子を連れてきたことを後悔した。キルが、のどが渇いた
とだだをこね始めたので、仕方なくステーションカフェによることにした。遮光性の壁で
囲まれたカフェは、僅かな照明で薄暗く、バーのような雰囲気だった。人ごみをしのごう
と、店内にも大勢の人がいたが、二人はどうにか席を確保することができ、ひとまず安息
を得ることができた。

734 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/11(火) 23:54:01 ID:???
「あたしはホットココア、キルも好きなの頼んでいいから、外に出ちゃだめよ」キルはペ
リッシュから500リク受け取ると、ドリンクカウンターの列に向かっていった。ペリッシ
ュはふーっと息をつきながら、牢屋の格子を模した窓から構内に目を向け、無意識に駅員
を探していた。都市部と違い、少数の駅員とコンピューターで管理されるこの駅には、ホ
ーム外に駅員などいるはずないのだが、ペリッシュは慣れない遠方の地で心細くなってい
た。やがて視線はガラス壁を通して、駅の外の風景へと移っていた。ここからではただ白
くぼんやり見えるだけで、ペリッシュはガラスに熱伝導システムがついていないのだと気
付いた。よく見れば天井ガラスにも霜がおり、外への視界をさえぎっていた。
「ここ、いいですか」見ると、ロングコートを着た背の高い男がこちらを申し訳なさそう
に見下ろしていた。190センチはあるだろう紳士風の男は、深々とかぶった帽子を片手で脱
ぎながら、その手で店内を示した。すでに満席で、スタンドカウンターも旅を終えた風の
若者たちでいっぱいだった。「非常に疲れたもので」
「ええ、どうぞ。都市部では珍しいことじゃないわ」ペリッシュが対面席に置いたジャケ
ットを自分の隣にどかすと、男はにっこり笑みを見せ感謝を表しながら、ワイン樽を再利
用したいすに腰掛けた。座っても男の顔はペリッシュの目線のずいぶん上にあった。どこ
の人だろう、ペリッシュは男の顔を見ながら思った。
「列車を見に? 都市部からいらしたようですが」男はペリッシュの格好を見ながら聞い
た。ヒーター内臓のジャケットは構内のショップで購入したもので、彼女にとってこの寒
さもまた予想していなかったことの一つだった。「その格好では寒いでしょうな」
「甥っ子が列車大好きで。あたしはその付き添いできたんですが、どうして男の子は乗り
物が好きなんですかね」彼女の言葉に、男は微笑んだ。
「列車は特別ですよ、お嬢さん。今日のこの人を見ても、それが伝わってくるでしょう。
最終列車の到着までまだ二時間もあるにもかかわらず、すでにホームはすごい熱気ですよ」
「そのホームに今から行かなきゃいけないことを考えると、めまいがしそう……」
 男はひげ口をもそもそしながら、また笑った。「こう言っては失礼でしょうが、女性に
はわからんでしょうなあ」

735 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/11(火) 23:54:22 ID:???
「本当です。量子テレポーテーションがある今、どうして時間を無駄にしてまであれに乗
るのか、女のあたしには理解できないわ」言いながら、ペリッシュはドリンクカウンター
のほうを見渡しキルを探したが、列は依然混雑しており、小さなその姿を見つけることは
できなかった。
「実はというと、私にも理解できないのです。なぜ人は科学の発達した現代でなお、大陸
横断鉄道などにお金を払うのか。あまりに非効率的すぎる」男は怪訝そうに言う。ペリッ
シュは男の言葉に賛成だったが、どこか引っ掛かる言い方に感じた。「この人だかりも、私
からすればやはり疑問です」男はわざとらしく首をかしげた。
「ではどうしてここに? お仕事ですか」ペリッシュは聞いた。
「いえ、私も今日の“引退式”目当てで来たんですよ。まあ、来たという表現は適切では
ありませんがね」ペリッシュは疑念を顔に出さず、ただうなずく。「知ってます? 《ヴィ
ンセント鉄道》の株、史上トップ10に入る高値をつけたんですよ」
ペリッシュは首を振った。「株は詳しくないので」
「これは異例ですよ。量子技術の《フォーゴッドン》やバイオテクノロジーの《シスバイ
オ》、トレジャーハンターの最大手《ハント・フォー・ロック》などの面子に顔をそろえた
わけですからね。それだけの価値があると、人々は思っているわけです」男は再び理解で
きないといった表情を見せた。経済にあまり詳しくないペリッシュにも、男が並べた企業
名は理解できた。どれも頭が下がるほどの功績を残した大企業である。彼らなら、宇宙す
ら買えるというジョークは有名だった。
「大陸横断鉄道の一等席は世界一高い乗車券ですからね。もっとも、乗車券なんてほかに
存在しないですけど」量子技術によって駆逐された旅客業界の中、唯一残ったのが二社の
鉄道会社だった。いずれも扱う分野は異なっており、それぞれ旅客と貨物に特化していた。
量子テレポーテーションもまだ完全には運用されておらず、制限は多い。貨物に関しては、
航空や船より有利な鉄道が残るだろうと考えられていた。

736 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/11(火) 23:54:56 ID:???
「三日もかけてこんな辺境まで来ることが、そんなに楽しいことなんでしょうかね」
「昔はもっとかかったんですよ。首都《セントアリーナ》を出発して、ここまで約二年―
―当時はリニアシステムが最新技術でしたからね。量子力学なんて、まだ魔法の時代です」
男の言葉に、今度はペリッシュが笑った。
「いつの時代ですか、それ。リニアシステムなんて学校の理科の授業以来、久々に聞きま
したよ。セントアリーナの博物館に展示してありますけど……、本当に昔はあれが走って
いたんですよね、なんかすごいわ」キルに無理やり連れて行かれたとき、唯一印象に残っ
たのが当時世界初だった“リニア列車”の古びた車両であった。その最高時速は988キロ
だった。
「ヴィンセント鉄道史上の幕開けである《ニューフロンティア号》は、当時最速の時速1888
キロを武器に、旅客業界に殴りこんだのです。地上を音速を超える速度で走行するのです
から、無論ドライバーにも非常に高度な技術が要求されたわけで――」
「違うよ、《ニューフロンティア号》の最高速度は1750キロで、コンピューター制御で走
ってたんだよ!」
 カップを二つ持ったキルが、男を見上げながら言った。ペリッシュはカップを二つ受け
取りテーブルに置くと、キルの体を持ち上げ、窓際の席に座らせた。キルはストローでホ
ワイトコーラを半分ほどまで飲み干し、また話を続けた。「それでも、ほかの鉄道に比べた
ら、抜群に速かったんだけどね。デザインも、主流だった《スターリニア社》製の型とは
全然違うし、いろいろな意味で話題になったんだ」キルは自慢げにそう切った。
「詳しいんだね、坊や。確かに公式記録ではそうなっている。コンピューターで制御して
いたのも本当だ。実際、音速は人の手に負える代物じゃなかったし、航空機にしろ高速船
にしろコンピューターなしでは運行は困難だったんだ」男がそういうと、キルはペリッシ
ュとは対照的に疑念を隠そうともせず顔に浮かべた。

737 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/11(火) 23:55:09 ID:???
「おじさん、もしかして“ウェイクの日記”持ってるの?」キルは急に目を輝かせながら
聞いた。“ウェイクの日記”とは、《ニューフロンティア号》の最初の乗客の一人ゴーレッ
ジ・ウェイクの記した旅行記である。その全てを事細かに記した貴重な“記録”は、数個
出まわったといわれるコピーで数億リク、たった一つの原本ともなると値段は非常に高額
になる。政府さえ入手できない“ニューフロンティアの断片”である。キルはどうしても
それが読みたかったのだが、そこそこお金を持っているペリッシュでさえそれは無理だと
拒絶された。コピーでさえ普通の人では手に入れられないことは知っていたが、それでも
キルはあきらめていなかった。
「持ってはいないけど、内容は全て知っているよ。記憶力はいいんだ。まあ正確にはそれ
を読んだわけじゃないけどね」男はゆっくりとそう言ったが、後半部はキルの耳には入っ
ていなかった。まだ少年である彼は、初めて身近に感じた“ウェイクの日記”に興奮を抑
えきれなかった。「そうだね、まだ時間もあるし、少しだけ話してあげよう」
 ペリッシュはそのやりとりをはたから見ていて、どこかおかしい光景だと感じた。“ウェ
イクの記憶”の価値はよく知っている。どう考えてもこの紳士風の男が持っているはずが
ないし、見た可能性も怪しいものである。長い旅を記した日記は非常に膨大な量であり、
どんなに記憶力のいい人間でも全てを覚えるなど神に等しい行為である。それでも、キル
の鉄道好きはわかっていたし、この紳士もきっと彼を楽しませようとわざと振舞っている
のだとペリッシュは思い、ホットココアを静かに飲みながら傍観することにした。
「何か飲まれないんですか? 買ってきましょうか」ペリッシュが聞くと、男は手で〈結
構〉と示した。ペリッシュは、彼がコートを脱がないことも気になっていた。
「リニアシステムの限界とも形容された世界最速の大陸横断鉄道は、統一965年12月26
日、首都セントアリーナを出発し、その歴史の幕を上げたんだ――」

738 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/11(火) 23:55:59 ID:???
続きはまた明日に書きます。

739 :店長:2005/10/12(水) 00:14:34 ID:???
SF好きにはたまらない感じの小説って感じですね。
てかやっぱ浜田氏本当に上手くなってますね。俺が言うのもなんですけど。

ホワイトコーラ・・・・・・なんか泣けてくるw
続きが楽しみです。

740 :まとめ人:2005/10/12(水) 22:28:13 ID:???
やはり書き始まると嬉しいものですね。
店長氏の作品見つからないのですが、ワロスって作品すごい数ですね・・・。

ところでやっとTime to Destination用のページ製作に入ったのですが
掲示板などは普通に小説書いたのだがの方の掲示板にリンクしちゃっていいんでしょうか?


741 :まとめ人:2005/10/12(水) 22:47:23 ID:???
一応試作ですができました、といってもトップページだけですが。
むしろ本家よりカッコイイのですがw
こんな感じでいいんですかね?

http://www.geocities.jp/hey2chsyo/ttd/ttd.html

742 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/13(木) 00:22:38 ID:???
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「大盛況だな。元がいいとこうも違うかね」
 通る声がビッチの耳に入ったと思うと、雷の音と光の差のようにして姿が目に入ってき
た。彼――ジャギはビッチと同期だがこの業界では先輩であり、めったに見ないきりっと
したスーツ姿で、今日の祝典を祝いに来ていた。ビッチはサングラスをはずし、礼を優先
させた。マナーはどの業界でも――彼が今から踏み込む世界は特に――欠いてはいけない
ルールだ。「世間の評価は理解できる範囲でされるもんだぜ。速さ、長さ、運賃、見た目。
お前の新型リニアはちとマニアックすぎたんだ」ミディック社が昨年投入した中距離列車
《スーパーアルペン》は鉄輪式のリニアモーターカーで、一部の人間のあいだでは、なぜ
今において車輪式なのか、メリットは? という疑問を呼び、数社マスコミが訪れたがた
いした話題にはならず、ひっそりとした着線式となった。「一般からすれば鉄輪なんで時代
遅れなんだ。地を踏みしめるというロマンは認めるがね」
「浮上式にはトラブルが多い上にコストが莫大だ。これからは使い分けていかないと厳し
いんだがな。速さだってそこまで違わんさ、長距離型以外は絶対これにすべきだね」
 鉄輪式と浮上式の違いはずいぶんと縮まった。数年前まで、この二つの間に存在するコ
スト、最高速度の差は歴然だった。この二つの熾烈な開発競争が、航空業界を脅かすほど
の最高到達速度をたたき出す結果となった。今でもコストに関しては経営に大きく影響す
るほどの格差があるが、一般的認知からすれば浮上にちょっと劣る鉄輪式、である。
「開発コストなんて会社と技術局の人間以外誰も気にしないのが現実であり、人はより速
い、より美しいフォルムに惹かれるもんだ。俺のはそういった意味で騒がれているだけで、
お前と俺に浮上式と鉄輪式ほどの差はないよ」ビッチは胸元の懐中時計を見ながら、ちら
っとジャギを見やった。〈俺は忙しいんでな〉という意味をこめたつもりだった。
「開発資料の見積もりのことなんだが、ありゃいくら何でも高すぎないか? 既存の浮上
式の倍はあるぜ。ミロクジラの水槽でも積まないとここまでの数字にはならんぜ」
 ビッチはわざとらしく時計を閉じながら、表情変えずにジャギに向かい直った。「本当は
水族館車両もつなげたかったんだがな、乗り物に生き物を乗せるにはやっぱりこれがね」ビ
ッチは親指と人差し指で丸を作ってみせた。「これから人を乗せて未開の地に行くんだ。
不測の事態は山ほどある。大陸横断鉄道は屈強じゃないといけないんだ」
ジャギはまだ疑問だった。「にしても――」

743 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/13(木) 00:23:05 ID:???
「しゃ・ちょ・う!」ビッチの背後から現れた若い女性が、頭分差のある彼の腕をひっぱ
たいた。胸にはビッチと同じかりんの花が添えられている。花言葉は“可能性”で、ヴィ
ンセント鉄道の象徴だった。ビッチはびくっとして振り向いた。
「すぐいく。粘着シートにつかまってしまってね」ビッチはジャギを顔で示した。「雇われ
時代の同僚で、ジャギ」続いて彼は自分より頭一つ低い彼女を示す。「ミス・ウィンター、
新入社員でナビゲーターだ」ビッチが言うより早く、彼女はジオチタン製の名刺をジャギ
に手渡した。これは予想外だったらしく、ジャギもあわてて自分の名刺を取り出し、さっ
と返した。
「ジャギさんも社長なんですか。若いのに立派ですね」その言葉に、ジャギは細い目を見
開きながらもらった名刺を指ではじいた。彼の癖だった。「準備できたそうですから、早く
してくださいね。では失礼します、よい経営を、ジャギ社長」そう言い、また人の群れに
消えた。
「よい経営を、ね」ジャギは人ごみを見ながらつぶやいた。
「あの娘は経済に興味がないんだ。意外に科学が好きなんだぜ、マルカム博士と仲がいい
んだ。よく開発課にお茶入れに行っていたよ」ビッチは再び時計を見た。今度は本意から
だった。「博士も喜んでいたよ、あんな若い娘としゃべれる機会なんて金輪際ないだろうし
ね」
「科学者は知りたがる人間を嫌いはしないよ」二人とも科学系の企業出身だった。ビッチ
はプレス担当、ジャギは開発系で、課は違えど共通の分野――工学システムを専門とする
二人はいい友人でもあり出世競争のライバルでもあった。科学に出世は無縁だとほかの社
員は批判的だったが、そういった部分での二人の考えは同じものだった。「なるほど、長旅
に安らぎは重要だ。これで不可解な見積もり欄の謎が解けたぞ」ジャギはにやにやしなが
ら、ビッチをからかった。「確かにその価値はある」
「手は出すなよ。ああ見えて結構厳しいんだ。社長自ら一時経営から離れることになるぜ」
「武術でもやってるのか? 確かに目は鋭いな」名刺に目を落としながら、ジャギは興味
を口にした。ナビゲーターの横に〈保安員〉と記してある。

744 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/13(木) 00:23:17 ID:???
「そんなところだ」ビッチはそうとだけ答えた。
「彼女が運転するのか? 全制御型なら設計図にあったようなけん引車両のスペースはい
らないだろう」首都圏を走る環状線によく見られるセミオートシステムは、長距離列車で
は珍しかった。「そもそもなんでマニュアルシステムなんてつけたんだ? 今のコンピュー
ターなら、どんなに大きな列車でも制御できるだろ。それこそ、ほかの複雑なシステムで
も想定していないと……」
「容量が足りなかったんだ。だから基本的にはマニュアル運転、睡眠などのときだけコンピ
ューターに任せる」
「正気かよ」ジャギは彼がいかれてると本気で思った。科学者らしからぬ、合致のいかな
い考えだった。
「それにさっきもいったが、彼女はナビゲーターだ。いくらリニアシステムに興味がある
といっても所詮は素人だ。運転は俺がする」
「何だって?」今日一番の驚きをみせたジャギは、真剣な視線をビッチに注ぐ。「お前も乗
るのか? ますます正気じゃねえ! くそっ、だから持ってるフォーゴッドンの株式全部
売りやがったんだな! アリーナのマンションも売りやがったな?」ビッチはうなずいた。
「どうして黙ってた? 何も言わずに数年も消えるつもりだったのかよ。未開の地を走ら
す列車がどれだけ危険かわかってるのか? それにお前――」
「だから社長自ら客を責任持って連れていくんだろう。それに黙って行こうなんて思っち
ゃねえよ。そのための着線式だろ」
 ビッチはそう言うと、会場が盛り上がり出したのを見て歩き始めた。ステージには役者
がそろっていた。「今からマスコミどもを大いに沸かしてやる」そのまま人ごみに消える友
人を、ジャギは複雑な面持ちで見送った。

745 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/13(木) 00:28:13 ID:???
今日の更新分終了と。あと登場人物イメージ、随時追加します。
http://neetsha.com/bbs/up/vip5868.jpg ビッチ
http://neetsha.com/bbs/up/vip5869.jpg ウィンター


746 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/13(木) 00:33:15 ID:???
>>雇われ店長
いやー、そう言ってくれるとうれしいです。でもここいらが限界でしょうね。
小説家の才能はなさそうです。
>>まとめ人
どうもです。確かに本家よりかっこいい気が・・・何事も進化します、いいことだと思います。
リンクは全部つなげてもらっちゃって結構ですよ、どれも自分の駄作ですから。
ワロスは作品数が多くて目当ての作品を見つけづらいのが難ですかね。
ちなみに雇われ店長氏の作品は『ジハード』です。評判もいいようで、見やすい絵がやはりいいですね。

747 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/14(金) 00:20:08 ID:???
------------------------------------区切り----------------------------------

「では今日の主役、ヴィンセント鉄道社長/ビッチ・ヴィンセント氏より、今回の旅路に
ついての説明をうかがいます」
 同時に会場は湧き上がり、マイクの集音スイッチが入るとまた静まり返った。静寂の中
心に立ったビッチは満足そうに笑みを浮かべながら、今日一番の見せ場を演じ始めた。
「祭典には多勢あり。貴重な時間を費やしここに足を運んでいただきありがとうございま
す。時間もおしていますので、早速説明のほうにいかせていただきます」
 ビッチは自ら“イメージヴィジョン”のプレイコンソールを操作し、セントアリーナ近
辺の略図をギャラリーの頭上に映し出した。会場となっているセントアリーナ駅が光点で
示されている。
「この点が、今皆様がいらっしゃる世界の中心《セントアリーナ駅》です。実に大規模で
すね。ご存知の通り、鉄道の歴史はここより幕開けました」今から240年前、スターリニ
ア社の創業者であるチャーチル・エドガートンにより、現在の鉄道社会の基礎が築かれた。
当時は航空技術の一片すらなく、内陸部を首都とした世界は鉄道の発達を素直に受け入れ
た。
「今でこそ、鉄道はリニアシステムを主軸とする高速列車を指しますが、鉄道の夜明けは
レール式を基本とした鉄輪式だったのです。現在セントアリーナとサンタマリーは一日で
結ばれていますが、当時はなんと二週間もかかる時代でした」会場から驚嘆の声が上がっ
た。世界の歴史と異なり、鉄道の歴史は一般にあまり知られていない。かのグレッグ先代
首相がリニア鉄道を“世界で最初の陸路旅客機”と言ったのは、こういった背景からだっ
た。事実、レール式鉄道を知っているのは国立大学校の学生と歴史研究者くらいである。
数多ある鉄道会社のほとんどの人間が、鉄道は鉄輪式リニア列車から始まったと思ってい
る。
「話がそれてしまいましたが、今回の目的地――まだ未公表でしたね、終点はここよりは
るか北へと向かった極北の地――ノースオデッセイであり、未開の地の終わりでもありま
す」投影された図の隅に赤い光点が現れた。

748 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/14(金) 00:20:56 ID:???
 彼の予想通り――会場は地鳴りのようにうなり始め、それはやむ気配なく、そこに加わ
ったマスコミのフラッシュや質問パネルが大きな興奮を演出した。未開の地……ようやく
空へ手を伸ばし始めた世界、その航空技術を集約した機械衛星“ミル・カーディナル”の目
も届かない地図上の黒地帯を指し、政府が開拓会社やプロの冒険家などに資金を提供しな
がら地道な解明を図ってはいるが、いまだ暗黒大陸は果てなく広がっている。専門家の間
では、世界の四隅は上に大きくつっぱったひし形になると考えられており――ミル・カー
ディナルによって西の果ては観測された――特に北は環境的にも厳しい極寒の地と予測さ
れているため、冒険家や資金のある大手開拓会社は主に東に目を向けていた。利潤を第一
とする企業はそうとして、個人での極北到達は困難であるという見解も、未開拓の要因だ
った。
「未開の地は長い歴史の中、人の手を拒んできましたが」会場がまた静まった。ビッチは
自信たっぷり言葉を続けた。「それもすぐに終焉を迎えるでしょう。人は空を飛び、数年内
には宇宙空間へ到達できるでしょう。人類初の宇宙旅行者が世界の全てを見たとき、知ら
ない名の地があっては悲しいのではないでしょうか。あそこがセントアリーナ。あっちが
ホーリック。あれが静海。こっちはスパイダー諸島にディープホルン海溝……あれ、あそ
こはなんだろう? ここも知らないぞ? あの白い雪原はなんていうんだろう? 宇宙に
はいけるのに、地上ではまだいけないところがある――彼は複雑な心境で世界を見下ろさ
ざるをえません。知ることは人の渇望だからです。冒険は人の心を満たすからです」――
静寂――「ヴィンセント鉄道の理念はまさにそれです。冒険……可能性……探求……。わ
が社の技術を集めた世界最速の大陸横断鉄道が、暗黒時代に、未開の地へピリオドを打ち
ます。私の自慢のリニア鉄道――《ニューフロンティア号》なら、それが可能です!」

749 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/14(金) 00:21:23 ID:???
 ビッチが高らかに声を上げると、メインホーム12番ラインのほうの照明が暗転し、イベ
ントディレクターが三日三晩考え趣向を凝らしたきらびやかな演出とともに、重厚さを帯
びた巨大な車両が姿を現し、歓声を呼び起こした。旅客列車としては異例の客車一両、つ
や消しブラックで塗装された、はたからでは何かわからない厳かなロングシャーシ車両を
含む全六両編成のそれは、主流の流線型デザインではなく、流体力学をまったく無視した
クラシックな車体だった。けん引車両には“New Frontier ”とサイドロゴが刻印されてい
る。列車がホームに進入してくるにつれ、歓声の中に驚嘆の色が混じり始めた。ビッチは
つくづく予想通りの反応に、表情をほころばせずにはいられなかった。
「最高到達時速1750kmにもなるこの《ニューフロンティア号》は、車体が超高速で安定
するように設計されており、初速/加速は鉄輪でおこなう“浮上鉄輪併用式”を採用して
います。詳しい技術的説明はあとでマルカム博士からありますが、搭載しているスーパー
コンピューター・エクセスZLL-449が上空のナビゲーションスシテム機と連動し、三方向
からなる磁場レールをどんな悪路にも正確に発生させ、《ニューフロンティア号》を導きま
す。長期走行につきものの燃料の調達は、導入コストが問題視されていた空中電子変換式エ
ンジンの採用により解決済みです。開発にはサラリーマン時代の親しい友人、ジャギ・ホー
ルド氏の資金協力があり、彼はわが社の株式の一部を所有しています。もし万が一、《ニュ
ーフロンティア号》にトラブルが発生し走行不能になった場合――無論こんなことはありえ
ませんが――国警より担当弁護士より、まっ先に彼の元に連絡が行くことになっています。
マスコミが国警の異常事態に気付き、現場からわが社の悲劇を伝えるより早く、ジャギは暴
落前の株式をさばいてしまうのです」ギャラリーがどっと沸いた。会場を包んだ笑い声は、
ビッチの耳に心地よく入ってきた。当人の顔を見たかったが、見渡すビッチの視界にその姿
は映らなかった。「では質疑など、あればどうぞ」
「当局の入手した《ニューフロンティア号》の設計図では、不可解な点がいくつも見られた
のですが、これについて――」
ビッチがさえぎった。「技術的な質問は、あとのマルカム博士にお願いします。ほかに?」

750 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/14(金) 00:21:44 ID:???
「なぜ目的地をノースオデッセイにしたのですか?」別の記者が聞いた。
「南の果て、西の果ては白く塗りつぶされました。東は政府の積極的介入もあり開拓は順調
です。私は東に関して、《ニューフロンティア号》には役不足であると結論付けました。な
ぜなら数倍到達の難しいといわれる北の果てすら、この最新鋭のリニア鉄道なら確実にたど
り着けるからです。乗車されるお客様にも事前ブリーフィング(要点説明)により絶大な信
頼をいただいており、乗車される六人全てのお客様がノースオデッセイを希望なされました。
みな私と同じく冒険心を持った方々で、満場一致の意見となったわけです。ほかに?」
「正確なデータのない地、ノースオデッセイに間違いなくたどり着ける、その根拠はなんで
しょうか」また別の記者が質問をした。
「これはまた厳しい質問ですな」ビッチはわざとらしく苦笑いを見せた。「確かに批判的な
学者――おもに数学者ですか、彼らからすれば確実を示す根拠を提示するのは不可能でしょ
う。ですが、鉄道が浮上式になった今日、事故が起こっていますか? 人が怪我しましたか?
 答えは“まったく”していない、です。なぜならリニア鉄道は絶対に安全だからです。彼
らの言う“絶対”は存在しませんが、一般的には“絶対”は存在するのです。彼らの意見を
考慮しても、旅路の途中にトラブルに見舞われる確率は“限りなくゼロ”です。お客様も納
得されています。このあとの《ニューフロンティア号》の詳細説明にて、それはさらに肉付
けされるでしょう。ほかに?」
「これは個人的なことになるので、不適な場での質問になりますが」まだ若い、しかし眼光
鋭い女性記者が前置きをした。「ヴィンセント氏は個人的に保有していたフォーゴッドン社
の株式を全て手放されたようですが、これについての弁明をお願いします」
「弁明もなにも、そのままの通りであり、他意はありません」向けられる鋭い視線を感じな
がらビッチは、記者としては優秀なタイプの人間であると彼女を見て取った。確かに個
人的な質問ではあるが、株式と会社経営は離して考えられるものでなく、許容範囲内かつ
受け手にとっては厳しい、非常にいやらしい類の探りであった。もちろん社長ともあれば、
こういった試練は避けて通れないものであり、ビッチ自身、前日に対マスコミ専門家のア
ドバイスを受けている。

751 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/14(金) 00:22:28 ID:???
女性記者は問いを続ける。「ではどういった意で、売却したのですか?」
「利益を確保するため、売り時だと思ったからです」ビッチは答えた。
「よく企業が株式を大規模に動かすことがありますよね、たとえば売却利益より重要なこ
とを見越してだとか」
 質問以外には答えない――ビッチは沈黙し、彼女から目をそらさないようにした。
「ヴィンセント氏が以前勤めていた会社を退職した時期、フォーゴッドン社の株を買われ
た時期、ヴィンセント鉄道を立ち上げた時期、フォーゴッドン社の株を手放した時期、そ
して今回の数年に及ぶ長期プラン――。どうでしょう?」
 あいまいな質問は聞きなおす――「質問の意味がわかりませんな、お嬢さん」声のトー
ンを落とし、ビッチは微笑んでみせた。
「ヴィンセント鉄道とホールド氏の同社の株式保有、フォーゴッドン社のあいだに何かあ
るのではないかと考えているのですが」彼女は無表情のまま言った。
 ビッチは答えず、沈黙を続ける。
「なぜこの先伸びるだろう、フォーゴッドン社の株を手放したのですか?」
 特定の質問を繰り返す――聞き出したい答えを引き出せていない。彼女はなにを探りた
いのだろうか、ビッチは考えをめぐらせた。面倒な奴につかまった。
「ヴィンセント鉄道、およびホールド氏とフォーゴッドン株売却はまったく関係ありませ
ん。私はお金が欲しかったのです」
「ではどうしてほかの株式は手放さなかったのですか? 開発資金の調達なら、ホールド
氏以外にもあったはずです。にもかかわらず、彼に頼んだのはどうしてですか? なにか
思惑があったのでは」彼女は食い下がる。ビッチは、実はこの女に深い思慮はないと知っ
た。ただこの大舞台で舞い上がり、何か問題を自分から引き出し、自分の実力をアピール
したいだけなのだ。ビッチは急に怒りを覚えた。
「君はもっと株式を学んだほうがいい。利益確定の売りとホールド(株を持ち続けること)、
株価の予測の難しさなどを知らない素人に、売買のあれこれを指摘される筋合いはない。
資金調達がおかしいだと? 君は私の友人まで馬鹿にする気か! この常識知らずめ」ビ
ッチは感情的になり、マイク台にこぶしを振り下ろした。場内に衝撃音が鳴り響き、沈黙
を招いた。女性記者は目を開き、口を閉じたままその沈黙に混じってしまった。やがてビ
ッチは彼女の顔から視線をはずし、冷静に振舞えと自分に言い聞かせた。
「ほかに?」――沈黙――「ではマルカム博士に譲るとしましょう」
 ビッチはマルカム博士と入れ替わり壇上を降りると、面白げな表情のジャギを来賓席に
見つけ、無様な姿を見せたと恥じながら隣に座った。


752 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/14(金) 00:26:22 ID:???
今日分おわり。
ジャンプの読みきりとかほざいていたけど、長さも内容も微妙ですね。
どっちかといえば青年誌系かな(自分的に)
いえ、このあとアクション気味になるんで、ジャンプ系だと思うんですがね。
まあ、短編小説としてお楽しみください。。

753 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/14(金) 19:43:38 ID:???
「気にすんな。報道系の記者だ、ああいうスタイルなんだ」ジャギが言った。「あの記者は
フォーゴッドンがなんの会社か知らないんだ。中身に興味がない奴は軽くあしらえ」
「俺もまだトップの器じゃないな。感情がささやいてくるんだ、〈いっちまえ〉って」ジャ
ギは同意の表情をみせた。
「ちがいねえ」

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754 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/14(金) 22:32:44 ID:???
「――であるので、磁界による列車本体への影響は一切ないのです。お分かりかな? こ
のシステムの生み出す磁力エネルギーの特性は通常と異なり――」
 ホーム奥に陣取る祝典会場からは、《ニューフロンティア号》の初陣を近くで見ようとす
でに移動を始めた人たちの列が伸び、場内には一部のマスコミとゲスト、科学者たちだけ
を残っていた。《ニューフロンティア号》は最終点検が行われており、終了次第すぐに出発
する手はずだった。
「まだ明確な回答が得られていないので、聞きなおさせてもらいますが、見積書の数字に
関して、納得のいく説明をお願いします。これはわれわれの単純な興味からで、深い意味
はありません。なぞを解きたいのです」
「ふむ……」場に残る人間の総意を受け取り、壇上のマルカム博士は、秘書とジャギに挟
まれる形で座ったビッチに視線を送った。ビッチはやや熟考し、やがてうなずくと例のロ
ングシャーシ車両をあごで示した。
「よろしい、警備上あまり公開は避けたいのですが、隠し続けるものでもありません」マ
ルカム博士が整備員にいったん作業をやめさせると、前から二両目に位置する窓のない黒
塗りのロング車両に助手が乗り込んでいった。「設計図では機関車両となっていた二両目と
六両目ですが、もちろん、《ニューフロンティア号》は先頭のけん引車両だけで運行可能で
す」マルカム博士は一呼吸置いた。「当列車はここセントアリーナを中心とする首都圏を出
発し、各自治区が納める外縁圏、政府管轄外の治外圏、そして地図上に示されていない未
開の地・荒涼圏へと抜け、ノースオデッセイに行き着くわけですが」頭上の略図でそれら
が示される。「個人での到達が不可能とされる二つの要因――一つは経済的理由からですが、
もう一方の問題、治安の問題が彼らを妨げているのです。自治区の治める外縁圏にも無法
地帯となっている場所は多々ありますが、その外の治外圏からは法のない、自然そのまま
の環境です。国警、圏境警備隊もここからは管轄外となります。住民はきわめて少なく、
狩人や農作家などがいるそうですが、われわれからすれば不知の危険な地であることは明
確です。さて、勘付いている方もいるでしょうが」

755 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/14(金) 22:33:14 ID:???
会場の注意がそこで鎮座する黒車両へと移る。数秒後、監獄のように無機質な風貌のボ
ックス型の車両上部が突出し、横側から中型程度のロケット砲が照明の下に出現した。さ
らに上側の平面から現れた小型機関砲と合わせ、六基の砲台がマスコミの度肝を抜いたが、
マルカム博士の言うとおり、科学者たちは確認の視線を送るだけのうすい反応だった。
「六両目も同様で、《ニューフロンティア号》の装備は、小自治区の中隊程度と渡り合える
よう想定されており、空撃機も破壊できます。これで開発費の数字、過剰なコンピュータ
ーメモリー共に説明できる十分な理由となるでしょう。これらの防衛システムは非常に高
性能・小型で、磁場走行に支障の無いよう設計された科学兵器であり、制御にはかなりの
メモリー容量を消費します。ので、その際、運転士自らが操縦の一部をマニュアル、また
はセミオートで受け持ち、ニューフロンティア号を走らせなければなりません。そのため、
全制御型のリニア鉄道としては初めて、専任運転士を乗車させることとなったわけです。
これでおもな疑問は解消されたでしょう」マルカム博士は切り上げようと言葉を締め、一
礼し壇上をあとにした。次いでみな会場をあとにし始め、祝典は仕上げを残すのみになっ
た。


------------------------------------区切り----------------------------------

756 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/14(金) 22:33:30 ID:???
 もし大陸が制覇されたら次はなんだろう?――ビッチはあるとき言った。
〈なんだろうって、そりゃ宇宙さ。海底だってある〉
〈宇宙も海底も、人の手には余るもんだぜ。個人で制覇するには限界があるかもな〉
〈宇宙は広すぎる割にいける範囲は限られるし、海底なんざただ真っ暗いだけの死の世界
だ。未開の地に比べれば、俺らには魅力はうすいだろうな〉
〈なら大陸はずっと未開のほうがいいのかな〉
〈世界はいつか絶対に開拓され、人の足跡は大陸の隅まで刻まれるさ。それがいつになる
かだけのこと〉
〈なら自分の歴史に刻みたいよな。世界の果ての土を〉
〈そうだな。もし俺らが独立できたら――自分の鉄道を持てたら、目指す価値はあるな〉
〈そこに世界一長い大陸横断鉄道の終着駅を建てるんだ。名前は最初にたどり着いた奴が
つけられるからな、早いもの勝ちってわけだ〉
〈なににする?〉
〈金の使い道は金を手にしてから考えるもんだ。着くまでの楽しみにするさ〉
〈でもよ、それじゃ目的地がないぜ? 鉄道ってのは始発駅と終着駅を結ぶのが役目だ。
学者が適当につけた地名を終着駅にするのはどうよ〉
〈むう、それもそうだが……すぐには浮かばねえよ〉
〈せいぜい、いい名前考えとけよ。その後の鉄道はみなそこを目指すんだ〉
〈自分の子供の名前より難しいぜ〉
――そうかもな。
「では、大陸横断鉄道《ニューフロンティア号》のクルーを紹介しましょう」
 警備員が多勢を押さえるホーム中央に、胸にかりんの花をつけた三人の男女が立った。
ちょうど《ニューフロンティア号》の先頭車両を背にする配置となり、マスコミも絶好の
アングルと見て我先に陣取りあった。ジャギの目にはそれがいまいち、現実的に映らなか
った。漫画を読みすぎて、ふと見上げた光景が現実なのかわかならなくなる感覚――それ
に似ていた。

757 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/14(金) 22:34:15 ID:???
今日はここまでと、


758 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/15(土) 19:21:52 ID:???
〜今日はお休みです〜

759 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/16(日) 17:45:42 ID:???
〜プレーオフ中継なのでお休みです〜

760 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/17(月) 22:46:10 ID:???
「右から、ベル・ウィンター。ニューフロンティア号のナビゲーターで、旅地でお客様を
案内します。彼女は銃を扱うこともでき、保安員もかねています」
ベルが満面のスマイルを見せると、いっせいにフラッシュが照らした。
「一生懸命学んだ大陸の知識を生かし、お客様の心に残る最高の旅になるよう頑張りま
す!」言って礼を一つした。
「ウィンターさんはいくつですか?」記者がさっと聞いた。報道というより、個人的な興
味が強かった。
「二十一です。記事にはもっと若く書いてくださいね」ベルが答えると、記者は笑った。
「ポンド・アグバヤニ。ニューフロンティア号の機関システムを担当するエンジニアで、
彼なしで長期走行は不可能です。クルーとしては高齢ですが、まだまだ元気なベテランで
す」
 作業着姿のポンドはせんべいをふやかしたようなぎこちない笑みを浮かべた。さらに無
理してにこやかに微笑もうとしたため、いくぶん不気味な表情となってしまった。フラッ
シュはたかれなかった。
「アグバヤニさんはおいくつですか?」また先の記者が聞いた。
「六十五」
「おお」記者は深みのある声を漏らした。〈果ての地に骨を埋める気かな〉
「磁場発生ポイント座標の位置や環境に応じた速度調整など、走行に必要なあらゆる計算
を行う“エクセスZLL-449”を管理する管理システム“feh-Z99-BNC”。通称バンチで、少
年のように見えますが、親しみやすいようにと設計者が自分の子をモデルにした立体映像
です。人工知能を備えており、人のように振舞います。科学の進化はすごいですね」
 バンチ(の映像)は子供とは思えない優雅な会釈をみせ、再びフラッシュの喝さいを呼
んだ。それが生意気さをかもしていたが、誰も機械的なものは感じず、少年といっても特
に違和感はなかった。
「バンチさんは何年製ですか?」また彼だった。

761 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/17(月) 22:47:16 ID:???
「興味ないことまでご苦労さま」いい、少年らしい意地悪い目つきで記者をにらんだ。「964
年製で、それから人間教育を受けました。マスコミ……マス・コミュニケーション、受信能
力を持つ人間全てに公開された、情報伝達のコミュニケーション手段で、たいていの人間
が送り手であるマスメディアのことを指して使い、誤用している」
 記者たちはカメラ越しの視線をはずし、ビッチのほうに向けた。
「というように、彼は正確な知識を備え、また優れた計算処理能力を持つエクセスを扱い
ながら、当列車の運行をスムーズに行ってくれます。車内食、空調、医療活動など、彼の
役目は非常に幅広いものとなっています」
非常に奥行きのある天井高のホームは満杯のまま、警備員がレール淵からさらにギャラ
リーを遠ざけ、客が乗り込むスペースを確保する。
「そしてドライバーは私、ビッチ・ヴィンセントが責任をもち受け持ちます」
その言葉は、特にビッチの周りの人間に――改めてジャギに――衝撃を与えた。
「――ヴィンセント社長がフロンティア号に乗り込むぞ!――」
「――やはり、今回の旅路は社長自らの希望だったんだ――」
「――専属運転士じゃないのか――」
「――数年も会社をあけるのは前代未聞だぞ――」
さまざまな反応が見られたが、それをビッチ自身にぶつけるものはいなかった。社長自ら
鉄道に乗り込む例は過去にも見られなかったが、ビッチはまだ若く、彼が工学系の人間
ということを踏まえれば、別に特異な点はない。中には、ヴィンセント氏が《ニューフロ
ンティア号》に乗り込むのではないか、と予想していた者もいた。
「そろそろ出発の時間のようです」今一度、数百人のギャラリーが集まった構内を見渡し、
ビッチはめぐる思いを表情に写し出した。「では皆さん、いずれまたお会いしましょう」
 ギャラリーの羨望を全身に浴びながら、六人の時間富豪たちが客車に乗っていった。客
車は四両目に連結されており、外装はそれほど目立つものではないが、内装は長期旅行に
相応しいものであった。窓外には別れを惜しむ客の親人の姿が見られる。

762 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/17(月) 22:47:44 ID:???
その客車の前方に配置された乗員室車両前には、見送りの人々が乗員を囲んでいた。
「先に乗ってるぞ。わしに見送り人はいないからな」そういい、ポンドはそそくさと車内
に姿を消した。
「いつの間にかこんな歳になっていたんだねえ……」ベルのそばに立った顔立ちのきりっ
としたおばさん――ベルの母が涙目で、しかし、しっかりとした言葉を娘にかけた。
「いつまでも子供じゃないのよ、母さん」だが返したその言葉に母はただうなずくだけだ
った。「父さんは?」ベルはいるはずの父を探すが、見当たらない。
「勇ましい将軍様も一人娘はかわいいのね」少しだけ微笑む母の目線の先をたどると、人
ごみに隠れうつむく軍服姿の父がこちらに時折に顔を向け、またそらしていた。
 察したベルはそちらに寄っていき、めったに見ないたじろぐ父に抱きついた。
「ごめんね。でも絶対また帰ってくるから」
 家庭を空け、東開拓の最前線に赴く父が最近見た娘の姿は、まだ抱きかかえられるほど
小さな頃のものだった。
大きくなった――父もまた、娘の成長を心から喜び、大きな腕を回し抱擁した。
「行っておいで。だが、必ず……必ず、私にお前の花嫁姿を見せておくれ……」それが泣
く父の、親として送った最初の言葉だった。

763 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/17(月) 22:48:58 ID:???
今日はここまでです〜
ソフトバンク……無念……っ。

764 :まとめ人:2005/10/17(月) 22:51:58 ID:???
千葉ロッテばんじゃーい

765 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/17(月) 23:24:11 ID:???
家庭を空け、東開拓の最前線に赴く父が最近見た娘の姿は、まだ抱きかかえられるほど
小さな頃のものだった。

 家庭を空け、東開拓地の最前線へと赴く父の娘に対する愛情時計は、
ずいぶん昔から止まったままだった。

のがいいかな。微妙〜

766 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/18(火) 22:21:18 ID:???
ビッチは、群集をかき分けよってくる影を見つけた。「ジャギ」
「名前もう決めたか?」ジャギが聞いた。
「昨日の夜にね」正確には今日の朝だった。
「聞かせろよ」
「人類最初の足跡、ノースオデッセイ最初の駅をこう名づける――」
 汽笛が鳴った。出発時間の知らせだった。
「ありきたりな名前だな。センスを感じねえ」率直な感想だった。「体に気をつけてな」
「名前を刻むまでは這ってでも生きてやるぜ」今日初めてサングラスをはずした。「じゃあ
な」
固い握手を交わし、ビッチは背を向けた。
 急遽ホームに施工されたレールの上を、最後の歓声とフラッシュを浴びながら、ニュー
フロンティア号はゆっくりと走り始めた。次の入線は数年後の予定である。
 警備員の制止をかわし、ジャギが安全線ぎりぎりのところに立ったまま、帽子を取るし
ぐさをニューフロンティア号に送った。それは鉄道乗りの礼であった。
「……じゃあな、親友」
 秋風涼しい夜、長い旅の軌跡が始まった。

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767 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/18(火) 22:22:31 ID:???
 もう発車予定の無いメインホームは朝の始発に備え始まっていた。
 ほかのマスコミ同様、新人記者のヴィオもワイヤー回収をしながら撤収の準備を進めて
いた。ふと見上げた先に、先輩記者のウィルを見つけた。「まだいたんですか? ここは自
分が片付けますから、先にどうぞ」
「いや、まだ気になることがあるんだ。君、工学得意?」ウィルがニューフロンティア号
の設計図面を片手に、こちらへ寄ってきて聞いた。
「いえ、まったく」ヴィオの専門は修復学だった。「あそこにまだ科学者がいますよ」
 あわただしい会場跡にぽつんと、いまだ席に腰掛けたままの男にウィルは目を向けた。
スーツのラベル部分にねじれ草のバッジをつけており、今日呼ばれた科学者に違いなかっ
た。ウィルは同じく設計図面に目を落としたままの彼の元へ近づいていった。
「ミスター・サイエンティスト。私はアリーナ報道センターのウィル・ジョージアです」
 隣りに腰掛け握手を求めるウィルを振り向き、手を握り返した。
「アイルです」
「それ」ウィルはアイルの手元の図面を示した。「何か気になることでも?」
「いやね、どうしても容量の計算が合わないんで」彼は図面を差し出し、あるページを開
いた。「正直なところ、エクセスはあの列車にはオーバースペックだよ」
「エクセスってそんなにすごいんですか」報道前の下調べでスーパーコンピューターとい
うことだけは知っていた。


768 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/18(火) 22:22:54 ID:???
「世界に三台しかないモンスターマシンだよ。一つは“ミル・カーディナル”を持つフラ
クタル・アカデミー、もう一つはスターリニア社が研究目的で所有しているけど、最後の
一台は最近売られたって聞いていたから、てっきり海洋調査にでも使われていると」
「でも、ニューフロンティア号は今までの最速を大きく上回る速さで平地を走行するんで
しょう? 走行座標の計算とかすごい処理速度が要るんじゃない」
「うん。それはそうなんだけど、エクセスを用いるほどではないよ。宇宙空間を走るのな
ら別だけどね」アイルは否定した。「しかも設計図を見る限り、ほかの小型コンピュータと
全て直列につなげてある。これとさっきみた科学兵器を考えたら、使用する電気量も半端
じゃない」図面にはびっしりと数式が書かれていた。「異常だよ」
「何かもっとすごいものを積んでいるとか? ミサイルとか、荷電粒子砲とか」
「どうかね。兵器に関してはあまり詳しくないんだ。磁場の影響を存分に受けてしまう荷
電粒子砲はともかく、ミサイルや自動迎撃システムなんかは可能性はあるだろうけど」
 周りを気にしながら、ウィルが声のトーンを落として言った。「独自に入手した情報なん
ですけど」場内は騒がしく、聞くものはいない。「実は乗り込んだエンジニア、ポンド・ア
グバヤニは工学の学位を持っているんですよ。しかも光学方面の知識も豊富だそうで、最
近まである中規模の鉄道会社で働いていたんですが」ウィルは紙切れ――給与明細とある
――を取り出し、彼に渡した。「手当て欄を」


769 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/18(火) 22:23:07 ID:???
見ると、〈専門技術手当て〉〈社外活動手当て〉〈その他補完手当て〉〈研究手当て〉とあ
た。アイルは疑問に思った。最初の三つはエンジニア職に相違ないことを示していたが、
最後の〈研究手当て〉は研究職員に当てられるものであり、これはおかしい。さらにアイ
ルはあることに気付いた。「超過勤務手当てがない」これも時間拘束のない研究職員に見ら
れることであり、明らかにポンドは研究員としてこの会社に勤務していたことになる。
「彼、国警の軍部出身なんですよ」ウィルはさらに明かした。「当時から工学の知識があっ
たでしょうし、開発にいた可能性は非常に高いです」ここでいう“開発”とは軍部とあわ
せ、“兵器開発”を指している。
「長期の旅に、あまたいるエンジニアの中から高齢である彼を乗せる理由――」ウィルは
確認をかね聞いた。「何だと思います?」
 アイルはこの記者が何を考えているか察したが、答えはそれをさらに脚色したものだっ
た。
「レーザー兵器は最近の科学兵器の中でも非常に高性能で、特に、小型で、収束率――こ
れが威力を左右する――が高く、命中率――レーザー兵器では威力よりこちらのほうが重
要になる――に優れたものを制御するには、それに見合った能力を持つコンピューター、
そう、たとえばエクセスなどのマシンが必要となる。何か別のシステムと併用するならな
おさらだ」
「レーザー兵器ですか? 旅客鉄道であるニューフロンティア号がそんなものを搭載して
いると……」ウィルは予想以上の衝撃に、思わず言葉を飲み込んだ。
「法や倫理的な問題は別として」科学者は断りを入れた。彼は相手がマスコミであること
を忘れかけていた。「危険な治外圏や荒涼圏を走ることを考えれば、十分良識の範囲といえ
るね。けど」
 図面のあるページを確認したアイルは、最後にこう言った。
「まだ足りないね」

770 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/18(火) 22:25:57 ID:???
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今日はここまでと。
ときたま、段落の頭の一マスが消えてしまっていて読みづらいところがありますが、
ネットという場所の関係上おおめに見てください、、

771 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/19(水) 22:55:07 ID:???
「彼は二つの事柄に対して言ったのです」
「何でわかるのさ」キルは紳士にそう聞いた。
「このやり取りは後からこの記者が載せた記事の中で書かれているのだけど、文脈とアイ
ル・ロレンツ科学者の性格から論理的に考えれば簡単にそう結論付けられるのだよ」
 無論、物事をはっきりさせたがるキルは不満げな表情を浮かべ納得しなかったが、紳士
は続ける。
「極北到達への可能性――彼がこれをどういった計算式から導いたかはわかりませんが、
まだ足りないと考えたそうで」
「もう一つは?」キルが聞いた。
「彼は、また別の計算式から、莫大な容量を食うレーザーシステムを稼動させてもなおニ
ューフロンティア号は全コンピューター制御で走り続けることができる、と考えたわけで
す。ならどうしてマニュアルシステムを組み込んだのか? これも筋道を立てて考えれば
簡単にわかるのです。もちろん単なる予備システムともいえますが、この科学者はコンピ
ューターに多大な負担を与える別のシステム、または管理に多大な容量を必要とする何か
を積載していると予想したのです」詰まることなく紳士は滑らかに語を発音し、プロの語
り手のように話し続ける。「これは正解でした。ニューフロンティア号にはあるものが積ま
れていたのです」
「もったいぶるなよお」キルはせかすが、紳士のゆったりとした振る舞いは変わらない。
何にも動揺しなさそうな、そんな印象だった。
「オーナーであるビッチ・ヴィンセントはそれを〈極北への切符〉と比喩していましたが、
実物をイメージできないほどかけ離れた、センスのないたとえですね。運賃の代わりに受
け取る切符は、客の鉄道に対する信頼を表しているわけでもありますから、確実に極北へ
たどり着くための“信頼の切り札”をそう呼ぶ気持ちも理解できますがね」
「わかった! 量子転送システムだ!」
「残念」紳士はにこやかに否定した。「その頃はまだ量子技術の理論すら不完全なものでし
た。フォーゴッフォン社の株価が高騰するのはまだまだ先ですからね」
 しばらくの間、沈黙が降りた。
「実は極北について、ある程度の予測は議論されており、環境的な脅威よりも人為的な脅
威を警戒していたのです。その脅威へのソリューション――解決策が〈切符〉だったので
す」

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772 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/19(水) 22:55:58 ID:???
「現速度380km/hを保ち、レール走行を続行。首都圏はこのままのんびり行くぜ」操縦を
オートドライバーに任せ、ビッチはウォーターソファーに深々と腰掛けた。
 平均1300メートルの高層建造物群の間を抜けるようにして、周りから明らかに浮いたデ
ザインの《ニューフロンティア号》は中速走行を維持していた。首都圏内はレール走行の
鉄道がほとんどで、浮上式が九割を占めていたが、高速走行の必要があまりない首都圏に
おいては、騒音と振動が極めて少ないことが主な理由となり浮上式鉄道が選択されていた。
そのため、夜の首都圏は波を打ったように静かで、ニューフロンティア号もその静寂を這
うようにして走り、窓にビル群のイルミネーションを映し出していた。
車内も外と変わらず非常に静かで、内部機械動作音がかすかに聞こえるだけだった。ニ
ューフロンティア号の全車両の内壁に『圧縮セラミックス』が埋め込まれており、これが
外の騒音を感知し、自ら振動することでそれを打ち消すシステムになっている。ほかにも、
ニューフロンティア号は “皮膚感覚”を持っており、同じく内壁にはりめぐらされた『光
ファイバー』が“神経”の役割を果たし、コンピューターと連動し損傷を瞬時に発見する。
さらに過酷な走行を想定したこの大陸横断鉄道には表面下に『形状記憶合金』の層があり、
損傷部位をその“筋肉”によって収縮させ、損傷部の拡大を防ぐ。こういった知的材料―
―〈スマートマテリアル〉による乗り物の“生命化”も、鉄道界における近年の高度技術
発展の一片であり、航空業界もその恩恵を受けている。これにより旅客乗物の事故はさら
に減少した。
「きれいな夜景ですね」けん引車両の横窓から見える光景をベルは何のひねりも無く表現
した。「これも当分の間見れなくのかあ……」
「こんな作り出された幻影が吹っ飛ぶような、壮観な光景がこの先もっと見られるさ」
「本当ですか、社長?」ベルは期待感を込め、ビッチを振り返った。
「給与の一部はそれで支給するんだぜ、好きなだけ目に焼きつけな」
 ベルにとっては微妙な冗談だった。

773 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/19(水) 22:56:34 ID:???
「この列車、いつレールから外れるんですか?」同じくソファーに座ったベルが聞いた。
「首都圏の終わりくらいだな。そこまでは既存のレールを走っていく。こんなところでフ
ロンティア号が本気出したら低層の建物が吹っ飛んじまうぜ」首都圏内最速の鉄道は時速
394kmだった。「浮上したら速度を最低でも800 km/hに保たなきゃならない。だから、そ
こまでは車輪で加速するわけだ。マルカム博士に聞かなかったのか?」
「博士の話は難しくて」ベルは大学を出ていなかった。「一生懸命わかりやすいように話し
てくれるんだけど……。機関銃の組み立て構造なら一から知ってるんですけどね」
「鉄道にはリボルバーも弾倉もないからな」――引き金も殺傷力も。
「一般的に、浮上式リニア鉄道は長距離移動向きなんだ。やはりなんといっても浮上式の
魅力は、今や航空機を上回る驚異的な速さを持っているからね。ずば抜けて速い乗り物、
それが鉄道。その中で《ニューフロンティア号》は全鉄道中最速……つまり世界最速って
わけだ」
 鉄道(浮上走行式)……1300 km/h、航空機(旅客機)……1000 km/h、船舶(表面効果
翼船)……840km/hと、速度の平均値をみても鉄道の走行能力は高い。なお、この鉄道の
平均値に現在数両しか残っていない電動モーター式鉄道は含まれていない。表面効果翼船
(自身の巨大で平らな機体から発生する “空気のクッション”から揚力を得ることによ
り、海上すれすれを飛行する、〈表面効果翼〉を持つ高速船)にいたっては音速の壁すら超
えておらず、場所的な優位を得ることで独自の客層を確保する努力をしている。
「正確な気象情報――未開拓部も含むが――を得られるようになれば、航空業界は加速す
るだろうし、海上航行技術が音速を克服できれば魚ものんびり泳いでいられなくなるだろ
うさ。もしかすると何か画期的な、まったく別の移動手段が旅客業界を一変させるかもし
れない。だが今は鉄道が主役だ! 北の果てに最初の足跡を刻むのは俺たちだ」
 ビッチは懐中時計を見て、首都圏脱出が数時間後になりそうなのを確認した。もちろん
想定内である。
「チェスしようぜ」中央の何もない空間に立体映像のチェス盤が出現した。これなら万が
一揺れても――磁場が乱れでもいない限りありえないが――結果にもめることはない。
「あたし、ポンじいちゃんにココア持っていってくる。ずっと最後尾車両にこもったまま
だし」そういってホワイトココアを二つ安定コップ(重力を一定に固定し中身を安定させ
る)に作り、出て行った。
「俺様に勝てるかな? 長考は無しな」言いながら、バンチの立体映像はソファーに腰掛
けるしぐさをした。
「ちっ、手加減しろよ」

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774 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/19(水) 22:56:46 ID:???
 上空3000メートルは静夜の地上に比べ、吹き荒れる突風が耳をつんざくありさまで、揺
れる環境も居心地いいものではなかった。唯一、まばゆく頭上に光り輝く星々が勝る点で
あった。せまい機内は三人で定員いっぱいで、ベガスは下を望遠レンズ越しに確認しなが
ら忍耐強くターゲットを待っていた。すでにここにとどまってから一時間くらいになる。
「ベガス、本当にこの場所でいいのか? ほかの走行灯すら見えんぜ」星光に照らされTV
スターのように映った男がしびれを切らし言った。その男も手に持った望遠鏡と肉眼を交
互に使いながら、ずっと暗闇を移動する一筋上の光点を待ちわびていた。だが眼下は点在
する家の明かりが少しづつ消えていくだけで、特にそれ以外の変化はないままである。
「出発時間がずれ込んだか、速度を落としているんだろう。走路は間違いない。じき来る
さ」ベガスは自信にあふれた言葉でなだめ、また外に視線を戻した。

775 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/19(水) 23:03:01 ID:???
〜今日はここまで〜
やっと半分くらいかな……。説明ばっかですが、自分なりにうまくまとめているつもりです。
ハンタが巻頭カラーで絵がしっかり描かれてましたが、さすがに本誌だと違和感ありますね。
いつもラフ絵だから……、でもわかりやすいし、上手だと思います。
最近D-グレイマンがいい。クロウリーやブックマンがかっこいい・・
でもリナリーが・・・

776 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/20(木) 19:06:56 ID:???
「お前は自分の役割を果たせばいい。ヘマするなよ」とベガス。
「念を押すが、金品には手出すなよ、プラネ? 欲深いやつは見放される世だ」三人目が
さらに付け足した。この男のまだら模様の帽子が、プラネには気に入らなかった。
「犯罪に欲もくそもねえよ。それ自体が天罰に値する愚行だっつーの」
“大列車強盗”は闇夜にとけ込み、数百億リクの最新鋭鉄道を待ち伏せていた。

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777 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/21(金) 00:02:07 ID:???
 個室の扉が開いた。
「それは客車サービスかね」出てきた客が二つのカップを見て言った。「のどが渇いてね」
「あ、はい、どうぞ」ベルは取っ手を向け、カップを差し出した。
「君はここのアテンダントかね? ほかに女性乗員はいないようだが」紳士風の客はそう
聞いてから、純白のココアを一口飲んだ。「なかなか」
「そうです。スペースの関係で余分な人員を雇えなかったんです。首都圏を抜けましたら、
乗員挨拶に参りますので、それまでは夜景をお楽しみください、えーっと……」
「ウェイク、ゴーレッジ・ウェイクだ。この旅を楽しみにしていたんだ」
「失礼しました、ウェイク様。よい旅を」
 一礼し、客車を抜けようとしたベルをウェイクは呼び止めた。
「ミス・ウィンター、君はなぜこの列車に乗ったのかね?」
 聞かれ、ベルはこう答えた。「ロマンだからです」
 ウェイクは笑った。
「まさか女性からそんな言葉を聞くとは思っていなかった。そう、ロマン。旅は時間をか
けて楽しむべし」
 彼は空のカップをベルに返した。「食事をしたいのだが」
「後ろ車両にラウンジがございます。軽食になりますが、あとでお部屋のほうにディナー
をお持ちします」
「ではそれを楽しみにしておこう」ウェイクは部屋に戻っていった。
 客車を抜けると、軽い開拓料理や酒類を楽しめるラウンジバー、エクセスとチェスやカ
ードを楽しめるカジノ風テーブル、走行中の地域を歴史や科学的観点から解説してくれる
イメージヴィジョン、神秘的な姿の深海魚が遊泳する海底アクアリウムなど、快適な旅を
演出するさまざまな娯楽が設置された特別客車に入る。特にラウンジは、蒸留酒、かち割
り石製のいす、流木のトレー、荒野に降り注ぐ星光をイメージした暗い照明、石炭式レー
ル鉄道の模型など、開拓時代初頭の壮観な雰囲気を味わってもらおうというビッチのこだ
わりが表れており、当時の服装をした流れのバーテンダー(の立体映像)がそれを仕上げ
ていた。天井にはプラネタリウムを映し出すこともでき、ここでは数百年前の澄んだ星空
を眺めることもできる。

778 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/21(金) 00:02:29 ID:???
 あとで来よう……そう思いながら、ベルは特別客車を通り抜け、最後尾の護衛車両に足
を運んだ。長さのある二両の護衛車両は、前方の車両が防御を受け持ち、この後方車両が
攻撃を担当している。ベルは詳しくは知らなかったが、攻撃車両は防衛車両よりさらに長
く、かつ頑丈なつくりに見えた。
 入ってすぐに、ポンドが走行中をすごす小部屋があり、客が入ってこないよう見張り小
屋もかねていた。この車両と二両めの護衛車両の扉には電子ロックがかかっており、客は
行き来できないのだが、特にこの車両は厳しかった。壁にはミサイル航空機と同じ材質が
使われ、二つしかない窓には照射レーザーにも数十秒耐えるレアメタル――ジェルレンデ
が埋め込まれており、車両全体が装甲兵器仕様となっている。防衛車両の迎撃システムと
併せ、ニューフロンティア号の安全な走行をサポートする。
「ココアもって来ましたよ」メンテナンスツールが散らかる雑然とした床に、同じように
無作為に転がったポンドを見つけ、低い天井に気をつけながらベルは部屋に入っていった。
部屋そのもののつくりは粗末で、まさに寝るだけといった感じのせまいものだった。明り
も弱い旧式ランプのみで、外の光がいっそう美しく見えた。
「わざわざこんな汚いところに来んでも」ポンドはむくっと起き上がり、大きなツールボ
ックスの下敷きになっていたぺちゃんこのクッションをベルのほうに放り投げた。
「チェス嫌いなんですよ。同じ先を読むでも盤上と現実じゃ違いすぎですし」
「ゲームはゲームとして楽しめ。チェスなんてそんな真剣に考えんでもいい。テンポよく
コマを動かせば素人はあっという間にペースを乱される」ポンドはココアに口にした。甘
いものは好きではなかったが、気持ちは素直に受け取るようにしていた。
「だって負けると悔しいじゃないですか。それに社長チェスめちゃくちゃ強いんですよ?
適当じゃ勝てませんよ」

779 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/21(金) 00:02:58 ID:???
「あいつに勝てんようじゃまだまだ。素人以下だな」ベルは否定するが、ポンドは笑うだ
けだった。彼はもう一方のカップに気付いた。「なんだ、空じゃないか。飲み歩きはいかん
ぞ、ビッチが好まん」
 部屋の隅にある飲料缶を手渡されると、ベルは片指でふたをはじき、老いたエンジニア
を驚かせた。「途中でサービスしたんですよ。あたし、客車アテンダントですから」飲みな
がら缶のラベルを見た。かなり崩した字体でベルには読めなかった。「おいしくない……」
「開拓時代にはよく飲まれた準蒸留酒だ。アルコールはほとんど入っていないがな。子供
にはわからんか」――こっちのココアのほうがいいだろうて――「開拓者たちは度数の高
い純蒸留酒を好んだそうだが、さすがにわしでもあれは飲めんかったな。飲むのは舌がい
かれたアル中だけだ」
 開拓時代。今よりもっと探究心が多かった始まりの地点。どんな風に進む方向を決めた
んだろう。どんな風に地名を決めたんだろう。どんな風景を焼き付けたんだろう――窓の
外を見ながら、ベルは当時をめぐった。
「社長、まだ若いですよね。歳的にあたしのお兄さんくらいかな」ポンドからすればどち
らも子孫だった。「別に会社起こしてまで目指さなくても、北の果てにはそのうち行けそう
な気がするけどな。航空機もまだまだ速くなるっていうし……、あ、ポンじいちゃんは行
きたいよね……極北」
「お互い、残った時間が少ないからな」ポンドはつぶやいた。
「え? お互いって……」その言葉が引っ掛かったが、ポンドはそっぽを向いていた。
「写真や映像で見ても、誰かにみやげ話を聞いても、心から満足しないんだ。どうしても
自分の二つの目でその場所を見てみたい、その場所に行ってみたい、そう思うんだ。まあ
――」
「女にはわからんか、そう言うんでしょう? さっきウェイクさんに言われたし、面接の
ときにも社長に言われました。はいはい、あたしは星を眺めながら、きれいきれい言って
ればいいんでしょ」そういい、窓のほうに寄っていった。

780 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/21(金) 00:03:16 ID:???
「星すらも、女には宝石感覚なんじゃろうな」
「んもう! このかちかち頭は」
 突如、視界が明るくなった。
「あ、きれい……」
 外に広がる光景は、ガラスに乱反射する都会のイルミネーションにも負けない――どこ
かやわらかみのある、包み込むような夜空の下に出現した光のじゅうたんだった。
「光夜平原だ。輝光草がいっぱい吸った星の光をいっせいに発し始めたんじゃ。もうじき
首都圏も終わりかの」
 都心からあまり出たことのないベルは、初めて見る平原の神秘的な姿に心酔し、この先
の旅に意気を鼓舞させた。夜空の星のかけらと合わせ、時は光に支配されていった。
「あれ何?」ベルは空に浮かぶ星団群の中に小さな影を見つけた。それはゆっくりと、視
界の中で大きくなっていった。


------------------------------------区切り----------------------------------

781 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/21(金) 00:03:37 ID:???
「……4……5……6、間違いねえ! ターゲットだ」プラネは興奮し、声を高ぶらせた。
 ベガスはすぐさまスロットル操作でアフターバーナーを点火させ、機体を飛行体勢に転
じた。「フォーリ、平行装置をマックスまでしぼれ」
 言われ、帽子をしっかりかぶり直すと、フォーリは指をコンソールに走らせ、電子表示
パネル上の『平行システム/段階』というゲージが左いっぱいになるまで手元のレバーを
引き上げた。機体は傾きを大きくしながら、光と闇の境を降下し始めた。
「すげえ」深夜になり輝きだした光夜平原は、はるか上空からでもはっきり見えた。まば
ゆい光の集団の中に、かなりの速さで移動していく走行灯がある。
「ドジんなよ」
そういい、ベガスが操縦かんをめいっぱい引くと機体はほぼ垂直を維持したまま、一気
に急降下を開始した。


------------------------------------区切り----------------------------------

782 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/21(金) 00:04:10 ID:???
「ピリオーネ・ベガス!」
 照らされた真紅の機体を見たポンドは、開口一番叫んだ。
「……列車強盗の?」ベルは窓からはっきりと確認できるようになった翼の突き出た小型
飛行船に警戒の視線を送りながら聞いた。
「両翼式の飛行船なんぞ世界に十機とない。真紅の機体ともなれば――」
 言葉を切ったポンドの目には数年前に見た、燃えるような赤い機体に書かれた“レッド
ベガス”の文字が再び映った。
「あのクズめ、またわしの列車を」


------------------------------------区切り----------------------------------


「これでルークは刺したぜ。さあさっさと打てよ」
 盤上で窮地に追い込まれたビッチは、豪華なグラスに入ったクリスタルブラックの液体
を飲み干した。「むう……」
「それ何だよ」バンチが聞いた。
「メモリーにも酒のレシピは入ってねえか」ビッチは少し優越に浸った。「これは開拓者ど
ものパートナーだった純蒸留酒のキャビア割りだ。最近は飲みやすいよう薄める奴もいる
が、こいつは味覚がいかれた間抜けがすることだ。蒸留酒の価値は度数の高さだってのに
よ」ビッチはナイトを攻めさせた。
「飲酒運転かよ。お前に操縦は渡せないな」バンチはすぐにビショップで応戦した。
「あと十杯いっても、ほかの環状ドライバーよりうまく走らせられるさ。鉄道の運転って
のはな――」
 警告音が鳴った。
「上空レーダーに感知、飛行船か?」解析結果をバンチが告げた。
 だしぬけに静かな車内に破砕音が響き、同時に車両が揺れた。チェスの盤が消え、ニュ
ーフロンティア号の縮小立体図に切り替わった。客車両の上部に、翼を持った赤い飛行船
のつめ部分が計六本、深く突き刺さっていた。
「国警に緊急通報! 首都圏なら圏警より早い」同時にマスターシステム盤を操作し、客
室にロックをかけた。これで中からも開けられない。
「ベルはどこだ」


------------------------------------区切り----------------------------------

783 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/21(金) 00:04:28 ID:???
 ベルはベルト部に固定した銃を抜き、カテゴリーキーをインパクト〈超衝撃〉に合わせ
た。
「あたしが出たら、すぐにロックをかけて。緊急回線で国警に通報、念のため圏境警備隊
にも」扉に背を寄りかけながら、保安員である彼女は言った。
「そんな大きな銃、扱えるのかね」
 ベルは暗みの中で白い歯を見せた。「腕力は社長の倍あります」

784 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/21(金) 00:09:18 ID:???
〜今日はここまで〜

これが完結したら、せっかくなんでジャンプ小説大賞に応募してみようと思ってます。
ので、文脈のおかしいところなど見つけましたら教えてください。数箇所は見つけたのですが・・
あとこうしたらいいかも、これはないない、お前ばか? など意見があればぜひお願いします。
書いている本人だと気付かなかったりするんで・・・ご協力たのんます!

785 :名無しさん@また挑戦:2005/10/21(金) 17:38:25 ID:???
>せっかくなんでジャンプ小説大賞
テラスゴスwwwwwwwwww

そんな俺は電撃文庫デブー目指してる

多分無理かもわからね('A`)

786 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/22(土) 00:46:46 ID:???
http://neetsha.com/bbs/up/vip5993.jpg ポンド・アグバヤニ
トレなしで描いてみました。こんなもんですね。本当はにかっと笑顔にしたかったのですが。

電撃は志望者が多いのだったかな? 司法試験と一緒で、無駄に倍率が高いだけです、努力すれば報われるはずです。
お互いプロ作家を目指し頑張りましょう!

作者クオリティアップの為の漫喫への取材と日本シリーズ観戦のため、今日明日尾お休みです〜

ジハードが今から戦闘シーンに移っていきますね。戦闘を表現する技法の一つに、描き込みすぎない、というのを聞きました。
背景もそうなんでしょうが、あえてラフに描くことで迫力が出るとか出ないとか。
ハンタなんかあんな絵でも迫力があると皆さん言ってますね。自分も肯定派です。
確かにほかのバトル漫画に比べ、バトルの雰囲気がリアルタイムで伝わってくる気がしますね。
最近のだとカインや切法士、他誌ですがGBやKYOなんかは、一つのコマにこだわりすぎて、
逆になんと言うか・・・この場面ありき、みたいな。意味不明ですね。
動きのある絵が描けない自分がいうのもあれですが、これを使いこなせればさらなる上達が可能かと思います。


787 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/22(土) 00:49:17 ID:???
意味不明なのは自分の言葉です。カインはファンでした、内水先生頑張れ!
ついでに阪神頑張れ! 球児頑張れ! 

788 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/25(火) 20:13:50 ID:???
http://neetsha.com/bbs/up/vip6048.jpg ベガス
ペン入れ失敗。修正が面倒なのでこれでよしと。
書けないときは気分転換しないと・・・駄目なときは何をやっても駄目。

789 :まとめ人:2005/10/25(火) 20:43:37 ID:???
阪神死亡m9

790 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/29(土) 00:45:09 ID:???
来年はぜひ、巨人×ソフトバンク実現を・・・

プラネテスを読み終えました。マガジンで連載されていたヴィンランド・サガのが先見だったので、
ずいぶん印象が違ってみえました。青年誌とか少年誌とかでなく、純粋に作品の完成度が異なるような、そんな感じです。
で、感想を・・・
キャラ作りがグッド、リアリティのある世界観、宇宙という最高の素材をうまく生かした作品だと思います。
ただ、全体的に物語の連続性がなかったというか、最後は「え、こんなんでおしまい?」ってな感想を持ちました。
青年誌の漫画はあまり読まないのですが、こういうものなのかな? 少年誌とはまた違いますよね。
しかし久々にいい漫画を読んだな、としみじみ思いました。好きに描ける? 青年誌でまた頑張ってください。


791 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/29(土) 23:59:53 ID:???
特別客車の演出上の暗さは、彼女に潜むものの感覚を久々に思い出させた。古木で作ら
れたバーカウンターの影に身を落とし、ひざをつきながら耳をとがらせる。先頭車両では
気付かなかったが、車輪が金属製のレールを転がる、うめくような低音が聞こえる。そう
か、まだこの列車は地を這っているんだ。
 長い車両内にパンパンに膨らませた紙袋を破裂させたような音がこだました。強化ガラ
スを破壊するためのショットボム、ベルはそうにらんだ。
「バンチ、いる?」
静かにささやいたベルへの反応は、コンピューターらしく早かった。「なんだい」
バーカウンターの中に映し出されていた映像がそのまま通り抜け、彼女のそばに寄って
きた形となり、そのしゃれた古いセンスのバーテン姿が笑みを誘った。
「状況」ベルは事務的な口調で聞いた。管理システムであるバンチの意識は――機械に対
しこういうのはおかしいが――車両全体隙間なくどこにでもあり、構造上全体を把握しづ
らい鉄道内の警戒には、彼の利便性は計り知れない。
 ベルの目前にフロンティア号の立体縮図が現れた。客車上の不審飛行船のほか、それに
伴う損壊を伝える〈皮膚センサー〉の反応や、客室の強制ロック作動などが表示され、速
度は355 km/hを示している。
「さっきもビッチに説明したんだけどな」バンチは不満を表現した。「侵入者は二人、屋根
に一人。車内の奴は顔を確認したけど、強盗の例に漏れず不細工だぜ。今その二人につい
て中央政府に照会中だが、国警にもデータあり。何が知りたい?」
「名前と、軍歴もしくはそれに近い集団での従事経験の有無」

792 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/30(日) 00:00:19 ID:???
 検索項目――〈名称/軍/国警/圏警/政府機関〉
 データ受信、全て解析完了、ウィルス等確認せず。
「ソイ・プラネ、レミング・フォーリ、ともに銃職経験なし、外縁圏出身のただの犯罪者
だ。指名手配中だけど、どっちも車すら買えない額だね。政府のデータも似たもんだろう」
「もう一人は」
「顔とか指紋とかわからないと無理だよ。屋根の上にもレンズつけるべきだったね」
「そうね」ベルは同意した。「ピリオーネ・ベガスで探してみて」
「了解」バンチは先と同じ経路でアクセスを開始し、先と同様の手順を踏んだ情報は意外
に軽いものだった。「あれ、国警に該当データなし、か。……てことは、治外圏の人間かね」
 政府管理データアクセス――検索〈ピリオーネ・ベガス〉
 該当しました。
 該当データは中央政府管理下です、アクセス者データ開示が必要です。
 入力――ヴィンセント鉄道、メインシステムfeh-Z99-BNC。
 照会――正当データ確認。当者の閲覧が許可されました。
「やはり治外圏出身だったね」治外圏の犯罪者データは、国警から政府に管理が移る。彼
らの中には破壊活動組織員など重要な人物が多く含まれ、すでに制圧活動は圏境警備隊の
手にゆだねられている。戦闘が日常にとけこんでいる治外圏には、警備隊でないと対応で
きない凶悪な犯罪者どもが巣くっており、犯罪者でも見ることのできる国警のデータベー
スには載せることができないのだった。「列車専門の強盗で、首はさっきの二人の十倍額。
軍歴等はないけど、警戒すべきだね。こいつ治外圏下でも相当やらかしてるよ。政府官の
名で警告文があった。
“該当犯罪者の思想、精神状態はきわめて危険で常軌外である。警告段階こそ最高目には
達しないが、そのほうの専門の者以外は手出し無用である。接触の場合、速やかに国警お
よび圏境警備隊に通達し、安全の確保を第一とすること”
と申しておりますがいかがなさいます、嬢」
 ベルは客車への扉を警戒し銃を構えたまま、押し黙った。車内の二人は素人。ベガスに
施しを受けているかもしれない。だがちゃんとした機関で訓練を積んだわけではない。
取るに足らない。

793 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/31(月) 22:30:12 ID:???
「下二人の現在位置を」
「まずは消毒っすね」立体図に人型の黒い影が二つ現れた。「それぞれ、侵入した客車の客
室扉の前につっ立って動いていない。物陰に隠れる様子もないし、やっぱり素人だね」
 どうだろう。ベルは優秀なコンピューターの結論をいぶかった。まあ相手が素人だろう
がプロだろうが、バンチにそれを判断させることに意味はない。自分にとって重要なので
ある。今から排除すべき侵入者――破壊対象は紛れもなく警戒に値する。
 一人を上に残す理由。警戒しているのか。だが、これまで幾度も強盗を働いている辣腕
の犯罪者が、政府に近い首都圏でこんなにのんびり慎重になるだろうか。ベテランの犯罪
者――これは常人にとってうれしいことではないが――になるほど、実際の手口はシナリ
オのように鮮やかなものとなる。それは過剰なまでの事前の入念な計画によってなされる
ものだが、今彼らにそういった側面での俊敏な行動は見られない。傍目からすれば、今初
めてこの列車に入り込み――内部構造を把握していることを前提とするパーフェクトプラ
ンを立てるプロの犯罪者にこれは当てはまらない――これから起きるであろうことを侵入
者の視点から予想しながら、ルーティーン通りに人を分散させただけの初犯強盗に映るだ
ろう。まずプロの犯罪者は、必要以上に同じ場にとどまりはせず自分の位置を把握させな
いよう配慮するし、警備側からの視点で物事を考えるだろう――こちらからすれば物陰に
隠れられているほうが、たとえその位置を知っているとしても厄介である。そしてポンド
の話とバンチのデータから、ベガスはプロである。こちらの情報はもれなく調べつくして
いるに違いない。
「おっ、ビッチが呼んでる、いくぜ。頼むよ」
 一人になり、また静かになった。レール音が刻むリズムが変わるのにベルは気付いた。
バーカウンターの影に座り込んだ低い位置からでも、窓から差し込む光が床に彫りだした
細い影が流れていくのがわかる。首都圏と外縁圏の境河を貫く《スネーク・ブリッジ》。時
速350キロだから、通過に約20分。中央付近を除いて島や砂州はほとんどないから、空か
らでも浮遊物は見つけやすい。「ちょうどいい」

794 :hamada ◆/I03giEWww :2005/10/31(月) 22:30:30 ID:???
 ベルは一つ深呼吸をすると、低い体勢のままアクアリウム水槽の影まですばやく移動し
た。僅か数秒の距離だが、いつあの客車へと続く扉が開いてもおかしくない。警戒しすぎ
るということはない。不気味な目無魚を横目に、次いでイメージヴィジョンのコンソール
を経由し、車両前部までたどり着いたベルは扉に平行する壁に肩口から張り付き、銃を逆
の肩のところに構えながら、扉の窓に顔だけを乗り出し客車内部を探った。一人は学生が
着ていそうな灰色のショート・トレンチを着込み、片手に銃を、もう一方の手をコートの
ポケットに突っ込んだまま、警戒というには粗末なまなざしを配らせている。奥の銀色の
銃――おそらく近距離用のクイックガン――を持った白いスーツの男は、深々とかぶった
まだら模様の帽子の影から目を前方車両へと送っており、また手前の男に目線を戻しなが
ら何かつぶやいた。そうすると、奥の男は乗務員車両へと入っていった。手前の男はそれ
を補う形で、車両の中央へと歩き出す。やはり素人か、背後は警戒していない。
 ――よし。ベルは銃のセーフティレバーが下りているのをもう一度確認すると、脱いだ
靴をその場に残したまま、雪の結晶を扱うようにそっと扉をスライドさせ、隙間から男が
見ていないことを確認し、さっと客車に滑り込んだ。すぐ客室と通路の間に身を隠すと、
開いたままの扉に目をやった。橋にカーブはない、男が振り返らない限り気付きはしない。
ベルは男が振り向く気配がないのを見計らい、手早く扉を閉めた。少し音がしたが、20メ
ートル先の男には聞こえていないと、ベルはほっとした。何もここまで慎重にならずとも
よいとも思ったが、こういったことは彼女自身の潜在的日常行為であり、政治家が絶えず
浮かべる笑みやスポーツ選手が日々行う筋トレなどと変わらないもので、これでいいんだ
と自分に言い聞かせた。これでいい。

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